2012年11月15日木曜日

医師の自殺:不適切な薬剤選択や治療が自殺リスクとしてあげられる

医師203名を含む、31636名の自殺データを利用し、多変量ロジスティック解析を行い、精神疾患や職業上の問題との関連があることを示した。


医師は、非医師に比べ、3倍の自殺リスク

医師では、他の職業者より、精神疾患有意では無いが多い傾向(46% vs 41%)、現行うつ気分も同様(42% vs 39%)

自殺医師たちは、向精神薬、ベンゾジアゼピン、バルビタール酸服用が多い(p<0.005)
・ 向精神薬 オッズ 28.7
・ ベンゾジアゼピン 21.0
・ バルビタール酸 39.5
 抗うつ薬服用少ない(OR 1.31、p=0.263)


医師では、アルコール・薬物乱用は少ない(14% vs 23% p=0.004)
自殺時高度アルコール血中レベル状況は、少ない(OR 0.56 p=0.032)


不適切な薬物治療を含む治療が、自殺リスク増加と関連しているかもしれない。

"Details on suicide among US physicians: data from the National Violent Death Reporting System"
Gold KJ, et al
Gen Hosp Psychiatry 2012; DOI: 10.1016/j.genhosppsych.2012.08.005.





アルツハイマー病と関連する、Trem2遺伝子異常

GWA解析で見いだされた遺伝子異常


Variant of TREM2 Associated with the Risk of Alzheimer's Disease
Thorlakur Jonsson, et. al.
November 14, 2012DOI: 10.1056/NEJMoa1211103

 triggering receptor expressed on myeloid cells 2 (TREM2)をエンコードする遺伝子の稀なミスセンス遺伝子 (rs75932628-T)が、アルツハイマー病の有意な関連があるR47H substitutionの予測因子 (オッズ比, 2.92; 95% 信頼区間 [CI], 2.09 ~ 4.09; P=3.42×10−10)

85歳対象者の0.46%という遺伝子頻度で稀。



Trem2 (トレム2)遺伝子と呼んでる
http://youtu.be/S3C74kTvcC8

今までは、アミロイド斑の研究画種だったが、あらたな原因候補発見、炎症との関わりも示唆されたとのこと

心血管疾患既往患者: 瞑想法により心血管アウトカム改善

AHAの Circulation:Cardiovascular Quality and Outcomes誌掲載

Maharishi Mahesh Yogi (1918–2008):マハリシ・マヘーシュ・ヨーギーに由来する、瞑想法で、一時期企業でも“瞑想研修”と題して、企業福利厚生で行われていた。
オフィシャル: http://www.tm.org/


超越瞑想:Transcendental Meditation (TM) programは、心血管リスク要素、候補的エンドポイント、死亡率へ改善効果をもたらすという報告。


Stress Reduction in the Secondary Prevention of Cardiovascular Disease
Randomized, Controlled Trial of Transcendental Meditation and Health Education in Blacks
CIRCOUTCOMES.112.967406 Published online before print November 13, 2012, doi: 10.1161/​CIRCOUTCOMES.112.967406
黒人の心血管系疾患率は異常に高い。心理・社会的ストレスがこの乖離を生んでるのではという仮説。心血管リスク要因、候補エンドポイント、死亡率改善効果がもたらされたという、今までのTMプログラムを用いたストレス軽減トライアル報告がある
201名の冠動脈疾患を有する、黒人男女ランダム化対照化トライアル
TMプログラムにランダム割り付け
プライマリエンドポイントは、全死亡・心筋梗塞・卒中組み合わせ
セカンダリエンドポイントは、心血管死亡・血管再検・心血管入院、血圧、心理・社会的ストレス要素・ライフスタイル行為

フォローアップ平均5.4年間

TM群では、プライマリエンドポイントは、48%リスク減少(ハザード比, 0.52; 95% 信頼区間, 0.29–0.92; P=0.025)
同様に、セカンダリエンドポイント24%リスク減少t (ハザード比, 0.76; 95% 信頼区間, 0.51–0.1.13; P=0.17)

収縮期血圧 4.9mmHg(95%信頼区間 -8.3~-1.5mmHg, p=0.01)、怒り表現(p<0 .05=".05" blockquote="blockquote" nbsp="nbsp">
アドヒアランスは生存率と関連

結論としては、選択心身相関、TMプログラムは、冠動脈疾患に対し、有意に死亡率、心筋梗塞、卒中のリスク減少を認め、これらは降圧効果、心理・社会的ストレス要素減少と関連するというもの



ハードなアウトカムと思われるが、かなりの効果が示されている。


ただ、瞑想のアウトカム改善効果、単に薬剤コンプライアンス改善効果だけの可能性もあるのだが・・・
 ↓
高血圧への瞑想法の有効性 ・・・ 薬剤服用遵守性改善だけの効果? 2012/11/05

上述のCCOQ誌掲載論文では、心理的ストレスと結びつけたがってるようにみえるがどう反論する?




