2013年6月16日日曜日

アスピリン増悪呼吸器疾患(AERD)とTAPBP 多様性の関連

AERD:Aspirin exacerbated respiratory diseaseとは、「喘息」「鼻ポリープ合併慢性副鼻腔炎」「アスピリン過敏症(アセチルサリチル酸(ASA)や他のCOX1阻害性非ステロイド性抗炎症剤(NSAIDs)過敏症で、服薬後30分から3時間で気管支れん縮・鼻うっ血症状発症)」の組み合わせを呼ぶ


喘息患者AERDと、タパシン:APBP (TAP-binding protein, tapasin)多様性解析との関連

 transporter associated with antigen processing (TAP)とMHC class I分子の反応を仲介する膜通過型糖タンパクをエンコードする遺伝子であるTapacin



Association analysis of tapasin polymorphisms with aspirin-exacerbated respiratory disease in asthmatics
Pharmacogenetics and Genomics:July 2013 - Volume 23 - Issue 7 - p 341-348


2013年6月15日土曜日

レジオネラ肺炎は、ICU入院重症市中肺炎の2番目の要因 ・・・ 肺炎球菌に続き・・・

温泉ブームと循環風呂など、レジオネラのニュースってほぼ恒常的に出現する
レジオネラ肺炎は、重症となりやすく、早期診断・治療が重要・・・ 

ICUに入院する重症肺炎側からみると、2番目の病因ということで、重症肺炎ではこのレジオネラ関連検査ルーチンとしての検査が必要。保険者査定に関しても、この事実を知らしめる必要がある。



18ヶ月のサンジエゴの4つの病院のICU多施設前向き臨床研究で、重症市中肺炎比率調査

重症CAP 104名(平均年齢 58.3±19.3歳、男性64.4%;APACHI IIスコア 16.7± 6.3; SOFA: 6.1± 3.2、 Pitt Bacteremia Score (PBS): 3.4± 2.5 、 PaO2/FiO2: 170.8± 87.1
 
病因判明 62名(59.6%)
肺炎球菌 27名 26%、 L. pneumophila 9 名、 8.6%で多かった
ロジスティック回帰解析にて ナトリウム濃度 130 mEq/L以下」の所見が L. pneumopila重症CAPの独立した推定因子 (OR 11.3; 95% CI 2.5-50.5; p= 0.002)
全体での死亡率 26%、 L pneumophilaでの死亡率は33%
PBS及びPneumoniaスコアは、死亡率の予後因子

IMPORTANCE OF LEGIONELLA PNEUMOPHILA IN THE ETIOLOGY OF SEVERE COMMUNITY-ACQUIRED PNEUMONIA IN SANTIAGO, CHILE
Francisco Arancibia,  et. al.
Chest. 2013. doi:10.1378/chest.13-0162



「尿中抗原検出キット」
検出感度は70~80%,特異度は96%
・極めて優れた迅速性,特異性を有し,臨床的有用性が高い
・長期(数週間)にわたり陽性となることがあるため,治癒過程,再燃などの
臨床的判断はその他の検査結果を踏まえ判断する ;参考
これに、H23年9月レジオネラ核酸同定(LAMP)検査が保険収載された。感度・特異とも良好とされる(参考)。



Pitt Bacteremia Score
熱(口腔内温度) >4
低血圧 2
人工換気 2
心停止
メンタル状況
不穏 1
混迷 2
昏睡 4
spectrum beta-lactamase production in nosocomial infections.;Ann Intern Med 2004; 140: 26–32.)
35℃以下もしくは40度以上40℃以上 2、 35.1-36℃もしくは39.0-39.9℃ 1、 36.1度から38.9度 0
急性の低血圧(収縮期血圧 30 mmHg超、拡張期血圧 20 mmHg超、昇圧剤注射必要、あるいは収縮期血圧 90 mmHg未満
覚醒 0
(Paterson DL, Ko WC, VonGottberg A et al. ; International prospective study of Klebsiella pneumoniae bacteremia: implications of extended
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/j.1469-0691.2009.02901.x/pdf

画像診断・肺気腫 と 肺機能診断COPD いずれもが 肺静脈サイズ減少 → 左室充満機能障害 



COPDとはスパイロメトリー上診断、肺気腫はCT画像診断上の病名

いずれが、肺静脈サイズ拡大に寄与し、結果、左室充満障害を生じる

COPD・肺気腫においては心臓左室充満障害がデフォルトと言える

Impaired Left Ventricular Filling in COPD and Emphysema: Is it the heart or the lungs?: The Multi-Ethnic Study of Atherosclerosis (MESA) COPD Study
Benjamin M. Smith, et. al.
Chest. 2013. doi:10.1378/chest.13-0183


