2012年2月23日木曜日

米国外科医: 男性1.5割、女性 2.5割がアルコール依存・乱用

ロイター(http://www.reuters.com/article/2012/02/22/us-alcoholism-surgeons-idUSTRE81L1VO20120222)など、メディア配信されている。


外科医はストレスフルな仕事で、ストレス対処のためアルコールに走る。医師パフォーマンスとの関連に関心が向けられるが、この報告では調査されてない。直近の医療過誤の多い医師ではアルコール依存・乱用が多いが原因結果関係は分からない。性別、家庭内状況、職場の状況によりアルコール依存比率が異なる。これがなんらかの対処法のヒントになるかもしれない。


女性に多いのはちょっと意外。




Prevalence of Alcohol Use Disorders Among American Surgeons
Michael R. Oreskovich et.al.
Arch Surg. 2012;147(2):168-174. doi:10.1001/archsurg.2011.1481


米国内のアメリカの外科医団体の2010年横断研究


25073名の医師のうち、7197(28.7%)調査。 
1112(15.4%)が、 Alcohol Use Disorders Identification Test, version C で、アルコール乱用・依存


アルコール乱用・依存は男性医師で13.9%、女性で 25.6% 


3ヶ月に大きな医療過誤報告の医師ほどアルコール乱用・依存が多い (odds ratio, 1.45; P < .001)


バーンアウト(燃え尽き)外科医 (odds ratio, 1.25; P = .01) 、うつ外科医 (odds ratio, 1.48; P < .001)ほどアルコール乱用・依存


燃え尽きのうち、情緒的疲労感(emotional exhaustion)ドメインと、個性喪失ドメインがアルコール乱用・依存と関連。
男性、子供がいること、 退役軍人管理局での仕事などは、アルコール乱用・依存尤度減少と関連。





関連:
医師のバーン・アウトへのカウンセリング介入 2008年 11月 14日


医師全体にも多いという報告がある

みなさんも、スコア化してみてはいかが・・・
・ Alcohol Use Disorders Identification Test, version C
(whqlibdoc.who.int/hq/2001/who_msd_msb_01.6a.pdf

・ 日本語訳 : http://www8.cao.go.jp/koutu/chou-ken/h21/pdf/ref/383.pdf
ちなみに、私は、「危険な飲酒」群

直腸結腸がん:コロノスコピー vs 便潜血

1回ぽっきりのコロノスコピー vs 繰り返す便免疫学的検査の比較なので、日本で行われている検診とシステムが異なるから同列比較は出来ない。


検診しやすさをとるか? 腺腫発見しやすさをとるか?

集団としてがん発見ベネフィットを考えれば同等だが、前述の論文報告(ポリープ切除で、結腸直腸癌死亡率半減 H24.2.23)のごとく、腺腫切除に意味があるため、その評価はさらに複雑。

 

Colonoscopy versus Fecal Immunochemical Testing in Colorectal-Cancer Screening
Enrique Quintero et. al. for the COLONPREV Study Investigators
N Engl J Med 2012; 366:697-706February 23, 2012


一般的なリスク住民に対する、fecal immunochemical testing (FIT)とコロノスコピーは直腸結腸がん検診として確立している。

50-69歳の無症状成人のランダム化対照トライアルで、FIT2年毎 26,599名と、26,703名の1回のコロノスコピー比較

プライマリアウトカムは10年時点での直腸結腸がん死亡率

参加率は、FIT群   34.2%  vs. コロノスコピー群 24.6%, P<0.001

直腸結腸がん FIT群 33人 (0.1%) vs. コロノスコピー群 30人 (0.1%)
(odds ratio, 0.99; 95% 信頼区間 [CI], 0.61 to 1.64; P=0.99)

Advanced adenoma同定、FIT群 231(0.9%) vs, コロノスコピー群 514 (0.9%)
(odds ratio, 2.30; 95% CI, 1.97 to 2.69; P<0.001)