瞑想訓練、運動は急性上気道感染予防効果あり 2012/07/12

瞑想:マインドフルネス・トレーニング 過敏性腸症候群に有効  2011年 05月 13日

恐怖症性不安障害女性はテロメア長短い 2012/07/14

心不全:薬物アドヒアランス・アウトカム:計画的行動理論に基づく介入 2012年 01月 09日


オキシトシン: うわき防止ホルモン・貞節保持ホルモン・一夫一婦制度保持ホルモン・・・

“視床下部で作られ下垂体から分泌されるオキシトシンは、労働をいとわず、世話を熱心にし  良両親・子供間のつながりを強くし、いわゆる、 "cuddle hormone" (抱擁ホルモン)とよばれている。” ← 初めて知った。


The Journal of Neuroscienceに掲載
Oxytocin Modulates Social Distance between Males and Females
The Journal of Neuroscience, 14 November 2012, 32(46): 16074-16079; doi: 10.1523/​JNEUROSCI.2755-12.2012

プレスリリース解説:Hormone affects distance men keep from unknown women they find attractive Finding suggests oxytocin may promote fidelity (http://www.eurekalert.org/pub_releases/2012-11/sfn-had111312.php )


ヘテロ性癖男性 86名(25歳程度)にオキシトシン鼻スプレーを投与、その影響をみた研究

オキシトシン投与男性では、女性からの距離間を28-30インチが望ましいと答え、プラシーボの場合は20-24インチが望ましいとした。


René Hurle­mann (University of Bonn)主導研究で、オキシトシンのcommitted relationship(貞節関係)への影響、すなわち、未知の女性へアプローチあるいはアプローチされたとき、その貞節関係に無い魅力的女性への距離をより大きくとることが判明した。
独身男性ではオキシトシンは影響を与えなかった。

具体的には、非独身男性では、オキシトシン投与にて、貞節関係以外のの女性との距離を10-15cmながく置こうとする。

オキシトシンは、鼻スプレー投与で行われている。
健康状態にある異性性的志向の有る男性へ鼻スプレーで、オキシトシンとプラシーボ投与。
45分後、魅力的な女性実験者を紹介され、その実験者は研究ボランティアに近づいたり離れたりする。実験者がどの程度の距離が適切かを質問し、その距離を指標とする。

動物実験では、一夫一婦制度の鍵のホルモンとして同定されていた。ヒトにも同様の効果があることが示されたとしている。


Oxytocin facilitates protective responses to aversive social stimuli in males.
Striepens N, et. al.
Proc Natl Acad Sci U S A. 2012 Oct 30;109(44):18144-9. (pubmed) 
 


浮気防止ホルモン、一夫一婦制堅持ホルモン、つがい維持ホルモン・・・ 


軸性脊椎関節炎にレントゲン所見有無にかかわらず抗TNF製剤有効

軸性脊椎関節炎(Axial SpA : axial spondyloarthritis)
参照:http://fibro.jp/axialspa.pdf




http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/ACR/35954 から・・・

tumor necrosis factor (TNF) inhibitorである セルトリズマブペゴール(certolizumab pegol, CDP870, tradename, Cimzia)により有意な改善を認めた。レントゲン的形状の有無にかかわらず・・・

画像上仙腸骨炎を示す症例を含む強直性脊椎炎の診断を要求する中、certolizumab pegol400mg×月1回投与はプラシーボ比較に対し、20%の改善が63.6%でみられた(P<0 .001=".001" br="br" placebo="placebo" versus="versus">そして、レントゲン上の軸性脊椎関節炎を有さない場合にも、62.7%で見られた。

セルトリズマブペゴールは、米国内では関節リウマチ・クローン病で承認されてるが、軸性脊椎関節炎の広域カテゴリー領域では承認されず、特にレントゲン上の仙腸骨炎ない場合は承認されてなかった。

Landewé R, et al "Effect of certolizumab pegol on signs and symptoms of ankylosing spondylitis and non-radiographic axial spondyloarthritis: 24 week results of a double blind randomized placebo-controlled phase 3 axial spondyloarthritis study" ACR 2012; Abstract 777.

2012年11月14日水曜日

サッカー:脳しんとう未満微小打撃繰り返しの脳影響 ・・・ 画像化(TDI) 



有症状脳しんとう既往の無いプロ・サッカー選手でも、閾値未満の脳への振とう的影響が繰り返し生じている。その結果、白質への形態的変化を生じている。


MRI上の “high-resolution diffusion tensor imaging” (超高分解能拡散テンソル画像による皮質下白質トラクトグラフィー:TDI)による分析



"White matter integrity in the brains of professional soccer players without a symptomatic concussion"
Koerte I, et al
JAMA 2012; 308: 1859-1861.


