2012年10月30日火曜日

飲食店・公共での喫煙禁止により心筋梗塞3割減少、心突然死2割弱減少

すべての心筋梗塞・突然死例を把握し、地域住民データ完全なRochester Epidemiology Projectのデータ解析で、公共場・職場での喫煙規制により、心筋梗塞率は1/3減少という報告

“疫学的研究では原因を特定できない”という限界を自覚しているようだが、住民ベースの心筋梗塞減少を説明出来るのは喫煙だけであるという・・・


Myocardial Infarction and Sudden Cardiac Death in Olmsted County, Minnesota, Before and After Smoke-Free Workplace Laws ONLINE FIRST
Richard D. Hurt, et. al.
Arch Intern Med. 2012;():1-7. doi:10.1001/2013.jamainternmed.46.

レストラン禁煙条例施行前18ヶ月間と、職場禁煙18ヶ月後を比較。

心筋梗塞減少は、33%(< .001) 人口10万あたり 150.8→100.7
心臓突然死頻度減少は、17% (P = .13) 人口10万あたり 109.1→92.0

同じ期間で、喫煙率減少、高血圧、糖尿病、抗コレステロール血症、肥満の頻度は不変もしくは増加している。


寿司屋のカウンターでさえ、喫煙を許す地域だから、居酒屋なんて喫煙暴露は必須。
つきあいで行かざる得ない場合も年に何回かはあるので苦痛。たばこのにおいがつくから、のどが痛くなるから・・・と堂々と理由を述べてつきあいを避ける方が良いのかもしれない。

その上に、突然死や心臓疾患最後の一押しになる可能性のある、迷惑な受動喫煙・・・


米国メディアでは取り上げられているが、雑誌名間違えてるようだ Arch. Int. Med.なのに、Ann Int. Med.として・・・
 http://www.latimes.com/health/boostershots/la-heb-tobacco-laws-heart-attacks-20121029,0,6501844.story

2012年10月29日月曜日

英国女性:40歳までの禁煙で喫煙死亡超過リスク90%超回避 ・・・ なるべく若い内に禁煙を

Pirie K, et al "The 21st century hazards of smoking and benefits of stopping: a prospective study of one million women in the UK" Lancet 2012; DOI: 10.1016/S0140-6736(12)61720-6. 


50年代、60年代、70年代 英国女性において、全死亡の喫煙の2/3までが、喫煙に原因がある。
40歳までの喫煙&その後の禁煙維持に比較して、喫煙維持のハザードは、10倍。
 40歳前までの禁煙にて、喫煙維持死亡率ハザード90%超を回避出来る。
さらに、30歳までの禁煙は97%死亡ハザード回避可能。



50歳前後で禁煙した女性は、非喫煙者に比べ、全原因死亡率高度リスク増加(相対リスク 1.56;95%信頼区間 1.49-1.65)で、有意である。

ただ、年齢によらないのは、肺がん死亡著明減少で、禁煙開始時期年齢に関連せず、年齢全般的に減少。

全般的には、禁煙開始・維持年齢による層別的減少効果は著明




図譜を含め、示唆的論文であり、著作権のため、紹介できないのが残念。

禁煙による死亡リスクハザード減少効果でめだつもの
慢性肺疾患、肺がん、大動脈瘤、腸管狭窄、口腔・咽頭・喉頭・鼻腔・副鼻腔がん、冠動脈性心疾患、、肝硬変・アルコール性肝障害、膀胱癌、食道癌、脳血管疾患

禁煙開始年齢毎の禁煙による9年相対リスク(極小表示で申し訳ないが、全原因死亡率と肺がん死亡率の禁煙開始年齢による9年相対リスク比較)




2012年10月28日日曜日

メトホルミンは早期非小細胞肺がんの予後を改善する

早期・非小細胞肺がん(NSCLC)切除施行患者の生存率に関するメトホルミンの影響

UKPDSなどのエビデンスに関わらず、日本の糖尿病臨床家のみがメトホルミンをdisって間に、糖尿病外の専門家が、メトホルミンのがんへの効果に関心が高まっている。

糖尿病患者のがんリスク軽減の報告があり、高インスリン状態・高血糖改善以外にadenosine 5′-mono-phosphate-activated protein kinase (AMPK)活性化の影響が示唆されている。
Noto H, Goto A, Tsujimoto T, Noda M (2012) Cancer Risk in Diabetic Patients Treated with Metformin: A Systematic Review and Meta-analysis. PLoS ONE 7(3): e33411. doi:10.1371/journal.pone.0033411 
最近では、糖尿病患者外での検討に興味領域が拡大されつつある。


