2015年9月17日木曜日

高血圧治療:黒人にはACE阻害剤つかうことなかれ?

本来はコストとエビデンスの質と量から言えば、ACE阻害剤処方が圧倒されるべきなのだが、アジア人種はACE阻害剤による咳嗽比率が高く、44%と約半数ちかくに副作用出現し、臨床の場では使いにくい薬剤となっている一方、逆に肺炎抑制効果を示す報告がある。アジア人種に於けるスペキュレーション必要だが、なんせ薬剤が古いので製薬メーカーにたかってる日本の研究者には期待できない・・・



高血圧初期治療オプションとして黒人ではACE阻害剤使用を避けるべきとされている。
http://www.medscape.com/viewarticle/407776_1




臨床トライアルでは、黒人では白人に比べ、ACE阻害剤ベースのレジメンのベネフィット落ちることが示唆されてはいるが、臨床トライアルでは確認されてないといいながら、コホート43万4656名臨床トライアル後顧的評価。

評価アウトカムは、全原因死亡、卒中、急性心筋梗塞組み合わせを、Black-ACE、Black-NoACE、White-ACE、White-No-ACEに分けて比較



Comparative Effectiveness of Angiotensin-Converting Enzyme Inhibitor-Based Treatment on Cardiovascular Outcomes in Hypertensive Blacks Versus Whites
Gbenga Ogedegbe, et. al.
J Am Coll Cardiol. 2015;66(11):1224-1233. doi:10.1016/j.jacc.2015.07.021


新規ACE阻害剤使用 59,316、黒人 47%
ベースライン特性はInverse probability of treatment weighting (IPTW)法補正で同等。

組み合わせアウトカムにて、人種治療interactionは有意に存在 (p = 0.04); 黒人のACE 阻害剤使用は、心血管アウトカム悪化と相関  (ACE vs. NoACE: 8.69% vs. 7.74%; p = 0.05) 、しかし白人ではそうではない(6.40% vs. 6.74%; p = 0.37).

同様に、黒人ACEグループは、黒人ACEーNOACE群に比べ、AMI高率  (0.46% vs. 0.26%; p = 0.04)、卒中高率 (2.43% vs. 1.93%; p = 0.05)、うっ血性心不全高率 (3.75% vs. 2.25%; p  < 0.0001)

しかし、Black-ACE群はWhite-ACE群より副作用影響発症多くない







上図は相対比較なので、変な妄想をおこさないように・・・





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