2013年3月5日火曜日

経口ステロイドでも、急性膵炎リスク増加 投与4-14日めがリスク最大

GLP-1アナログ製剤も、DPP4阻害剤も急性膵炎入院と関連 2013年02月26日 の同月同雑誌記載の報告

経口ステロイドでも、急性膵炎リスク増加

住民ベース症例対照研究
6161名の急性膵炎と、61637名の対照
急性膵炎リスクは経口ステロイド現行使用vs非使用者で、オッズ比 1.53:95% CI, 1.27-1.84
薬剤使用4日〜14日で最もリスクが高い(オッズ比 1.73、95%CI, 1.31-2.28)で、その後はリスク減少
最近ステロイド使用とか、かつての使用とかは、リスク増加と関連せず

Association of Oral Glucocorticoid Use With an Increased Risk of Acute PancreatitisA Population-Based Nested Case-Control Study
Omid Sadr-Azodi, et. al.
JAMA Intern Med. 2013;():1-6. doi:10.1001/jamainternmed.2013.2737.


発熱性好中球減少症:FNガイドライン遵守 抗生剤使用に関しては病院・医師の経験により改善 しかし ガイドラインにない治療も・・・

発熱性好中球減少症(FN)
日本では、「発熱:1回の腋窩温 37.5度以上または口内温 38度以上、好中球減少 1000/μLで、500/μLに減少することが予測される場合」と定義されているらしい

20120426 日本臨床腫瘍学会 発熱性好中球減少症ガイドライン ドラフト版

もちろん、対象は、日本のガイドラインじゃなくて、IDSAのガイドラインの方
http://www.idsociety.org/uploadedFiles/IDSA/Guidelines-Patient_Care/PDF_Library/FN.pdf
 Vancomycin (or other agents active against aerobic gram-
positive cocci) is not recommended as a standard part of the
initial antibiotic regimen for fever and neutropenia (A-I)
CSFs are not generally recommended for treatment of
established fever and neutropenia (B-II)
要するに、バンコマイシンもCSFも標準治療としては認められてない。

これを前提に、「ガイドラインベースの抗生剤使用頻度は高いが、ガイドラインにない治療であるバンコマイシン・GCSFの使用頻度が高い。医師や病院要素により、ガイドラインベース及び非ガイドラインベースの治療に影響を強く及ぼしている」

Deviations From Guideline-Based Therapy for Febrile Neutropenia in Cancer Patients and Their Effect on Outcomes
Jason D. Wright, et. al.
JAMA Intern Med. 2013;():1-10. doi:10.1001/jamainternmed.2013.2921.

ガイドラインベース推奨コンプライアンス調査

FN受診25231名のうち、ガイドラインベースの抗生剤使用は79%
バンコマイシン37%、GCSF 63%

FN volumeの高い病院 (odds ratio [OR], 1.56; 95% CI, 1.34-1.81) 、FN-volumeの高い医師  (OR, 1.19; 95% CI, 1.03-1.38)  、ホスピタリスト管理患者 (OR, 1.49; 95% CI, 1.18-1.88)で、ガイドラインベースの抗生剤使用が多い(p < 0.05)。

バンコマイシン使用は2000年17%から2010年55%へ増加
GCSF使用は 73%から55%へ減少

低リスクFN患者において、ガイドラインベースの抗生剤適正開始は、ナーシング施設への転院及び死亡減少と関連 (OR, 0.77; 95% CI, 0.65-0.92 、OR, 0.63; 95% CI, 0.42-0.95)







抗酸化ビタミンサプリメントは、主要心血管イベント、心筋梗塞、卒中、総死亡、心血管死へ無影響・無効果

サプリメントで予防効果なしと断定されると困る人たちが多いからだろう・・・随分前からこの種のビタミンの有益性って否定的なのだが、ゾンビのごとく繰り返す有効性妄想 (NIHコンセンサスステートメント: マルチビタミン・ミネラルサプリメント(MVM) 2006年 08月 01日)


ここで言う抗酸化ビタミンは、ビタミンE、βカロテン、ビタミンC

血中抗酸化ビタミン 濃度増加には有効だが、実際の予防効果に関して疑問が持たれていた。多くのトライアルデータにてその予防効果は明確になってない。
いくつかの大規模トライアルがなされそれを含むメタアナリシスがなされ、改めて、効果無きことが証明された。

