2019年2月20日水曜日

気管挿管時バッグ換気必要

ACCM:救急医学会がらみの報告が続く


aspirationリスク危惧のため気管内挿管中"バッグ・マスク”回避推奨ガイドラインがある
"Other guidelines recommend avoiding bag-mask ventilation between induction and laryngoscopy except to treat hypoxemia, a recommendation that prioritizes the perceived risk of aspiration over the potential benefits of preventing hypoxemia."
ということで、bag-mask deviceによる陽圧換気(bag-mask ventilation)がaspiration risk増加を伴わず低酸素を回避できるか不明


プライマリアウトカム:挿管中・その後2分間の最小酸素飽和度比較
セカンダリアウトカム:重度低酸素血症(酸素飽和度 < 80%)

誤嚥と関係ない・・・アウトカム比較

Bag-Mask Ventilation during Tracheal Intubation of Critically Ill Adults
Jonathan D. Casey,  et al., for the PreVent Investigators and the Pragmatic Critical Care Research Group
N Engl. J. Med. Feb. 18.2019
DOI: 10.1056/NEJMoa1812405







術者報告誤嚥、胸部レントゲン所見など誤嚥(誤嚥性肺炎)に関する項目はあることはあるが・・・自らの疑問点に答えてないのでは?

重症患者:間歇的空気圧迫法は薬物的血栓予防付加的価値なし

序文から
深部静脈血栓と肺梗塞を含む静脈血栓塞栓は致死的となる疾患。ランダムトライアルで、unfractionatedあるいはlow-molecular-weighth heparinでは50%程予防効果を示すが、重症患者の薬物学的血栓予防が推奨されるが、やはりそれでも5-20%の重症患者で出現する。器械的血栓予防では間歇的pneumatic compressionではその頻度低下するも薬物的な血栓予防より有効性低い可能性がある。卒中入院患者のランダムトライアルで、血栓溶解・治療的抗凝固療法において深部静脈血栓は間歇的pneumatic compression使用でそれ無しに比べイベント30%低下したという報告がある。薬物療法禁忌の場合間歇的pneumatic compressionが推奨されているが、薬物学的血栓予防に加え間歇的pneumatic compressionが静脈性血栓塞栓のリスク軽減するかは不明
以前の報告は非ランダム化、段階的圧迫ストッキングあるいはsuboptimal 薬物血栓予防レジメンのアジュバントとして交絡要素により限定された研究で、重症患者を含む間歇的pneumatic compressionのトライアルからのデータは不足している。付加コストや不快感、皮膚損傷、患者の可動性を奪うことなど負の影響もある。
エビデンス不足のため、臨床実践ガイドラインでこの治療法に関して一貫した推奨がなされてない。
結論は、クリティカルな重症患者で、薬物的血栓予防(UFHもしくはLMWH)されている場合、間歇的空気圧迫法(intermttent pneumatic compression)付加によるベネフィット増加は認めない

むしろ、付加コスト、皮膚損傷、不快感、可動性などを考慮すれば、負の評価の可能性も・・・


Adjunctive Intermittent Pneumatic Compression for Venous Thromboprophylaxis
Yaseen M. Arabi, et al., for the Saudi Critical Care Trials Group
N. Engl. J. Med. February 18, 2019
DOI: 10.1056/NEJMoa1816150

意義:薬物的血栓予防されているクリティカルな重症患者への間歇的空気圧縮のアジュバント使用は、その不使用に比べ深部静脈血栓症発症を低下するか不明
方法:ランダム割り付け:年齢 14歳以上、16歳以上、18歳以上とlocal standardに従った成人該当判断にて、ICU入室後48時間以内の患者。
・間歇的pneumatic compression :18時間以上/1日+薬物的血栓予防(unfractionnated:UFH or low-molecular weight heparin:LMWH) (pneumatic compression group)
・薬物的血栓予防単独 (control group)

プライマリアウトカム:(新規)近位側深部静脈血栓(週2回の下肢超音波検査:ランダム化後暦日数3日後〜ICU退院、死亡、完全可動達成、トライアルday28いずれか最初に生じるまで

結果:2003名totalランダム化
間歇的pneumatic compression group 991 vs 対照 1012
間歇的peumatic compression導入中央時間 22時間(IQR, 21-23)、期間中央値日数 7(IQR, 4-13)日間