背景  慢性閉塞性肺疾患 (COPD) と駆出率温存型心不全は、臨床的にオーバーラップし、左室充満期異常がCOPDで報告されている。この状況のメカニズムは不明だが、upstreamにある肺障害がその原因と考えられ、その原因として左室前負荷減少、もしくは、左室前負荷高度にによる内在性左室機能障害が考えられる。この研究の目的は、COPDや肺気腫は、左室前負荷減少を示唆することとなる肺静脈dimesion減少と関連することを示すこと

研究方法:  住民ベースのMESA COPD研究(50-79歳、喫煙者、臨床的心血管疾患なし)
COPDはスパイロメトリーにて定義。
%肺気腫は、全肺 HU < -910 HUの領域で定義。
肺静脈入口横断面積は造影剤心臓MRで測定、肺静脈の総計で表現。
線形回帰を用いて年齢、性別、人種民族、体サイズ、喫煙で補正。

研究結果:  165名の被験者のうち、

総肺静脈面積は COPD 558 ± 159 mm2、対照  623±145mm2 

完全補正モデルでは、総肺静脈は、COPDで少ない   (-57mm2 95%CI -106 to -7mm2; p=0.03)、そして、%肺気腫と逆相関 (p<0 .001="" span="">

総肺静脈面積の有意な減少が、COPD単独、CT上の肺気腫・COPD、スパイロメトリーでのCOPD認めない肺気腫 の被験者で観察される。

結論:  肺静脈dimensionはCOPD・肺気腫で減少。
この所見は、上流の肺の要素、すなわち、COPD及びCT上の肺気腫患者に存在する左室充満量低下が原因であることを示唆する知見

2013年6月14日金曜日

BMJフィーチャー記事:インクレチン関連薬剤の安全性懸念

素人ながら、インクレチン関連薬剤は、登場してから歴史が浅いのに、あまりに普及しすぎているという懸念をもつ。
 以下の報告をみると、この薬剤に関してやはり安全性は確立されてないのだと改めて確認する。

他方、メトホルミンなどは登場から歴史が有り副作用に対し一定の対応ができるというのに、日本の糖尿病ガイドラインなどは積極的に導入しようとさせない。日本では、関連学会に自浄・猛省を求めたい。




BMJの注目記事は、インクレチン類安全性に関する懸念について
Diabetes Drugs
Has pancreatic damage from glucagon suppressing diabetes drugs been underplayed?
BMJ 2013; 346  doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.f3680 (Published 10 June 2013)

 以下はその内容

インクレチン類は糖尿病治療の新たなる寵児として持てはやらされ、実際、2型糖尿病治療に関してその戦略変更も・・・だが、膵がん発症可能性や寄与可能性に関するレビュー着手後の3月のFDA、欧州薬剤委員会後主な流れがその嫌煙に関してメインストリームとなってきた。だが、どこも明確な結論づけに達して折らず、今月も議論予定となってるとのこと


2月の報告:exenatide(バイエッタ)とsitagliptin(グラクティブ、ジャヌビア)服用者は、急性膵炎入院リスク2倍で、絶対的リスク 0.6%
・ Singh S, Chang H-Y, Richards TM, Weiner JP, Clark JM, Segal JB. Glucagon-like peptide 1-based therapies and risk of hospitalization for acute pancreatitis in type 2 diabetes mellitus. JAMA Intern Med2013;17:534-9.

4月:米国FDAの副作用イベント報告システムで、インクレチン類服用者が他の糖尿病薬剤使用者と比べ、膵炎と膵がんの増加報告
Institute for Safe Medication Practices. Perspectives on GLP-1 agents for diabetes. 2013. www.ismp.org/QuarterWatch/pdfs/2012Q3.pdf.

こういったことで、FDAとEMAは、膵がん増加の可能性を自己報告したわけである。
しかし、原因関連は不明なまま。

DPP-4阻害剤であるsitaglitinの、ヒトと同様の食事誘発糖尿病ラットβ細胞へ投与実験で、Aleksey Matveyenkoは、sitagliptin、メトホルミン、両薬剤を投与し、sitagliptin投与ラットでの膵異常病変至適した。16匹中3匹で"acinar to ductal metaplasia"を認め膵がんの前駆病変とも考えられた。

Matveyenko AV, Dry S, Cox HI, Moshtaghian A, Gurlo T, Galasso R, et al. Beneficial endocrine but adverse exocrine effects of sitagliptin in the HIP rat model of type 2 diabetes, interactions with metformin. Diabetes2009;58:1604-15.
MatveyenkoとButlerは、 猿での病理再実験をオファーするもメルク側に受け入れられず・・・


