2014年5月17日土曜日

過食のみが肥満の原因? ・・・ No! 食事内容など環境要素・遺伝的要素がまず最初ってのもありえる

たしかに、肥満となると、「摂取カロリー(エネルギー)」 − 「消費カロリー(エネルギー)」の差と簡単に考えるが、それでは説明できない状況も多い。説明される状況はPrevailingモデルと呼ぶ。説明できない状況の場合は、食事内容(質)、特に、グリセミック指数:Glycemic指数高値 の内容と遺伝的要素ライフスタイル要素が、まずプライマリーで脂肪蓄積を生じさせ、代謝特性変化し、エネルギー蓄積性に働く、いわゆる、alternativeモデル。


肥満は満足できない食事記録が原因であるという、「肥満女性は自らの手にその血ロー右方がある、もしくは、歯の間に」という肥満治療主流アプローチに、JAMA誌では、90年前のエディトリアルで、疑問が呈されている。



Increasing AdiposityConsequence or Cause of Overeating?
David S. Ludwig, et. al.
JAMA. Published online May 16, 2014. doi:10.1001/jama.2014.4133 




 カロリー摂取随意的変化が短期体重変化を推定できるということから、長期においては、意識化の体重コントロールの可能性が想定だれる。しかし、食事研究では、エネルギーバランスは、生物学的順応であり、体重増加・減少に拮抗する方向に向かうことが分かっている。例えば、41名のやせ・肥満の被験者で、10%から20%の体重変化が示された研究では、食事量減少すればエネルギー消費量は減少し、食事量増加すれば消費量は増加する。これらの代謝的変動・レシプロカルな変化は体重維持方向へ進む。米国内の肥満・過体重の人で1年内に10%もの体重減少するひとは 非常に少ない。

体は持続的にエネルギーが昼用である、主要な代謝燃料は、ブドウ糖、非エステル化脂肪酸、ケトンであり、これらは、タイトに濃度コントロールされている。8名の若年成人研究では4から6kcal/Lの範囲でトータルで調整されている。これらの燃料の循環中濃度・酸化が急激に減少すると、強度の空腹、摂食を促す。反対に、薬物学的に代謝的燃料供給増加すれば、食事摂取減少することとなる、例えば、脂肪酸合成酵素阻害薬剤やβ3アゴニスト投与など。インスリンは体重調整上代謝的燃料濃度にかなり影響を与える、インスリン作用亢進は、糖尿病・インスリノーマなどでは体重増加となり、1型糖尿病のインスリン不足などのようにインスリン減少では体重減少となる。

【肥満では、代謝障害が過食に先行する?】
筋肉特異的インスリン受容体のablation、11β-hydroxysteroid dehydrogenase type 1 のadipose-specific overexpression(糖質コルチコイド代謝関連酵素)と liver-specific overexpression of sterol regulatory element-binding protein-1c ( transcription factor regulating de novo lipogenesis).実験モデルでは、肥満はエネルギーホメオスタシス経路の遺伝的操作にて生じるが、食事摂取には影響を与えない。
食事構成成分にて、遺伝的正常動物でも肥満を生じることは重要で、カロリー摂取とは独立した肥満要素である。ラットでは、GI値高vs低食事にて、高インスリン状態、脂肪組織での脂肪酸合成酵素の発現亢進、糖から脂肪への転換促進となり、脂肪蓄積過度となる代謝異常をもたらす。高GI動物を体重増加しないよう制限しても、低GI食に比べ、脂肪比率増加(70%)となる。おそらく、心血管疾患リスクとなるだろう。

エネルギー摂取減少しても生じる、脂肪組織沈着増加は、カロリー中心的とらえ方では説明困難。この場合は、上記図の、alternative modelで説明可能である。


遺伝的要素、食事の質を含む環境的要素歯、摂取カロリーの酸化消費より蓄積方向へ進む、いわゆるアナボリック過剰状態を誘導する状況がある。



グリセミック指数はカロリー計算と違い合算ってわけにいかず、GI値の高い食品をさけてとしか言いようがない。



2014年5月16日金曜日

心房細動の抗凝固治療しっかりしないと、認知症リスクが高まることになる

多因子的現象だろうが、1つの可能性として、凝固コントロール不良なら微小血栓が、過剰抗凝固なら微小出血が生じる可能性がある。


Bunch T, et al "Time outside of therapeutic range in atrial fibrillation patients is associated with long-term risk of dementia" HRS 2014; Abstract PO05-169.
http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/HRS/45796


