2019年5月14日火曜日

アナフィラキシーショック治療エピネフリン過剰投与後心電図異常・・・考えられる病態は?

アナフィラキシーショックを目の当たりにしたら慌てるので常日頃脳内シミュレーションが必要だろう

やや非定型な症候群だが、エピネフリン静注後心電図異常など見た場合は念頭に置く必要があろう


勉強になったなぁ




間歇的胸部絞扼症状評価のためのCT血管造影中、息切れ・喘鳴、紅潮、意識消失あり、脈 50 bpm 血圧 60/45のショックへ エピネフリン静注(1:1000) 1mg ivボーラス
その後II,III,aVFのST上昇、I,aVL, V1-3のST低下





その後CCU入室、電解質・心筋逸脱酵素正常

デキサメサゾン 5mg ivにて症状改善、ST上昇16分間で改善し冠動脈痙攣と診断
ベッドサイド心エコーで LVEF 67%、壁運動異常認めず、CTAで冠動脈有意狭窄無く
troponin I 値 0.091で48時間までに減少



Electrocardiographic Changes After Overdose of Epinephrine in a Patient With Anaphylaxis
Kounis Syndrome or Epinephrine?
Chunyan Jiang, et al.
JAMA Intern Med. Published online May 13, 2019. doi:10.1001/jamainternmed.2019.1230

Kounis Syndrome (KS)は、薬剤・書物・他のトリガーにより誘発された過敏性冠動脈疾患(1991年, Kounis and Zavrasらの初回記載)
ヒスタミン遊離により誘発された冠動脈痙攣による"アレルギー性狭心症の症状”で、アレルギーもしくはアナフィラキシー障害による状況でマスト細胞活性化に関連する急性冠症候群(ACS: 冠動脈痙攣、プラーク破裂、ステント血栓)と同時発生と定義。ヒスタミン、PAF、各種サイトカイン、ケモカインなど炎症性メディエータ遊離により冠動脈痙攣を生じ(type 1 variant)、心筋酵素逸脱増加の有無ともに存在。


アナフィラキシーの診療中に胸痛などの症状を認めた場合には、本合併症を疑い適切な処置を行う必要
https://www.imic.or.jp/literature/1603/



エピネフリンの副作用で成人では 0.01 mg/kg (1:1000: 1mg/ml)で最大 0.5mgなので副作用の可能性

さらに鑑別としては、たこつぼ症候群(突然発症、一過性の左室壁以上、ACSと共通所見:症状、心電図変化、心筋バイオマーカーなど)だが、三時間後経胸壁心エコーで発症後3時間後壁運動異常認めず、除外

他の過敏性関連冠動脈症候群としては、ATAK(adrenaline ,Takotsubo、anaphylaxix、and KS)

ATAKは挑戦的な現代的な複合施設であることが強調されています。 アナフィラキシー反応は、肥満細胞などの炎症細胞の活性化によってKSを誘発することがあります。 これらの細胞は、カテコールアミンの放出を刺激するヒスタミンなどの炎症メディエーターを放出します。 さらに、アナフィラキシープロセスの間にレニン - アンジオテンシン - アルドステロン系によって放出される代償性カテコールアミン、ならびにアナフィラキシーショックの血行力学的補助のためのエピネフリンの投与もまた、血漿中カテコールアミンのレベルを増加させ、それはTTSを誘発しそしてこの悪循環を永続させ得る。






2019年5月10日金曜日

ヒ素暴露:左室肥大など左室形態・左室機能へ及ぼす悪影響

若年成人に於けるヒ素汚染と心ジオメトリーと左室機能


population-based Strong Heart Family Study(SHGS) cohort
1337名の若年成人(糖尿病や心血管疾患認めず)

ベースラインでの無機ヒ素とメチル化ヒ素 の総量(ΣAs) をヒ素汚染のバイオマーカーとして左室ジオメトリーと左室機能フォローアップ検討



Association of Arsenic Exposure With Cardiac Geometry and Left Ventricular Function in Young Adults
Evidence From the Strong Heart Family Study
Gernot Pichler , et al.
https://doi.org/10.1161/CIRCIMAGING.119.009018
Circulation: Cardiovascular Imaging. 2019;12
https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/CIRCIMAGING.119.009018