Metformin Usage and Not Diabetes Influences the Long Term Survival of Resected Early Stage Non-small Cell Lung Cancer Patients
CHEST.2012;142(4_MeetingAbstracts):622A-622A. doi:10.1378/chest.1382999


3393名の連続NSCLC例のうち、638名の患者がstage 1
検討対象コホートは、ネオ・アジュバント、肺がん以外のがんの存在、肺葉未満の切除除外後除外後
白人 91.7%、女性 57.9%、非喫煙者 9%、病理的病期 IA 63.3%、腺癌 59.7%、 肺切除 8%
検討コホートで、糖尿病 71(17.4%)、メトホルミン 41(10.0%) 
単変量分析にて、糖尿病診断と包括生存率(overall survival:OS)に相関認めず
(P=0.75)
 しかし、メトホルミンはOS改善と強く相関 (median survival not reached vs. 60 months; P=0.02)
 年齢、性別、病理病期(IA vs IB)、組織、喫煙状態補正後、メトホルミン使用は優位に生存率改善の予後因子(HR=2.65; P=0.01)

2012年10月27日土曜日

急性高山病:アセタゾラミド最小有効量 1日250mg

acute mountain sicknessの訳に関してであるが、「急性高山病」が誤訳と書かれている。
http://eow.alc.co.jp/acute+mountain+sickness/UTF-8/?ref=fxx

ステッドマン医学英和辞典には、
「altitude s. 高山病(高所などで)吸入酸素分圧が低い場合に起こる症候群で、吐き気、頭痛、呼吸困難、倦怠、および不眠症を特徴とする。重症の場合には肺水腫や成人性呼吸窮迫症候群が起こりうる)=Acosta disease; mountain s.;puna;soroche;aerial s.;altitude disease」
と書かれている。誤訳と言い切れるほどの確定的なのだろうか? 


その「急性高山病」予防に関して・・・


アセタゾラミド250mg、500mg、750mg
プラシーボ比較 ランダム化対照化トライアル

Identifying the lowest effective dose of acetazolamide for the prophylaxis of acute mountain sickness: systematic review and meta-analysis
BMJ 2012; 345 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.e6779 (Published 18 October 2012)
Cite this as: BMJ 2012;345:e6779

中間作用型神経筋遮断薬と術後呼吸器系合併症

中間作用型神経筋遮断薬と術後呼吸器系合併症

Intermediate acting non-depolarizing neuromuscular blocking agents and risk of postoperative respiratory complications: prospective propensity score matched cohort study
BMJ 2012; 345 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.e6329 (Published 16 October 2012)
前向きpropensity score matched cohort study

18579名の術中・中間作用型神経筋遮断薬使用の患者で、非使用18579名と対照比較

中間作用型神経筋遮断薬使用は、術後90%未満の抜管後酸素飽和度低下リスク増加と相関 (オッズ比 1.36, 95% 信頼区間 1.23 to 1.51)、ICUへの事故的入室を要する再挿管リスク増加と相関 (1.40, 1.09 to 1.80)
神経筋伝達定量モニタリングは、リスク減少させず、ネオスチグミンreverseは術後酸素飽和度低下(90%未満)リスクを増加させ (1.32, 1.20 to 1.46)、再挿管リスク増加させる(1.76, 1.38 to 2.26).



