2013年3月26日火曜日

閉経前女性:内臓脂肪増加は骨質劣化と関連

やせが骨粗鬆症や骨折のリスク要素ということから考え、肥満はbone strength(骨強度)に好影響を与えると考えがちだが、肥満関連、特に、内臓脂肪により、骨密度減少そして骨折リスク増加と関わる可能性があることが判明した。

組織レベルでは、中心性肥満閉経前女性では、骨質とstiffness悪く、骨形成速度著明低下。

健康閉経前女性、40歳の骨密度と体幹脂肪DXA測定関連性と、QCT(定量的CT)によるサブセット評価、骨微小構造、stiffness、リモデリング、骨脂肪を標識transiliac bone biopsy評価

Abdominal fat is associated with lower bone formation and inferior bone quality in healthy premenopausal women: a transiliac bone biopsy study
Adi Cohen , et. al.
The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism March 20, 2013 jc.2013-1047
BMIは20.1〜39.2 kg/m2
DXA体幹脂肪はBMI、QCT評価内臓脂肪と直接相関(r=0.78, p < 0.001、 r=0.79, p <0.001))

体幹脂肪最小3分位比較で、最大3分位は骨質悪化
骨量骨容積( 20.4 ± 8 vs 29.1 ± 6.1 %; p = 0.01)減少、 stiffness減少 (433±264 versus 782±349 MPa;  p = 0.01) 、cortical porosity(皮質骨密度)高値  (8.8±3.5 versus 6.3±2.4%; p = 0.049)

骨形成速度:Bone formation rate (0.004±0.002 versus 0.011± 0.008 mm2/mm/year;  p = 0.006) は、最大3分位群では64%低下


体幹脂肪は、骨量骨容積・骨形成速度と逆相関 (r=-0.50;  p < 0.01、r = -0.50 ;  p  < 0.001)

体幹脂肪と骨容積の相関性は年齢、BMI補正後も有意差持続


骨形成速度と、破骨細胞・贈骨細胞のturnover誤解されそう・・・

2013年3月25日月曜日

COPD急性増悪:マグネシウムネブライザー投与は有効か?

161名のCOPD急性増悪患者に対し、マグネシウム・ネブライザー投与

これは、マグネシウム注射にて急性重度喘息・COPD急性増悪トライアルに対し気管支拡張効果をみとめること、そして、急性喘息においてマグネシウムネブライザーの若干の気道れん縮改善効果エビデンス(Inhaled magnesium sulfate in the treatment of acute asthma.; Powell C, Dwan et. al. ;Cochrane Database Syst Rev. 2012 Dec)があったため行ったトライアルとのこと

COPDへの気管支狭窄状態改善急性効果を評価

Use of nebulised magnesium sulphate as an adjuvant in the treatment of acute exacerbations of COPD in adults: a randomised double-blind placebo-controlled trial
Thorax 2013;68:338-343 doi:10.1136/thoraxjnl-2012-202225


ニュージーランドの2つの病院で、ネブライザー(サルブタモール 2.5mg:イプラトロピウム 500μg)投与20分後・予測FEV1<50%の症例


等張性硫酸マグネシウム 2.5 ml(151mg/投与あたり)、プラシーボ(生理食塩) 2.5mlを30分間隔3回施行


プライマリアウトカムは 90分後FEV1

116名をランダム化、52名がマグネシウム・アジュバント群へ割り付け
90分後マグネシウム投与FEV1(n=47) 0.78 vs プラシーボ(生理食塩水群) 0.81l
差 -0.026 L(95% CI, -0.15 〜 0.095, p=0.67)

ただでさえ、可逆性のないのに、一秒量で比べても・・・

重症非好酸球性喘息:アジスロマイシン投与は一部臨床指標改善し、重度急性増悪・気道感染悪化を防止

重症喘息患者では、急性増悪・下気道感染リスク増加する。一方、重症喘息は、heterogenousで、好酸球性と非好酸球(主に、好中球性)特性の発現型があり、気道感染例でマクロライド系薬剤によるベネフィットが考えられる。



ということで、重症喘息へのアジスロマイシン二重盲験プラシーボ対照化トライアル

アジスロマイシンは非好酸球性重度喘息悪化にて、一部喘息指標改善し、急性増悪・気道感染悪化数を減少させる

薬剤抵抗性などの課題が残る。


Azithromycin for prevention of exacerbations in severe asthma (AZISAST): a multicentre randomised double-blind placebo-controlled trial
Guy G Brusselle, et. al.
Thorax 2013;68:322-329 doi:10.1136/thoraxjnl-2012-202698


アジスロマイシン(n=55)
プラシーボ(n=54)
(吸入ステロイド、LABAのadd-on治療)

プライマリアウトカムは、重度急性増悪・抗生剤必要な下気道感染26週間期間中
セカンダリアウトカムは、ACQ、AQLQ

6ヶ月間プライマリエンドポイントでは有意差無し
0.75 vs 0.81 (95% CI, 0.61-1.09)

