2015年2月19日木曜日

アルツハイマー病:毒性Aβオリゴマー触媒サイクル阻害可能?

Treatments to stop Alzheimer's step closer as scientists discover key inhibitor molecule
http://www.medicalnewstoday.com/articles/289577.php


アミロイド原線維のスレッドにくっつくBrichosと呼ばれるシャペロンが、毒性連鎖反応を抑制するという、認知症治療に結びつくかもしれない発見・・・と解説

A molecular chaperone breaks the catalytic cycle that generates toxic Aβ oligomers
Samuel I A Cohen, et. al.
Nature Structural & Molecular Biology (2015) doi:10.1038/nsmb.2971


アルツハイマー病に関してamyloid-β peptide (​Aβ42)の凝集が病態に関与していることがあきらか。
一度、​Aβ42 fibrilが形成されると、その表面が神経毒性オリゴーマー形成性カタライズされる。分子シャペロン、ヒトBrichosドメインがこのカタライズサイクルと抑制し、ヒトAβ42 毒性を制限する。
Brichos が、fibril表面結合阻害し、毒性オリゴマー中間産物の形成を最小化する経路に向かう。
筆者らは、細胞毒性・電気生理実験にて、生存マウス脳組織で生じていることを確認。
蛋白misfoldingや凝集の毒性に関与する複雑な反応経路内で、分子シャペロンが、蛋白ホメオスターシス維持に、クリティカルな顕微鏡的ステップを選択的に抑制すること役立っていることがわかった。


ARDS : ΔP=一回換気量/呼吸系コンプライアンス : 予後指標

吸気終末(プラトー)圧減少、一回換気量減少、PEEP増加努力にて、ARDSの予後改善の可能性あり。しかし、相対的に、どの要素が重要かは不明?

機能的肺容積で除したもの。他の指標である一回換気量やPEEPより生存率との相関関係が高いことを示した。

人工呼吸による肺障害を最小化するため、肺サイズに応じた一回換気量標準化するよう、予測体重に対する一回換気量をスケール化する。しかし、ARDS患者では、換気可能な肺容積縮小する。そのため、呼吸器コンプライアンス:respiratory-system compliance (CRS)が指標となる。ゆえに、VT/CRS標準化が予後要素となると予測、driving pressure (ΔP=VT/CRS)を提唱。
これは、自発呼吸努力のない場合、プラトー圧 − PEEP として、ルーチンに計算できる



Driving Pressure and Survival in the Acute Respiratory Distress Syndrome
Marcelo B.P. et. al.
N Engl J Med 2015; 372:747-755February 19, 2015DOI: 10.1056/NEJMsa1410639
ΔPがもっとも生存率相関

1−SD増加ごと、死亡率相対リスク1.41 95%信頼区間 1.31〜1.51増加
これは、防御的プラトー圧、一回換気量を受けてる患者でも同様。








ハイフロー療法についてのナラティブ・レビュー

ハイフロー療法についてのナラティブ・レビュー

e.g. ) http://www.ishiguro-medical.jp/products/product02/high-flow-therapy-system.html




High-flow nasal cannula oxygen in adult patients: a narrative review
Am J Med Sci. 2015 Feb;349(2):179-85. doi: 10.1097/MAJ.0000000000000345.


High-flow nasal cannula oxygen (HFNC) は、重症呼吸器疾患成人に用いられてきている比較的新しい治療的イノベーションである。加湿酸素を短い鼻プロングを通し、従来の鼻カニューラシステムより高流量で与えるものである。
メリットとしては、患者のフローデマンドにマッチし、解剖的死腔を減少し、上気道陽圧を与える。
成人対象のHFNC使用ランダム化トライアル、非ランダム化前向き研究、対照研究
参照くらいテリア合致15研究解析、5つのランダム化対照、943名、術後、がん、肺炎といったコモンな病態で、通常のフェースマスク・鼻カニューラ比較で少なくとも同等以上の優位性。副作用は、epistaxis、鼻不快、乾燥症状。
予期せぬ副作用は認めず
現在の研究では低酸素呼吸不全成人の酸素化改善が示され、特定の場合、従来の酸素投与法に比べ優越性示唆。陽圧換気補助回避の可能性もある
非侵襲的人工換気との比較研究が今後必要。



High-flow nasal cannula therapy in do-not-intubate patients with hypoxemic respiratory distress.
Respir Care. 2013 Apr;58(4):597-600. doi: 10.4187/respcare.01887.