神経筋伝達モニタリングは、2Hzの4連続刺激(train-of-four stimulation)で、筋の反応を視覚的或いは触知的に評価する方法をとる。

門外なので、一応勉強のため、調べると、理想的な筋弛緩薬とは、“非脱分極性筋弛緩薬であること、作用発現が早いこと、持続時間が短いこと、蓄積性がないこと、代謝産物に作用がないこと、ヒスタミン遊離作用がないこと、自律神経作用がないこと、循環への影響がないこと、肝、腎の影響を受けないこと、アレルギー反応を起こさないことなど”らしい
http://medical.radionikkei.jp/suzuken/final/071018html/index2.html

2012年10月26日金曜日

カルシウム補給は原発性副甲状腺機能亢進症リスク低下させる・・・が、しかし・・・

カルシウムサプリメントは心筋梗塞リスク増加と関連性あり 2012/03/24
と合わせ考える必要がある。



Calcium intake and risk of primary hyperparathyroidism in women: prospective cohort study
BMJ 2012; 345 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.e6390 (Published 18 October 2012)
Cite this as: BMJ 2012;345:e6390
1986年に39-66歳を対象とした Nurses’ Health Study I で58354名の女性看護師
原発性副甲状腺機能亢進症病歴無しを対象として、カルテにて確認された原発性副甲状腺機能亢進症発症を主要アウトカム測定としたもの

22年間フォローアップ、277名の発症
カルシウム食事摂取5群均等分割

年齢、BMI、人種、他の要素補正後、原発性副甲状腺機能亢進症の相対リスクは
最大カルシウム摂取群は、最小摂取群比較で 0.56 (95% 信頼区間 0.37 ~ 0.86, P=0.009 for trend)

カルシウムサプリメント非摂取に比較し、500mg/日町のカルシウム服用者での多変量相対リスクは、0.41 (95% 信頼区間 0.29 ~ 0.60, P<0 .001=".001" br="br">
定期的身体所見検査を受けている登録者に限定した場合の分析でも有意差変わらず


臨床的レビュー:原発性副甲状腺機能亢進症診断・管理  2012/04/06

前向きコホート:日本でも喫煙者は10年ほど生命予後短くさせる・・・ 以前の報告は若年喫煙少なかった時代のデータが主

 
 Impact of smoking on mortality and life expectancy in Japanese smokers: a prospective cohort study
R Sakata, P McGale, E J Grant, K Ozasa, R Peto, S C Darby
BMJ 2012;345:e7093 (Published 25 October 2012)  BMJ  Published 25 October 2012



性別・誕生年による特性




1920-1945の間の日本人男女35歳からの生存率



【press release】

Smoking takes 10 years off life expectancy in Japan, not 4 as previously thought, experts warn
Thursday, October 25, 2012 - 10:52
http://www.bmj.com/press-releases/2012/10/25/smoking-takes-10-years-life-expectancy-japan-not-4-previously-thought-expe


日本での以前の研究は2-3年ほどの予後短縮しか示唆されてなかったが、Britain やUSAでは10年ほどの影響報告であった。
上記の日本からの新しい報告はOxfordと日本の研究者によりなされ、広島・長崎に住む日本人の大集団グループの喫煙の死亡率へのインパクト研究。しかし、原爆暴露とは関連のない発見であり、1950年開始の Life Span Study (LSS)は、放射線の影響を10万超で調査したのだが、大多数は極小の放射線被曝であり、他のリスク要素に関する有益情報を利用できた。
男女68千名 の喫煙情報を取得し、平均23年間喫煙習慣と生存との関連をフォローしたもの

若年世代で喫煙開始ほど後年のリスクが高い。高齢世代は成年になるまで喫煙開始しなかったが、1920-45年生まれの日本人は、成年となってすぐ喫煙開始していた。これは、BritainやUSAと同様。

これらの喫煙習慣の違いが、死亡率パターンに影響をもたらしていることが分かり、1920年前の喫煙者では、2-3年しか余命が短くならない。
しかし、20歳前に喫煙開始していた1920-45年生まれの男性では10年間ほど余命が 短く、非喫煙状態の長い人の死亡率の2倍超となる。女性でも同様傾向である。

 日本の喫煙の影響研究は1900年から1920年生まれが対象の研究であり、若年者喫煙が多くなった1920年以降の調査が含まれていなかったため、過小評価されていた可能性がある。



著者名から推定すると、練り直し?
Impact of smoking and other lifestyle factors on life expectancy among japanese: findings from the Japan Collaborative Cohort (JACC) Study.
Tamakoshi A, Kawado M, Ozasa K, Tamakoshi K, Lin Y, Yagyu K, Kikuchi S, Hashimoto S; JACC Study Group.
J Epidemiol. 2010;20(5):370-6. Epub 2010 Jul 10.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20631456

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note