事前設定サブグループ検討として、非好酸球性重症喘息(血中好酸球 200/μL以下)において、アジスロマイシンは有意なプライマリエンドポイント数低値
0.44 vs 1.30 (p-0.013)

アジスロマイシンはAQLQスコア改善するも、ACQスコア、肺機能では有意差認めず

アジスロマイシンは耐用性良かったが、マクロライド系薬剤抵抗性連鎖球菌口腔咽頭キャリア率高めた

慢性心房細動治療:アジア人には新規抗凝固薬推進すべきという宣伝

メーカー・スポンサーなので、眉につばをいっぱいつけて見る必要があるが・・・
http://www.medscape.org/viewarticle/780975


他人種に比べワーファリン関連出血自己頻度多い
理由付けとしては、INR不安定性が高い、遺伝子多様性(CYP2C9遺伝子型との関連性)、ビタミンK epoxide reductase、人種特異的血管特性

RE-LY(dabigatran)


卒中と心房細動の関連は、アジア人種と他の人種では異なる
ワーファリンの出血リスクは、アジア人種に多い
一方、一般的には、新規抗凝固薬の安全性・有効性は、他人種と同様


これ見ると、そろそろ、新規凝固薬採用のタイミングなのだろうか?
それとももうちょと様子を見た方が良いのだろうか?

ダビガトラン(プラザキサ)副作用のゴタゴタ・・・ 2013/03/14
血液凝固阻止剤「プラザキサカプセル」で5人死亡  2011年 08月13日

ガイドラインなどで新規凝固薬剤積極的導入が記載されれば、 使用しやすくなるはず
そのとき、CHADS2スコアのアジア版、例えば、CH2DS2-VACScスコアなどが使用されるのだろうか?
リスク層別化としてHAS-BLEDスコア 利用されるのだろうか?

2013年3月23日土曜日

欧州:プレタール使用制限推奨 

ヨーロッパ薬事関係局である、EMA(European Medicines Agency)は、シロスタゾール含有薬(e.g. プレタール)を、間欠性跛行治療として、リスクの少ない臨床的ベネフィットの明らかな例に限る旨の使用制限を推奨した。
European Medicines Agency recommends restricting use of cilostazol-containing medicines
22/03/2013
http://www.ema.europa.eu/ema/index.jsp?curl=pages/news_and_events/news/2013/03/news_detail_001746.jsp&mid=WC0b01ac058004d5c1


・重度頻拍性不整脈(頻拍、心拍リズム不整など)、現行不安定狭心症、心発作・バイバス手術既往、2種以上の抗血小板薬剤・抗凝固薬剤使用(アスピリン、クロピドグレルなど)例の使用制限
・運動・健康食・禁煙などのライフスタイル変容に関わらず症状改善しない場合のみの使用

シロスタゾール治療に関してはそのたび毎にアポイントをとり、治療評価を行うことを義務づけることを強調している。

シロスタゾールのベネフィットは限定的軽度に関わらず、リスクへの懸念が大きいというもので、スペインのAEMPSがEMAのCHMPへ諮問を求めた結果の推奨

CHMPでは、14,000名の副作用報告・非介入研究4千イベント、臨床トライアルからの副作用特性からの安全性データ検討し、最頻度副作用はやはり動悸と頻脈で、それぞれ5%程度の頻度。シロスタゾールの出血リスク、特にアスピリン・クロピドグレルとの併用時のリスク増加が示唆された。

解説:http://www.theheart.org/article/1521457.do#bib_1


プレタールに関し、TASCなる報告で、”However, since the drug is in the phosphodiesterase III inhibitor class of drugs, it should not be given to patients with any evidence of congestive heart failure because of a theoretical concern for increased risk of mortality. This drug has thebest overall evidence for treatment benefit in patientswith claudication"と書かれてるが、「間欠性跛行治療第一選択薬=プレタール」・「薬物療法は現在のところプレタールのみが有効」という部分のみが医師たちにより強調されている。製薬会社はそれなりの自重があるが、利益相反性に鑑み情けないことである。
そして、「脳梗塞後患者の二次予防」としても、CSPS2はアスピリン比較の二重盲験ランダム化ダブルダミー非劣性試験でにほんでは珍しいまともなトライアルであることは確かだが、リスクベネフィット議論を飛び越してプレタールの宣伝がなされている。

添付文書には、すでに警告として、脈拍数増加・狭心症発現、うっ血性心不全、心筋梗塞、狭心症、心室性頻拍の副作用が記載され、心循環系評価されないままの処方はこの警告非遵守となる。整形外科単科標榜や脳血管疾患医療機関などを含め、使用前評価や使用後の効果判定など徹底されているか?