心房細動(ワーファリン治療) 2683名の検討

患者平均74歳、フォローアップは5年間以上


INR 2-3の範囲の認知症発症リスクは、治療レンジが75%超の場合に比べ、75%以下では有意に認知症発症リスク増加する

・25%未満 ハザード比 4.0程度
・25%から50% ハザード比 3.5程度
・51%から75% ハザード比 2.0程度

INR 2.0未満、3.0超は認知症リスク増加








循環器からアスピリン+プラビックス、脳外科(神経内科)や整形外科からプレタール、そして心房細動をみている医療機関らNOACという笑えない処方を見ることがある。

・・・真剣に、どうにかしてほしいのだが・・・ 各医学のおえらいさんたち

また、プレタール+頻拍放置例をみるにつけ、暗澹たる気持ちになる

喘息急性増悪:治療戦略比較:ICS/LABAの有効性認める。SMARTは優れているのだろうが、固定量ICS/LABAと差のエビデンス無し 

 中等症喘息に関して、SMART療法は優れた治療戦略だと思うが、(アストラゼネカやアステラス宣伝の問題か、臨床の場にアホが多いせいかわからないが)固定量部分が軽視あるいはお混和レズ、リリーバ部分だけが行われる、“いんちきSMART”が行われ、患者さんたちが発作の時だけシムビコートを数という事態が多発している。

  SMARTというより、ICS/LABA配合剤同一製剤によるメンテナンス/リリーバ(COMBI MAR)が最良の治療であることが示された。ただ、ICS/LAMA fixとの有意差は示されてないと思う。





Comparative effectiveness of long term drug treatment strategies to prevent asthma exacerbations: network meta-analysis
BMJ 2014; 348 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.g3009 
(Published 13 May 2014) Cite this as: BMJ 2014;348:g3009


64トライアル、59,622名人年(フォローアップ)、15治療戦略とプラシーボ比較

重症急性増悪予防に対し、ICS/LABA維持療法及びリリーバ治療と、ICS/LABA(固定量)ではパフォーマンス同等で、有効性はfirst rank.


低用量ICSとの比較(急性増悪)発生比率比較rate ratioは、それぞれ、0.44(95%CI, 0.29 to 0.66)、0.51(0.35 to 0.77)


他の併用療法は、ICSとの比較で優越性認めず、
全ての単剤治療は、ICS低用量に劣る


安全性は、通常のbest(ガイドラインに基づく)診療方法及びメンテナンス・リリーバ治療併用が最良。 





COMBI=combined inhaled corticosteroid (ICS) and long acting β agonist (LABA) in single inhaler;
COMBI MAR=COMBI as maintenance and reliever treatment;
COMBI FIX=COMBI in fixed daily dose
COMBI AMD=COMBI in adjustable maintenance dose
H=high dose
LABA=long acting β agonists, regular use;
LTRA=leukotriene receptor antagonist
SABA=short acting β agonists, regular use






Forest plot showing asthma exacerbation rate ratios and median ranks with corresponding 95% credible intervals for each strategy compared with low dose inhaled corticosteroids (ICS).
COMBI=combined ICS and long acting β agonist (LABA) in single inhaler
COMBI MAR=COMBI as maintenance and reliever treatment
COMBI FIX=COMBI in fixed daily dose;
COMBI AMD=COMBI in adjustable maintenance dose; H=high dose;

肥満成人減量維持:システマティックレビュー・・・食事/運動介入は効果軽度だが有意な差を認める

肥満成人の減量維持のための適応可能アプローチのシステマチックなレビューと記載


12ヶ月以上5%以上の体重減少後の18歳以上肥満成人への減量維持プログラム介入効果についての記載


Long term maintenance of weight loss with non-surgical interventions in obese adults: systematic review and meta-analyses of randomised controlled trials
BMJ 2014; 348 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.g2646 (Published 14 May 2014)


7788名を含む、45トライアル

行動的介入(食事摂取、運動を含む):平均差は、12ヶ月時点で、対照比較で −1.56kg(95%信頼区間、 −2.27〜−0.86kg)  25 比較数, 2949被験者
 

Orlistat+行動介入では、  −1.80 kg (−2.54 〜 −1.06; 8比較数 1738 被験者)


Orlistat前研究では、プラシーボ対照に比べ、実験群で、イベント回数多い。
 

Orlistat治療には量反応関係が見られ、120mg×3回/日にて、減量維持最大   (−2.34 kg, −3.03 to −1.65) 、vs 60 mg 、30 mg ×3回/日(−0.70 kg, 95% 信頼区間 −1.92 to 0.52), P=0.02.