Effect of Antioxidant Vitamin Supplementation on Cardiovascular Outcomes: A Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials
Ye Y, Li J, Yuan Z (2013)
PLoS ONE 8(2): e56803. doi:10.1371/journal.pone.0056803

 PubMed、 EmBase、 Cochrane Central Register of Controlled Trials、 参照文献主要参照検索

 心血管系アウトカムへの抗酸化ビタミンの効果プラシーボ比較の報告に関するランダム化対象トライアルを登録
解析アウトカムは主要心血管イベント、心筋梗塞、卒中、心死亡、総死亡、可能性ある副事象
12の統計にてトライアル間heterogeneity計算、randam-effect meta-analysisにて 心血管疾患アウトカムリスク推定
2名のレビューアーにより独立した抽出、そしてコンセンサスに達した

293の独立した研究のうち、15トライアル、188209被験者を含む

これらの研究中、主要心血管イベント 12749、 心筋梗塞 6699、 卒中 3749、 総死亡 14122、 心死亡 5980

抗酸化ビタミンサプリメントは、プラシーボに比較し、主要心血管イベント (RR, 1.00; 95%CI, 0.96–1.03)、心筋梗塞 (RR, 0.98; 95%CI, 0.92–1.04)、 卒中 (RR, 0.99; 95%CI, 0.93–1.05)、総死亡 (RR, 1.03; 95%CI, 0.98–1.07)、 心血管死亡 (RR, 1.02; 95%CI, 0.97–1.07)、血管再建  (RR, 1.00; 95%CI, 0.95–1.05)、総 CHD (RR, 0.96; 95%CI, 0.87–1.05)、 狭心症 (RR, 0.98; 95%CI, 0.90–1.07)、 うっ血性心不全 (RR, 1.07; 95%CI, 0.96 to 1.19)


【結論】抗酸化ビタミンサプリメントは、主要心血管イベント、心筋梗塞、卒中、総死亡、心血管死へ無影響・無効果

サプリメント業者さんたちにとって、効果無いだけで良かったのでは・・・
抗酸化物質だけを大量にとると酸化促進物質として溜まる 2011年 06月 09日
寿命を短くしたければビタミンE大量サプリメントをどうぞ 2004年 11月 11日

実害の可能性も示唆されているだけに・・・


無効かなのに、サプリメント・ビタミン購入摂取する意味あるのだろうか?
世の中には金をどぶに捨てたい人が多い

2013年3月4日月曜日

無症候性非破裂脳動脈瘤検診推奨って・・・

 なんたらドッグという言葉・・・個人的には大嫌いだが、世間様は好きな方が多いようだ

 昨日、「たかじんの・・・委員会」で、森田 豊(医療ジャーナリスト)という方が、条件など言わず、「脳ドッグは受けた方が良い」と述べていた。 医者の資格をもってるらしいが、あえて、医療ジャーナリストと名乗るのは、なぜかよくわからないが・・・医療ジャーナリストだから、科学性のない論評して良いというものでもないはず。

 EBM上の言葉に転換すると、「unruptured intracranial aneurysm screeningは、利益/有害性のエビデンスがある」と断言したということだ。

 いつのまに、そういうエビデンスができたのだろう。

 日本のなんたらドッグ学会というのは全く信用できないので、pubmed検索したが、どうもそれらしいものもなく、直近でも、Polycystic Kidney Diseaseに関して検診勧めた方が良いかの議論がされていて、現時点ではあまねく推奨するようなものではないと判断できる。

 米国のそれらしい組織 Brain Aneurysm Foundationの無症候性未破裂動脈瘤検診推奨(http://www.bafound.org/node/45)でさえ、検診に関しては紡錘型の動脈瘤家族歴を対象とするという
「Screening in the setting of a family history of fusiform aneurysm」
「 If two or more members of the family are affected with brain aneurysms, then aneurysm screening (with brain MRA or brain CTA) is usually recommended for at least the first degree relatives over the age of 25 of those affected. 」 
要するに、家族歴主体の検診の推奨である。