いままでの報告でも、繰り返す外傷性頭部外傷で、長期悪影響出現の報告が有り、白質密度を含めた検討もあった。しかし、脳しんとう以下のくりかえす微小打撃からの影響は不明であった。

12名のエリートレベルの右利き男性サッカー選手と、対照として11名の年齢別競技選手レベルの水泳選手と比較。

対象者は、平均年齢21.4歳で、9年超のトレーニング歴、有症状脳しんとう歴なく、神経精神疾患を有さない

軽度外傷脳障害、軸索・ミエリンの病態のマーカーとして拡散テンソル画像(FA:fractional anisotropy 、 mean diffusivity)を測定


年齢・訓練期間補正後、サッカー選手では、右眼窩前頭皮質白質、脳梁の神経膝・前方区域のradial diffusivity増加観察され、両側下前頭後頭束、両側視放線、両側前帯状回、右前、右上、両側放線冠、右内包前脚、右外包、右上前回の神経線維を含む変化である(P<0 .05=".05" br="br"> 
軽度頭部外傷患者にみられる radial diffusivityの広汎な増加が観察され、脱髄の可能性が示唆される。

サッカー選手は、脳梁のaxial diffusivity高度であるが、FA、mean diffusivityの群間差は見られない。神経放射線医は脳の構造的異常を認めない。





RSNA報告: サッカーと脳障害画像診断証拠  2011年 11月 30日 

頭をつかうスポーツは頭が悪くなる? 2004/05/12
頭をつかうスポーツは頭が悪くなる 続編 2004/07/03


ボクシングなどの格闘技スポーツで検討して欲しい

文明国ではボクシングは追放されなければならない(2005年08月23日)
ヘッドギアしてもボクシングは頭に悪い (2006年09月12日
アマチュア・ボクシングによる慢性外傷性脳損傷の存在:否定的論文なのだが・・・ 2007年 10月 05日


ボクシングでは随分前に行われているが、神経解剖的所見に乏しい・・・
Distribution of microstructural damage in the brains of professional boxers: A diffusion MRI study
Journal of Magnetic Resonance Imaging Volume 24, Issue 3, pages 537–542, September 2006
深部白質のFA減少、皮質灰白質にADC減少



がん既往のある男性ではマルチビタミンでがん発生減少するかも・・・

マルチビタミンだからといって、有益性だけを考えてはいけない。相手無きフリーラジカル・スカベンジャー作用の有害性も考えられる。
閉経後女性:サプリメントで死亡リスク増加 マルチビタミン、ビタミンB6・・・(カルシウムは例外) 2011年 10月 11日
がん既往のある場合の男性ではマルチビタミンは、がん発症減少と関連するかもしれない。

Multivitamins in the Prevention of Cancer in MenThe Physicians' Health Study II Randomized Controlled Trial FREE
J. Michael Gaziano, et. al.
JAMA. 2012;308(18):1871-1880. doi:10.1001/jama.2012.14641.

大規模ランダム化二重盲検プラシーボ対照化トライアル (Physicians' Health Study II) 、米国医師 14 641名(50歳以上(平均[SD] 64.3[9.2]歳)、ランダム割り付け時がん病歴1312名

マルチビタミン 1997年開始、フォローアップ2011年6月1日まで

フォローアップ中央値(IQR) 11.2(10.7-13.3)年間、2669名のがん確認、前立腺癌1373、直腸結腸がん210名
プラシーボ比較で、マルチビタミン連日服用男性は有意にがん全体の発生率減少
(1000人年あたりマルチビタミン 17.0、プラシーボ群 18.3 イベント; ハザード比 [HR], 0.92; 95% CI, 0.86-0.998; P = .04)

前立腺がん、直腸結腸がん、部位特異的がんでは、マルチビタミン連日服用での有意な影響なし
前立腺がん 1000人年あたりマルチビタミン 9.1、プラシーボ群 9.2 イベント; ハザード比 [HR],  0.98; 95% CI, 0.88-1.09; P = .76
直腸結腸がん 1000人年あたりマルチビタミン 1.2、プラシーボ群 1.4 イベント; ハザード比 [HR],  0.89; 95% CI, 0.68-1.17; P = .39

がん死亡率リスクで有意差認めず(1000人年あたり マルチビタミン 4.9、プラシーボ 5.6、HR, 0.88; 95% CI, 0.77-1.01; P = .07

ベースラインでがん既往の有る場合の1312名の男性で、マルチビタミン連日使用は、がん全体で減少と関連する (HR, 0.73; 95% CI, 0.56-0.96; P = .02)
しかし、がん既往の無い場合の13329名の男性では有意で無い(HR, 0.94; 95% CI, 0.87-1.02; P = .15; P for interaction = .07).






PHSII: マルチビタミン 心血管疾患予防効果認めず 2012/11/06

   
骨折・がん・心筋梗塞・死亡組み合わせリスク最小ビタミンD濃度閾値はどの程度か?

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