2013年7月12日金曜日

超高齢者は以前の世代より知的にシャープになっている

もちろん認知症の問題はあるが、一般的には、一昔前に比べ、最近の老人は知的に衰えてない。 

慢性疾患死亡減少による長寿化に伴い、高齢者の健康が包括的に減少するはずという、"failure-of-success" hypothesisへのチャレンジ現象が、先進国諸国で生じている

「みんなが長生きすると、知的・身体的障害をもつ絶対数が増える」という考えは間違いらしい

Physical and cognitive functioning of people older than 90 years: a comparison of two Danish cohorts born 10 years apart
The Lancet, Early Online Publication, 11 July 2013
doi:10.1016/S0140-6736(13)60777-1


先進国内で100歳まで生存する比率急増しているが、脆弱性、障害を生き延びる超高齢者のその要因への関心のため、誕生年10年離れたのデンマークの超高齢者2つのコホートの認知・身体機能調査。

93歳までの生存チャンスは、1915年コホートの方が、1905年コホートより28%高い(6.50% vs 5.06%)、95歳までの生存チャンスは、1915年コホートが、1905年コホートより32%高い (3.93% vs 2.98%)

MMSEにおいて、1915年コホートのスコアは、1905年コホートより有意に良好 (22·8 [SD 5.6] vs 21.4 [6·0]; p<0 .0001="" p="">最大スコア被験者比率も明らかに高い (28—30点; 277 [23%] vs 235 [13%]; p<0 .0001="" p="">
同様に、認知組み合わせスコアは1905年コホートより1915年コホートが良好  (0.49 [SD 3.6] vs 0.01 [SD 3.6]; p=0.0003)

このコホートでは、身体的パフォーマンスに関しては一致していないが、1915年コホートは1905年コホートよりADLスコア有意改善  (2.0 [SD 0.8] vs 1.8 [0.7]; p<0 .0001="" p="">






1型糖尿病では、タイプA性格で冠動脈性心疾患死亡リスク減少 ・・・ うつの影響が少ない方が重きが置かれる

テレビ番組の稚拙化が一因と思うが、性格ステレオタイプ分別によるくだらない言葉のやりとりが、いろんなところでなされている。医療関係者ですら、タイプAの行動はすべて心血管へ悪影響とされてきた。


1型糖尿病において、type A行動 (Bortner Rating Scale指標)と、冠動脈性心疾患(CAD)の関連性についての知見によれば、そのステレオタイプな考えはやめた方が良いことがわかった。

"Rosenman, & Bortner(1977)は WCGS のデータをもとに 40 以上のタイプ A 構造化面接 の関連変数について比較し,患者群とコントロール群の有意な差は,敵意,外交的怒り,1 週 1 度以上の怒りの経験,行列で待つ苛立ち,元気な答え,激しやすい反応などであった と述べている.同様にHecker, Cheseney, Black, & Frautschi(1988)やDembroskiら (1985)もタイプ A のいくつかの要素と CHD の関連を調査し,その中で敵意性の重要性 を指摘するようになっている."
http://dspace.wul.waseda.ac.jp/dspace/bitstream/2065/2964/3/Honbun-3900.pdf

本来は、このタイプAというのは、元気でいらだちやすく、激しく反応しやすい正確で、冠動脈性心疾患リスクを増やすという分類にはいるのだが・・・


1型糖尿病では逆にタイプA行動が利益的に働く



Type A Behavior and Risk of All-Cause Mortality, CAD, and CAD-Related Mortality in a Type 1 Diabetic Population
22 years of follow-up in the Pittsburgh Epidemiology of Diabetes Complications Study
Catherine E. Fickley, et. al.
Diabetes Care Published online before print July 8, 2013, doi: 10.2337/dc13-0266

目的 1型糖尿病において、type A行動が全原因死亡率、冠動脈疾患(CAD)発生頻度予測となるか?


