2015年11月26日木曜日

EMPA-REG OUTCOME

血糖降下治療は、いままで、かなり長期のフォローアップでやっと軽度心血管アウトカムがなんとか・・・という程度であった。心血管アウトカムに関する格段の話だと思う。

EMPA-REG OUTCOME研究論文



Empagliflozin, Cardiovascular Outcomes, and Mortality in Type 2 Diabetes
Bernard Zinman, et. al.. for the EMPA-REG OUTCOME Investigators
N Engl J Med 2015; 373:2117-2128November 26, 2015

総数7020名治療、観察期間中央値 3.1年間 
プライマリアウトカム(心血管死・非致死性心筋梗塞・非致死性卒中) 
Empagliflozin群 490/4687 (10.5%)
プラシーボ群 282/2333 patients (12.1%)
(Empagliflozinハザード比, 0.86; 95.02% 信頼区間, 0.74 to 0.99; P=0.04 for superiority)

心筋梗塞 or 卒中の群間有意差無し
だが、
Empagliflozin群では心血管原因死亡率有意低値 (3.7%, vs. プラシーボ群 5.9%; 38% 相対リスク減少)
心不全入院 (2.7%  vs. 4.1%; 35%  相対リスク減少)
全原因死 (5.7%  vs. 8.3%; 32%  相対リスク減少)

セカンダリアウトカム(プライマリアウトカム+不安定狭心症入院)で有意差無し(P=0.08 for superiority)

Empagliflozin投与群内で、性器感染増加あり、他の副事象イベント増加認めず





各種心血管アウトカムと死亡率
A. 非致死性心筋梗塞・非致死性卒中累積頻度
B. 心血管死亡累積頻度
C. 全原因死亡:Kaplan-Meier
D. 心不全入院累積頻度



日本人のための2型糖尿病3年後発症予測式

国立国際医療研究センター臨床研究センターの報告


Development of Risk Score for Predicting 3-Year Incidence of Type 2 Diabetes: Japan Epidemiology Collaboration on Occupational Health Study
Akiko Nanri , et. al. for the Japan Epidemiology Collaboration on Occupational Health Study Group
PLOSone Published: November 11, 2015DOI: 10.1371/journal.pone.0142779

年齢、性別、BMI、ウェスト径、高血圧、喫煙状態といった(採血を用いない)非侵襲的モデルでは、AUC/ROC 0.717 (95% CI, 0.703–0.731).

空腹時血糖とHbA1c追加の侵襲的モデルでは、 0.893 (95% CI, 0.883–0.902)

 確認としてvalidation cohortにこのリスクスコア適応、AUC/ROC(95%CI)は、非侵襲的スコア、侵襲的スコアでそれぞれ 0.734 (0.715–0.753)、 0.882 (0.868–0.895)

非侵襲性スコア 15以上、侵襲性スコア 19以上の場合の2型糖尿病3年以内発症の予測リスクは それぞれ20%超、50%超







2015年11月25日水曜日

RCT:アトピー性皮膚炎と睡眠障害を有する子供へのメラトニン・サプリメント投与 入眠遅延改善・疾患重症度改善

アトピー性皮膚炎と睡眠障害を有する子供へのメラトニン・サプリメント投与



Melatonin Supplementation for Children With Atopic Dermatitis and Sleep Disturbance A Randomized Clinical Trial
 Yung-Sen Chang, et. al.
JAMA Pediatr. Published online November 16, 2015. doi:10.1001/jamapediatrics.2015.3092


2重盲検プラシーボ対照交差デザインランダム化臨床トライアル
73名、1-18歳の医師診断5%以上皮膚表面積アトピー性皮膚炎患児

メラトニン 3mg/日、 プラシーボ 4週間 → 2週間Washout期間後交差介入4週間


48名の子供へのメラトニン治療後、 Scoring Atopic Dermatitis (SCORAD) indexは、プラシーボ比較で 9.1減少 (95% CI, −13.7 to −4.6; P < .001)、平均 (SD)  49.1 (24.3) vs 40.2 (20.9)


さらに、プラシーボ治療後に比べ、メラトニン後入眠遅延は、21.4分短縮 (95% CI, −38.6 to −4.2; P = .02)

SCORAD indexの改善は、入眠遅延の変化と有意相関認めず (r = −0.04; P = .85)


副事象イベントによる治療中断はなく、副事象イベントも研究期間を通じて報告無し


プロカルシトニンによる7日齢から91日齢乳児重度細菌感染検出有用性

プロカルシトニン(PCT)による侵襲性細菌感染:IBI, invasive bacterial infeciton同定のため用いられているが、新生児から若年乳児に関するPCTアッセイのデータ不十分であった

15のフランス小児ED、有熱受診7-91日齢乳児前向きコホート

なお、SBI:severe bacterial infectionの定義は「血液・CSF・便中培養での細菌性病原性検出、尿試料だけは膿尿(>5WBCs/HPF)での単一病原菌が5万 CFUs/mL以上 and/or 顕微鏡細菌尿 or 白血球エステラーゼ・亜硝酸塩dipstickテスト陽性」



Use of Procalcitonin Assays to Predict Serious Bacterial Infection in Young Febrile Infants
Karen Milcent, et. al.
JAMA Pediatr. Published online November 23, 2015. doi:10.1001/jamapediatrics.2015.3210


2047名乳児中、SBI(重症細菌感染)診断 139(6.8%)、IBI診断 21(1.0%)、血液培養(n = 1258) 1.7%


SBI検出目的にて、AUC/ROCカーブはPCT分析と、CRP濃度のそれは類似  (AUC, 0.81; 95% CI, 0.75-0.86; vs AUC, 0.80; 95% CI, 0.75-0.85; P = 0.70)

