2017年6月26日月曜日

身体活動性と認知症発症リスク:関係ない! 身体不活発は認知症前の徴候に過ぎない

中等度・強度 身体活動性時間数減少は認知症診断9年前からはじまる・・・という報告にするのか? あるいは、前駆症状として中等度以上運動を控えるという報告にするのか ?

筆者等の結論は
Previous findings showing a lower risk of dementia in physically active people may be attributable to reverse causation—that is, due to a decline in physical activity levels in the preclinical phase of dementia. 
身体活動活発なヒトは認知症リスク低いというものであったが、これは単に認知症の臨床症状発現前の身体活動性低下を示すに過ぎないというもの



ロンドン Whitehall II study


Physical activity, cognitive decline, and risk of dementia: 28 year follow-up of Whitehall II cohort study
BMJ 2017; 357 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.j2709 (Published 22 June 2017) Cite this as: BMJ 2017;357:j2709

平均27年間前向きフォローアップ、認知症発病 329/ 10,308名(35-55歳) 1985-88登録開始

軽度、中等、強度の経過時間、総身体活動性時間を、1985年から2013年の間に、7回評価。推奨中等度〜強度身体活動時間を2.5時間以上/週とする


主要アウトカムは、認知試験batteryで、1997から2013年までの4回施行、2015年認知症発症(病院、精神科、死亡レジストリと結合)


混合モデル解析で身体活動とその後の15年間認知機能低下と関連性認めず

Cox回帰にて平均27年フォローアップでも身体活動と認知症リスクの相関性認めず
(推奨身体活動性カテゴリーにおけるハザード比  1.00, 95% 信頼区間 0.80 to 1.24)

診断前28年間、10年間 総数、軽度、中等度、重度身体活動trajectoryに於る、差を認めず

診断9年前から身体活動低下し始め(中等度・強度身体活動性差 −0.39 時間/週; P=0.05)、診断時に差は著明となる  (−1.03 時間/週; P=0.005)







2017年6月24日土曜日

慢性咳嗽:住民レベル、個別患者レベルのリスク要素


コペンハーゲンの住民レジストリ研究


8週間を超えての咳嗽、すなわち、慢性咳嗽
Leicester Cough Questionnaire(LCQ)にて重症度評価
http://kaigyoi.blogspot.jp/2013/08/blog-post_9.html
>
人口寄与危険度:PAR, population attributable risk

Risk Factors for Chronic Cough Among 14 669 Individuals from the General Population
Yunus Çolak,  et al.
Chest. 2017. doi:10.1016/j.chest.2017.05.038
http://journal.publications.chestnet.org/article.aspx?articleid=2634640

一般住民での慢性咳嗽有病率は、全てで4%、非喫煙 3%、 喫煙既往 4%、 現行喫煙 8%

LCQスコア
  • physical domain : 中央値 5.8 ( 25,75パーセンタイル: 5.0 - 6.3 )
  • social domain : 6.3 ( 5.5 - 6.8 )
  • total : 17.3 (15.4 - 13.9)

個別レベルの検討 年齢補正ORs三大ランク・リスク要素

非喫煙者
  • 気管支拡張:5.0(95% CI:1.4-18) 
  • 喘息:2.6(1.7-3.9)
  • GERD:2.3(1.5-3.4)

喫煙既往
  • 気管支拡張:7.1(2.6-20)
  • 喘息:3.1(2.2-4.4) 
  • 粉じん/ヒューム:2.2(1.5-3.2)

現行喫煙
  • 気流制限:1.9(1.3-2.9)



地域レベルでは

非喫煙者
  • 女性 PAR:19%
  • 喘息 10%
  • GERD 8%
喫煙既往
  • 腹部肥満 20%
  • 低所得 20%
  • 喘息 13%
現行喫煙
  • 気流制限 23%











2017年6月22日木曜日

【呼吸器】6分間歩行距離試験後心拍回復程度は COPD急性増悪予後の強力な推定因子

多施設前向き  101名のCOPD、 FEV1 (SD) 53 (19)% predicted

6分間歩行距離試験後のHRR1:心拍差(試験終了とリカバリー後1分)
この指標が予後推定に繋がるか?