非侵襲的人工換気の方が優れてる?・・・低酸素状態気管支鏡検査
High-flow nasal cannula oxygen versus non-invasive ventilation in patients with acute hypoxaemic respiratory failure undergoing flexible bronchoscopy - a prospective randomised trial
Marcel Simon
Critical Care 2014, 18:712 doi:10.1186/s13054-014-0712-9



加湿型ハイフローの検討は?

2015年2月18日水曜日

80歳以上の降圧への警告:2剤以上、収縮期血圧130未満

収縮期血圧と降圧剤数による、80歳以上の長軸的全原因死亡率検討


降圧剤2剤以上で収縮期血圧 (SBP) 130mm水銀柱未満の場合死亡率リスク増加
(非補正ハザード比 1.81 95% CI, 1.36 - 2.41, 補正ハザード比 1.78; 95% CI, 1.34 - 2.37  いずれも p < 0.001 )
感度分析でも同様。


Treatment With Multiple Blood Pressure Medications, Achieved Blood Pressure, and Mortality in Older Nursing Home Residents
The PARTAGE Study
Athanase Benetos, et. al.
JAMA Intern Med. Published online February 16, 2015. doi:10.1001/jamainternmed.2014.8012




日本の高齢者ガイドライン根拠の論文はHYVETのみと考えてよい
しかも、項目中記載の年齢区分のいい加減さに頭が痛くなる

CRP高値・重症市中肺炎へのメチルプレドニゾロン急性使用は治療失敗を減少させる

CRP 15 mg/dLを超える、高度炎症反応のある支柱肺炎に対し、

メチルプレドニゾロン  0.5 mg/kg/12h bolus投与 5日間 ・・・ ゆえに、総量  1mg/kg/日×5日間?

治療をすると、治療失敗率減少する

Effect of Corticosteroids on Treatment Failure Among Hospitalized Patients With Severe Community-Acquired Pneumonia and High Inflammatory Response
A Randomized Clinical Trial
Antoni Torres, et. al.
JAMA. 2015;313(7):677-686. doi:10.1001/jama.2015.88.


入院36時間以内介入
介入群(メチルプレドニゾロン群) 61例 vs プラシーボ 59例
プライマリアウトカムは、治療失敗
以下組み合わせ: 
早期失敗 治療72時間内 [1] ショック出演示唆する臨床異常  [2] ベースラインで存在しない侵襲的人工換気の必要性  [3] 死亡
or
後期失敗 治療開始後72時間〜120時間内  [1] レントゲン所見悪化 [2] 重度呼吸不全持続,[3] ショック出現 [4] ベースラインで存在しない侵襲的人工換気必要性, or [5] 死亡
or
早期失敗と後期失敗の組み合わせ


治療失敗
メチルプレドニゾロン群  (8 patients [13%])
プラシーボ群  (18 patients [31%]) (P = .02)
群間差 18% (95% CI, 3% to 32%)

ステロイド治療は、治療失敗リスクを減少  (odds ratio, 0.34 [95% CI, 0.14 to 0.87]; P = .02)

院内死亡率の群間差、認めず  (6 patients [10%] in the methylprednisolone group vs 9 patients [15%] in the placebo group; P = .37); 群間差 5% (95% CI, −6% to 17%)

高血糖 メチルプレドニゾロン群 11例(18%) vs プラシーボ群 7例(12%)  (P = .34)

結論づけは難しいと思うが、高度炎症反応を示す重症市中肺炎患者では、メチルプレドニゾロンを急性的に使用することで、治療失敗を減少させることができそう。だが、死亡率への効果は確認できてない。





バレニクリン治療:即禁煙希望でないばあいでも結果的に禁煙率向上する

バレニクリン(チャンピックス)は、即、禁煙前提。

今すぐ禁煙する決意がないという人には、現時点では、使用不可。
だが、3ヶ月後なら・・・禁煙となればいいかもって場合に、24週間投与すると・・・結果的に禁煙達成確率高まるとのこと


Effect of Varenicline on Smoking Cessation Through Smoking Reduction A Randomized Clinical Trial
Jon O. Ebbert, et. al.
JAMA. 2015;313(7):687-694. doi:10.1001/jama.2015.280.