プライマリアウトカム:間歇的pneumatic compression群 37/957(3.9%) vs 対照群 41/985 (4.2%)(相対リスク, 0.93; 95% CI, 0.60 - 1.44, P=0.74)

静脈血栓塞栓(肺塞栓、全ての下肢静脈血栓症);間歇的pnemoatic compression群 103/991 (10.4%) vs 対照群 95/1012 (9.4%)(相対リスク, 1.11; 95% CI, 0.85 - 1.44)
第90日総原因死亡 258/990(26.1%) vs 270/1011 (26.7%)(相対リスク, 0.98; 95% CI, 0.84 - 1.13)


結論:クリティカルな重症患者で薬物的血栓予防されている場合は、付加的な間歇的空気圧迫法(intermittent pneumatic compression)は、それなしの薬物療法だけと比べ近位側深部静脈血栓発生を有意に減少させることはない  (Funded by King Abdulaziz City for Science and Technology and King Abdullah International Medical Research Center; PREVENT ClinicalTrials.gov number, NCT02040103; Current Controlled Trials number, ISRCTN44653506.)




序文に記載のガイドラインやシステマティック・レビュー


Alhazzani W, Lim W, Jaeschke RZ, Murad MH, Cade J, Cook DJ. Heparin thromboprophylaxis in medical-surgical critically ill patients: a systematic review and meta-analysis of randomized trials. Crit Care Med 2013;41:2088-2098.


Qaseem A, Chou R, Humphrey LL, Starkey M, Shekelle P. Venous thromboembolism prophylaxis in hospitalized patients: a clinical practice guideline from the American College of Physicians. Ann Intern Med 2011;155:625-632.



Kahn SR, Lim W, Dunn AS, et al. Prevention of VTE in nonsurgical patients: Antithrombotic Therapy and Prevention of Thrombosis, 9th ed: American College of Chest Physicians Evidence-Based Clinical Practice Guidelines. Chest 2012;141:Suppl:e195s-e226s.


Afshari A, Fenger-Eriksen C, Monreal M, Verhamme P. European guidelines on perioperative venous thromboembolism prophylaxis: mechanical prophylaxis. Eur J Anaesthesiol 2018;35:112-115.



あらためて日本のガイドライン

https://www.medicalfront.biz/html/06_books/01_guideline/





ヨーロッパのガイドラインの弾性ストッキング部分

Thromboprophylaxis with graduated compression stockings
Mechanical thromboprophylaxis or compression therapy reduces the risk of deep venous thrombosis (DVT) but its impact on symptomatic VTE and in particular PE remains unclear and varies in different clinical settings. Evidence points to a reduction of DVT by GCS in surgical patients, whereas little evidence supports any indication for GCS in medical patients or patients in ICUs.
The many limitations of these studies have been addressed and discussed in recent systematic reviews. A pooled analysis of nine trials was unable to reach any conclusions on the impact of GCS on PE [relative risk (RR) 0.63, 95% confidence intervals (CI) 0.32 to 1.25] but demonstrated a reduction of DVT (RR 0.51, 95% CI 0.36 to 0.73), including asymptomatic DVT found on venography.(後略)

こちらも、あまねくエビデンスがあるとは言えない。


2019年2月19日火曜日

中等度重度ARDS;食道内圧モニタリングPEEP設定は従来のエンピリカルPEEP設定優位性認めず

人工呼吸による肺障害(ventilator-induced lung injury (VILI))を最小化するためのアプローチは、1回換気量を少なく設定するなど行われているがPEEP設定については不明な部分が多い
PEEPタイトレーションの一つ食道内圧モニタリングにての先行報告(EPVent)があり、その実証臨床トライアル

結果的には否定的 “Optimizing” PEEPは未だ不明



結論:中等度・重度ARDS患者において、PES ガイド化PEEPは従来のエンピリカルPEEP-FIO2と比較して、死亡・生存者人工呼吸不要日数組み合わせイベントに差を認めず、有効性明らかではなかった。



