2012年10月10日水曜日

小児:テレビ視聴長いと、外面化問題行為(注意欠陥・多動・攻撃性、反社会性)多くなる

Externalizing Problem:外面化問題と訳している

Davison & Neale (1994) は幼児期後半から青年期までの子どもの状態を‶externalizing/internalizing problem" の二つに大別している。‶externalizing problem" は、注意欠陥・多動傾向、攻撃的・反社会的傾向、過度の反抗傾向などを指し、‶internalizing problem" は、過度の不安や恐怖、心身症状、抑うつなどを指す(http://ir.library.osaka-u.ac.jp/dspace/bitstream/123456789/9683/1/12_4.pdf)




 Television Viewing and Externalizing Problems in Preschool ChildrenThe Generation R Study
Marina Verlinden, et. al.
Arch Pediatr Adolesc Med. 2012;166(10):1-7. .

テレビ視聴を住民ベース・3913名の子供で調査
主要アウトカム測定は、 Externalizing problem(外面化問題)

24ヶ月時点での評価した、テレビ番組内容・時間によっては、36ヶ月時点での外面化問題発生頻度を予測できず (odds ratio, 2.24; 95% CI, 0.97-5.18)

しかし、テレビ視聴レベルが高いことを反映する暴露時間のパターンは、外面化問題頻度と関連し(odds ratio, 2.00; 95% CI, 1.07-3.75)、外面化問題持続性とも相関 (2.59; 1.03-6.55)。




子供を健全に育てたいなら、テレビから引き離しなさい


子供から大学生まで、テレビ視聴・テレビゲームで注意力障害増加 2010年 07月 05日

テレビ視聴時間が長いほど、親や友人に薄情になる 2010年 03月 02日

テレビを見るほど寿命が短くなる 2010年 01月 12日

テレビ視聴は心血管疾患のリスク要因である 2007年 11月 15日

子供へのテレビの影響: ファーストフード宣伝になじみがあるほど肥満増加 2012/5/1

ゲーム・ネット使用が若者の睡眠不足の原因 2011年 05月 16日

番組きっかけの乳がん検診 TBSに医師らが中止要望 2010年 06月 10日

女性:ニューロテンシン前駆体濃度と糖尿病・乳がん発症、死亡率の関連性

空腹時proneurotensinは、糖尿病、心血管疾患、乳がん発症と相関し、総死亡・心血管死亡率と関連。

ニューロテンシン
脳腸ペプチドとして、主に脳で見出される13アミノ酸残基のペプチド、性差での影響の差があることも知られており、作用としては、「末梢血管:血管拡張、 中枢神経系:伝達物質として機能。脳室内投与でLH、プロラクチン分泌抑制。;下垂体への直接作用としてはプロラクチン分泌促進。;胃腸膵管系:胃酸、ペプシン、インスリン分泌抑制。グルカゴン分泌促進。腸管収縮。」
http://gekiso-an.kir.jp/HORMONE/NT.HTM



Plasma Proneurotensin and Incidence of Diabetes, Cardiovascular Disease, Breast Cancer, and Mortality  
Olle Melander, et. al.
JAMA. 2012;308(14):1469 doi:10.1001/jama.2012.12998

ニューロテンシンは実験的状況下では、満腹感と乳がん成長を制御するが、ヒトにおける乳がん、心臓代謝疾患発症との関連性はあまり知られてなかった。


安定したニューロテンシン前駆ホルモンproneurotensinの117-アミノ酸濃度を空腹時測定し、糖尿病と、心血管疾患、乳がん、死亡率との関連性を検討

Proneurotensin を、住民ベースで空腹時被験者4632名(1991-1994:Malmö Diet and Cancer Study)で検討
多変量Cox比例ハザードモデルで2009年1月までの長期フォローアップ中の初回イベント・死亡までを検討;フォローアップ中央値 13.2-15.7年間

主要アウトカム測定 糖尿病、心血管疾患、乳がん、死亡率

結果
全体的には、proneurotensin(ハザード比  [HR] / SD 増加毎 log-transformed proneurotensin) は、
糖尿病 (142 イベント; HR, 1.28; 95% CI, 1.09-1.50; P = .003)
心血管疾患 (519 イベント; HR, 1.17; 95% CI, 1.07-1.27; P < .001)
心血管死亡 (174 イベント; HR, 1.29; 95% CI, 1.12-1.49; P = .001)
以上は有意に心血管疾患リスク上、proneurotensinと性別との相互性存在 (P < .001)