Heart Rate Recovery After 6-min Walking Test Predicts Acute Exacerbation in COPD
Rodríguez, D.A., Kortianou, E.A., Alison, J.A. et al.
Lung (2017). doi:10.1007/s00408-017-0027-0


6MWT(m)とDLco(%予測値)は、HRR1と独立して相関 (r2 0.51, p = 0.001)
いくつかの潜在的寄与要素間において、HRR1は、COPD急性増悪に関する最強予測要素(オッズ比 [OR] 0.91 / 回復心拍あたり ;95% 信頼区間 [CI] , 0.86 - 0.97 ; p =0.02)

ROC解析にて、HRR1 14心拍未満では フォローアップ期間中急性増悪になりやすい (HRR1 p = 0.004 [log-rank test] )







歩行試験後1分後の心拍測定はモニターでの測定だろうか?
SpO2モニターで同時に測定している場合簡便に測定できるので良い指標と思う



2017年6月21日水曜日

慢性腰痛:ヨガの効用




Ann. Int. Med.誌で報告された、慢性腰痛疼痛・機能(RMDQ)へのヨガの効果に関して
physical therapy(PT)比較の非劣性報告

Saper R, Lemaster C, Delitto A, et al. Yoga, physical therapy or education for chronic low back pain: a randomised noninferiority trial. Ann Intern Med2017;(Jun). doi:10.7326/M16-2579.
http://annals.org/aim/article/2633222/yoga-physical-therapy-education-chronic-low-back-pain-randomized-noninferiority



Cochrane Review報告

小規模短期効果研究だが、Cochrane reviewにてエビデンスの結論
12のランダム化研究のシステマティック・レビュー要約で、1080名男女34−48歳慢性非特異的back pain対象、米国 7、インド 3、UK 2の実行国
運動無しとの比較 7、 3つはbacck focused exerciseとの比較、2つはヨガ vs 運動せず vs 自己ケアbook
結論は、運動なしに比べ、ヨガ実行により、6ヶ月時点での小程度〜中等度の腰部関連機能改善( 標準化平均差 -0.44 95%CI, -0.66 to -0.14)  認め、evidenceとしてはmoderate certainty
疼痛軽度改善も3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月時点で認めているが、事前設定臨床的有意値に合致したeffect sizeを認めてない
また、他のヨガ以外の運動との比較では背部関連機能・疼痛に関して差を認めず、エビデンスも低レベルのcertanityであり、バイアス・一致性のなさ・不正確性あり
副事象報告は約5%だが、他の腰focus運動療法と同程度
トライアル全部にバイアスリスク高く、被検者と指導側にブラインドされておらず、アウトカムも自己評価である。

Wise J. Yoga may improve symptoms of lower back pain, says Cochrane review. BMJ2017;357:j183. doi:10.1136/bmj.j183 pmid:28082371.
http://www.bmj.com/content/356/bmj.j183.long




ちゃんとした指導受けないと危なそうだが・・・


スタチン:糖尿病リスク 運動能力の高い場合影響無し






Relation of Exercise Capacity to Risk of Development of Diabetes in Patients on Statin Therapy (the Henry Ford Exercise Testing [FIT] Project)1
Gabriel E. Shaya, et al.
The American Journal of Cardiology
DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.amjcard.2017.05.048

運動能力(EC)の高さは、糖尿病リスク低下に関連するが、スタチン治療は糖尿リスク増加と相関する。ECと糖尿病の関連性がスタチン治療で修飾されるか?
後顧的コホート:47,337名の糖尿病無し・冠動脈疾患無しのベースライン状態対象者、年齢53±13歳、女性48%、白人 66%)、トレッドミル負荷試験(Henry Ford  Health System)を施行(1991年1月1日〜2009年5月31日)

 患者はベースラインスタチン治療と運動負荷テスト中推定ピークMETs <6 6-11="" br="">

フォローアップ期間中央値 5.1年間(IQR 2.6 - 8.2 年間) 6921名の新規糖尿病(14.6%)

スタチン群に比べ、非スタチン群は、到達平均METs 高値 (8.9±2.7 vs. 9.6±3.0 ; p < 0.001)
寄与要素補正後、EC高い場合、糖尿病発症リスク低値でスタチン使用に反応せず  (P-interaction=0.15)
1−MET増加毎、コホート全体で8%、スタチン非使用 8%、 スタチン群で6%それぞれリスク減少と関連 (95% CI, 0.91-0.93, 0.91-0.93, 0.91-0.96 ; P< 0.001 for all)

運動能力の高い場合、スタチン使用状態にかかわらず糖尿病発症リスク低下
この治験は、運動能力の高い場合、スタチン治療患者においてその継続性について糖尿病リスク安全性を担保する




