2012年1月19日木曜日

予備研究:標準治療不応性ジェノタイプ1C型慢性肝炎に対する抗ウィルス薬2剤追加治療の有効性

事前治療に反応せず、あるいはSVRが得られなかった、HCV genotype 1感染に対し

2つの抗ウィルス薬単独
4/11 高ウィルス薬+Peginterferon+ribavirin 9/10


Preliminary Study of Two Antiviral Agents for Hepatitis C Genotype 1
N Engl J Med 2012; 366:216-224January 19, 2012


open-labelのphase 2a

21名の慢性HCV genotype 1感染 pegingerferon+ribavirin前治療 にて12週以上で HCV RNA 2 log10以上のウィルス減少無し)

Group A
 NS5A replication complex inhibitor daclatasvir (60 mg once daily)
 NS3 protease inhibitor asunaprevir (600 mg twice daily) alone (group A, 11 patients)

Group B
combination with peginterferon alfa-2a and ribavirin (group B, 10 patients)

for 24 weeks.

プライマリエンドポイントは、治療期間終了後12週SVR


SVR高率なのは2つの直接作用抗ウィルス薬をpeginterferon α-2a+リバビリンと併用した場合
(Funded by Bristol-Myers Squibb; ClinicalTrials.gov number, NCT01012895)



スタチン:脳梗塞後脳出血リスク増加と関連せず、脳葉性出血後は?

脳アミロイドアンギオパチーなどの脳葉型出血生存者においてリスク増加の報告が有り、それらの使用差し控えるべきという報告があった。


Statin Use Following Intracerebral Hemorrhage
A Decision Analysis
M. Brandon Westover, MD, PhD; Matt T. Bianchi, MD, PhD; Mark H. Eckman, MD, MS; Steven M. Greenberg, MD, PhD
Arch Neurol. Published online January 10, 2011. doi:10.1001/archneurol.2010.356






Statins and Intracerebral Hemorrhage A Retrospective Cohort Study
Daniel G. Hackam, MD, PhD; Peter C. Austin, PhD; Anjie Huang, MSc; David N. Juurlink, MD, PhD; Muhammad M. Mamdani, PharmD, MA, MPH; J. Michael Paterson, MSc; Vladimir Hachinski, MD, DSc; Ping Li, PhD; Moira K. Kapral, MD, MSc
Arch Neurol. 2012;69(1):39-45. doi:10.1001/archneurol.2011.228


後顧的コホート的研究だが、スタチンは、虚血性卒中後の頭蓋内出血リスク増加と関連せず

以下の報告も同様。

Statins and Intracerebral Hemorrhage
Collaborative Systematic Review and Meta-Analysis
Daniel G. Hackam et. al.
Circulation. 2011;124:2233-2242



2012年1月18日水曜日

非合併症ST上昇型心筋梗塞:酸素投与法 ;現時点で投与法エビデンス認めず

ST上昇型心筋梗塞への酸素治療のotimal approachを探る報告

High-concentration versus titrated oxygen therapy in ST-elevation myocardial infarction: A pilot randomized controlled trial
American Heart Journal, 01/17/2012 


心原性ショック・極端な低酸素血症を伴わないST上昇型心筋梗塞かなj136名

・ 高濃度固定法: 6 L/min 中等濃度酸素マスク
・ 補正法:6時間93%-96%への酸素飽和度補正

主要アウトカムは、30日死亡率と72時間後のトロポニンT評価による梗塞巣サイズ
セカンダリアウトカムは、この研究を含めた死亡率データのメタアナリシス。

室内空気と補正法に比べ、高濃度酸素固定では、死亡率オッズ比 2.2 (95% CI 0.8-6.0)

トロポニンT (ratio of mean levels 0.74, 95% CI 0.50-1.1, P = .14)、梗塞量(mean difference −0.8 g, 95% CI −7.6 to 6.1, P = .82)、梗塞量比率 (mean difference −0.6%, 95% CI −5.6 to 4.5, P = .83)

