2012年1月18日水曜日

睡眠・性差医療: 閉塞型無呼吸は女性でも心血管死亡リスク要素、CPAP治療でリスク軽減効果あり

睡眠時無呼吸と心血管合併症の関連が数多く報告され、ガイドラインでも認められている。
J Insur Med. 2005;37(4):272-82. 
Canadian Journal of Cardiology Volume 27, Issue 3, May–June 2011, Pages 319–338


だが、閉塞型無呼吸の男女比かなり偏りがあるので、性別の検討は必要。


Cardiovascular Mortality in Women With Obstructive Sleep Apnea With or Without Continuous Positive Airway Pressure Treatment A Cohort Study Ann Int Med. Jan. 17, 2012 vol. 156 no. 2 115-122 



背景: Obstructive sleep apnea (OSA)は、男性では心血管死亡のリスク要素だが、女性でリスク要素であるかは不明

目的: 女性で、OSAは、心血管死亡のリスク要素となるか、また、CPAP治療がリスクを変化させうるか?

デザイン: Prospective, observational cohort study.

セッティング: 2 sleep clinics in Spain.

患者: All women consecutively referred for suspected OSA between 1998 and 2007.

介入:全員診断的sleep study。対照群はAHI 10未満。閉塞型無呼吸はAHI 10以上で診断(分類:軽症から中等症 AHI 10-29, 重症 AHI 30以上)
OSA患者はCPAT治療(adhrence 4時間以上/日) or 未治療(adherence <4時間/日 or CPAP指示無し)。2009年12月までフォロー。

測定: The end point was cardiovascular death.

結果: 1116 名の女性を研究(フォローアップ中央値 72 ヶ月[中間4分位 52 ~ 88 ヶ月])

治療群は、未治療群より、心血管合併症低率 (0.28 per 100 person-years [95% CI, 0.10 to 0.91]) : 軽症・中等症OSA  (0.94 / 100 人年 [CI, 0.10 to 2.40]; P = 0.034) or 重症 OSA (3.71 / 100 人年 [CI, 0.09 to 7.50]; P < 0.001)

対照群に比較して、心血管死亡率完全補正ハザード比 は、未治療群・重症OSAで 3.50 (CI, 1.23 to 9.98); CPAP治療・重症OSA群 0.55 (CI, 0.17 to 1.74); 未治療・軽症中等症OSA群 1.60 (CI, 0.52 to 4.90) ; CPAP治療・軽症・中等症OSA群

Limitation: 観察研究で、非ランダム化、2つのメソッド以上で診断されたOSA

結論: 重症OSAは女性でも心血管疾患死亡と関連し、適切なCPAP治療でリスク軽減の可能性


関連:
・ ”首回り”は独立した心血管疾患リスク要素 2010年 05月 22日
・ 高血圧&閉塞型無呼吸患者に対するCPAP治療では血圧臨床的意義ほど下げない 2010年 11月 26日

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