  HR (95%C1)
  METS<6 eference="" mets="" nbsp="" td=""> 6-9 METS  10-11 METS METS ≧ 12 Per 1 MET
(continuous)
Total Cohort
(n=47,337)
1.00 0.96 (0.90-1.04) 0.77 (0.71-0.83)* 0.45 (0.41-0.50)* 0.92 (0.91-0.93)*
No Statin
(n=40,380)
1.00 0.99 (0.92-1.08) 0.78 (0.72-0.85)* 0.45 (0.40-0.50)* 0.92 (0.91-0.93)*
Statin (n=6,957) 1.00 0.86 (0.73-1.01) 0.75 (0.62-0.90)* 0.51 (0.40-0.66)* 0.94 (0.91-0.96)*
Stratified by statin propensity score          
Quintile 1 1.00 1.40 (0.98-2.01) 0.94 (0.66-1.34) 0.55 (0.38-0.80)* 0.90 (0.88-0.93)*
Quintile 2 1.00 0.7S (0.60-0.94)* 0.60 (0.48-0.75)* 0.36 (0.28-0.46)* 0.90 (0.88-0.92)*
Quintile 3 1.00 0.9S (0.80-1.13) 0.76 (0.64-0.91)* 0.4S (0.36-0.56)* 0.92 (0.90-0.94)*
Quintile 4 1.00 0.83 (0.73-0.95)* 0.6S (0.56-0.75)* 0.41 (0.34-0.50)* 0.92 (0.90-0.94)*
Quintile 5 1.00 0.97 (0.86-1.09) 0.80 (0.70-0.92)* 0.S6 (0.45-0.70)* 0.9S (0.93-0.96)*



peak METs 12以上とはどの程度?
http://www.nibiohn.go.jp/files/2011mets.pdf
12080 11.5 ランニング (running) ランニング:12.1km/時、201.1m/分 (running, 7.5 mph (8 min/mile))
12090 11.8 ランニング (running) ランニング:12.9km/時、214.5m/分 (running, 8 mph (7.5 min/mile)) 
12100 12.3 ランニング (running) ランニング:13.8km/時、230.6m/分 (running, 8.6 mph (7 min/mile)) 
12110 12.8 ランニング (running) ランニング:14.5km/時、241.4m/分 (running, 9 mph (6.5 min/mile))
12120 14.5 ランニング (running) ランニング:16.1km/時、268.2m/分 (running, 10 mph (6 min/mile))
12130 16.0 ランニング (running) ランニング:17.7km/時、295.0m/分 (running, 11 mph (5.5 min/mile))
12132 19.0 ランニング (running) ランニング:19.3km/時、321.8m/分 (running, 12 mph (5 min/mile))
12134 19.8 ランニング (running) ランニング:20.9km/時、348.6m/分 (running, 13 mph (4.6 min/mile))
12135 23.0 ランニング (running) ランニング:22.5km/時、375.4m/分 (running, 14 mph (4.3 min/mile))


自信ないなぁ

2017年6月17日土曜日

気道表面粘膜糖濃度:あらたな呼吸器感染症標的?


Airway glucose homeostasis: a new target in the prevention and treatment of pulmonary infection
Emma H. Baker,  et al.
Author and Funding Information
Chest. 2017. doi:10.1016/j.chest.2017.05.031
http://journal.publications.chestnet.org/article.aspx?articleid=2633006

気道表面粘膜液(ASL)の血糖濃度 0.4 mM、下気道より12倍ほど濃度が高い
気道上皮同士のtight junctionは、paracellular glucose movement: 傍細胞糖透過性を制限し、気道上皮細胞外ブドウ糖輸送および代謝によりASLよりブドウ糖が除去される。ASLブドウ糖濃度が低い状況は、感染に対して防御的で、細菌増殖を防ぐ意味でも重要である 
気道炎症は、tight junctionのブドウ糖透過性を亢進させ高血糖へする一方、経上皮ブドウ糖勾配を増加し、ASLのブドウ糖濃度増加となる。黄色ブドウ球菌、緑膿菌、グラム陰性菌を含む細菌が増殖のための炭水化物栄養源として利用。
慢性肺疾患急性増悪で重要、特に、糖尿病併発の場合に顕著 
メトホルミンなどのtight junctionの透過性減少する作用、ベータアゴニスト、インスリンなどの上皮細胞ブドウ糖輸送を促進する作用、ダパグリフロジンのような血糖降下作用で気道ブドウ糖ホメオスタシスを改善する可能性有り