心不全:ヨード系Iobenguane I 123:心筋交感神経活動性評価FDA承認


AdreView™ (Iobenguane I 123 Injection)
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmedhealth/PMHT0010753/
http://www.fda.gov/AboutFDA/CentersOffices/OfficeofMedicalProductsandTobacco/CDER/ucm129222.htm


2008年に、褐色細胞腫・神経芽細胞腫の原発性・転移性病変評価のための使用FDA承認されていた。
今回、特定の心不全患者の心筋交感神経innervation評価視覚化使用承認

FDA Approves GE Healthcare’s AdreView™ (Iobenguane I 123 Injection) for Cardiac Risk Evaluation in Heart Failure Patients
http://www.genewscenter.com/Press-Releases/FDA-Approves-GE-Healthcare-s-AdreView-Iobenguane-I-123-Injection-for-Cardiac-Risk-Evaluation-in-H-3ebd.aspx
AdreView は、心筋交感神経innervationシンチグラフィ評価
心不全 NYHA分類II、III、左室駆出率 35%以下で、 H/M(心筋/縦隔)比>1.6が示唆する生存率1−2年評価のための使用であり、役目としては選択的治療、治療反応評価、高リスク群同定のための使用 である。

米国医師たちは将来悲観:減収にあえぎ、早期引退を希望

 日本医師会の主張通りなら、米国も国民皆保険に近くなれば医師たちは喜びそうなものだが・・・ 実際には米国の医師たちは、autonomy喪失と医療報酬減少に悩み、医師会予想と逆のようだ。確かに、皆保険ということで、支払い側の勝手な意向で非合理的に支払いを認めない(医師側から見ると過小支払い、支払い側から見ると過大申告・・・マスメディアは後者の意向だけを報道)わけだから、皆保険破壊すれば、医師側からはautonomyは向上する。医師会も固い頭を柔らかくして、いっそのことTPP推進に回って、皆保険崩壊・医師Autonomy向上を図った方が業界団体として正しい(?)道だと以下の報告をみて思う。

思いっきり医者側の主張になるが、【日本医師会はTPPに猛烈賛成し、皆保険崩壊を歓迎しろ】となる。

そもそも日本医師会の立ち位置の曖昧さにげんなりしている。いったい、政治業界圧力団体なのか?医師としての職能集団なのか?学術団体なのか?
いずれにしても中途半端であほらしくなる・・・






Obamacareと呼ばれる、Affordable Care Act (ACA) :2010年成立の医療改革法
日本では皆保険化と見られているが、実際には、民間主導による医療費抑制・効率化競争 ということで、医療費抑制が予測されている。そして、診療報酬算定・支払いにおける制度改定で、Drフィーの減少が予測されている(参考:http://www.tkfd.or.jp/research/project/news.php?id=931)。

結果 "多くの医師たちが、主にautonomyの低下、収入低下など将来を悲観している"というDelotte Center for Health Solutions 調査報告
しかも、この認識は、年齢、世代、専門性を問わず、横断的傾向であった。
 医師の62%が、今後1−3年での早期引退の意向を示している。


調査回答者の約2/3で、医師・病院は今後集約され、2年後の大規模医療への以降を予測は31%、10名中9名ほどが中規模医療事業者はプライマリケア志向となるだろうと予測。
10名中4名の医師は、2011年から2012年にtake-home pay減少したと報告し、半数以上が10%超減少した。
減収医師たちの間では、10名中4名がACAを批判し、48%は、2012年再度減収するだろうと予測している。
 
その他:
  • Medicare比重は今後1−3年で26%増加と予測
  • 今後1−3年で、医療制度改定が議会通過するとかんがえているのは10名中1名のみ
  • 報酬が変われば、上限が新規にあるいは追加されると予測するのは4名中1名
  • 医師の55%は、病院・医師関係は悪化すると予測。病院の効率的利用スタンダード遵守厳格化リスクに置かれると判断。
  • 米国の医療システムは"A or B"の良好レベルと判断したのは31%だったが、2011年は35%であった。
http://www.deloitte.com/assets/Dcom-UnitedStates/Local%20Assets/Documents/us_chs_2013SurveyofUSPhysicians_031813.pdf

(情報ソース:http://www.medpagetoday.com)




これだって、真実なら真逆の行為だと思う(朝日だから、意図的誤報の可能性も大だが・・・、なんせ”「医師会」など”という情報ソースごまかしだし・・・)
製薬企業から医師への金、情報公開延期 医師会側反発で
”製薬会社からの講演依頼多い= 情報整理能力や情報提供スキルのある医師もしくは立場上重要な医師”ってことで社会的ステータスでしょ、なぜ、隠す必要があるのだろうか?

HPVワクチンをめぐる日本の"失われた8年"と、私たちが検証すべきこと

「子宮頸がんワクチン」という呼び方に、以前から違和感があります。 HPVワクチンが子宮頸がん予防に重要であることは間違いありません。日本では女子への定期接種として導入され、子宮頸がん予防を中心に説明されてきたため、この名称が広まった経緯も理解できます。 しかし、このワクチンが...