Mayo Clinicの無症状未破裂動脈瘤検診推奨は
The use of imaging tests to screen for unruptured brain aneurysms is generally not recommended.
However, you may want to discuss with your doctor the potential benefit of a screening test if you have:
 A parent or sibling who has had a ruptured brain aneurysm, particularly if you have two such first-degree family members with brain aneurysms
 A congenital disorder that increases your risk of a brain aneurysm
これも、基本的には、未破裂動脈瘤検診のための画像検査使用は推奨しない。しかし、両親のどちらか、兄弟など1st degree(親等と違う)家族に動脈瘤破裂、もしくは、脳動脈瘤関連先天異常あるなら、ベネフィットに関して相談と、書かれている。


 ところが、日本の「脳ドッグガイドライン」(http://jbds.jp/doc/guideline2008.pdf)とやらは、未破裂動脈瘤検診の適応を詳しく語らず、治療への適応について多くをまとめている。脳ドッグ適応に関して記載がほぼなし。


 すこし、弁護すれば、テレビっていうのは、編集権出演者にないため、森田氏の真の言い分が割愛された可能性があるが・・・

 脳ドッグとやらは・・・

 以前この学会メタアナリシスと名乗りながら、当時のスタンダードであったPeto法など用いず、単に足し算してた報告を見てから、信用してないのだが・・・(私が信用しなくても、何の影響もないのご安心を) 。一応、ここの学会事務局には問い合わせしたら、ガイドラインを送るだけだったことを思い出した。

乳児血管腫:プロプラノール pII/III研究 消失率顕著

Léauté-Labrèze C, et al. "Propranolol in infantile hemangiomas: Resuslts from an international randomized, placebo controlled, multidose, adaptive phase II/III study" AAD 2013.

http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/AAD/37635


乳児血管腫 では、プロプラノール治療6ヶ月により、完全・ほぼ完全改善率高い

456名のランダム化患者で、6ヶ月完遂319例、ドロップアウトは、治療効果不十分と自己判断が主。プラシーボの34.5%がトライアル完遂し、プロプラノール治療は63%-65%3ヶ月レジメン割り付けとなった

24週の継続治療後、clearance rate は、プロプラノール治療群 60.4%、 プラシーボ 3.6%
6ヶ月間の1-3mg/kg体重/日で、安全性特性十分で、最大限・6ヶ月で有効性レベル高い

5年前、Léauté-Labrèzeらが、少数の乳児血管腫での有効性を記載 (N Engl J Med 2008; 358: 2649-2651)

2年前、Pediatrics誌で、小児血管腫へのプロプラノロール投与にて容積・色素とも改善 2011年 07月 27日

血管収縮、血管新生抑制・アポトーシス促進が作用機序として考えられるとのこと

現実のニキビ治療期間は臨床トライアル対象とした期間よりかなり長い

アメリカの医療というと、臨床トライアルに基づく臨床ガイドライン通りに行うものと思ってたが、にきび治療に関しては違うようだ。

American Academy of Dermatology meeting で報告の、現実
http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/AAD/37633


Huang K, et al "The duration of acne treatment" AAD 2013.

座そう治療期間後顧的研究で、治療期間平均は0.79年(約9ヶ月)で、患者の方は0.44年で通院を中断する。

多くの臨床トライアル(ClinicalTrials.gov)は12週から3ヶ月程度である
 57%が一回のみの受診で、43%が多数回受診
受診1年後もつづけてたのは25%

 日本では、3−4週間の治療期間でも「わぁーわぁー」の状態だが、 アメリカの医療制度とも関係しているようで、アカデミック・クリニックとプライベート・クリニックの差、米国の薬剤refill制度が関係しているのではないか? 公的保険でなければ、 期間延長に関して、医療側が鈍感になるのかもしれない。TPPによる混合診療導入で濃厚診療促進的。

 尋常性座そうだけを考えれば、治療期間長くても良いのだろうが、耐性をはじめ、様々な問題があると思う・・・

 尋常性座瘡治療のためのガイドライン
Guideline of Care for Acne Vulgaris Management
http://www.aad.org/File%20Library/Global%20navigation/Education%20and%20quality%20care/Guidelines-Acne-Vulgaris.pdf