細胞培養・動物モデルでのASLブドウ糖濃度減少と細胞増殖抑制は確認されている。
ヒト観察研究ではブドウ糖への影響を与える薬剤で慢性肺疾患急性増悪予防効果示されているが、ランダム化トライアルで検証可能なら必要。










ヒトの検証に関しては


Philips BJ, Redman J, Brennan A, Wood D, Holliman R, Baines D, Baker EH. Glucose in bronchial aspirates increases the risk of respiratory mrsa in intubated patients. Thorax 2005;60:761-764

Alsayed S, Marzouk S, Mousa E, Ragab A. Bronchial aspirates glucose level as indicator for methicillin-resistant staphylococcus aureus (MRSA) in intubated mechanically ventilated patients. J Egypt Soc Parasitol 2014;44:381-388. 



バイオセンサーなどで簡単に測定できれば 良いのだが・・・
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/FEATURE/20150218/404807/?ST=health&P=2

2017年6月14日水曜日

サプリメント・カルシウム摂取は冠動脈石灰化、心血管イベント悪化をもたらす

日本人の根底に「善玉」「悪玉」の二分割表現がすきらしい ・・・「善玉コレステロール」、「善玉菌」など客観性が必要な学問であるはずの「医学」の世界に入り込んだ衆愚概念。 

かくして 偏った考えが固着する
  • ・善玉”A”という成分が入っている食物Bはきっとからだによいはず・・
  • ・善玉”A”を効率的に摂取するにはサプリメントを購入し摂取すれば良いはず・・・


「高カルシウム血症」は比較的日常診療で遭遇し、ビタミンDやPTHなど測定しその原因精査をすることは珍しいことではない。そのときに「高カルシウム血症」を説明すると患者は当惑したように「カルシウムは高いことは悪いことなのですか」 と質問してくる。

事ほどさように、「カルシウム=善玉」が世間に広まっているようで、困ったもの



合理的結論は、カルシウム高摂取したければ、サプリメントで取るよりカルシウム含有食品で摂取すること。
 From a cardiovascular perspective, dietary calcium intake by eating foods high in calcium appears safer than calcium loading with supplements.

「食品  ≠ サプリメント」



 Calcium supplementation and cardiovascular risk: A rising concern
Aurel Tanekeu ,et al.
JCH  First published: 2 May 2017Full publication history
DOI: 10.1111/jch.13010  View/save citation
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/jch.13010/full


カルシウムサプリメントと心血管リスクの関連性
適切なカルシウム摂取は骨の健康やいくつかの生理学的機能にとって重要であることが言うまでも無いが、カルシウム・サプリメントの健康への影響は議論の余地があるところだ。

Xiao らの50−71歳38万8千名ほどの男女での前向きコホートではカルシウム 1000mg/日超投与で、12年感フォローアップ・心血管死亡 リスク増加(多変量相対リスク [RR] 1.20 , 95% CI 1.05, 1.36)、Yangらの13万3千ほどの前向き研究、17.5年間において男女合わせたときの全死亡ではリスク増加関連認めなかったが、男性において、カルシウムサプリメント1000mg/日超投与で全原因死亡率増加y (RR, 1.17; 95% CI, 1.03–1.33)、心血管特異的死亡率増加 (RR, 1.22; 95% CI, 0.99–1.51)。女性では総カルシウム摂取量と死亡率の逆相関。

カルシウム・サプリメントと冠動脈石灰化
寄与要素補正後5分位による冠動脈石灰化(CAC)発症相対リスクは、参照群を1として 0.95 (0.79–1.14)、1.02 (0.85–1.23)、 0.86 (0.69–1.05)、 0.73 (0.57–0.93)。総カルシウム摂取量は長期フォロ−アップでは動脈硬化リスクを減少するのかもしれない。一方、サプリメントとしてのカルシウムに関してはCAC発生を22%増加する  (RR, 1.22; 95% CI, 1.07–1.39)

 Anderson JJ, Kruszka B, Delaney JA, et al. Calcium intake from diet and supplements and the risk of coronary artery calcification and its progression among older adults: 10-year follow-up of the Multi-Ethnic Study of Atherosclerosis (MESA). J Am Heart Assoc. 2016;10:5(10).
 
 Liらの報告だと、11年間フォローアップにて、カルシウムサプリメント使用は統計学的有意に心筋梗塞リスク増加 (HR, 1.86; 95% CI, 1.17–2.96)、サプリメントのみ強く関与  (HR, 2.39; 95% CI, 1.12–5.12).