研究デザイン・方法 小児期発症1型糖尿病 Pittsburgh Epidemiology of Diabetes Complications (EDC) study フォローアップデータ(22年間)、506名のの被験者で Bortner Rating Scale (measuring type A behavior) と Beck Depression Inventory (BDI) をベースライン(1986–1988)として検討。
CADは病院記録/心電図Q波、心筋梗塞、CAD死亡(死亡分類委員会決定)、血管造影狭窄所見、虚血性心電図、狭心症の組み合わせ判断


結果 フォローアップ中128名(25.3%)死亡

単変量解析にて、Bortnerスコアと全原因死亡率の逆相関 (p = 0.001)
年齢、性別、期間、HbA1c、教育、喫煙、BMI、身体活動性補正後も有意差残る (p=0.03)

しかし、BDIスコア追加検討にて・・・
この相関は減弱 (p=0.11)したが、有意相関存在 (p=0.03)
BDIスコア低値患者(5分位下位3群)での死亡への予防的影響は限定的 (p=0.07)
しかし、BDIスコア高値患者では影響認めず (P = 0.97)

Bortnerスコアは、CAD発生に関して境界的有意差みとめる (P = 0.09)


結論  type A行動性の高い1型糖尿病患者では、全原因死亡率低下
BDIスコアの低い一群でのみoperativeだったことから、うつの症候的意義による関連と考えられる。この関連性の理解のためにはさらなる検討が必要だが・・・



水疱性類天疱瘡:抗BP180-NC16a抗体

類天疱瘡関連検査法・診療報酬の改定(H25年7月)

類天疱瘡とは・・・
類天疱瘡群の疾患は、全身に水疱形成し、組織学的に表皮下水疱を示し、抗表皮基底膜部抗体を検出する皮膚疾患である。代表疾患である水疱性類天疱瘡のほかに、多数の亜型があり、異なった抗原に反応することが明らかとなりつつある。

水疱性類天疱瘡の抗原はBP230 とBP180 であり、後天性表皮水疱症の抗原はVII型コラーゲンである。最近、新しい類天疱瘡としてラミニンガンマ1に反応する疾患が存在することを私共は明らかにし、抗ラミニンガンマ1類天疱瘡と名づけた。水疱性類天疱瘡において、その自己抗体が病原性を有していることは、BP180リコンビナント蛋白蛋白で免疫したウサギ血清のIgG を新生児マウスに投与することにより病変を形成することができることから、明らかになった。さらに、ex vivoの皮膚切片上反応で、後天性表皮水疱症の自己抗体が病原性を有していることも明らかとなっている。

抗BP180-NC16a抗体
http://www.srl.info/srlinfo/kensa_ref_CD/KENSA/SRL6211.htm

BP180の主要なエピトープは、NC16aと呼ばれる最も細胞膜に近い部分に存在し、大部分の患者血清がこの部位の組み替え蛋白質に反応性を示す。本試薬は抗原としてBP180NC16aを用いて、患者血清中の抗BP180抗体を特異的に測定する試薬である。

特異性・感度ともかなり優秀

BP180 IgG reactivity was associated with an overall sensitivity of 0.953 and specificity of 0.940;

抗デスモグレイン1抗体・抗デスモグレイン2抗体
(ELISAまたはCLEIA)
「自己免疫水疱症の自己抗体の読み方と治療への応用」

2013年7月11日木曜日

アルツハイマー型認知症はがんになりにくく、がん患者はアルツハイマー病になりにくい・・・

Inverse occurrence of cancer and Alzheimer disease: A population-based incidence study
Massimo Musicco, et. al.
Neurology 10.1212/WNL.0b013e31829c5ec1; published ahead of print July 10, 2013 


アルツハイマー病患者はがん発症リスクが少なく、がん患者老人は同世代非がん患者に比べアルツハイマー病率が少ない。

100万名を超える居住者の存在する、北イタリアのコホート
204,468名6年間(2004-2009年)、60歳以上での検討

アルツハイマー病発症2832、がん発症 21,451
ともに発症161

アルツハイマー認知症のがんリスクは半分
アルツハイマー認知症のリスクはがん患者で35%減少



がんリスクの少ない神経変性疾患は、アルツハイマー型認知症だけでなく、British ColumbiaやCancouver Coastal Healthなdの多発性硬化症でも報告されている。
その考察では、免疫システムが関与とされてるらしい。