抗生剤全身投与は、中等から重症尋常性座そう標準治療、ドキシサイクリンとミノサイクリンはテトラサイクリンより有効。エリスロマイシンは有効だが、妊娠では付加。ST合剤などは一時的には有効だが、多剤使えないときのみ使用すべき。
 A major problem affecting antibiotic therapy of acne has been bacterial resistance, which has been increasing.  For this reason, it is the opinion of the work group that patients with less severe forms of acne should not be treated with oral antibiotics, and where possible the duration of such therapy should be limited. Resistance has been seen with all antibiotics, but is most common with erythromycin.
The use of oral antibiotics for the treatment of acne may be associated with adverse effects. Vaginal candidiasis may complicate the use of all oral antibiotics. Doxycycline can be associated with photosensitivity. Minocycline has been associated with pigment deposition in the skin, mucous membranes and teeth particularly among patients receiving long-term therapy and/or higher doses of the medication. Pigmentation occurs most often in acne scars, anterior shins, and mucous membranes. Autoimmune hepatitis, a systemic lupus erythematosus-like syndrome, and serum sickness- like reactions occur rarely with minocycline.


ちなみに、日本のガイドライン
http://drmtl.org/data/118101893j.pdf ← 閲覧できなかった
http://clinic-n.mitelog.jp/blog/files/118101893j.pdf
抗菌剤内服は中等症以上、軽症は抗菌剤外用とその他外用
レチノイド外用(ディフェリンゲル:アダバレン)、抗菌薬内服ないし外用は、治療中断でしばしば再発認められる。しかし、再発予防のために抗菌薬の外用や内服を長期に継続することは耐性菌を出現させる危険性も有り避けるべきである。
痤瘡(炎症性皮疹)に対して,抗菌薬内服を強く推奨するとあるが、治療期間に関して明確な記載認めず、12週間を上限とした報告しか見当たらない。


デュフェリン出現以来、ニキビ治療には近づかないことにしている
http://www.differin.jp/doctor/pdf/prescription_guide.pdf

進行性特発性膜性腎症:サポート治療後、プレドニゾロン・クロラムブチル交互治療が望ましい


Immunosuppression for progressive membranous nephropathy: a UK randomised controlled trial
Andrew Howman MMath , et. al.
The Lancet, Volume 381, Issue 9868, Pages 744 - 751, 2 March 2013Published Online: 09 January 2013


腎生検による特発性膜性腎症(18-75歳)

 Cr 300μmol/L以下、直前2年間でeGFR20%最低減少


    ・supportive treatmentのみ n=38

    ・supportive treatment + 6ヶ月のプレドニゾロンとchlorambucil交互治療 n=33

    ・supportive treatment+12ヶ月のciclosporin治療 n=37



プライマリエンドポイントであるベースラインからの腎機能低下20%に到達するまで、最低3年間までフォローアップ

腎機能20%低下比率は、プレドニゾロン・chlorambucil群では、supportive care群より有意に低下  (エンドポイント到達 19 [58%] / 33  vs 31 [84%] / 37, ハザード非 [HR] 0·44 [95% CI 0·24—0·78]; p=0·0042); ciclosporinと、suppotive治療群で差認めず (29 [81%] / 36) vs HR 1·17 [0·70—1·95]; p=0·54)

全てのグループ群で有意な差あり  (p=0·003)



重篤な副作用イベントは、3群とも頻回で、prednisolonge・chlorambucil群で、suppotive careのみ群より多い  (56  vs 24; p=0·048)


ネフローゼ症候群診療指針 日腎会誌 2011'53(2):78-122
http://www.jsn.or.jp/jsn_new/iryou/free/kousei/pdf/53_2_078-122.pdf



MINDS
第10章 ネフローゼ症候群
(特発性膜性腎症,一次性巣状分節性糸球体硬化症)
http://minds.jcqhc.or.jp/n/med/4/med0067/G0000189/0089

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「子宮頸がんワクチン」という呼び方に、以前から違和感があります。 HPVワクチンが子宮頸がん予防に重要であることは間違いありません。日本では女子への定期接種として導入され、子宮頸がん予防を中心に説明されてきたため、この名称が広まった経緯も理解できます。 しかし、このワクチンが...