2020年12月23日水曜日

EMPACTA (Evaluating Minority Patients with Actemra):Covid-19

Covid-19治療に関し、「米国で唯一承認されている治療法はレムデシビルであり、これまでのところ死亡率を低下させることが示されている唯一の治療法はデキサメタゾン」だが、ご承知の如く、前者の有効性/安全性に関して確たるエビデンスレベルがあるとは言えない状況。

米国CDC調査報告によると、非ヒスパニック系の黒人では非ヒスパニック系白人の3.7倍、ヒスパニック系またはラテン系の4.1倍、非ヒスパニック系アメリカインディアンまたはアラスカ先住民では非ヒスパニック系白人の4.0倍となっており、これは世界的な問題でもあり、英国の1700万人の患者のうち、白人以外の人種・民族の患者はすべて、白人患者よりもCovid-19関連の死亡リスクが高かったとのことで、この報告は、ハイリスク患者や人種・民族的マイノリティ集団に焦点を当てた治験



Tocilizumab in Patients Hospitalized with Covid-19 Pneumonia

Carlos Salama, et al.

N. Engl. J. Med. DOI: 10.1056/NEJMoa2030340

https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2030340

機械式人工呼吸を受けていないCovid-19肺炎入院患者へ2:1ランダム化割り付け

標準ケア+

tocilizumab ( 8mg/kgBW)1回投与 or 2回投与 or placebo

高リスク・マイノリティ人種登録の所在地を組み入れ、site selectionに焦点を当てた

プライマリアウトカム:day 28に人工呼吸 or 死亡



389名をランダム化、修正ITTに含めたのはtocilizumab群 249名、プラシーボ群 128
ヒスパニック、ラテン系:56.0%、黒人 14.9%、アメリカ系インディアンあるいはアラスカ原住民 12.7%、非ヒスパニック系白人 12.7%、他不明を含む群が 3.7%
 
day 28の機械式人工呼吸を受けるか・死亡までの累積比率はトシリズマブ群で12.0% (95% 信頼区間 [CI], 8.5 to 16.9) 、プラシーボ群で19.3% (95% CI, 13.3 to 27.4)p (ハザード比 for mechanical ventilation or death, 0.56; 95% CI, 0.33 to 0.97; P=0.04 by the log-rank test)
clinical failureでは、time-to-event analysis評価で、プラシーボに比べトシリズマブが良好(hazard ratio, 0.55; 95% CI, 0.33 to 0.93)

day 28までの全原因死亡は、tocilizumab群では 10.4%、プラシーボ群では 8.6% (加重差, 2.0 パーセントポイント; 95% CI, –5.2 to 7.8)

safety populationでは、重大副事象発生は、トシリズマブ群では38/250(15.2%)、プラシーボ群では 24/127(19.7%)

機械換気を受けていないCovid-19 肺炎入院患者において,トシリズマブは,機械換気または死亡の複合アウトカムへの進行の可能性を低下させたが,生存率の改善には至らなかった.新たな安全性シグナルは確認されなかった。(Genentechによる資金提供;EMPACTA ClinicalTrials.gov番号、NCT04372186)。

2020年12月22日火曜日

SARS-CoV-2;「ポピヨンヨードうがい」

 やたらと「ポピヨンヨードうがい」もらいたがる

うがい薬といえど、薬剤であり、政治家も意見表明する上でも慎重であるべきなのに・・・

慎重さを欠いたメディア露出 その後の影響大きいぞ! 
一応、エビデンストやらも検索してみた




非常時使用としての ヨウ化カリウム使用量は・・・



あくまでもin vitroでの知見で
安全性レビュー
in vivoでの安全性は担保されてない

COVID-19:炎症抑制因子IL-37の役割 サイトカインも暴れる奴だけではない


要約

powerfulな抗炎症性サイトカインである、IL-37の早期応答において、254のSARS-CoV-2感染患者において臨床介入前と臨床予後の相関を検討

SARS-CoV-2感染語のIL-37の増加を示した。観察研究だが、type 1 IFNを保持しながら、炎症応答に対して拮抗する、IL-37の防御的役割が示唆された

virus RNA negative conversion、CT画像改善、咳嗽改善、結果としての早期退院といった結果は、早期IL-37反応高値と相関する。

重症臨床クラススクリーニングの正確なモデルがIL-37、IL-8、CRPによりformulateされれば、臨床にとってより良い価値ある値となるだろう


<hr>


 Correlation Between Early Plasma Interleukin 37 Responses With Low Inflammatory Cytokine Levels and Benign Clinical Outcomes in Severe Acute Respiratory Syndrome Coronavirus 2 Infection

Ang Li, Yun Ling, et al.

