小気道(small airway)は、COPD発症前からのprodrome所見という考えもあるだろうが、COPDの併存状態での評価ということになる
CTでの評価、body plethysmography、それにFOT指標、Multiple Breath Nitrogen Washout (MBNW) を指標として評価したところ、急性増悪頻回群は、BAL好中球数増加、R5-R19やAXというFOT指標、RV/TLC、paired CT scanの平均肺密度と相関ということに
【序文から】
小気道の変化は、換気の不均一性と gas trappingの増加によって識別できるが、このSADの測定のための普遍的に合意されたゴールドスタンダードは存在しない。
SADの間接的な測定法であるガストラップは、paired high resolution computed tomography (HRCT) scan and/or body plethysmographyを用いて評価することができる。
HRCT測定では、呼気スキャンの平均肺密度(MLD)と吸気スキャンの平均肺密度(MLD E/I)の比(MLD E/I)が得られ、不完全な容積減少による呼気後の低減衰領域の増加( increased low attenuation areas after expiration due to incomplete volume reduction)を反映しています。
Body plethysmography では、小気道内の病理学の結果として不完全な体積減少のためにも上昇しているResidual volume to total lung capacity ratio (RV/TLC) が得られます。
まだルーチンの臨床には採用されていませんが、Forced Oscillation Technique (FOT) とMultiple Breath Nitrogen Washout (MBNW) から得られた測定値は、喘息とCOPDのSADに起因する換気の不均一性と関連していることが示されており、MBNWは最近COPDの集団で実行可能であることが示されています。
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Interrelationships between small airways dysfunction, neutrophilic inflammation andexacerbation frequency in COPD
Kerry Day, et al.
CHEST journal
Published:November 24, 2020
DOI:https://doi.org/10.1016/j.chest.2020.11.018
https://journal.chestnet.org/article/S0012-3692(20)35299-5/
背景
小気道疾患(SAD)はCOPDの主要な構成要素であり、肺機能低下の主な要因となっている。
研究内容
小気道疾患は頻繁に起こるCOPDの増悪の主な特徴であり、これは気道炎症と関連しているのか?
研究デザインと方法
増悪頻度の高いCOPD患者(年間2回以上の増悪、n=17)と頻度の低い増悪患者(年間1回以下の増悪、n=22)のどちらかと定義された39人のCOPD患者が、 Forced Oscillation Technique (R5-R19, AX), multiple breath nitrogen washout (S <sub>cond</sub>, S <sub>acin</sub>), plethysmography (RV/TLC), single breath transfer factor (TLCO), spirometry (FEV 1%, FEV 1/FVC) とpaired inspiratory – expiratory CT scansを行い、小気道疾患を確認した。亜集団は気管支鏡検査を受け、BAL細胞の割合を集計できるようにした。
結果
細葉換気不均一性(S <sub>acin</sub>)は、IEと比較してCOPD FE群で有意に高かった(P = 0.027)。
FE群では、SADのマーカーは、BAL好中球割合、R5-R19(P = 0.001、r = 0.795)、AX(P = 0.049、rho = 0.560)、RV/TLC(P = 0.004、r = 0.730)、およびペアCTスキャンの平均肺密度(P = 0.018、r = 0.639)と強く関連していた。
解釈
細葉換気の不均一性の増加は、以前の急性増悪の結果かもしれないし、増悪を起こしやすい患者群を強調しているかもしれない。SADの測定値は、FEの小気道における好中球性炎症と強く関連しており、このことは、頻繁な増悪が細胞性炎症の増加に関連した小気道疾患と関連しているという仮説を支持するものであった。
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FOT、RV/TLC測定可能となっているから、SAD指標として再認識しようっと