2012年11月17日土曜日

ビタミンD濃度と心血管疾患リスク: 血中濃度に閾値存在 25(OH)D濃度測定が必要・・・

閉経後女性骨折予防防止のためのカルシウム・ビタミンDサプリメント使用しないよう推奨へ・・・ 2012/06/13

このUSPSTFの推奨は、過剰投与の存在・危険性が念頭にある。


“閾値効果”、すなわち、特定の値を超すと心血管リスクが逆方向となる可能性・・・ビタミンDに関するメタアナリシスでそのことが示された。

やはり、ビタミンD補充するにしても、血中濃度測定が望ましいと思われる。

Circulating 25-hydroxy-vitamin d and risk of cardiovascular disease. A meta-analysis of prospective studies.
Wang L, Song Y, Manson JE, et al.
Circ Cardiovasc Qual Outcomes 2012; DOI:10.1161/CIRCOUTCOMES.112.967604.

【背景】
ビタミンD濃度は心血管疾患(CVD)リスクと関連している。しかし、心血管健康ベネフィットの25OHビタミンD(25[OH]-vitD)濃度至適値に関しては不明

【方法・結果】
1966-2012年の、25(OH)VitD濃度とCVDリスク比較の前向き研究 、MEDLINE・EMBASEから調査
クライテリア該当24文献、独立19研究、6123のCVD症例/65994被験者 メタアナリシス

最低・最高25(OH)VitD濃度カテゴリー比較プール化相対リスク  
総CVDイベント 1.52(95%信頼区間、1.30-1.77)
CVD死亡率 1.42(95%信頼区間 1.19-1.71)
冠動脈疾患 1.38(95%信頼区間 1.21-1.57)
卒中 1.64(95%信頼区間 1.27-2.10)
 ベースラインCVDありの患者を除外したものに限定された時、そして、季節性補正・共役要素補正の時に、有意で、強力な関連性を示した。

fractional polynomial spline regression analysis(おそらくMFP解析)で、ビタミンD濃度とCVDの連続性の関連性が示された。

単相性に25(OH)ビタミンD濃度60 nmol/Lまでは、濃度減少と共に、CVDリスク増加
25nmol/L減少毎に相対リスク1.03(1.00-1.06)

【結論】-
メタアナリシスにより、25(OH)ビタミンD濃度が低いほど、20-60nmol/Lの間は、線形に、CVDリスク増加と関連
60 nmol/L超のときの関連性を今後調査する必要がある。



 VITAL研究:ビタミンDサプリメント大規模研究 2010年 12月 28日


メタアナリシス: ビタミンD±カルシウムサプリメント:癌・骨折予防 2011年 12月 26日

ビタミンDは20~60 mmol/Lあたりまで線形に関連し、 60 nmol/Lを超過すると心血管リスク増加の可能性。

2012年11月16日金曜日

中枢性神経変性疾患患者の呼吸筋トレーニングのシステマティックレビュー

中枢性神経変性疾患患者の呼吸筋トレーニングのシステマティックレビュー

パーキンソン病・多発性硬化症 に関して呼吸機能パラメータの改善効果を認めた

Respiratory muscle training for respiratory deficits in neurodegenerative disorders: A systematic review
Alvaro Reyes et. al.
CHEST. 2012 doi:10.1378/chest.12-1442


検討に値するのは、わずか19研究のみ

そして、Quality評価チェックリスト存在したのは6/16のみで、そもそも研究解析は10研究

チャンピックス:重大な心血管疾患リスクとは関連なさそう

バレニクリンの心血管安全性への関心が高まっている、若干非致死性心筋梗塞、血管再建術、末梢動脈疾患などのリスクが 高まるのではないかという安全性懸念
有意差のあるものではなかったが、FDAは安全性委員会で検討がなされた。

メカニズムとして、脳幹からの副交感神経アウトプットにmodulationを生じ、心臓、カテコールアミン、そして、プロトロンビンへの影響が考えられた。

Use of varenicline for smoking cessation and risk of serious cardiovascular events: nationwide cohort study
BMJ 2012; 345 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.e7176 (Published 8 November 2012)
デンマーク(2007-2010)の国内病歴コホート研究

バレニクリン新規使用(n=17926)、ブプロピオン(n=17926)

Cox回帰を用い、心血管イベントハザード比(propensity scoreマッチ化)を推定
6ヶ月後プライマリアウトカムとして、急性冠症候群、虚血性卒中、心血管死亡として組み合わせ


重大心血管イベント
バレニクリン使用 57(1000人年 6.9)
ブプロピオン使用 60(1000人年 7.1)
重大イベント・ハザード比 0.96(95%信頼区間 0.67-1.39)


バレニクリンは急性冠症候群リスク増加と関連せず (1.20, 0.75 to 1.91)、同様に、虚血性卒中(0.77, 0.40 to 1.48)、心血管死(0.51, 0.13 to 2.02)と関連せず

サブグループ分析で、心血管疾患病歴有無間で主要重大心血管イベントリスクは有意で無い(1.24 (0.72 to 2.12) vs 0.83 (0.51 to 1.36); P=0.29)