2014年5月15日木曜日

DYRK1B:冠動脈疾患若年発症・内臓肥満・高血圧・2型糖尿病関連家系から原因遺伝子変異発見

臨床的定義が曖昧なメタボリックシンドロームといっていいのか分からないけど、冠動脈疾患若年発症・内臓肥満・高血圧・2型糖尿病に関わる遺伝子変異発見

筆者等は、今までも心血管リスクを個別に高める原因遺伝子発見はあったが、メタボリックシンドロームのような心血管疾患リスクのクラスターに関わる感受性遺伝子の発見は初めてだと主張している。


A Form of the Metabolic Syndrome Associated with Mutations in DYRK1B
Ali R. Keramati, et. al.
N Engl J Med 2014; 370:1909-1919May 15, 2014DOI: 10.1056/NEJMoa1301824


冠動脈疾患若年発症・中心性肥満・高血圧・糖尿病遺伝性3家系

linkage analysisとwhole-exome sequencingにて、病因遺伝子解析

kinase-like domainに存在するDYRK1B  の比較的多い領域であるposition 102のcysteine→arginineへの置換変異


関連家族メンバー全員に、遺伝子変異は、臨床的症候群 に、共分離(2つの遺伝子・マーカーが同時に遺伝、分離し配偶子に振り分けられ)、変異関連しない家族、無関連対照では認めない。

疾患遺伝子の機能特性は、DYRK1B によるエンコードされた非変異蛋白 は、 SHH (sonic hedgehog) とd Wnt signaling pathwayを抑制し、adipogenesisを促進する。


さらに、DYRK1Bは、 糖新生の鍵である、 glucose-6-phosphatase発現を促進する。

R102C allele  は、これらの作用を促進するgain-of-function activityを有する。


2つめの変異(histidine 90の proline置換)は、民族的に異なる、同様な臨床症候群の共分離を示した。


2つのスタチン副作用関連論文撤回へ・・・BMJ

洋の東西を問わず、論文の質の問題が発生というか、常態してるわけで、まぁ論文というのは嘘と思ってみなきゃならない。それは、複数権威者のステートメントも含め・・・



Adverse effects of statins

BMJ 2014; 348 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.g3306 (Published 15 May 2014)
Cite this as: BMJ 2014;348:g3306

BMJの2つの記事の著者等が、スタチン副作用についてのステートメントを撤回
先行出版内容の不正確な引用、それによるスタチン副作用発生率過剰記載のための撤回


この話題で興味深いのは、薬効でなく、副作用の側面の研究。
薬剤副作用の報告も、そのマーケットは大きいほど、メジャージャーナルに取り上げられやすくなるので、overstatement傾向も・・・
(薬害なんたら たちが、昔からやってる手法。それに反ワクチン運動家も・・・)

スタチン周辺は、カルキュレーターゲート・ラゲート問題など 特に、騒がしい。


報道:
http://www.forbes.com/sites/larryhusten/2014/05/14/bmj-articles-critical-of-statins-provoke-kerfuffle/


John Abramson(Harvard Medical School)による論文では、スタチンベネフィットは、従来記載より少なく、リスクが大きいとのべており、副作用リスクを約18%、20%とした。
Should people at low risk of cardiovascular disease take a statin? BMJ 2013; 347 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.f6123 (Published 22 October 2013) Cite this as: BMJ 2013;347:f6123

2つめの論文は、同じ週で、Asee Malhotra(Croydon University Hospital in London ) の報告で、飽和脂肪酸の心血管疾患への役割で、スタチン服用の20%で、持続不能の副作用ありという報告。

Saturated fat is not the major issue BMJ 2013; 347 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.f6340 (Published 22 October 2013) Cite this as: BMJ 2013;347:f6340


Godlee F "Adverse effects of statins: the BMJ and authors withdraw statements that adverse events occur in 18-20% of patients" BMJ 2014; 348: 11.



肺がん低放射線量CT検診(高リスク群だけの検診)をメディケア負担とすれば1人あたり3ドルの負担増となる

当たり前だが・・・・・新しい肺がん検診ガイドラインは数万名の生命を救うが、かなりコストがかかる、このことが、6月のASCOで報告される。


現行喫煙・喫煙既往者たちへのベネフィットのため、非喫煙者メディケアメンバーの負担増を容認できるか・・・それがテーマとなる議論が巻き起こることだろう。


American Society of Clinical Oncology annual meeting, June 2, 2014, Chicago
http://www.philly.com/philly/health/topics/HealthDay687869_20140514_Stepped-Up_Screening_Would_Uncover_More_Lung_Cancers__Study_Says.html#YswKlItAv4Q3i47F.99


5年間に5万5千名の肺がんを検知し、特に、治癒可能性の高い早期病期肺がん発見に関わる。しかし、Medicareのコストは、93億ドル(5年間)で、メディケアメンバーあたり月3ドルに相当する。






HPVワクチンをめぐる日本の"失われた8年"と、私たちが検証すべきこと

「子宮頸がんワクチン」という呼び方に、以前から違和感があります。 HPVワクチンが子宮頸がん予防に重要であることは間違いありません。日本では女子への定期接種として導入され、子宮頸がん予防を中心に説明されてきたため、この名称が広まった経緯も理解できます。 しかし、このワクチンが...