 Li K, Kaaks R, Linseisen J, Rohrmann S. Associations of dietary calcium intake and calcium supplementation with myocardial infarction and stroke risk and overall cardiovascular mortality in the Heidelberg cohort of the European Prospective Investigation into Cancer and Nutrition study (EPIC-Heidelberg). Heart Br Card Soc. 2012;98:920-925.

米国糖尿病学会のSNS封殺

医学総会などの学会で会員原則とは言いながら多数の前で公開された発表の内容に関し、広く医学的議論を行うようソーシャルメディアに公開することってそんなに問題なのだろうか?

確かに、著作権上の問題はあるが、医学上の議論は、それ以上の公益性があると思うのだが・・・


ADAからのTwitter警告文
"Thanks for joining us at #2017ADA! Photography isn't allowed during presentations — we'd appreciate it if you would delete this tweet," reads a typical Twitter response from the ADA's official handle, @AmDiabetesAssn.
これが議論になっている

http://www.medscape.com/viewarticle/881418

文中のDr. Gibson
"The refusal of the American Diabetes Association to allow sharing of publicly presented content is out of step with the policy of other medical societies that have embraced social media to the benefit of both patients and healthcare providers alike," 
患者・医療関係者へのベネフィットを阻害するものである


NEJMなどの雑誌は、medical conventionからのtweetを勧め、NEJMガイドラインでは
 "Online posting of an audio or video recording of an oral presentation at a medical meeting, with selected slides from the presentation, is not considered prior publication."

ADAはデータや教育的方向性を独占維持使用とする非倫理的権威主義的姿勢だと、多くから批判されている



日本糖尿病関連学会だけじゃなくあまねく医学関連学会全般にガイドライン作成など見ると独善的に感じますけどね。形上一般の意見を募集するが無視がデフォルトだし・・・


2017年6月13日火曜日

Pokémon GO と若者の身体活動性亢進

Pokémon GO は既に若者からは飽きられているという情報

ポケモンGOの熱の中心は、当初の若年層から中高年層に移っているのは明らかhttps://mantan-web.jp/2017/06/02/20170601dog00m200074000c.html

以下若者とポケモンGoは、up to dateとは言えない状況・・・



An Initial Evaluation of the Impact of Pokémon GO on Physical Activity
Ying Xian,  et al.
https://doi.org/10.1161/JAHA.116.005341
Journal of the American Heart Association. 2017;6:e005341







pubmed検索すると、”Pokémon GO "に関する報告多数ある
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=Pok%C3%A9mon+GO


中高齢者で検討すべきですね・・・ 代謝指標や心血管イベントなどを含め・・・






CANVAS: 下肢切断リスク増加

カナグリフロジン(商品名:カナグル)存亡の危機?




心血管高リスク・2型糖尿病患者対象の2つのトライアル

総数10,142名の高心血管リスク2型糖尿病


ランダムにカナグリフロジン vs プラシーボ
平均188.2週間フォローアップ


Canagliflozin and Cardiovascular and Renal Events in Type 2 Diabetes
Bruce Neal, et al. , for the CANVAS Program Collaborative Group
June 12, 2017DOI: 10.1056/NEJMoa1611925
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1611925



下肢切断リスクと心血管イベント減少効果ベネフィット
プライマリアウトカム<心血管死亡・非致死性MI、非致死性卒中>
1000人年 26.9 vs 31.5 ;ハザード比 0.86 ; 95% 信頼区間 [CI], 0.75 to 0.97

下肢切断リスク
1000人年 6.3 vs 3.4   ;ハザード比 1.97 ; 95% 信頼区間 [CI], 1.41 to 2.75




-->
Table 2. Adverse Events.*      
Event Canagliflozin Placebo P Value}-
  event rate per 1000 patient-yr  
All serious adverse events 104. 120.0 0.04
Adverse events leading to discontinuation 36. 33. 0.07
Serious and nonserious adverse events of interest
recorded in the CANVAS Program
     