平均フォローアップ5.6年間、中央値(IQR) ΣAs: 4.2 (2.8 - 6.9) μg/gCr
ヒ素暴露 2倍増加に伴い 
全登録者について、左室肥大 オッズ比(95% CI)  1.47 (1.05 - 2.08)
高血圧/高血圧前症 1.58 (1.04 - 2.41)

LV ジオメトリー測定(LV容積指数、左房収縮期径、左室中隔、左室後壁厚)も各々有意にヒ素暴露と相関

左室機能、1回拍出容量、駆出率はヒ素暴露と相関










例の如く"google 翻訳”序文

無機ヒ素は、地下水、食料、土壌、大気中に見られることが確立されている人間の有毒で発がん性物質です。
 無機ヒ素(iA)への慢性的な曝露は、高血圧、真性糖尿病、頸動脈アテローム性動脈硬化症、末梢動脈疾患などの心血管疾患とその危険因子のリスク増加と関連しています。

 重要なことに、ヒ素曝露は心血管死亡率および有害な心臓事象、特に虚血性心疾患および他の形態の心疾患に関連している。
 しかし、砒素曝露と有害な心臓転帰との関係は完全には理解されていない。無機性の疾患は高血圧と糖尿病、心機能不全の発症の主な危険因子に関連しています。
無機ヒ素が心臓の構造や機能に関連しているのか、あるいは観察された有害転帰がヒ素に曝された個人の心血管代謝プロファイルの悪化に続発するのかは不明である。

心臓の形状と機能、特に左心室の寸法と機能(LV)は、経胸壁心エコー検査(TTE)を使用して確実かつ再現可能に評価できます。

LV肥大(LVH)、LV収縮機能障害、およびLV拡張機能障害は、心疾患の既往歴のある個人および明白な心血管疾患のない人の両方における生存の強力な独立予測因子です。

LVの量と機能のTTEに基づく測定値のベースライン値の大きさまたは方向の変化に続いて、致命的および非致命的な心血管イベントのリスクの対応する変化が続きます。
 さらに、LVH、LVの収縮機能障害、またはLVの拡張機能障害を伴う無症状の患者を対象とした治療は、心不全への自然な進行を遅らせ、その後の罹患率および死亡率を低下させる可能性があります。

したがって、心臓の幾何学的形状および機能の異常なTTEベースの測定は、心不全および有害な心臓転帰の代用として確立されている。それにもかかわらず、心臓の不均衡な成長および心機能の連続的な変化に関与する危険因子および病態生理学的メカニズムは完全には理解されていない。

無機ヒ素は、無症候性アテローム性動脈硬化症、QT間隔の延長、および内皮機能不全の循環マーカーを含む心血管代理のエンドポイントと正の関連がありました24。中央メキシコの小児の小規模横断研究では、ヒ素曝露はより高いLV質量およびより低い収縮機能。

動物実験では、ヒ素への曝露に続いて、筋細胞のアポトーシス、線維症、およびその後のLVHを含む心機能障害が起こることが示されています。
対照的に、心血管疾患のない成人集団におけるLVH、LV収縮機能障害、およびLV拡張機能障害に対するヒ素曝露の潜在的な影響は、これまでに研究されていない。





http://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/kome/k_as/basic.html
日本では、水道システムの整備に加え、ヒ素に対する事業場からの排出規制や水道水における水質基準の設定により、飲料水に含まれるヒ素の濃度が低く維持されています。したがって、日本人が経口摂取するヒ素のうち、飲料水からの割合は小さく、また、食品からの割合が相対的に大きいと推定されています。
食品からのヒ素の摂取量