Effect of Titrating Positive End-Expiratory Pressure (PEEP) With an Esophageal Pressure–Guided Strategy vs an Empirical High PEEP-Fio2 Strategy on Death and Days Free From Mechanical Ventilation Among Patients With Acute Respiratory Distress Syndrome: A Randomized Clinical Trial 
Jeremy R. Beitler, MD, MPH; Todd Sarge, MD; Valerie M. Banner-Goodspeed, MPH; et al
第2相RCT米国内14病院多施設、200名、16歳以上中等度・重症ARDS: PaO2:FiO2 200mm Hg以下)
2012年10月31日〜2017年9月14日まで登録、長期フォローアップ 2018年7月30日まで

介入:PES ガイド化PEEP  vs エンピリカルPEEP-FIO2 (n 102 vs 98)

プライマリアウトカム:ランク化複合スコア(死亡とday 28の生存人工呼吸不要日数)
事前設定セカンダリアウトカム:28-day死亡率、生存人工換気不要日数、レスキュー治療必要性)

結果: 200名登録(平均[SD]年齢, 56 [SD 16 ]歳、女性 46%、28day フォローアップ完遂
プライマリ複合エンドポイントでは治療群有意差無し
(PESガイド化PEEPの相対的良好アウトカム確率: : 49.6% [95% CI, 41.7% to 57.5%]; P = 0.92)
28日時点死亡:PES;-ガイド化PEEPの良好割り付け 33/102 vs エンピリカルPEEP-PIO2 30/98(30.6%)
(リスク差,1.7% [95% CI, −11.1% to 14.6%]; P = 0.88)

生存者間人工換気不要日数でも有意差無し (中央値 [IQR]: 22 [15-24] vs 21 [16.5-24] days; 差中央値, 0 [95% CI, −1 to 2] days; P = .85).

PES-ガイド化PEEP患者は、レスキュー治療確率低いy (4/102 [3.9%] vs 12/98 [12.2%]; リスク差, −8.3% [95% CI, −15.8% to −0.8%]; P = 0.04)

7つの他の事前設定セカンダリアウトカム項目についてどれも有意差無し

副事象としてはgrossな圧損傷、PES-ガイド化PEEP 6名 vs エンピリカルPEEP-FIO2 5名



ちなみに、設定法をいつもの如く手抜きGoogle翻訳

PES-Guided PEEP Group
PEEPは、少なくとも1日1回評価され、呼気終末PLを0〜6 cm H2Oの間に維持するために必要に応じて調整され、PEEPがPESによって推定される胸腔内圧よりも低くなることも実質的に超えることもない。 経験的なPL-FIO2表を使用し、酸素化目標を維持した最も低いPL-FIO2の組み合わせを目標とした。
一回換気過多を軽減するために、吸息終末期のPLが20 cm H2Oを超えた場合、VTは4 mL / kgの予測体重(PBW)まで減少しました。 重度の呼吸困難または酸血症では、吸息終末PLが20 cm H2O以下のままであれば、VTを最大8 mL / kg PBWまで上昇させることができた。
0.5以下のFIO2で0の呼気終末PLがいったん24時間許容されると、患者は離乳プロトコルに移行し、PEEPとFIO2はPLに関係なくさらに徐々に減少した

Empirical PEEP-FIO2 Group
PEEPは、オキシゲーションの目標を維持しながら、経験表で可能な限り低いPEEP-FIO2の組み合わせを維持するように調整されました。 経験則表は、最近のOSCILLATE試験の対照群から採用された8。PES誘導戦略への交差は禁止された。 PL測定値は治療チームに開示されず、PEEPを選択する際に考慮されなかった。 一回換気過多を軽減するために、気道プラトー圧が最近のARDS試験で使用されている範囲内の閾値である35 cm H2Oを超えた場合、VTを4 mL / kg PBWまで低下させることができる3,8,10。 気道プラトー圧が35 cm H2O以下のままであれば、最大8 mL / kgのPBWまで増加させることができた。




エディトリアル 参照

2019年2月18日月曜日

COPD:急性増悪身体活動低下は身体活動の持続的減少と直結しない ;「筋核ドメイン仮説」の体現?