Acute pancreatitis (adjudicated) 0.5 0.4 0.63
Cancer      
Renal cell 0.6 0.2 0.17
Bladder 1.0 1. 0.74
Breast 3. 3. 0.65
Photosensitivity 1.0 0.3 0.07
Diabetic ketoacidosis (adjudicated) 0.6 0.3 0.14
Amputation 6. 3. <0 .001="" font="">
Fracture (adjudicated)*      
All 15. 12. 0.02
Low-trauma 12. 9. 0.06
Venous thromboembolic events 2. 2. 0.63
Infection of male genitaliaS 35. 11. <0 .001="" font="">
Serious and nonserious adverse events of interest collected in CANVAS alone      
Osmotic diuresis 35. 13. <0 .001="" font="">
Volume depletion 26.0 19. 0.009
Hypoglycemia 50.0 46. 0.20
Acute kidney injury 3.0 4. 0.33
Hyperkalemia 7. 4. 0.10
Urinary tract infection 40.0 37.0 0.38
Mycotic genital infection in women 69. 18. <0 .001="" font="">
Severe hypersensitivity or cutaneous reaction 9. 6. 0.17
Hepatic injury 7. 9. 0.35
Renal-related (including acute kidney injury) 20. 17. 0.32




* Analyses were performed on data from the on-treatment data set (patients who had a safety outcome while they were  receiving canagliflozin or placebo or within 30 days after discontinuation of the drug or placebo), except for fracture,  amputation, cancer, and diabetic ketoacidosis outcomes, which included all events at any time point in all patients who  underwent randomization and received at least one dose of canagliflozin or placebo. P values were estimated from Cox regression models.

2017年6月12日月曜日

非インスリン投与2型糖尿病でのSMBG(自己血糖測定)は、血糖コントロールに役だたない

第77回ADA、同時オンライン出版文献

Glucose Self-monitoring in Non–Insulin-Treated Patients With Type 2 Diabetes in Primary Care Settings A Randomized Trial
Laura A. Young, et al.; for the Monitor Trial Group
JAMA Intern Med. Published online June 10, 2017. doi:10.1001/jamainternmed.2017.1233




非インスリン投与2型糖尿病へのSMBGに関して議論あり、ベネフィット有りという報告もあり、一方無しとの報告もある。
HbA1c改善、ひいては、健康関連QOL指標へベネフィットもたらすかの検討



3群
  • SMBG無し: no SMBG
  • 1日1回SMBG
  • 1日1回SMBG+患者フィードバック:SMBG+messaging
総数450名をランダム化、最終受診まで完遂418名(92.9%)

3群間 HbA1c有意差なし  (P = .74; 推定補正平均A1c 差 、SMBG + messaging vs no SMBG, −0.09%; 95% CI, −0.31% to 0.14%; SMBG vs no SMBG, −0.05%; 95% CI, −0.27% to 0.17%)

 HRQOLについても有意差無し

 低血糖頻度、医療機関利用、インスリン開始という鍵となる副事象イベントについても明確な差は無い







6ヶ月、9ヶ月では、HbA1c改善効果ありそうだが・・・





実際、同じADAでも・・・

Session 3-CT-OR07 - Where Is Glucose Monitoring Taking Us?
61-OR / 61 - A Randomised Controlled Trial of Self-Monitoring of Blood Glucose in Noninsulin-Treated Type 2 Diabetes: The SMBG Study
http://www.abstractsonline.com/pp8/#!/4297/presentation/45395


被検者447名で、SMBG1にてHbA1c
G1: 対照:通常ケア  8.3 (sd: 1.31)
G2:SMBG 構造化SMBG+臨床レビュー  7.4 (1.22 )

G3:SMBG 構造化SMBG+月毎の電話ケア 7.3 (0.89 )


群間差 (G1 vs G2 , 3 p< 0.001)





CANVASトライアルの結果発表は?
http://www.abstractsonline.com/pp8/#!/4297/sessions/CANVAS/1

2017年6月8日木曜日

SGLT-2阻害剤の糖尿病ケトアシドーシスリスク

欧米では1型糖尿病が多く、DKAリスクが高いと・・・聞いたことがあるが、日本でも緩徐進行1型糖尿病(SPIDDM)など鑑別してから治療開始する程度の留意は必要だろう。
保険者の馬鹿がいろいろ査定しまくるから初期検査もままならない現状も、国や行政も知ってほしいものだ. 血中・尿中Cペプチド、GAD抗体など目の敵のように査定しまくる狂った保険者が存在する。



SGLT-2阻害剤開始時はDPP4阻害剤開始に比べ、糖尿病性ケトアシドーシスは2倍ほどのリスク増加 (HR 2.2, 95% CI 1.4 to 3.6)と関連

非補正データでは、糖尿病性ケトアシドーシス入院(180日以内)は約2倍 (4.9 イベント/ 1,000 人年 versus 2.3 イベント/ 1,000 人年; HR 2.1, 95% CI 1.5 to 2.9)



Risk of diabetic ketoacidosis after initiation of an SGLT2 inhibitor
Fralick M, et al
N Engl J Med 2017; DOI: 10.1056/NEJMc1701990.