MMA:モノメチルアルソン酸、DMA:ジメチルアルシン酸、AB:アルセノベタイン、TMAO:トリメチルアルシンオキシド、無機ヒ素:亜ヒ酸、ヒ酸


無機ヒ素:飲料水、ヒジキ、米等
有機ヒ素:海産動物(アルセノベタイン、脂溶性ヒ素化合物)
海藻類、貝類(アルセノシュガー、脂溶性ヒ素化合物)
無機ヒ素の代謝物(モノメチルアルソン酸(MMA)、ジメチルア
ルシン酸(DMA)等)



2004年に英国食糧規格庁(FSA)は海藻のヒジキに無機ヒ素が大量に含まれているという調査結果に基づいてヒジキを食べないよう国民に勧告しました。世界的にみて日本人の海産物摂取量は多く、中でも有機ヒ素だけでなく無機ヒ素も含有している海藻類はヒ素摂取源として最も重要な食品です。特にヒジキは無機ヒ素の含有割合が高いことが分かっています。厚生労働省によると、先に示した無機ヒ素のPTWIを体重50kgの人の一日量に換算すると107μg(=0.107mg)となり、これはFSAが調査した中で最もヒ素含有量が高いヒジキの4.7gに相当します。日本人のヒジキ摂取量は、一日およそ0.9gであり、平均的な食生活であれば生体への影響はほとんどないと考えられます。
ヒジキについてはコメントが必要です。ヒ ジキなどホンダワラ科の海藻はヒ素濃度が高く、海藻の中では例外的に無機ヒ素の割合が高いのです。こうしたことから2004年に英国では国民に対しヒジキ の摂食を控えるように呼びかけました。一方、わが国の厚生労働省は通常の摂取量の範囲であればWHO/FADの提唱する無機ヒ素の週間耐容摂取量 (PTWI、0.015mg/kg/週)には達しないこと、ヒジキには健康増進効果が期待できること等を理由に、食べ過ぎなければ安全であると強調してい ます。ただし、これは慢性ヒ素中毒を前提とした許容量であることから、発がんリスクを定量的に見積もるべきだとする研究者もいます。いずれにしても、バラ ンスのよい食事をすることが大切です。,,,,当所においてもコンブ、ワカメ、モズク、ノリなどの食用海藻について調べた結果、水溶性ヒ素の大部分は数種のヒ素糖であることを明らかにしてお り、また、海産の二枚貝にはアルセノベタインの他にヒ素糖も含まれていることがわかりました。魚介類や海藻を頻繁に摂取しても慢性ヒ素中毒を発症しないの は、毒性が大変低いこうしたヒ素化学種として含まれていることによると考えられています。北海道の重要な水産物であるホタテガイの貝柱にはアルセノベタイ ンという形で少量含まれているだけですので、食用としての安全性には問題がありません。



日本語で検索される識者の意見は、生体内で検討されてないデータなのでは?


オゾン長期暴露と原因別死亡リスク

10年前の研究( Long-Term Ozone Exposure and Mortality , Michael Jerrett , et al.
 N Engl J Med 2009; 360:1085-1095)ではPM2.5を考慮した場合心血管疾患死亡リスク増加は認めず、呼吸器系死亡リスクのみ増加という結果だったが



今回の報告では、代替モデルや共要素補正(微粒子物質や二酸化窒素)補正で、別の知見が得られた



米国成人成人の大規模前向きコホートであるNIH-AARP NIH-AARP Diet and Health Study 17年間追跡調査 1995−2011年

Long-term Exposure to Ozone and Cause-Specific Mortality Risk in the U.S
Chris C Lim , et al.
https://doi.org/10.1164/rccm.201806-1161OC
PubMed: 31051079
AJRCCM Articles in Press. Published on 03-May-2019

コホート, n= 548,780:国勢調査レベルのオゾン推定値
個別-、国勢調査レベル共役要素補正後、寄与共役大気汚染・気温補正後、多変量解析Cox比例ハザードモデル検討

オゾン長期平均年間暴露量は以下原因死亡率と相関(単一汚染物質もでr

  • 心血管疾患 (per 10 ppb, HR=1.03; 95% CI: 1.01-1.06)
  • 虚血性心疾患 (HR=1.06; 95% CI: 1.02-1.09)
  • 呼吸器疾患 (HR=1.04; 95% CI: 1.00-1.09)
  • 慢性閉塞性肺疾患 (HR=1.09; 95% CI: 1.03-1.15)


代替モデルや共汚染物質(微粒子物質や二酸化窒素)補正後でも認められたが、気温による交絡作用が認められた

長時間オゾン暴露と関連する呼吸器疾患死亡リスク有意増加は高温地域居住者で認める(p- interaction < 0.05)


地球温暖化とオゾンによる悪影響が懸念されるのかな?