ロイターでも配信されている
http://www.reuters.com/article/2013/07/10/us-alzheimer-cancer-idUSBRE9690ZJ20130710

小児PCV7ワクチン:非ワクチン接種者も、世代を超えた非接種者も恩恵 入院率・数とも減少

肺炎球菌に対する小児ワクチンは、世代を超えて感染による入院数減少に役立っている。


"U.S. Hospitalizations for pneumonia after a decade of pneumococcal caccination"
Griffin MR, et al 
N Engl J Med 2013; 369: 155-63.

【背景】
2000年米国小児ワクチンスケジュールへのPCV7の導入にて、若年者のワクチン血清型による侵襲性肺炎球菌感染症発生減少、そして非ワクチン年長小児、成人でも減少。
2004年までに全原因肺炎関連入院も若年小児で著明減少。
非ワクチン血清型による疾患増加に関する関心故、弱年小児肺炎関連入院減少が2009年確実で、より年長群での入院が減少したか確認希望

【方法】
 Nationwide Inpatient Sample databaseを用いて、全原因入院年間発生率推定。入院理由を第1リスト化診断の場合、敗血症・髄膜炎・膿胸の初期診断後リスト化の場合を入院理由とする。
肺炎関連入院年次平均発生率を1997-1999年(PCV導入前)、2007-2009年(導入後安定期) で推定し、肺炎入院率年次減少を確認。 

【結果】
2歳未満小児肺炎入院年次発生 10万小児あたり555.1(95% 信頼区間 [CI], 445.1-657.1)減少、これは、PCV7導入前に比べ年間 4万7千件も入院減少したことになる。

85歳以上成人では、10万あたり1300.8(95% CI, 984.0-1617.6)減少、これは入院数年間7万3千件減少に相当。

18-39歳、65-74歳、75-84歳の3つの年例群では、反れおぞれ、肺炎年間発生減少、10万対  8.4(95% CI, 0.6-16.2)、 85.3(95% CI, 7.0-163.6)、 359.8(95%CI, 199.6-520.0) 

包括的には、年齢補正年間減少は、10万対あたり 54.8(95% CI, 41.0 - 68.6)、年間肺炎入院 16万8千件減少に相当。

【結論】
PCV7導入後10年間で、小児肺炎入院減少は明らかで、成人間の肺炎入院減少も明らか (Funded by the Centers for Disease Control and Prevention.)


日本も、ニューモバックス詐欺続けるより、PCV7ワクチン普及推進した方が良い

・ 本邦老人施設:肺炎球菌ワクチンは肺炎球菌のワクチンであり、肺炎ワクチンではない!2010年 03月 12日
・ 肺炎球菌性肺炎予防のエビデンス無き肺炎球菌ワクチン:PCV7の方がより免疫反応が優秀 2009年 09月 09日
・ 成人肺炎球菌ワクチンのコスト効果解析 PCV13利用がコスト効果的 2012/02.22

自閉症リスク特異性99%を超える初めての臨床的バイオマーカー発見

母体の自己抗体が自閉症例として1/4の鍵を握る・・・という報告。





 自閉症スペクトラム疾患(ASDs)は、大元は神経発達障害であり、米国内では推定88名に1人が罹患している。以前は、胎児脳膠原認識するASD特異的母体自己抗体が記載され、さらに、LDH AとB、cypin、ストレス誘導リン酸蛋白1(STIP1)、collapsin response mediator protein 1 と 2 (CRMP1、CRMP2)、7つの母体自己抗体関連(MAR ; maternal autoantibody-related)自閉症に関して筆者等は記載。

 特異的抗原組み合わせへの独占的反応性が、ASD小児の母23%に見られるが、対照では1%のみ

LDH、STIP1、CRMP1、and/or cypinへの特異的反応を有する母をもつASD小児 では、これら抗体をもたない母のASD子供比較で、ステレオタイプ行為が多い (7% vs 対照 0% ; P<0 .0002="" 1.45="" 24.2="" nbsp="" p="">
自閉症リスク特異性99%を超える初めての臨床的バイオマーカー発見


Primary source:
Braunschweig D, et al "Autism-specific maternal autoantibodies recognize critical proteins in developing brain" Transl Psychiatry 2013; 3(e277).