・行政の反応
・製薬会社は何処まで知っていた
・GLP-1の影響
・法制
・猿でのLiraglutide
・ヒト膵臓
・副作用報告
・

CDC Prevention Epicenters Program: カテーテル抜去後抗生剤投与ベネフィット、薬剤耐性懸念は残る

絶対的減少(ARR)・NNTは5.8%、17ってことなので、絶対的評価としては微妙
だが、相対的減少率は半減程度の可能性とのことで、患者ベネフィットを認める

薬剤耐性の問題まで考えれば・・・ますます悩ましい

 2012年11月までのシステマティックレビューとメタアナリシス
 7つの対照化トライアルは、カテーテル抜去後有症状尿路感染をエンドポイントとして、6つはランダム化対照化トライアル(出版5つ、要約のみ1つ)、1つの非ランダム化対照化介入研究。7つの研究中5つは手術症例。
 研究は、抗菌予防のタイプ・期間及び観察期間についてheterogeneityあり

全体的に診れば、抗生剤予防は患者ベネフィットと相関し、介入群・対照群のリスク絶対減少差は5.8%、相対リスクは、0.45( 95% 信頼区間 0.28 - 0.72)
尿路感染に関するNNTは17(12-30)


Antibiotic prophylaxis for urinary tract infections after removal of urinary catheter: meta-analysis
BMJ 2013; 346 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.f3147 (Published 11 June 2013)
the CDC Prevention Epicenters Program

2013年6月13日木曜日

「睡眠薬の適切使用を」 初の指針 → ベンゾジアゼピン系・向精神薬全体の問題なのに・・・限定的に問題化する恣意性を感じる

睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドライン
http://www.ncnp.go.jp/press/press_release130611.html

http://www.ncnp.go.jp/pdf/press_130611_1.pdf


睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドライン
ー出口を見据えた不眠医療マニュアルー 
http://www.ncnp.go.jp/pdf/press_130611_2.pdf



「睡眠薬の適切使用を」 初の指針
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130613/t10015276791000.html

NHKのような書き方をすると、『ベンゾジアゼピン系』依存・離脱症状の問題が『フェノバルビタール系』あるいは『睡眠薬』だけの話と勘違いされる。


マイスリー(ゾルビデム)頓用を推奨してるようで、一方では、睡眠薬の頓用を避けるべきと推奨している。・・・矛盾してないか?
Q6.【勧告】 非ベンゾジアゼピン系睡眠薬であるゾルピデムの頓用(As-needed/Non-Nightly 療法)が定期服用時と同等の治療効果 を有し、また認容性に優れていることを示す複数のエビデンスがあり、比較的軽症で治療初期の不眠症患者に対する治療 選択肢の一つとなりえる。【推奨グレード B】
ただし、他の非ベンゾジアゼピン系睡眠薬でも同様な効果が得られるか確認 されていない。

ベンゾジアゼピン系睡眠薬について休薬夜に薬物離脱性の不眠症状の悪化が見られる危険性が否定できないため、 頓用の推奨されず、必要な場合にの     慎重に行うべきである。【推奨グレード C2】


Q34:【勧告】短期服用時には睡眠薬による依存形成の危険性は少ないが,高用量・長期間の服用が依存形成リスクを上昇させるので避けるべきである。不眠症状が改善すれば、患者の状態に応じて、頓用、漸減、休薬日を設けるなどの方法がある。症状の推移に対応した治療計画を立てることが求められる。【推奨グレードB】


このガイドライン、睡眠薬使用擁護的趣意が目立つし、そもそも、他のガイドラインに比べ、エビデンスに比べ、推奨グレードのインフレーションが目立つ。


マイスリーの老人や虚弱状態患者への投与の危険性・・・ 例のアステラス製薬なので変な宣伝しそうで怖い
↓
マイスリーは、転倒の独立した危険因子 ・・・ 即刻対処必要 2012/11/21


このガイドラインの利益相反大丈夫だろうか?