対策の効果が出ているのは欧州と北米であり、20世紀を通じて増加の一途をたどっていた地表オゾン濃度が、2000年以降、横ばいか減少を示している。反対に東アジアにおいては観測所も少なく、オゾン濃度は依然として上昇傾向にあり、北米西海岸の一部でも長距離大気輸送が原因で濃度の上昇が見られるという。
http://tenbou.nies.go.jp/news/fnews/detail.php?i=25637


ヨーロッパの対応って?
https://www.eea.europa.eu/
Ozone Depleting Substances:成層圏オゾン層破壊物質に関しては記載があるが・・・
対流圏オゾン増加対応に関しては分からない


対流圏オゾンと成層圏オゾンの違いhttps://www.nies.go.jp/pmdep/ctype/result/ox200705/shiryo2.pdf

2019年5月9日木曜日

内視鏡鎮静:大麻は鎮静薬剤必要量を増加させる

"医療用大麻”をマジックワードにして大麻の市民権を得ようとしている人々がいる

そういう人たちにとって都合の悪い報告をGIZMODOが紹介している
(但し、文中に 、"大麻を医療的に応用できない麻薬として分類し続けて、研究を妨げ遅らせている連邦法のせい"と解説にも書かれているが、"受容体と相互作用"不明のものを薬物として認める方が変だろ...と私は思う)




原著
Effects of Cannabis Use on Sedation Requirements for Endoscopic Procedures
Mark A. Twardowski,  et al.
The Journal of the American Osteopathic Association, May 2019, Vol. 119, 307-311. doi:10.7556/jaoa.2019.052
https://jaoa.org/article.aspx?articleid=2731067


Amount of Required Sedation in Regular Cannabis Users Compared With Nonusers
Amount of Sedation Required P Value
Sedative Cannabis Nonusers (n=225) Cannabis Users (n=25) Greater Requirement, % t Test Mann-Whitney U Test
Fentanyl, μg 109.91 125.93 14 0.029 0.003
Midazolam, mg 7.61 9.15 19.6 <.001 <.001
Propofol, mg 13.83 44.81 220.5 0.026 0.001

大麻を使用していると鎮痛剤が効くのに2倍の量が必要という報告
2019.05.08 14:00
https://www.gizmodo.jp/2019/05/if-you-use-cannabis-it-could-take-twice-as-much-anesth.html

処置(内視鏡は一般的に軽い鎮静で行なわれますが、重い鎮静を選ぶ人もいます)に要する適切な鎮静状態に達するのに、平均してフェンタニール(オピオイド)は14%多く、ミダゾラム(ベンゾジアゼピン)は20%多く、そしてプロポフォール(軽い鎮静にも使うことができる一般的な麻酔薬)は220%多く必要
 解説としては...
大麻がどうやって鎮痛剤への耐薬性の上昇を引き起こしているかはまだ分かっていません。大麻や大麻由来のドラッグはエンドカンナビノイドシステムと呼ばれる神経系のシステム内の受容体ネットワークと主に相互作用します。このシステムは空腹感や痛覚といったあらゆる身体機能に関わっています。しかし同じように、オピオイドとベンゾジアゼピンを含む他の薬物もこれら受容体と相互作用するのです。それに大麻がこういった副作用を引き起こし得る他の経路だってあるかもしれないのです。