結論としては、非合併症(ショック無し、極端な低酸素なし)ST上昇型心筋梗塞では、補正酸素療法にくらべ、高濃度酸素療法のベネフィット・エビデンス認めない。
しかし、信頼区間が大きすぎるので、臨床的には意義不明の状況であり、大規模ランダム化トライアルが必要。



ディーゼル排気のアレルギー・アジュバント作用のヒトでの証明

平均100μg/m3以下という比較低濃度でも、ディーゼル排気は、ヒトにおいて、好酸球活性化を生じ、ウィルス繁殖を促進する・・・

ディーゼル規制は、京都・千葉県・埼玉県・神奈川県など限られたところだけが行われているが・・・果たして、それでいいのか!

いま、東京都などで排ガス規制で使えなくなったバス・トラックなどが地方でばんばん走っている。 地域間格差・差別ともいうべき事態が生じている。

そういうことも考えさせる重要な報告だと思う。




ディーゼル排気はアレルギー性炎症を促進し、汚染はウィルス性呼吸器感染の感受性を高めることと関連する。この2つの影響に関して、ヒトで確認した報告。

Diesel Exhaust Exposure and Nasal Response to Attenuated Influenza in Normal and Allergic Volunteers
Am. J. Respir. Crit. Care Med. January 15, 2012 vol. 185 no. 2 179-185 

2重盲検ランダム化プラシーボ対照化研究で、弱毒化インフルエンザの鼻の反応性、アレルギー性鼻炎のディーゼル暴露(100 μ/m3)とクリーンエアの対比
エンドポイントはELISAによる炎症性メディエータとウィルス量。

ベースラインのメディエータ値は両群差無し。

ウィルス後の鼻サイトカイン反応に対してディーゼルの影響は有意ではない。

しかし、ディーゼルはIFN-γの反応性と有意に関連(P=0.02)、回帰モデルではアレルギーとの相互関連認めず。

Eotaxin-1(P=0.001)、ECP(P<0.001)、インフルエンザRNAシークエンスは有意にディーゼル暴露で増加し、アレルギーと関連。

短期的ディーゼル暴露試験で、好酸球活性化を引き起こし、アレルギー性鼻炎患者では、ウィルス培養後のウィルス量を増加させる 。
ディーゼルのアジュバント作用、則ち、アレルギー性炎症を促進するという影響を支持する報告となっている。ウィルスクリアランスとの関連が今後の課題。



呼吸器:肺胞は思春期でも増加し続ける・・・

肺胞というのは思春期までその数が増加することを証明。


この時期の大気汚染とか、喫煙とか・・・行政や家族・周囲の配慮も必要だし、なにより教育も必要。


Alveolarization Continues during Childhood and Adolescence
New Evidence from Helium-3 Magnetic Resonance
Am. J. Respir. Crit. Care Med. January 15, 2012 vol. 185 no. 2 186-191
helium-3 (3He) magnetic resonance (MR) により非侵襲的に7歳から21歳の肺胞サイズを測定
3HeMRを用いた場合2つの独立した末梢気道dimensionを測定できる
・ apparent diffusion coefficient (ADC) of 3He at FRC
・ average diffusion distance of helium Formula by q-space analysis
ADCはFRC1%増加毎に0.19%増加。neoalveloarizationの内場合は 0.41と想定。
 FRCに対するヘリウムのaverage diffusion distance増加は、neoalveolarizationのない場合、予測増加より少ない。

結局、これらより、研究年齢(7歳から21歳まで)横断的に、1.94 倍(95% CI, 1.64-2.30)肺胞数は増加するものと思われる。


高齢者:地域内移動困難発症は、年齢・身体パフォーマンスが要素 ;入院・敗血症などへ影響

前向きコホート研究(1998年3月から2009年12月):コネチカット州、Greter New Haven

70歳以上の641名の高齢者(active driver もしくは1/4マイル歩行に障害のない対象者)

加齢に於ける「不都合な真実」(An Incovenient Truth)とGillらが称する、短距離歩行不能・運転不能は、終末期への加速点であり、これらは、加齢状態と強い関連をもつアウトカムをもたらし、入院必要性と関連するという・・・