2017年6月7日水曜日

アルコールは中等量でも脳機能・構造に悪影響

中等度アルコール摂取でも、脳梁微小構造破壊し、言語流暢性を悪化させ、海馬容積を減少

序文には、 9−18units (72-144 g)/週程度をアルコール中等度摂取として定義と書かれている。




Moderate alcohol consumption as risk factor for adverse brain outcomes and cognitive decline: longitudinal cohort study
BMJ 2017; 357 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.j2353 (Published 06 June 2017) Cite this as: BMJ 2017;357:j2353


目的:中等度アルコール摂取は脳の構造・機能へ、好影響?悪影響?関連無し?


デザイン:観察コホート研究、週間アルコール摂取量と30年間反復測定認知パフォーマンス(1985-2015)。multimodal MRIを研究エンドポイントで遂行(2012-2015)


セッティング:英国Whitehall II cohort(Whitehall II imaging sub-study)登録地域住居成人


被検者:研究ベースライン 55名男女 平均年齢 43.0 (SD 5.4)歳、 CAGE screening質問紙によるアルコール依存含まずフォローアップ時MRI施行安全に遂行。23名を画像データ未施行・質不良、gross 構造異常(brain cystなど)で除外、アルコール使用・社会住民統計・健康・認知データ不備故に23名除外


主要アウトカム測定:脳構造測定:海馬萎縮、灰白質密度、白質微小構造。機能測定:スキャニング時の認知機能減衰、横断的認知パフォーマンス


結果:30年間フォローアップのアルコール摂取量増加ほど海馬萎縮オッズ増加し量依存的である

下戸に比べ週30unit以上の飲酒消費で最もリスク高い (オッズ比 5.8, 95% 信頼区間 1.8 to 18.6; P≤0.001)が、中等度(14-21 units/週)でも3倍もの右側海馬萎縮オッズ (3.4, 1.4 to 8.1; P=0.007)。

1〜 7未満 units/週の軽度飲酒でも予防的効果認めず


アルコール摂取重度ほど脳梁 microstructure difference(corpus callosum mean diffusivity:白質密度喪失のより鋭敏なマーカー))、言語流暢性:lexical fluencyの迅速減衰増加 と関連。cross-section認知機能、長軸的意味流暢性(semantic fluency)や言語回想との関連性は認めず



<7 abstinence.="" alcohol="" also="" and="" associated="" association="" br="" callosum="" changes="" cognitive="" corpus="" cross="" decline="" differences="" faster="" fluency.="" fluency="" found="" higher="" in="" lexical="" longitudinal="" microstructure="" no="" or="" over="" performance="" recall.="" sectional="" semantic="" units="" use="" was="" week="" with="" word="">
<7 abstinence.="" alcohol="" also="" and="" associated="" association="" br="" callosum="" changes="" cognitive="" corpus="" cross="" decline="" differences="" faster="" fluency.="" fluency="" found="" higher="" in="" lexical="" longitudinal="" microstructure="" no="" or="" over="" performance="" recall.="" sectional="" semantic="" units="" use="" was="" week="" with="" word="">結論:アルコール摂取は、中等量であろうとも、海馬萎縮を含む脳の機能として悪いことと関連する。これらの結果は、英国や米国の摂取制限推奨をサポートするものである



<7 abstinence.="" alcohol="" also="" and="" associated="" association="" br="" callosum="" changes="" cognitive="" corpus="" cross="" decline="" differences="" faster="" fluency.="" fluency="" found="" higher="" in="" lexical="" longitudinal="" microstructure="" no="" or="" over="" performance="" recall.="" sectional="" semantic="" units="" use="" was="" week="" with="" word="">



<7 abstinence.="" alcohol="" also="" and="" associated="" association="" br="" callosum="" changes="" cognitive="" corpus="" cross="" decline="" differences="" faster="" fluency.="" fluency="" found="" higher="" in="" lexical="" longitudinal="" microstructure="" no="" or="" over="" performance="" recall.="" sectional="" semantic="" units="" use="" was="" week="" with="" word=""> 