運動誘発虚血:毛髪水銀高濃度リスク増加、長鎖ω3脂肪酸高濃度リスク減少

中年以上の男性で横断的に血中長鎖ω3脂肪酸と毛髪水銀濃度と運動負荷心筋虚血頻度の検討

魚介類食の負のリスクの一つは水銀摂取量増加があり、
海中で検出される水銀の濃度は非常に低い(1リットルあたり10億分の1グラム以下)。しかし、特に食物連鎖の上位に位置するメカジキやマグロのような、私たちが食する魚には、高濃度で存在する。MeHg(メチル水銀)は、生物蓄積性が高く、毒性の高い水銀であり、魚を食べることによって人々の健康に悪影響を及ぼす。海中濃度は低いにもかかわらず、どのようにして多量のMeHgが私たちが食べる魚に含有するのか。その答えは、プランクトンが取り込み、海洋食物網内でに生物蓄積するためであり、この 過程の第一段階が大きな理由なのである。...動物プランクトンは、食糧が豊富にあるため大量のMeHgを摂取することになり、成長するにつれ、MeHgをより迅速かつ効果的に希釈する。これにより、動物プランクトン中のMeHgの濃度は、周囲の海水よりも50,000〜1,000,000倍高くなる。MeHgが魚に到達する前の海水中の水銀濃度とこれだけの差ができるのは、海水中の微量の水銀を海洋食物網の中で濃縮させていくからである。 :https://nereusprogram.org/ja/works/%E6%B5%B7%E6%B4%8B%E9%A3%9F%E7%89%A9%E7%B6%B2%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E6%B0%B4%E9%8A%80%E6%BF%83%E5%BA%A6%E3%81%AF%E3%81%AA%E3%81%9C%E9%AB%98%E3%81%84%E3%81%AE%E3%81%8B/




Serum long-chain omega-3 fatty acids, hair mercury and exercise-induced myocardial ischaemia in men
BMJ journals ;Heart
https://heart.bmj.com/content/early/2019/05/04/heartjnl-2019-314755

魚は長鎖ω3不飽和脂肪酸(PUFA)を多く含み、冠動脈疾患リスクと負の相関を示すが、同時にメチル水銀も含みこちらは冠動脈性心疾患リスク増加と関連し、PUFAの心血管疾患予防効果を薄める可能性がある

Kuopio Ischaemic Heart Disease Risk Factor Study(42-60歳、1984-89年調査)
電気ブレーキ自転車エルゴメータによる症状上限運動負荷試験を行い、ロジスティック回帰による運動誘発心筋虚血オッズ比検討

多変量解析にて、ω-3PUFA最大最小4分位比較で、心筋虚血オッズ比 33%低下(OR , 0.67 , 95% CI, 0.51 - 0.87, p-trend = 0.006)

CHD病歴患者で最もこの相関強く (OR, 0.10, 0.03 - 0.39, p-trend < 0.001)
病歴なしの場合は OR 0.80, 95% CI 0.57 - 1.12 p-trend 0.17)

毛髪水銀濃度は心虚血オッズ比増加と相関 (OR, 1.62 95% CI 1.22 - 2.14, p-trend 0.002)






水銀と心血管リスクの関連性は、冠動脈性心疾患既往有り・無しのサブグループ各々では有意差無しだが、totalでは明確なリスク増加

アンケートならではの分類過誤バイアスの可能性あり
The strengths of our study include the use of serum long-chain omega-3 PUFA and hair mercury, both established biomarkers for fish intake, instead of food-frequency questionnaires, which reduced the bias by misclassification. 


【JAMA論文著者インタビュー】卵及び高コレステロール食品→元通りの監視下栄養へ

radorというのは「監視下」対象とするという意味だろうか? "under the rador"ってのが、監視できない状況という意味らしいので・・・上記の如く受け止めた


Study Puts Eggs and Dietary Cholesterol Back on the Radar
Jennifer Abbasi May 8, 2019
JAMA. Published online May 8, 2019. doi:10.1001/jama.2019.4165


観察研究にて、卵摂取量・総食事コレステロールと心血管疾患・死亡率増加の相関性知見により再びコレステロール豊富な卵黄が"旨い殺人犯人”として忌避対象とされ、(卵黄回避の)卵白オムレツ全盛時代に引き戻された