神経筋疾患気切:発語システム上のPEEP圧設定は患者任せで良い

神経筋疾患による在宅人工呼吸患者で、気管切開人工呼吸依存患者のautonomyのためにも、呼気PEEPを利用した発語システム導入は望ましい。

たとえば・・・
http://www.passy-muir.com/what_is


 以下のトライアルは、ResMedのシステムらしい


PEEP値を補正しなければならないのだが、それは、患者主導の評価で良いという話。sそして、患者コントロールPEEPは、高度PEEPにて呼吸系トレランス良好で、有意に会話機能の改善をもたらす。

Effect of patient-controlled PEEP on the speech of ventilated tracheostomized neuromuscular patients
Marine Garguilo et. al.
CHEST. 2012 doi:10.1378/chest.12-0574
上気道での呼気が十分可能なレベルのPEEPを、Optimal PEEP-level(PEEPeff)と定義

12名の神経筋疾患人工呼吸依存患者

PEEPなし、中間PEEP(PEEP50)で、会話、スパイロメトリーデータを検討
流量・気道圧測定
マイクロホーンスピーチ記録で、理解度評価、知覚認識スコア、韻律評価を含む発語定量的測定・質的評価のためにPEEP条件を盲目化したスピーチ療法士が行う

文書読み時間、発声気流量、発声時呼吸サイクルの利用、スピーチの快適さのいずれも、PEEP増加にて改善、しかし、定量的パラメータは不変であった。

スピーチ中の上気道活用時の呼気量増加のため、生じた効果と思われ、9名全員で呼吸回数増加も生じていた。

PEEP10.0[9.5-12.0]cm水柱でも、呼吸快適性は不変

ECCO2R法:簡易体外循環CO2排泄システム ・・・ 高炭酸ガス血症COPD患者

Extracorporeal CO2 removal (ECCO2R) technique

機器名は、Hemolung® Respiratory Assist System, ALung Technologies, Inc.
http://www.alung.com/respiratory-solutions/hemolung-ras/

簡素な体外循環で、小さな静脈カテーテル:15Frのカテーテル挿入   、透析類似テクニックで可能



A novel extracorporeal CO2 removal system: Results of a pilot study in COPD patients with hypercapnic respiratory failure
Nausherwan K. Burki,  et. al.
CHEST. 2012   doi: 10.1378/chest.12-0228

 low flow ECCO2R systemで、

システム内血流は 430.5±73.7 ml/min
ECCO2R  82.5±15.6 ml/min
時間経過で変動認めず

侵襲的換気をGroup1患者(n=7;侵襲的人工換気必要尤度高い非侵襲的人工呼吸患者)で避けられ、Group2(n=2; 非侵襲的人工呼吸管理離脱不能例)患者では離脱
PaCO2 は、78.9±16.8 mmHg → 65.9±11.5mmHg有意に減少 (p<0 .003=".003">
Group 3(n=11; 侵襲的人工呼吸管理・離脱不能例)では、3名離脱可能、3名は侵襲的人工換気3名減少、1人がカテーテル挿入に伴う後腹膜出血で死亡




あくまでパイロット研究

長期人工呼吸離脱手段として、あるいは、侵襲性人工換気回避手段として、利用が画策されている

はたして、リスクベネフィットはあるのか・・・適応条件の吟味、リスク軽減法の模索段階といったところか・・・

2012年11月15日木曜日

医師の自殺:不適切な薬剤選択や治療が自殺リスクとしてあげられる

医師203名を含む、31636名の自殺データを利用し、多変量ロジスティック解析を行い、精神疾患や職業上の問題との関連があることを示した。


医師は、非医師に比べ、3倍の自殺リスク

医師では、他の職業者より、精神疾患有意では無いが多い傾向(46% vs 41%)、現行うつ気分も同様(42% vs 39%)

自殺医師たちは、向精神薬、ベンゾジアゼピン、バルビタール酸服用が多い(p<0.005)
・ 向精神薬 オッズ 28.7
・ ベンゾジアゼピン 21.0
・ バルビタール酸 39.5
 抗うつ薬服用少ない(OR 1.31、p=0.263)


医師では、アルコール・薬物乱用は少ない(14% vs 23% p=0.004)
自殺時高度アルコール血中レベル状況は、少ない(OR 0.56 p=0.032)


不適切な薬物治療を含む治療が、自殺リスク増加と関連しているかもしれない。

"Details on suicide among US physicians: data from the National Violent Death Reporting System"
Gold KJ, et al
Gen Hosp Psychiatry 2012; DOI: 10.1016/j.genhosppsych.2012.08.005.





アルツハイマー病と関連する、Trem2遺伝子異常

GWA解析で見いだされた遺伝子異常


Variant of TREM2 Associated with the Risk of Alzheimer's Disease
Thorlakur Jonsson, et. al.
November 14, 2012DOI: 10.1056/NEJMoa1211103

 triggering receptor expressed on myeloid cells 2 (TREM2)をエンコードする遺伝子の稀なミスセンス遺伝子 (rs75932628-T)が、アルツハイマー病の有意な関連があるR47H substitutionの予測因子 (オッズ比, 2.92; 95% 信頼区間 [CI], 2.09 ~ 4.09; P=3.42×10−10)

85歳対象者の0.46%という遺伝子頻度で稀。



Trem2 (トレム2)遺伝子と呼んでる
http://youtu.be/S3C74kTvcC8

今までは、アミロイド斑の研究画種だったが、あらたな原因候補発見、炎症との関わりも示唆されたとのこと

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