Risk Factors and Precipitants of Long-Term Disability in Community Mobility A Cohort Study of Older Persons
Ann Int Med. January 17, 2012 vol. 156 no. 2 131-140 

被験者 318 (56.0%) 、 269 (53.1%) がウォーキングもしくは運転に、長期障害発生。
7つのリスク要素が歩行障害と関連し、8つが運転障害に関連。

それぞれのアウトカムに最も関連したものは、年齢、 Short Physical Performance Batteryの低スコア

長期障害への影響として、それぞれのアウトカムに対し、多変量ハザード比で、それぞれ、入院が6.2、活動制限が2.4を越えた。

絶対的リスクで最も大きな差は、入院に関連する敗血症リスクを有した被験者が一般的であった。


睡眠・性差医療: 閉塞型無呼吸は女性でも心血管死亡リスク要素、CPAP治療でリスク軽減効果あり

睡眠時無呼吸と心血管合併症の関連が数多く報告され、ガイドラインでも認められている。
J Insur Med. 2005;37(4):272-82. 
Canadian Journal of Cardiology Volume 27, Issue 3, May–June 2011, Pages 319–338


だが、閉塞型無呼吸の男女比かなり偏りがあるので、性別の検討は必要。


Cardiovascular Mortality in Women With Obstructive Sleep Apnea With or Without Continuous Positive Airway Pressure Treatment A Cohort Study Ann Int Med. Jan. 17, 2012 vol. 156 no. 2 115-122 



背景: Obstructive sleep apnea (OSA)は、男性では心血管死亡のリスク要素だが、女性でリスク要素であるかは不明

目的: 女性で、OSAは、心血管死亡のリスク要素となるか、また、CPAP治療がリスクを変化させうるか?

デザイン: Prospective, observational cohort study.

セッティング: 2 sleep clinics in Spain.

患者: All women consecutively referred for suspected OSA between 1998 and 2007.

介入:全員診断的sleep study。対照群はAHI 10未満。閉塞型無呼吸はAHI 10以上で診断(分類:軽症から中等症 AHI 10-29, 重症 AHI 30以上)
OSA患者はCPAT治療(adhrence 4時間以上/日) or 未治療(adherence <4時間/日 or CPAP指示無し)。2009年12月までフォロー。

測定: The end point was cardiovascular death.

結果: 1116 名の女性を研究(フォローアップ中央値 72 ヶ月[中間4分位 52 ~ 88 ヶ月])

治療群は、未治療群より、心血管合併症低率 (0.28 per 100 person-years [95% CI, 0.10 to 0.91]) : 軽症・中等症OSA  (0.94 / 100 人年 [CI, 0.10 to 2.40]; P = 0.034) or 重症 OSA (3.71 / 100 人年 [CI, 0.09 to 7.50]; P < 0.001)

対照群に比較して、心血管死亡率完全補正ハザード比 は、未治療群・重症OSAで 3.50 (CI, 1.23 to 9.98); CPAP治療・重症OSA群 0.55 (CI, 0.17 to 1.74); 未治療・軽症中等症OSA群 1.60 (CI, 0.52 to 4.90) ; CPAP治療・軽症・中等症OSA群

Limitation: 観察研究で、非ランダム化、2つのメソッド以上で診断されたOSA

結論: 重症OSAは女性でも心血管疾患死亡と関連し、適切なCPAP治療でリスク軽減の可能性


関連:
・ ”首回り”は独立した心血管疾患リスク要素 2010年 05月 22日
・ 高血圧&閉塞型無呼吸患者に対するCPAP治療では血圧臨床的意義ほど下げない 2010年 11月 26日

HPVワクチンをめぐる日本の"失われた8年"と、私たちが検証すべきこと

「子宮頸がんワクチン」という呼び方に、以前から違和感があります。 HPVワクチンが子宮頸がん予防に重要であることは間違いありません。日本では女子への定期接種として導入され、子宮頸がん予防を中心に説明されてきたため、この名称が広まった経緯も理解できます。 しかし、このワクチンが...