Dietary Guidelines for Americans に基づく、scientific report により「コレステロールは過剰摂取を懸念する栄養素にあらず」 というコンセンサスが世間にひろまってた。当時利用可能エビデンスでは「食事コレステロール摂取と血中コレステロールの適正評価された相関性は認めない」というものであった。しかし、ガイドラインではコレステロール食をなるべく少なくという反対のメッセージを送ってしまった。

新しい解析は混乱を断ち切るための試みと・・・ Northwestern University Feinberg School of Medicine (シカゴ)心臓病学 John T. Wilkinsは述べている


Associations of Dietary Cholesterol or Egg Consumption With Incident Cardiovascular Disease and Mortality
Victor W. Zhong, et al.
JAMA. 2019;321(11):1081-1095. doi:10.1001/jama.2019.1572


この論文の著者の意図が分かるJAMAとの対談

JAMA;時が経てば食事コレステロール・卵摂取の考えはいかに変わるのか?
There are also studies suggesting that the risks associated with dietary cholesterol consumption may be differential by different forms of cardiovascular disease, meaning stroke, or heart failure, or coronary heart disease. This has led to considerable confusion and equipoise in the field. I think we still are searching for definitive answers.;(Google翻訳) 食事性コレステロール消費に関連するリスクが、脳卒中、または心不全、または冠状動脈性心疾患を意味する心血管疾患の異なる形態によって異なる可能性があることを示唆する研究もあります。これは、この分野でかなりの混乱と等量性をもたらしました。私たちはまだ決定的な答えを探していると思います。

JAMA:研究の作成法?

Based on that background, we thought that it would be useful to do a high-quality analysis to assess the association between dietary cholesterol and cardiovascular end points and total mortality in a US-based population. We’re also really interested in trying to statistically account for, as best we can, other dietary characteristics that are also associated with dietary patterns that involve high cholesterol intake. Meaning, if you eat, let’s say, 2 eggs a day, but the rest of your diet is all vegetables and is low sodium, do those eggs portend any higher level of cardiovascular disease risk? That’s actually a tricky thing to do. You need large samples and really high-quality phenotyping of what people are eating in order to try to answer those questions. We were also interested in looking at longer time horizons. Because we had a large sample size, and very, very well-phenotyped participants, we were able to get some insights into those questions.:その背景に基づいて、食事ベースのコレステロールと心血管のエンドポイントとの関連性および米国を拠点とする人口の総死亡率を評価するために高品質の分析を行うことが有用であると考えました。私たちができる限り多くのコレステロール摂取量を含む食事パターンに関連する他の食事の特徴を統計的に説明しようとすることにも私たちは本当に興味があります。つまり、1日に2個の卵を食べるとしますが、残りの食事はすべて野菜で低ナトリウムであるため、これらの卵は何らかの高レベルの心血管疾患のリスクを予見しますか?それは実際にはやっかいなことです。あなたはそれらの質問に答えることを試みるために大規模なサンプルと人々が食べているものの本当に高品質の表現型検査を必要とします。私達はまたもっと長い期間を見ることにも興味を持っていました。私たちはサンプルサイズが大きく、そして非常によく表現された参加者を持っていたので、それらの質問への洞察を得ることができました

JAMA:何を学んだか?

Consumption of every additional 300 mg per day of dietary cholesterol was significantly associated with higher risks of incident cardiovascular disease and total mortality. Each additional half an egg consumed per day was significantly associated with a higher risk of incident cardiovascular disease and mortality as well. However, the association between eggs and cardiovascular disease and mortality was attenuated when we adjusted for the cholesterol intake of the diet. But when we adjusted for overall diet quality, the association persisted. [Editor’s note: Diet quality was based on the Alternate Healthy Eating Index 2010, which assesses how well a set of foods aligns with key recommendations of the Dietary Guidelines for Americans.]:
1日当たり300mgの食事性コレステロールの追加摂取は、偶発的な心血管疾患のリスクの増加と総死亡率と有意に関連していました。 1日に消費される卵の半量ずつの増加は、偶発的な心血管疾患および死亡率の高いリスクとも有意に関連していました。しかしながら、我々が食事のコレステロール摂取量を調整したとき、卵と心血管疾患と死亡率の間の関連性は減弱しました。しかし、全体的な食事の質を調整しても、関連性は持続しました。 [編集者注:食事の質は代替健康食事指数2010に基づいており、これは一組の食品がアメリカ人の食事ガイドラインの主要な勧告とどの程度整合しているかを評価する。]