非advanced adenoma同定は FIT群 119(0.4%) vs. 1109(4.2%)
(odds ratio, 9.80; 95% CI, 8.10 to 11.85; P<0.001)

結論として、FIG群はコロノスコピーより検診多い。直腸結腸がん発見数は同等だが、腺腫はコロノスコピーの方が同定しやすい




ポリープ切除で、結腸直腸癌死亡率半減

long-term follow-up study of the NPS cohort using the National Death Index (NDI) の長期フォローアップデータ

腺腫性ポリープ切除により直腸結腸がん死亡を50%減少



直腸結腸がん累積死亡率:Adenoma and Nonadenoma Cohort比較による一般住民直腸結腸癌死亡率


Colonoscopic Polypectomy and Long-Term Prevention of Colorectal-Cancer Deaths
Ann G. Zauber et. al.
N Engl J Med 2012; 366:687-696February 23, 2012


早期にがんを検診発見し、疾患死亡減少させるのは、1)早期、治癒可能病期を同定、2)腺腫を同定・除去と考えられる。早期直腸結腸眼の同定が検診トライアルで死亡率減少と関連するのもそのため。
しかし、腺腫性ポリープは内視鏡検診のかなり多くの腫瘍性所見 であり、このポリープ切除が癌予防効果に果たしてどの程度影響を与え、されに死亡率に関してもどう影響するか明確にする必要がある。

研究中腺腫除去2602名、15.8年中央値での検討
1246名が全原因死、12名が直腸結腸がん死
一般住民では25.4と予想されるが、直腸結腸がんによる発生頻度ベース標準化死亡率は  0.47 (95% 信頼区間 [CI], 0.26 ~ 0.80) で、死亡率減少 53%と推定

ポリープ切除後10年間、直腸結腸がん死亡率は腺腫と脾腺腫性ポリープ患者で同等   (相対リスク, 1.2; 95% CI, 0.1 ~ 10.6)











混ぜ物ワクチンで熱性痙攣増加 ・・・ ACIPは接種医・臨床医に混乱をもたらさないようにと配慮 vs 厚労省は・・・


日本が問題なのは、 行政がワクチンの副作用責任に対し全くの及び腰で、添付文書や厚労省のワクチン接種に関わる公的記載に関し、すべて、”接種医師”に責任転嫁をしていること。ACIPなどは、”臨床医に混乱をもたらさないこと”を議決・意見しているところが、アホ厚労省と違うところ。



くそ役人現場丸投げ責任回避通達:ワクチン同時接種  2010年 10月 27日 
結局、全部 ・・・・ 「医師の責任」になる ワクチン同時接種 2011年 03月 25日
ワクチン同時接種: なんだか腹立ってきた・・・ 小児科学会にも  2011年 12月 08日

Hibワクチン+三種混合ワクチン後死亡事故 誰が責任とる?  2011年 03月 04日




個人的には以下の、” DTaP-IPV-Hib ワクチン”といった多数の混ぜ物ワクチンでもさほど副作用としては騒ぎ立てる必要は無いと思う・

だが、” (多数混ぜ物ワクチンである)DTaP-IPV-Hib ワクチンは、2回接種・3-5ヶ月齢でのワクチン投与接種日の熱性痙攣リスク増加と関連”という報告。全体のリスクから見れば矮小なもの(10万人日単位の比較という意味で・・・)と思うが、一部ワクチンの害をわめきちらす団体からみれば、格好の批判材料だし、仮に、ワクチン接種日にたまたまその後発熱し、熱性痙攣が起きれば、接種医の責任にされかねない。



 
不活化ワクチン (wP, whole cell pertussis 全細胞性)は、熱性痙攣リスク増加を有するが、成分ワクチン(aP, acellular pertussis 非細胞性百日咳)についてのリスクは不明。