急性増悪→呼吸困難増加・身体活動低下→骨格筋廃用→活動意欲低下・・・など説明してきたが・・・

加筆するが・・・
2019年02月19日 06時00分 サイエンス
一度衰えた筋肉でも鍛えるとすぐに回復するのは「筋肉記憶」のおかげ
https://gigazine.net/news/20190219-muscle-memory/


マサチューセッツ大学の生物学教授であるLawrence Schwartz氏は「筋繊維がもつ核、すなわちDNAの量と細胞質の量は密接に関係している」という「筋核ドメイン仮説」を唱えています。
Schwartz氏によると、これまで核の数が筋肉の肥大化と関係しているということを示すような研究はあるものの、長い間筋肉を使わないことによって起こる萎縮で核の数が変化しているのかどうかは議論が続いているそうです。つまり、「筋肉の衰え」は筋繊維が縮小しているのか、筋繊維の核の数が減っているのかはこれまでわかっていなかったとのこと。
そこで、Schwartz氏率いる研究チームはマウスとタバコスズメガの筋肉で実験を行いました。その結果、マウスとタバコスズメガの両方において、筋繊維が萎縮しても核が失われることはなかったとのこと。筋肉そのものが萎縮していても細胞質が減少してしまっているだけで核の数は減っていないため、筋肉が衰えてもトレーニングを再開すればすぐに元通りに回復するというわけです。
これを元にいか論文みると面白い

従来は・・・





急性増悪契機の身体活動低下は一時的でそのトレンドに大きく変動を示すものではないらしい



No impact of exacerbation frequency and severity on the physical activity decline in COPD: a long-term observation
Sievi NA, et al.
International Journal of Chronic Obstructive Pulmonary Disease Volume 14
Published 15 February 2019 Volume 2019:14 Pages 431—437
https://www.dovepress.com/articles.php?article_id=44118
DOI https://doi.org/10.2147/COPD.S188710

序文: COPD急性増悪は日々の身体活動: daily physical activity (PA)の付随的減少と関連。故に、急性増悪回数と重症度がその影響を増悪する。身体活動レベルの減少が急性増悪前に戻るか、あるいは身体活動行動へネガティブな影響持続するかは不明

方法:COPD患者のコホートにて、1週間の1日歩数を1日PA数として年次評価
急性増悪回数と重症度を記載。単変量、多変量mixed effect modelを日内ステップ数の変化(従属変数)と急性増悪の相関性を検討。可能性共役要素で層別化

結果: 181名のCOPD (中央値 [4分位] 年齢 [64[59/69]、男性 65%、FEV1%予測比 46[33/65])、観察記か 2.1 [1.6/3.1]年間中、急性増悪総数 273回

急性増悪回数も重症度も、経時的PAの全体的減少と有意相関無し





異なる寄与要素(年齢、性別、疾患重症度補正)では急性増悪による経時的減少促進のサブグループ分けできず


結論:急性増悪期の身体活動性低下は、身体行動の基本的変化を生じるような持続的減少とはならない
Trial registration: www.ClinicalTrials.gov, NCT01527773 Keywords: COPD, daily physical activity, exacerbation




図からは、"急性増悪回数多いほどステップ数減少急峻”であるのは確か

だが、長軸でみると、急性増悪後、安定期となれば歩数減少大きくなるわけではない・・・ということだが・・・


重症COPD カテゴリーDの老人はそのたびに、意欲や筋肉量、身体活動量低下する気がする


喘息:気道上皮構成細胞成分とヒエラルキー、さらにはEzrinの関連

気道上皮と喘息など肺疾患の関連、まだまだ全体像は見えてきてないようだ
一部おぼろげながら・・・ってところか・・・



single-cell RNA-sequencing (scRNA-seq) と in vivo lineage tracingにより、のう胞性線維症や喘息のマウス期間上皮の細胞成分とヒエラルキー明確化
のう胞性線維症の"Ionocyte"、Foxil+肺ionocyte、"hillocks"と命名された ターンオーバーの早い扁平上皮構造の細胞型、tuftや杯細胞の疾患毎の特有サブセットは連続的、直接にbasal progenitor細胞から補充されるのである。


A revised airway epithelial hierarchy includes CFTR-expressing ionocytes
Daniel T. Montoro,et al.
Naturevolume 560, pages319–324 (2018) 








細胞骨格蛋白Ezrinが気道上皮マーカーとしての役割がある、ERM (ezrin/radixin/moesin) familyの一つで、Ezrin ノックアウト後、気道のpermeability亢進し、IL-13ー誘導喘息の早期イベントと関連している可能性有り