女性では特に、proneurotensinは糖尿病発症  (74 イベント; HR, 1.41; 95% CI, 1.12-1.77; P = .003)、心血管疾患(224 イベント; HR, 1.33; 95% CI, 1.17-1.51; P < .001)、乳がん(123 イベント; HR, 1.44; 95% CI, 1.21-1.71; P < .001)、総死亡率 (285 イベント; HR, 1.13; 95% CI, 1.01-1.27; P = .03)、心血管疾患死亡率 (75 イベント; HR, 1.50; 95% CI, 1.20-1.87; P < .001)と関連。

2012年10月9日火曜日

米国ジェネリック問題: 同等性を揺るがす事例 米国FDA自身が同等性に疑念


FDA Update: Budeprion XL 300 mg Not Therapeutically Equivalent to Wellbutrin XL 300 mg
http://www.fda.gov/Drugs/DrugSafety/PostmarketDrugSafetyInformationforPatientsandProviders/ucm322161.htm
米国FDAは、テバ製薬が関係しているジェネリック・抗うつ薬 Wellbutrin をマーケットから引き上げさせた。

ジェネリック“Budeprion XL 300”は2007年に多くの副作用(頭痛、不安、不眠)で問題になり、これはBudeprinの活性成分の血中遊離迅速すぎたためという結論となり、販売中止となった。

この事例により、ジェネリックと先発品の違いに大きな疑念がもたらされることとなった。

米国のジェネリック製造業界は早速、防御的コメントを行っている。1万ものジェネリックがあり、単一の製造業者のみのリコールの問題であり、ジェネリック全体の問題とみないでいただきたいと反論している。

“ those are the drugs the FDA has confirmed are non-equivalents.”

すなわち、FDAはジェネリック製品と同等でないと確定的にとらえている。

FDA Pulls Generic Antidepressant for Ineffectiveness
http://www.forbes.com/sites/daviddisalvo/2012/10/08/fda-pulls-generic-antidepressant-for-ineffectiveness/



先発と同等じゃないと認めて、先発も後発も、自由競争にして、薬剤血行動態データ及び副作用事例調査を義務づければ、一気に値段は下がるはず。 日本の国の施策は、消費者じゃ無く、製造業をまもることが第一としか思えない。



ジェネリック薬品の問題点も放送せよ! 2005年 01月 27日
http://intmed.exblog.jp/1590715


ジェネリック専門メーカーのCMで安全性をうたってるのがあるが、それらのメーカーから、私たち医師は、安全性情報を提供されたことがない。あれって、完全に嘘広告。

トマトと卒中:血中リコピン高値と卒中リスク減少と関連

Serum lycopene decreases the risk of stroke in men
A population-based follow-up study
Jouni Karppi, et. al.
Neurology October 9, 2012 vol. 79 no. 15 1540-1547

果物・野菜摂取と血中カロチノイドは卒中リスク減少と関連するが、必ずしも一致した報告というわけでは無かった。男性において、主要カロチノイドであるαトコフェロール、レチノールの血中成分量と卒中・虚血性卒中の関連性をしらべたもの

1031名のフィンランド男性(46-65歳)のKuopio Ischaemic Heart Disease Risk Factor cohort

卒中67、うち、虚血性卒中 50(12.1年フォローアップ)

年齢、調査年、BMI、収縮期血圧、喫煙、血中LDL、糖尿病、卒中既往補正後、最大vs最小血中リコピン濃度4分位比較で、リスクについて、卒中59%、虚血性卒中55%減少 ;卒中に関するハザード比[HR] = 0.45, 95% 信頼区間 [CI] 0.25−0.95, p = 0.036、虚血性卒中に関するHR = 0.41; 95% CI 0.17−0.97, p = 0.042 )

αカロチン、ベータカロチン、αトコフェロール、レチノールは卒中リスクと関連せず




かごめの回し者ではないが、トマトジュース(食塩無添加)ってのがあって、無添加のはずなのに、うまい。とくに限定品がとくにいける。
 

新生児輸血:新しい輸血製剤の方がよいというわけではない ;それまでの報告否定

新生児のいて、古い輸血用血液にくらべればフレッシュな輸血用血液のほうが、臓器障害、院内感染率、入院期間長期化に関し悪影響少ないという報告があったそうだ

e.g.
Fresh whole blood versus reconstituted blood for pump priming in heart surgery in infants.
N Engl J Med. 2004 Oct 14;351(16):1635-44.