デンマークでは、成分ワクチン(aP, acellular pertussis 非細胞性百日咳)が、ジフテリア・破傷風・非細胞性百日咳+不活化ワクチンポリオ・ヘモフィルス-インフルエンザb型菌(DTap-IPV-Hib)ワクチンとして2002年9月から使用されている
 

Risk of Febrile Seizures and Epilepsy After Vaccination With Diphtheria, Tetanus, Acellular Pertussis, Inactivated Poliovirus, and Haemophilus Influenzae Type b
JAMA. 2012;307(8):823-831. doi: 10.1001/jama.2012.165 


DTaP-IPV-Hib ワクチン後の熱性痙攣・てんかんリスク推定

主要アウトカムは、各ワクチン接種後のday 0-7日(0、1-3、4-7日)の熱性痙攣とてんかんハザード比。熱性痙攣 0-7日の相対頻度

18ヶ月前の熱性痙攣は7811、うち17名が初回ワクチン後0-7日で診断、32名が2回目のワクチン、201名が3回目のワクチンで診断 (incidence rate, 0.8 / 100 000 、1.3 / 100 000、8.5 / 100 000 人・日あたり) 

3回のワクチン接種後総数としては、参照群コホートと比較し、0-7日間の熱性痙攣リスク増加は認めず。しかし、初回、2回目で高リスクを認めた  (HR, 6.02; 95% CI, 2.86-12.65、 3.94; 95% CI, 2.18-7.10)。一方、3回目接種では高リスクを認めなかった  (HR, 1.07; 95% CI, 0.73-1.57) v

ワクチン当日検討では、初回ワクチン後9名の子供、2回目で12名の子供、3回目で27名の子供が熱性痙攣の診断  (5.5 、5.7 、13.1 / 100 000 人・日)

SCCS studyデザインの相対頻度では、コホートデザインと同様。

7年フォローアップで、131名の非ワクチン、2117名のワクチン接種児がてんかん診断で、813名が3-15ヶ月、1304名がそれより以降に診断  (2.4 / 1000 、1.3 / 1000 人年)

ワクチン後、子供は3-15ヶ月の間てんかんリスク低下 (HR, 0.63; 95% CI, 0.50-0.79)、それより後のてんかんリスクも同様 (HR, 1.01; 95% CI, 0.66-1.56) vs 非ワクチン接種



ACIP:65歳以上でもジフテリア・破傷風・無菌性百日咳ワクチン接種と評決


ACIP Calls for Universal Tdap Vaccination


情報ソース:http://www.medpagetoday.com/PrimaryCare/Vaccines/31309

65歳以上へ、乳幼児への接触無くても、 (三種混合ワクチン)ジフテリア・破傷風・無菌性百日咳ワクチン接種(Tdap)をすべき


19-65歳までブースターとしての投与として10年毎接種が推奨されているが、65歳以上の場合は、12ヶ月齢未満乳幼児接触のある場合のみ推奨されていた。


ブースター用のワクチンとしてBoostrixは65歳以上用に開発・承認され、Adacelは高齢者に特異的には承認されてない、これらの使用を委員会に寄ればストックあれば使用承認するということらしい。


最後に、臨床医を混乱させる事態も考慮すべきと委員はのべている







日本において、ポリクローナルな抗体価増加の問題を無視した百日咳診断と、抗生剤有効期間無視した治療をする一部医療機関の対応にはなはだ疑問を持っている。

それとは別に、米国でも百日咳の発生率の現状では過小評価されているのではないかという問題提起がなされており、高齢者での免疫状態評価データ不足などが問題になっているとのこと。

2012年2月22日水曜日

健康に悪いトランス型脂肪酸を”健康への影響小”とする政府・メディア


トランス脂肪酸「健康への影響小」…食品安全委
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20120222-OYT1T00334.htm



”「通常の食生活では健康への影響は小さい」として、国内での規制は不要とする内容の評価書をまとめた”


国民の健康を無視してますな。


トランス型脂肪酸豊富な“健康エコナ”をかつて“特定保健食品”に認定しただけのことはあるわ・・・この国。


米国FDAはどう規制しているか?
http://www.fda.gov/Food/GuidanceComplianceRegulatoryInformation/GuidanceDocuments/FoodLabelingNutrition/ucm053479.htm

Why is FDA requiring that trans fatty acids be listed in nutrition labeling? 