細胞膜細胞骨格蛋白のEzrinは、細胞構造維持機能、細胞間癒着、バリア機能防御作用を示すが、呼気condensate(EBC)内濃度で喘息患者で検証、マウス喘息モデルBALFでELISA測定、IL-13の調整への関与を検証、shRNSAを用いたEzrin knockingdownをヒト気道上皮16HBE細胞で検証

Ezrin濃度は正常対比喘息で、EBC 低下 (92.7 ± 34.99 vs. 150.5 ± 10.22 pg/ml, P < 0.0001) 、血中 低下 (700.7 ± 55.59 vs. 279.2 ± 25.83 pg/ml, P < 0.0001) 正常対比、コントロール不良で低下、部分コントロール下でも低下
EBC、血清Ezrin値は肺機能と相関、血中IL-13やペリオスチンと逆相関
一次気道上皮細胞のezrin発現のIL13-誘導downregulationは"喘息"マウス肺組織・BALFで減少し、BALF IL-13濃度と負の相関

Ezrin, a Membrane Cytoskeleton Cross-Linker Protein, as a Marker of Epithelial Damage in Asthma
Man Jia  , et al.
AJRCCM Vol. 199, No. 4, Feb 15,2019
https://doi.org/10.1164/rccm.201802-0373OC       PubMed: 30290132

”喘息誤診”報告へのカウンター批評



https://kaigyoi.blogspot.com/2017/01/jama.html

「 no evidence of acute worsening of asthma symptoms, reversible airflow obstruction, or bronchial hyperresponsiveness after having all asthma medications tapered off and after a study pulmonologist established an alternative diagnosis. 」というのが誤診の定義で、喘息治療奏功あって徴候・症状安定していれば誤診という判断のようでどうなんだろ?


レビュー:
 Aaron SD, Boulet LP, Reddel HK, Gershon AS. Underdiagnosis and overdiagnosis of asthma. Am J Respir Crit Care Med 2018;198:1012–1020

医師が診断した喘息患者の研究では、喘息と診断された成人および子供の30〜35%が現在の喘息を持っていないと示唆される

これに対するResponseのto the editor記事


Diagnostic Failures in Asthma
AJRCCM Vol. 199, No. 4 | Feb 15, 2019
https://doi.org/10.1164/rccm.201810-1953LE

診断ラベルの認識不足と不適切診断による問題点指摘と誤診(diagnositic failure)に関する注意喚起は評価するも、過小診断と過剰診断の定義を明らかにすべきとし、全てユニバーサルに視点を広げ疾患定義について議論したいと・・・
狭義では、過剰診断は、症状や有害性を生じそうもない診断的ラベル形成状況に適応すべきで、真の過剰診断とは“スクリーニングで主に生じ、lead-time biasの極端な形態"となる。例えば、前立腺がんの無分別スクリーニングはがん検出数を確かに増やすが、多くのがんは臨床的明確な疾患に進行しない。もし大規模住民へスパイロメトリ検査で無症状患者で可逆性閉塞を同定するとしても同様としてよいのだろうか?無症状のままの患者群を“診断”した場合過小診断ではなく過剰診断となってしまう。
(この辺の記述に疑問 高血圧なんてもっと無症状なのに治療してるけど・・・)
症状やQOL低下を患者が過少報告していると考えた場合(症状やQOL低下の認識不足のこと?)でも一部患者が過剰診断による結果に悩む患者がいるということを認識すべき。
臨床医は、不必要な疾患レッテル漬けや過剰治療に関してカウンターバランスをとった集約的症例発見を心がけなければならない
(批評ターゲット論文筆者の)Aaronらはアレルギー性鼻炎などの他の疾患を誤って喘息と診断している状況も記載。この状況は過剰診断ではなく、むしろ診断過誤で、「患者の健康上の問題について正確かつ適時説明確立及びその説明を患者伝達することを怠った」と考えられる。例えば患者へ自信を持たせたり、適切な診断検査アクセスを勧めることのような、喘息周囲の診断目標の診断プロセス付加的部分をターゲットとすることもできる。

Aaronらは、持続的臨床的寛解状態の患者に喘息という言葉を使ってはならぬとしてるが、批評として、これを過剰診断カテゴリーに含まれるという主張には同意できないとしている。予後診断(prognostication)、検証、治療のガイドのため意義形成の一形態として診断レッテルを貼るなら、“喘息”という病名を使うことは患者・臨床医にとって意義あることではないか!
genotypeや環境からの感受性が潜在的に存在する場合、喘息phenotypeが将来出現する蓋然性は高い