JAMA:私たちが話している効果はどれほど大きいのでしょうか。

It’s fairly modest. The absolute differences in mortality and cardiovascular disease risks that we saw for dietary patterns that involve higher cholesterol intake ranged between about 1% and 4% over 17.5 years of follow-up.:それはかなり控えめです。より高いコレステロール摂取量を含む食事パターンについて我々が見た死亡率と心血管疾患リスクの絶対差は、17。5年の追跡調査で約1%から4%の範囲でした。

JAMA:多くの被検者は1日コレステロール摂取 300mg以上、あるいは卵半分量摂取する人はこの研究では少なかった。コレステロール平均摂取量は285 mgで卵1/3であった。多くの国民にとってリスクを強調する必要があるのか?


The estimate of average dietary cholesterol intake in the United States is somewhere around 290 mg per day. So the sample that we have is probably fairly representative of what’s going on in the United States. But I don’t think you can go from these data to saying there’s a threshold of cholesterol consumption below which there is no increase in risk. I don’t think we can really answer that question based on these data.:米国の平均食物コレステロール摂取量の推定値は、1日当たり290 mg前後です。ですから、私たちが持っているサンプルは、おそらくアメリカで何が起こっているのかをかなりよく表しています。しかし、私はあなたがこれらのデータからコレステロールの消費の限界があると言うことに行くことができると思いませんそれ以下ではリスクの増加はありません。これらのデータに基づいてその質問に本当に答えることはできないと思います。

JAMA:被検者のベースライン脂質レベルも問題。リスク増加は既に高コレステロール血症の場合のみリスク増加ですか?

I’m going to flip that on its head. The risks were not seen in people with very low cholesterol at baseline.;真逆にしてみる。ベースラインの非常に低いコレステロールの対象者ではリスクが観られない

JAMA:違いは?

We defined low-density lipoprotein (LDL) cholesterol as less than 70 mg per deciliter, which is actually a very low LDL cholesterol concentration. Only 1% to 3% of individuals have LDL cholesterol that is that low without medication use. If you looked at a dietary pattern with higher [dietary] cholesterol in that albeit small subgroup, we did not see the associations with cardiovascular disease and mortality. In a subgroup that small you could lose power to detect an association that could be there. Another possibility is that people with cholesterol levels that low may be biologically different than the rest of us.: 低密度リポタンパク質(LDL)コレステロールを1デシリットルあたり70 mg未満と定義しました。これは実際には非常に低いLDLコレステロール濃度です。 LDLコレステロールがあるのは1〜3%にすぎません。これは薬を使わなくてもそれほど低いということです。 あなたがその小サブグループにもかかわらずより高い[食事]コレステロールの食事パターンを見たならば、我々は心血管疾患と死亡率との関連を見ませんでした。 それほど小さいサブグループでは、そこにいる可能性のある関連付けを検出する力を失う可能性があります。 もう一つの可能性は、コレステロール値が低い人々が私たちの他の人々と生物学的に異なるかもしれないということです。

JAMA:一般の人々は、卵とコレステロールを弾いていると彼らが感じることに、混乱していて不満を感じています。 そのように感じている人たちにどう思いますか?

When thinking about diet I think we should focus on what we know is good. I’m not aware of any studies that suggest there’s any harm with eating a diet that is mostly composed of plants. Similarly, consumption of modest amounts of whole grains is healthy. There are also other foods that we know are not good for you to consume regularly, which are high-sodium foods or foods rich in simple carbohydrates. And we have a lot of data that trans fats should be avoided all together.:ダイエットについて考えるとき、私たちは自分が知っていることが良いことに焦点を合わせるべきだと思います。 大部分が植物で構成されている食事を食べることに害があることを示唆する研究は知らない。 同様に、少量の全粒穀物の摂取は健康的です。 高ナトリウム食品や単純な炭水化物が豊富な食品など、定期的に摂取するのに適していないことがわかっている他の食品もあります。 そして、私達はトランスファットが一緒に避けるべきである多くのデータを持っています。

JAMA:好奇心からの質問ですが、あなたは週に何個卵を食べますか? 