意義 即刻禁煙する状況・準備段階にない人が喫煙者がいるが、禁煙目標のためまず減煙しようとする場合がある。

目的  喫煙量減少を通して禁煙率増加するためにバレニクリンを使用することの有効性・安全性を検討。

デザイン、セッティング、被験者 ランダム化対照化国際的臨床トライアル 24週間治療と28週間フォローアップ(2011年7月21日〜2013年7月、10ケ国、61センター)。1510名の被験者・喫煙者で、禁煙に乗り気でない、翌月禁煙可能状況でないが、喫煙量減らしたい、あるいは3ヶ月後にはやめたいとする被験者。被験者は広告で募集。

介入  バレニクリン24週間1mg/日とプラシーボを喫煙量を4週間までに50%減少、8週間までに75%以上、12週間までに禁煙達成を目標。

主要アウトカム・測定  Primary efficacy end point は、15−24週間目の一酸化炭素確認自己報告禁煙。セカンダリアウトカムは、21−24週間目、21−52週間目のやはり一酸化炭素確認禁煙自己報告。

結果 バレニクリン群(760名)は、プラシーボ群(750名)に比べ、15−24週間持続的禁煙率効率 (32.1% for the varenicline group vs 6.9% for the placebo group; risk difference (RD), 25.2% [95% CI, 21.4%-29.0%]; relative risk (RR), 4.6 [95% CI, 3.5-6.1])
バレニクリン群は、21−24週間において継続禁煙率高い  (37.8% for the varenicline group vs 12.5% for the placebo group; RD, 25.2% [95% CI, 21.1%-29.4%]; RR, 3.0 [95% CI, 2.4-3.7]) 、また21−52週間においても同様 (27.0% for the varenicline group vs 9.9% for the placebo group; RD, 17.1% [95% CI, 13.3%-20.9%]; RR, 2.7 [95% CI, 2.1-3.5])

重篤な副作用は、バレニクリン群  3.7% 、 プラシーボ群 2.2%   (P = .07)
結論・知見 喫煙希望なし・次月まで禁煙不可能とする喫煙者で、3ヶ月目までには減煙もしくは禁煙しようとする場合、バレニクリン24週間投与は、プラシーボ投与に比べ、3ヶ月時点で、治療最終時点での禁煙率有意に増加し、1年後も継続する。
バレニクリンは、臨床ガイドライン推奨である即時禁煙に着眼しない場合でも喫煙者の治療オプションとなり得る可能性あり

心不全へのスタチン投与:虚血性心不全への心筋梗塞二次予防は認める

心不全患者へのスタチン投与推奨は確立されてないので、GISSI-HFとCORONA研究にて、ロスバスタチン(クレストール)10mg/日の組み合わせ再評価

結論は、限定的二次予防のみ効果ということらしい

Do statins reduce the risk of myocardial infarction in patients with heart failure? A pooled individual-level reanalysis of CORONA and GISSI-HF
Matthew J. Feinstein , et. al.
Eur J Heart Fail. 2015 Feb 14. doi: 10.1002/ejhf.247.



CORONA 被験者 (n = 5011 median follow-up 32.8 months) は、 GISSI-HF participants (n = 4574, median follow-up 46.9 months) よりデザイン上、より高齢で、より重症。 
ロスバスタチンは、両トライアルとも、虚血原因の心不全患者において、心筋梗塞リスク減少 (ハザード比 0.81, 95% 信頼区間 0.66–0.99, P<  0.05) 
しかし、ほかの原因による卒中リスク・死亡リスクに関しては、ロスバスタチンとプラシーボに差を認めず

HPVワクチンをめぐる日本の"失われた8年"と、私たちが検証すべきこと

「子宮頸がんワクチン」という呼び方に、以前から違和感があります。 HPVワクチンが子宮頸がん予防に重要であることは間違いありません。日本では女子への定期接種として導入され、子宮頸がん予防を中心に説明されてきたため、この名称が広まった経緯も理解できます。 しかし、このワクチンが...