結論から言えば、このセマンティック(意味論)が、治療目標より重く扱われるべきではない(Ultimately, the semantics matter less than the goal: to provide outstanding evidence-based care to our patients. )。喘息患者をケアする場合、診断定義が必要で、その定義は患者、医師、科学者、疫学者にとって各々に適したものであるべき。診断は曖昧な部分のある科学でアリ、喘息的あるいは非喘息的と2分割(binary classification)することで思いがけない顛末をもたらす可能性がある。研究者や統計解析専門家にとって適した複雑な診断定義が、常に最前線医療で遭遇する疾患についてよりよい認識を翻訳しているとは限らない(Complex diagnostic definitions that suit researchers and specialists may not always translate to better recognition of disease at the “front line” of medicine. )。診断性向上へのチャレンジの中で、喘息コミュニティが診断クライテリアをより簡便でベッドサイドで適応でき、過剰診断と認識低下の適切なバランスを供給できるものであって欲しい




変化の激しい病態である喘息を一刀両断的に“喘息無し”あるいは“喘息有り”とする乱暴な学術報告が続いているのでカウンターは必要と感じていた。

真の喘息診断定義は存在するか?



The Impact of the Global Initiative
for Asthma (GINA): Compass, Concepts,
Controversies and Challenges
Helen K. Reddel, MBBS, PhD, FRACP
Woolcock Institute of Medical Research, University of Sydney, Sydney, Australia
http://www.brnreviews.com/files/brn_2019_5_1_04-18.pdf

Make the diagnosis of asthma early, if possible before controller treatment is started, based on a typical pattern of variable respiratory symptoms and one or more tests for variable expiratory airflow limitation

 GINAガイドライン
https://ginasthma.org/wp-content/uploads/2018/03/wms-GINA-main-pocket-guide_2018-v1.0.pdf



"無症状"・"no symptom"ならどんなに気道閉塞所見があっても喘息の診断できないとも解釈されるGINAの記載

FEV1/FVC < 85%やIOSデータの異常あるも、表面的には無徴候、よく聞いてみると、年齢不相応と思われる息切れやエリートアスリートでパフォーマンス出せてないなぁという症例・・・これって喘息でない?



米国FDA OTC吸入気管支拡張剤承認(ただしエピネフリン)

シムビコート後発の話が聞かれる昨今
https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/67021/Default.aspx
シムビコート後発品は日本ジェネリック、東亜薬品、ニプロの3社が承認を取得した。

日本ジェネリック:ブデホル吸入粉末剤「JG」
http://www.nihon-generic.co.jp/medical/data2/RELEASE_20190215.pdf

ニプロ:ブデホル吸入粉末剤「ニプロ」
https://www.nipro.co.jp/news/document/190215.pdf


これをみると
https://www.tokkyoteki.com/2016/12/20161130-v-2810121-2810122-2810123.html

おそらくこれ?


https://www.tevauk.com/hcp/DuoResp_Spiromax
DPIのようで・・・





米国FDAは吸入エピネフリン(ブランド:Primatene商標 mist HFA)をOTCとして許可

  • 迅速だが効果持続性無し
  • 頻拍など生じやすい
  • 12歳以上で適応
  • 間歇的発作のみの軽症喘息のみ適応

コントローラー治療必要な持続性喘息や繰り返し発作のある場合は適応外

Treating Asthma Symptoms with Quick Relief Bronchodilators: Prescription or Over-The-Counter Inhalers
Marianna Sockrider , et al.
American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine
https://doi.org/10.1164/rccm.1994P7       PubMed: 30767684
https://www.atsjournals.org/doi/abs/10.1164/rccm.1994P7?af=R


HPVワクチンをめぐる日本の"失われた8年"と、私たちが検証すべきこと

「子宮頸がんワクチン」という呼び方に、以前から違和感があります。 HPVワクチンが子宮頸がん予防に重要であることは間違いありません。日本では女子への定期接種として導入され、子宮頸がん予防を中心に説明されてきたため、この名称が広まった経緯も理解できます。 しかし、このワクチンが...