The Journal of Infectious Diseases, jiaa713, 

https://doi.org/10.1093/infdis/jiaa713

Published: 17 November 2020

https://academic.oup.com/jid/advance-article/doi/10.1093/infdis/jiaa713/5983749





2020年12月21日月曜日

COVID-19の“VUI-202012/01”変異

VUI-202012/01

https://nypost.com/2020/12/15/uk-finds-new-mutation-of-covid-19-behind-rapid-spread-in-london/


wikiは記載は速い

https://en.wikipedia.org/wiki/VUI_%E2%80%93_202012/01


12月18日のtelecon meetingで、 New and Emerging Respiratory Virus Threats Advisory Group (NERVTAG)は、 antigenic escapeの可能性を検討し、"[t]he location of the mutations in the receptor-binding domain of the spike glycoprotein raises the possibility that this variant is antigenically distinct from prior variants. Four probable reinfections have been identified amongst 915 subjects with this variant, but further work is needed to compare this reinfection rate with comparable data sets."

antigenic escapeの可能性と、今までの変異と抗原性が異なる可能性がある、スパイク蛋白のの受容体結合ドメインの変異、再感染報告(4名/915名)


2020年12月18日金曜日

喘息概日気道反応の鍵:REV-ERBα

喘息の概日気道反応の鍵


生誕時点でその後の喘息リスクが一部決定づけられている

生誕時点でその後の喘息リスクが一部決定づけられているという仮説

生誕時肺機能検査評価とその後のコホートにて明確になりつつある

胎内成長との関連ということに話がなってくるのだが・・・


先行研究にて生誕時maximal expiratory flow at FRC (V̇maxFRC)が生後3ヶ月後の喘鳴と関連している(N Engl J Med 1988; 319:1112-1117) 。さらに、24歳時点での活動性喘息とも関連という報告(Pediatr Pulmonol 2018; 53: 1082-1088)があった。peak tidal expiratory flow to the total expiratory time (tptef/te)、T<sub>me</sub>/T<sub>E</sub>maximal expiratory flow at FRC (V̇maxFRC)よりその後の喘鳴リスク予測となるとの報告と10歳時点での活動性喘息との関連性有りという報告(NEJM 2006; 355 : 1682-1689)もある

2020年12月17日木曜日

D-ダイマーと肺病変の相関性、そして予後推定の関連性

12月時点の総説としてはまとまっていると思う 


" reduced IFN signaling, and an overaggressive immune response compounded by heightened cytokines/chemokines"が重症度の根管というお話

     ↓

Mechanisms of SARS-CoV-2 Transmission and Pathogenesis

Trends in Immunology


Volume 41, Issue 12, December 2020, Pages 1100-1115https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1471490620302337




故に、INFやサイトカイン・ケモカイン系のマーカーならすんなり世間に受け入れられるのだろうが・・・D-ダイマーと肺病変の相関性、そして予後推定の関連性についての報告では納得し難いというのも理解できる。

(“サイトカインストーム”の定義が果たしてdefinitiveなのだろうかという根幹的問題も https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMra2026131

D-ダイマー指標が初期指標としてはガイドライン上否定的なのは知っているが、現実的なツールとしてD-Dimer使用して良いのでは?


D-Dimer as a potential biomarker for disease severity in COVID-19

Mert Ozen, et al.

the American Journal of Emergency Medicine, Published:December 14, 2020

DOI:https://doi.org/10.1016/j.ajem.2020.12.023

https://www.ajemjournal.com/article/S0735-6757(20)31142-6/fulltext?rss=yes


方法

RT-PCRに基づいてCOVID-19と診断された120例の臨床データ,画像データ,検査データをレトロスペクティブに評価した.臨床的には,COVID-19の重症度を非合併性肺炎,軽症または重症の肺炎に分類した.放射線学的には,各患者のコンピュータ断層撮影でウイルス性肺炎に適合する罹患肺の面積を,全肺面積の 0~30%または 31%以上に分類した.COVID-19患者のDダイマー値および臨床検査データを,入院状態,入院期間,治療中および追跡調査中の肺病変と比較した.D-ダイマーの予測値を評価するために、受信機操作特性(ROC)分析を行った。

結果

D ダイマー上昇(> 243 ng/ml)は 63.3%(76/120 例)の患者で検出された。集中治療室の重症肺炎入院患者の平均 D-ダイマー値は 3144.50 ± 1709.4 ng/ml(1643-8548)と算出された。D-ダイマー値は、年齢、入院期間、肺病変、フィブリノーゲン、好中球数、好中球リンパ球比率(NLR)、血小板リンパ球比率(PLR)と正の相関を示した。ROC分析で閾値Dダイマー値が370 ng/mlであった場合、この値はCOVID-19患者の肺病変に対する特異度が77%、感度が74%と計算された。



 

結論

COVID-19患者のD-Dimerレベルは予後と相関しているが、予後を決定する上でどの程度有用であるかについては、さらなる研究が必要である。



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