2012年1月18日水曜日

ディーゼル排気のアレルギー・アジュバント作用のヒトでの証明

平均100μg/m3以下という比較低濃度でも、ディーゼル排気は、ヒトにおいて、好酸球活性化を生じ、ウィルス繁殖を促進する・・・

ディーゼル規制は、京都・千葉県・埼玉県・神奈川県など限られたところだけが行われているが・・・果たして、それでいいのか!

いま、東京都などで排ガス規制で使えなくなったバス・トラックなどが地方でばんばん走っている。 地域間格差・差別ともいうべき事態が生じている。

そういうことも考えさせる重要な報告だと思う。




ディーゼル排気はアレルギー性炎症を促進し、汚染はウィルス性呼吸器感染の感受性を高めることと関連する。この2つの影響に関して、ヒトで確認した報告。

Diesel Exhaust Exposure and Nasal Response to Attenuated Influenza in Normal and Allergic Volunteers
Am. J. Respir. Crit. Care Med. January 15, 2012 vol. 185 no. 2 179-185 

2重盲検ランダム化プラシーボ対照化研究で、弱毒化インフルエンザの鼻の反応性、アレルギー性鼻炎のディーゼル暴露(100 μ/m3)とクリーンエアの対比
エンドポイントはELISAによる炎症性メディエータとウィルス量。

ベースラインのメディエータ値は両群差無し。

ウィルス後の鼻サイトカイン反応に対してディーゼルの影響は有意ではない。

しかし、ディーゼルはIFN-γの反応性と有意に関連(P=0.02)、回帰モデルではアレルギーとの相互関連認めず。

Eotaxin-1(P=0.001)、ECP(P<0.001)、インフルエンザRNAシークエンスは有意にディーゼル暴露で増加し、アレルギーと関連。

短期的ディーゼル暴露試験で、好酸球活性化を引き起こし、アレルギー性鼻炎患者では、ウィルス培養後のウィルス量を増加させる 。
ディーゼルのアジュバント作用、則ち、アレルギー性炎症を促進するという影響を支持する報告となっている。ウィルスクリアランスとの関連が今後の課題。




大気汚染・ディーゼル排気と呼吸器系健康被害 2007年 12月 06日

 

第3回微小粒子物質健康影響評価検討会 会議録 平成19年9月25日(火)
都市大気中のPMに関しましても、より小さい粒子のアレルギー反応におけるアジュバント効果が強いという報告もございました。一方、fineよりもcoarsePMの方が肺の炎症を強く誘導したという報告もございまして、この報告に関しましては、エンドトキシン等、他の汚染物質の重要性を示唆しておりました。

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