医師たちが作る薬物依存 ・・・ 依存症原因の2位に 2013/02/22
日常臨床で頻回に遭遇するデパス依存症 2010年 04月 09日




向精神薬依存:8割、投薬治療中に発症 「医師の処方、不適切」−−専門機関調査  2013年06月19日
http://mainichi.jp/select/news/20130619mog00m040012000c2.html
ベンゾジアゼピン(BZ)系といわれる向精神薬の依存や乱用に陥った患者の8割以上が、アルコール依存など別の疾患の治療中に発症していたことが、 国立精神・神経医療研究センター(東京都小平市)の調査で分かった。BZ系は用量内でも乱用・依存に陥る可能性が指摘され、欧米では処方を避ける傾向にあ る。診察せずに処方されたケースも4割あり、調査した専門家は、医師の不適切な処方が発症につながったと指摘している。【和田明美】
 2011年12月、同センターなど首都圏の薬物依存症専門医療機関4カ所が、BZ系と、近い系統の睡眠 薬や抗不安薬を乱用するなどしていた20〜60代の87人(男性37人、女性50人)を調査。うち84%の73人が、調査対象の専門機関にかかる前の通院 先で、アルコール依存や気分障害、不安障害、睡眠障害などの治療中に乱用や依存に至っていた。
 依存、乱用するようになった薬は、調査対象者の89%の77人が精神科医療機関で処方されたものだった。知人や密売人などから入手したのは、いずれも1割未満だった。
 処方時の問題は、BZ系で特に依存の危険がある薬を処方(7割)▽患者が薬をためている可能性を考えず漫然と処方(同)▽多種類の処方(5割)▽用量を超えた大量処方(同)▽診察なしの処方−−などがあった。
 一方、患者は「不眠の解消」「不安・緊張感の緩和」「いやなことを忘れる」などを求めて乱用したものの、調査対象者の6割が暴力をふるったことを忘れるなどトラブルを起こしたほか、5割が過量服薬で救急搬送され、3割が交通事故や転倒で救急搬送されるなどしていた。
 BZ系は、不眠や不安の解消などさまざまな場合で処方され、国内での向精神薬の依存や乱用の原因の約9 割を占めるとされる。飲み過ぎるともうろう状態になり、健忘や転倒などの副作用が出る。1970年代に欧米で乱用・依存が問題化し、英国国立医療技術評価 機構のガイドラインでは2〜4週間を超える使用は推奨されておらず、米国食品医薬品局も長期の使用は承認していない。
 また、米国などでは90年代以降、新型の抗うつ薬が使われたことに伴い、BZ系抗不安薬の処方が激減した。日本では精神科以外でも広く処方され、抗不安薬の処方件数は欧米の6〜20倍とも言われる。

 同センター薬物依存研究部の松本俊彦・診断治療開発研究室長は「患者の不安が強いと、一時的にBZ系を使わざるをえない場合もある」としながらも、「医療機関が依存性の高い薬を処方し続けたり、多種、大量に処方したりすることが発症につながる。診察なしの処方は兆候を見過ごすことになり、絶対すべきでない」と指摘している。
 ◇医師が依存作り出す−−薬物依存症に詳しい成瀬暢也・埼玉県立精神医療センター副病院長の話
 ベンゾジアゼピン系の依存や乱用に陥った患者の薬の入手先を調べた事例は、これまでなかったのではないか。1、2人の医師で多数の患者を診察しなければ経営が成りたたない医療機関は多い。診察に時間をかけられず、薬に頼りがちで、医師が患者の薬物依存を作り出すことになってしまう。

若年・中年・高年齢層:喘息・COPD併発患者頻度とそのリスク要素

日本でも同様手法ののネットアンケート調査みたことがあるが・・・どれほど信頼できるものか・・・


呼吸器症状・診断・リスク要素のメール・電話での一般住民アンケート
20-44歳(n=5136)と、45-64歳(n=2167)と、65-84歳(n=1030)
multicentre Gene Environment Interactions in Respiratory Diseases (GEIRD) studyからの報告


The Coexistence of Asthma and Chronic Obstructive Pulmonary Disease (COPD): Prevalence and Risk Factors in Young, Middle-aged and Elderly People from the General Population.
de Marco R, Pesce G, Marcon A, Accordini S, Antonicelli L, et al. (2013)
PLoS ONE 8(5): e62985. doi:10.1371/journal.pone.0062985

喘息あるいはCOPD(肺気腫/慢性気管支炎/COPD)の医師診断に基づく比率
<65歳 13%、 65-84歳で 21%
加齢により、喘息診断頻度減少と相関(8.2%→1.6%)、COPD頻度は著明増加(3.3% → 13.3%)
喘息・COPDのオーバーラップ頻度は、20-44歳 1.6%(1.3%–2.0%)、 45-64歳 2.1%(1.5%–2.8%)、 64-84歳で4.5%(3.2%–5.9%)




喘息・COPD併発では、喘息単独やCOPD単独に比べ、呼吸器症状、身体機能障害、入院増加が多い (p<0 .01="" br="">
加齢、性、教育、喫煙は、ばらつきがあるが、3つの疾患、喘息単独、COPD単独、喘息・COPD併発状態では逆の相関を認める。

HPVワクチンをめぐる日本の"失われた8年"と、私たちが検証すべきこと

「子宮頸がんワクチン」という呼び方に、以前から違和感があります。 HPVワクチンが子宮頸がん予防に重要であることは間違いありません。日本では女子への定期接種として導入され、子宮頸がん予防を中心に説明されてきたため、この名称が広まった経緯も理解できます。 しかし、このワクチンが...