FDA is requiring that trans fatty acids be listed in nutrition labeling in response to a petition from the Center for Science in the Public Interest and to published human studies that show that intake of trans fatty acids, similar to the intake of saturated fatty acids, increases low density lipoprotein-cholesterol (LDL-C) ("bad cholesterol") in the blood. An elevated LDL-C increases the risk of developing coronary heart disease. Reports published by the Institute of Medicine of the National Academy of Sciences (IOM/NAS) and the Federal government have recommended that Americans limit their intake of trans fat and other cholesterol-raising fats while consuming a nutritionally adequate diet. For Americans to follow these recommendations, they must know the amount of trans fatty acids in the individual foods that they eat. Therefore, FDA is requiring that this information be provided in nutrition labeling to assist consumers in maintaining healthy dietary practices.
  トランス型脂肪酸摂取は、飽和脂肪酸摂取、LDLコレステロール摂取を増加すること
ゆえに、アメリカ連邦政府を含め、表示義務を明確化している。




日本人は既に米国人のコレステロール摂取量を超えている

上段:H22厚労省(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000020qbb-att/2r98520000021c0o.pdf
下段: CDC(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000020qbb-att/2r98520000021c0o.pdf)


今や、米国人より、日本人の方がコレステロール摂取量は多い!
トランス型脂肪酸に関する規制は飽和脂肪酸、LDLコレステロール摂取量を配慮してのこと!

日本の食品委員会は、日本人の健康への影響を無視している!

ホモシステインと冠動脈疾患:メンデルランダム化

ホモシステイン介入の無効性は取り上げられていて、いまさら感があるが・・・
高ホモシステインは必ずしも冠動脈疾患と関連しない・・・出版バイアスの可能性 2005年 11月 04日

 Robert Clarke らは、血中ホモシステイン値と、冠動脈リスクのcausal relationshipを検討し、ホモシステイン増加が冠動脈性心疾患のリスク増加と関連しないことを示した。



Homocysteine and Coronary Heart Disease: Meta-analysis of MTHFR Case-Control Studies, Avoiding Publication Bias.
Clarke R, Bennett DA, Parish S, Verhoef P, Dötsch-Klerk M, et al. (2012)
PLoS Med 9(2): e1001177. doi:10.1371/journal.pmed.1001177


 血中ホモシステイン値中等度増加は冠動脈疾患リスクと軽度関連するが、そのcausalityは不明のまま、葉酸値が低い場合 methylene tetrahydrofolate reductase gene (MTHFR)のcommon C677T polymorphism (rs1801133)  TT genotypeがホモシステイン値増加とかなり関連する。故に、"mendelian randomization"研究として用いることができ、そのcausalityの検討の手助けになるだろうという

上記MTHF C677T polymorphismを含む19の非公表データ入手し、メタアナリシス検討
 TT vs CC homozygote 症例対照CHDオッズ比(OR)と95% CI は、全体 1.02 (0.98–1.07; p = 0.28)、未サプリメント葉酸群で 1.01 (0.95–1.07)。



未出版分


出版86研究(CHD 28617, 対照 41857)では、未出版データベースとOR解離 OR は 1.15 (1.09–1.21 p = 0.001)



出版分

出版研究メタアナリシス内で、14台規模研究 OR  1.12 (1.04–1.21)  (those with variance of log OR<0.05; total 13,119 cases)、小規模研究72(total 15,498 cases).では  1.18 (1.09–1.28)


  主要冠動脈イベント(非致死性心筋梗塞・冠動脈死)への葉酸の効果:ホモシステイン減少治療出版文献大規模トライアル

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note