I eat about a whole egg every other day. When I make omelets I use one whole egg and then egg whites for the rest. And I try to eat lots of fruits and vegetables.;私は一日おきに全卵を食べます。 私がオムレツを作るとき、私は1つの全卵を使い、次に残りの卵白を使います。 そして私は果物や野菜をたくさん食べるようにしています。


関連:https://kaigyoi.blogspot.com/2019/03/blog-post_57.html




日本人は卵摂取量が多く、さらに多い地域のある

故に、制限せずという今までの考えが間違いだったのだろうか?

2019年5月8日水曜日

ASCENT-COPDトライアル:アクリジニウム:高心血管リスク患者への有効性と安全性

aclidiniumって、ほんとは、アクリヂニウムのはずだが、なぜか、アクリジニウム・・・ってことでいつまでも覚えられない。

LAMA/LABAの心毒性に関してもLVEDV減少など有益性の報告が最近目立つ(CLAIM)が、高リスク患者ではどうか?
LAMAで高リスク患者についての安全性有効性検証


序文:例によってGoogle翻訳

COPDによる死亡の約3分の1が心血管疾患によるもので、心血管罹患率のリスク増加と関連しています。
長時間作用型ムスカリン拮抗薬(LAMA)はCOPD患者の維持気管支拡張に広く使用されているが、それらの心血管の安全性をめぐる論争がある。
いくつかのメタアナリシスおよび疫学的研究により、短時間作用型ムスカリン拮抗薬(SAMA)またはLAMAのいずれかによる治療後の心血管イベントのリスク増加が実証されています。対照的に、LAMAチオトロピウムの大規模臨床試験では、主要な有害な心血管イベント(MACE;心血管死、致命的でない心筋梗塞、および致命的でない脳卒中の複合)の増加は実証されていません。現在のデータは、COPD患者における脳卒中、心筋梗塞、またはチオトロピウムに関連した死亡のリスク増加を裏付けるものではありません。この矛盾は、重大な心血管疾患を持つ患者は通常UPLIFT試験などの臨床試験から除外されるため、ある程度説明することができます。 
アクリジニウムの短期試験では、3〜6ヵ月の治療後にプラセボと比較して年間の増悪率が低下していることが実証されていますが、6ヵ月以降は確立されていません。
この背景を考慮して、今回のトライアルの2つの目的は、心血管疾患既往および高リスク心血管疾患患者COPD患者におけて、MACE(プラセボに対する非劣性)およびCOPD増悪(プラセボに対する優位性)に対する1日2回400μgの臭化アクリジニウムの影響効果を評価すること


【問題】 慢性閉塞性肺疾患 (COPD)で高心血管リスク状態で、 アクリジニウム臭化物 400 μg1日2回投与にてMACE増加し、COPD急性増悪減少するか?

【所見】COPD、高心血管リスク患者 3589名のランダム化研究にて、推定MACEハザード比 (アクリジニウム vs プラシーボ) 3年間にて 0.89 ; 1-side 97.5% CI 1.23で非劣性境界 1.8を超えない。COPD中等度/重度急性増悪に関しては、初年度推定発生率比(アクリジニウム vs プラシーボ)にて 0.78で統計学的に有意

【意義】対プラシーボでのアクリジニウムはCOPD急性増悪を減少し、MACEの劣性リスクを生じなかった。


Effect of Aclidinium Bromide on Major Cardiovascular Events and Exacerbations in High-Risk Patients With Chronic Obstructive Pulmonary Disease
The ASCENT-COPD Randomized Clinical Trial
Robert A. Wise, et al.
JAMA. 2019;321(17):1693-1701. doi:10.1001/jama.2019.4973





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