なんだか、身につまされる


タバコは最重要事項だが、アルコールに関しても国はregulation設定すべきである


2017年6月4日日曜日

緑膿菌感染気管支拡張症:アトルバスタチンRCT

緑膿菌慢性感染を示す気管支拡張は非常に管理困難。エリスロマイシン・クラリスロマイシンなど好中球性気管支炎として長期治療なされることもある。

スタチンのQOL上の咳嗽症状改善効果と、急性増悪減少可能性示唆論文はすでにある

Atorvastatin as a stable treatment in bronchiectasis: a randomised controlled trial
Dr Pallavi Mandal, et al.
The Lancet Respiratory Medicine , Volume 2, No. 6, p455–463, June 2014
DOI: http://dx.doi.org/10.1016/S2213-2600(14)70050-5 
今回の報告は、慢性緑膿菌感染症例でより重症と想定される症例群への効果認証RCT

A randomised control trial of atorvastatin in bronchiectasis patients infected with Pseudomonas aeruginosa- a proof of concept study
Pallavi Bedi,  et al.
Chest. 2017. doi:10.1016/j.chest.2017.05.017

【序文】 重度気管支拡張、緑膿菌慢性感染有する症例へのスタチン治療RCT存在せず

【方法】 緑膿菌慢性感染32 名、RCTについて二重盲検化。16名ずつにアトルバスタチン 80mg or プラシーボ投与、6週間のwash-out期間を設け、3ヶ月間交代治療

【結果】 研究完遂 27 名。アトルバスタチンはプライマリエンドポイントである咳嗽を有意改善せず  ( Leicester Cough Questionnaire [mean difference=1.92, 95% CI for difference (-0.57, 4.41), p=0.12])
しかし、アトルバスタチンは St Georges Respiratory Questionnaire改善 (-5.62points, p=0.016)、血中CXCL8 (p=0.04), TNF (p=0.01) とICAM1 (p=0.04)改善。
血中CRP、血中好中球数改善傾向  (p=0.07 , p=0.06 )
in vitroでアトルバスタチン 10 μMによるCD11b発現upregulationによるfMLF減少、好中球活性化低下を反映するカルシウムfluxの変化を示した。

【結論】  アトルバスタチンは全身性炎症を減少させ、QOL改善を示し、この効果はアトルバスタチンの好中球活性化調整能力によるものと考えられる。









Mean
95% CI
p-value
Induced sputum
Apoptotic neutrophil (%)
0.111
-11.
11550
0.98
Eosinophil (%)
0.519
-0.
1.
0.13
Monocytes (%)
0.074
-1.
1.
0.88
Neutrophils (%)
22.000
-30.
74.
0.39
Pulmonary physiology
FEV1(L)
0.007
-0.
0.131
0.90
FVC (L)
-0.
-0.
0.223
0.47
FEV1:FVC Ratio
-0.
-0.
0.031
0.55
Blood markers
CXCL8 (pg/m1)
-28.
-55.
-1.
0.04
TNF (pg/ml)
-14.
-26.
-3.
0.01
ICAM 1 (ng/ml)
-127.
-250.
-4.
0.04
ALT (IU/L)
3.
-3.
9.
0.34
Urea (mmol/L)
-0.
-1.
0.340
0.27
Creatinine (Limon)
-3.
-9.
2.
0.24
CK (U/L)
0.125
---53.450
53.700
1.0
Cholesterol (mmol/L)
-2.
-2.
-1.
<0 .0001="" font="">
CRP (mg/L)
-14.
-30.
1.
0.07
ESR (mm/hr)
-1.
-11.
8.
0.76
White blood cells
(X109/L)
-0.
-1338
0.368
25
Neutrophils (X109/L)
-1.
-1.
0.041
0.06
Eosinophils(X109/L)
0.060
-0.
0.162
0.23
Basophils (X109/L)
-0.
-0.
0.053
0.80
Lymphocytes (X109/L)
0.065
-0.
0.314
0.6
Monocytes (X109/L)
-0.
-0.
0.111
0.83
Sputum markers
CXCL8 (pg/ml)
-7255300
21249.100
6738.400
0.3
Myeloperoxidase (ng/ml)
-
16709.400
-
47540.700
14121.800
0.27
Neutrophil elastase
(ng/ml)
12144.600
-
28571.500
52860.700
0.54
Exercise capacity
ISWT (metres)
5.
-46.
56.
0.62

Table 2. Results comparing the change on active versus placebo. ALT= alanine 
aminotransferase; CK= creatinine kinase; CRP= c reactive protein; CXCL8= 
Interleukin 8; FEV1= forced expiratory volume in 1 sec; FVC= forced vital capacity; 
ICAM1= intercellular adhesion molecule 1; ISWT= Incremental shuttle walk test; 

TNF = Tumour necrosis factor.

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