IBI検出目的にて、PCIのそれは、CRP濃度のそれより有意に高値 (AUC, 0.91; 95% CI, 0.83-0.99; vs AUC, 0.77; 95% CI, 0.65-0.89; P = 0.002)



カットオフ値をそれぞれ、PCTにおいて 0.3 ng/mL、 CRPにおいて 20 mg/Lとすると、陰性尤度比はSBI検出において 0.3 (95% CI, 0.2 - 0.5)、IBI検出において  0.1 (95% CI, 0.03-0.4) と0.3 (95% CI, 0.2-0.7) 


類似結果が1ヶ月齢未満群でも、そして発熱継続時間6時間未満齢でも示された。





成人・敗血症においては、感度・特異度とも0.7程度
これに患者の運命をゆだねる気になる???
http://www.thelancet.com/journals/laninf/article/PIIS1473-3099(12)70323-7/abstract

2015年11月24日火曜日

メタアナリシス:一般住民:安静時心拍は全死亡率・心血管死亡率の予後因子となるか?

心拍や脈が遅いことを心配する向きもある。だが、一般には脈は遅いと・・・予後はよろしい



虚血性心疾患の安静時心拍、運動の影響…ゾウとネズミの関係は人間内でもあるのか
2010年 01月 13日


一般化したメタアナリシス



安静心拍は、一般住民にとって全原因・心血管死亡率と相関し、従来の心血管疾患と独立したリスク要素であるが、現在のところ、研究バリエーション補正や共役要素、研究の異質性・出版バイアスを考えると、関連性を決定づけるほどには至らない。

一般住民臨床トライアルに於ける、心拍減少による、心血管イベントへの影響、運動のような他の介入により死亡率への影響判明により、心拍もリスク要素となり得るか分かるだろう。 安静時心拍と古典的心血管リスク要素ともに医師にとって臨床に於ける使用となりえるかで今後予測アルゴリズム開発にさらなる研究が必要。




Resting heart rate and all-cause and cardiovascular mortality in the general population: a meta-analysis
Dongfeng Zhang, et. al.
CMAJ November 23, 2015 First published November 23, 2015,
 doi: 10.1503/cmaj.150535


46研究、1,246,203名中全原因死 78,349、848,320名、心血管死亡 25,800

安静時心拍 10拍/分増加毎、全原因死亡率相対リスク 1.09 (95% CI 1.07-1.12)、心血管死亡率相対リスク 1.08 (95% CI 1.06-1.10)

最小カテゴリーに比べ、安静時心拍 60−80拍/分では、全原因死亡率相対リスク 1.12 (95% CI 1.07-1.17) 、 心血管死亡率相対リスク 1.08 (95% CI 0.99-1.17) f
さらに、安静時心拍80拍超/分では、全原因死亡率相対リスク 1.45 (95% CI 1.34-1.57) 、1.33 (95% CI 1.19-1.47)


全体的には、従来の心血管疾患に関わるリスク要素補正後も結果変化無し

45拍/分と比べ、全原因死亡率のリスクは、線形パターンで安静時心拍数増加毎有意に増加。しかし、有意な心血管リスクは90拍/分から増加が見られる。

有意なheterogeneity、publication biasあり




CRISPR技術によるマラリア蚊撲滅 いよいよ実用化?

CRISPR (Clustered Regularly Interspaced Short Palindromic Repeat; クリスパー)は「、プラスミドやファージといった外来の遺伝性因子に対する抵抗性に寄与」しており、遺伝子操作技術を用いて、系世代的にマラリアに感染しない蚊をエンジニア化する手法。

エンジニア化された遺伝子が子孫のほぼすべての広がる・・・野火のように野生種に広がることが可能になったとのPNAS報告


Gantz, V. M. et alProc. Natl Acad. Sci. USA http://dx.doi.org/10.1073/pnas.1521077112(2015).





'Gene drive' mosquitoes engineered to fight malaria
Mutant mozzies could rapidly spread through wild populations.
Heidi Ledford& Ewen Callaway
23 November 2015
http://www.nature.com/news/gene-drive-mosquitoes-engineered-to-fight-malaria-1.18858




GM農産物だけでも大騒ぎ集団が騒ぎそう・・・

2015年11月20日金曜日

COPD:吸入ステロイド中止で肺炎イベントリスク減少、フルチカゾンで著明

Journal Watchで取り上げられている報告


1990−2005年吸入ステロイド:ICS治療COPD、2007年までフォローアップもしくは重大肺炎イベントまで観察



Discontinuation of Inhaled Corticosteroids in COPD and the Risk Reduction of Pneumonia
Samy Suissa,  et. al.
Chest. 2015;148(5):1177-1183. doi:10.1378/chest.15-0627


ICS使用症例103,386名
フォローアップ4.9年間、重大肺炎イベント14,020(発生頻度、100人年2.8)
ICS中止後は、重大肺炎発生率37%減少 (rate ratio [RR], 0.63; 95% CI, 0.60-0.66)

リスク減少は急激で、初月20%、4ヶ月後で50%

リスク減少は特にフルチカゾンで著明(RR, 0.58; 95% CI, 0.54-0.61) 、ブデソニドでは若干 (RR, 0.87; 95% CI, 0.78-0.97)





WISDOM研究:COPD 3種吸入からステロイドを離脱すると・・・
http://kaigyoi.blogspot.jp/2014/09/wisdomcopd3.html


これとの整合性は・・・

HPVワクチンをめぐる日本の"失われた8年"と、私たちが検証すべきこと

「子宮頸がんワクチン」という呼び方に、以前から違和感があります。 HPVワクチンが子宮頸がん予防に重要であることは間違いありません。日本では女子への定期接種として導入され、子宮頸がん予防を中心に説明されてきたため、この名称が広まった経緯も理解できます。 しかし、このワクチンが...