Additional source: Bauman MD, et al "Maternal antibodies from mothers of children with autism alter brain growth and social behavior development in the rhesus monkey" Transl Psychiatry 2013; 3(e278).



 学生の時のフィールドとして初めてふれた疾患が自閉症だった。そのときの指導してくれた先生は心理学の先生だったが、「自閉症は心理的状態ではなく疾患がメインストリーム」と印象をもってると語ってくれた。・・・個人的に感慨深い報告。

急性前骨髄性白血病・・・化学療法行わずに治癒可能に・・・

急性前骨髄細胞性白血病(APL)が、通常の化学療法をおこなわなくても治癒可能に・・・


アンディー・フグさんが劇的だった ・・・ 時代がもう少し後であれば・・・


34.4ヶ月のフォローアップ中央期間にて、ATRA(all-trans retinoic acid :トレチノイン)+arsenic trioxide(三酸化二ヒ素)で完全寛解率 77/77
一方、対照の化学療法ベース標準治療は75/79 (p = 0.12)


現時点の化学療法は、寛解率全体で95%を超えており、治癒率も90%を超える状況。
だが、化学療法は血液毒性の問題がある。トレチノイン+三酸化二ヒ素治療に期待が大きい。

162名のランダム割り付けで、2年時点イベントフリー生存率非劣性(5%以上差の無いことをターゲット)比較トライアルパイロット研究




Additional source: 




ATRA+三酸化二ヒ素 vs 標準治療(ATRA-イダルビシン導入→ATRA+化学療法3サイクルの地固め→低用量化学療法+ATRAの維持療法)
ベースライン特性(年齢、白血球数、血小板数を含む)差認めず、ITT解析

血液学的完全寛解までの中央期間は、ATRA-三酸化二ヒ素群で32日、ATRA-化学療法/
標準治療群で35日 (p=0.61)
対照である標準治療群で導入治療期間中4名が死亡、このうち2名はdifferentiation syndromeで、一人は虚血性卒中、一人は気管支肺炎。
ATRA-三酸化ヒ素治療群2名で、導入治療を早期中止、一人は重要プロトコール侵害、そして他の理由として第三病日めのQTc間隔重度延長及び電解質異常


二年め結果として
・イベントフリー生存率 : 介入群 97% vs ATRA-化学療法 86% (p<0 .001="" p="0.01)</p">
・包括的生存率 : 介入群 99% vs ATRA-化学療法   (P=0.02)
・疾患フリー生存率 : 介入群 97% vs ATRA-化学療法 90%  (P=0.11)
・再発累積率 : 介入群 1% vs ATRA-化学療法 6%  (P=0.24)

副作用に関して、介入群はより血液毒性少なく、感染症少ないが、肝毒性が多い
特異的には、15日間を超える好中球減少・血小板減少 grade 3-4に関しては、介入群 26エピソード vs ATRA-化学療法群 59 エピソード  (P<0 .001="" p="">


肝毒性grade 3-4の影響は、ATRA-三酸化ヒ素介入群 43/68 (63%)  vs 対照群 4/69 (P<0 .001="" p="">


HPVワクチンをめぐる日本の"失われた8年"と、私たちが検証すべきこと

「子宮頸がんワクチン」という呼び方に、以前から違和感があります。 HPVワクチンが子宮頸がん予防に重要であることは間違いありません。日本では女子への定期接種として導入され、子宮頸がん予防を中心に説明されてきたため、この名称が広まった経緯も理解できます。 しかし、このワクチンが...