377名の新生児を対象とした二重盲検ランダム化対照化治験でそれを否定

結果、プライマリアウトカム(重大新生児合併症(壊死性会長結腸炎、新生児網膜症、BPD、心室内出血)、死亡))に関して差を認めず、感染症リスクも差を認めなかった。



Effect of Fresh Red Blood Cell Transfusions on Clinical Outcomes in Premature, Very Low-Birth-Weight Infants:  The ARIPI Randomized Trial  
Dean A. Fergusson, et. al.
JAMA. Published online October 08, 2012. doi:10.1001/2012.jama.11953

2012年10月6日土曜日

ケタミン:うつに対し迅速な治療効果

「ドラッグ」としての不正使用で話題になるが、離人的効果、視覚・聴覚知覚の歪みと離脱感覚をもたらすclub drugとしての作用があり、ゆめのような感覚、幻覚、せん妄、健忘を来す可能性もある。

ケタミンのうつに対する迅速改善効果が以前から報告され、改善は数時間以内に明らかになり、週単位・月単位効果が継続することが示されていた。しかし、この研究の知見では、それほど長く続くことはなく7-10日間程度の効果であった。

DOI: 10.1126/science.1222939
Review
Synaptic Dysfunction in Depression: Potential Therapeutic Targets
Science 5 October 2012:  Vol. 338 no. 6103 pp. 68-72





脳研究・臨床研究で、うつでは、気分や認知調整に関わる脳の領域、PFCや海馬を含む領域が縮小し、 これらの領域ではニューロンシナプスの減少が見られる。抗うつ薬はこのニューロン障害を防止し可逆的状況を作る可能性はあるが、従来の抗うつ薬ではその効果は限定されており、数週間から数ヶ月かかる。
注目すべき発見として、ケタミン(NMDA: N-メチルーアスパラギン酸受容体 拮抗阻害剤)で、他抗うつ薬抵抗性の症例でも急激(数時間)で抗うつ作用を示すことが示された。
基礎研究で、ケタミンはシナプス新生を急激に促し、慢性ストレス原因のシナプス障害の可逆性を示す。
これらの知見により、感情回路結合のホメオスターシスコントロールに中心的役割が注目され、うつのsynaptogenic hypothesisおよび治療反応の原理が形作られた。




ケタミンは、グルタミン酸の遊離トリガーとなり、シナプス数増加をもたらす。

グルタミン酸といえば、「シナプス伝達とシナプス可塑性」なのだが・・・
 http://neuro.dept.med.gunma-u.ac.jp/gakubu/unit7.pdf

ニューロン・シナプスへの構造的変化が示されている。

2012年10月5日金曜日

軽症・中等症閉塞型無呼吸:CPAP治療により昼間の日常生活機能改善

軽症・中等症OSA患者において昼間の眠気経験し、日常機能へ影響を与える。CPAP治療が真に日常機能改善効果あるかの検討。

結論としては、眠気のある軽症・中等度閉塞型無呼吸患者の機能的アウトカム改善効果





Continuous Positive Airway Pressure Treatment of Sleepy Patients with Milder Obstructive Sleep Apnea
Results of the CPAP Apnea Trial North American Program (CATNAP) Randomized Clinical Trial
Am. J. Respir. Crit. Care Med. October 1, 2012 vol. 186 no. 7 677-683

自己報告昼間の眠気 (Epworth Sleepiness Scale score<10) 、酸素飽和度低下3%の無呼吸低呼吸指数、5-30イベント患者をランダムにactive vs sham CPAP施行
Functional Outcomes of Sleep Questionnaireの8週間介入後総点数をプライマリアウトカムとすると、補正後差平均は、active群 0.89(n=113)で、プラシーボ群に比べ -0.06(n=110)(P=0.006)
群差平均変化量は、effect size 0.41(95% 信頼区間, 0.14–0.67)
平均(SD)改善値は、交叉時期の開始から終了(n=91)で、1.73± 2.50 (t[90] = 6.59; P < 0.00001) で、effect size  0.69

AHI 5程度の軽症から、眠気あれば、この治験の対象となっている。

自覚症状優先で対象選別し、日常生活機能への改善効果が示された。

noteへ実験的移行

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