2012年2月2日木曜日

放射線ホルミシスの証拠? : インターベンション医におけるRedox Balance

state of the art: 心臓放射線関連検査による放射線被曝の害 (H24.2.1) 
http://kaigyoi.blogspot.com/2012/02/state-of-art.html

以上のごとく、医療用放射線の害についての警告ととれる報告を紹介したが・・・


今度は、ホルミシス・モデルに基づく基礎的研究報告

インターベンションに携わる医師たちに於ける、生体内酸化ストレス・抗酸化能パラメータ変動を検討したもの

Cellular adaptive response to chronic radiation exposure in interventional cardiologists ian
Luigi Russo , Idolo Tedesco , Maria Russo1, Angelo Cioppa , Maria Grazia Andreassi and Eugenio Picano
Eur Heart J (2011) doi: 10.1093/eurheartj/ehr263 First published online: August 23, 2011


10名の健康な医療従事者(インターベンション心臓医 Grou II 年齢 38±5歳)と、10名の年齢・性別マッチした非暴露対照(Group I )
放射線暴露は、年 4 mSv (range 1-8)フィルムバッジ測定(鉛エプソン下)

赤血球中 glutathione (GSH, a marker of antioxidant response)とH2O2血中産生(a marker of oxyradical stress) を第一鉄酸化‐キシレノールオレンジ分析

両群とも、リンパ球を分離、 caspase-3 活性 (アポトーシス指標)をベースライン、フォローアップ in vitro 2 Gy照射で測定。

暴露被験者は3倍のH2O2増加  (Group I = 2.21 ± 1.03 vs. II = 6.51 ± 1.55 μM H2O2 equivalents)
、1.7倍のGSH増加   (I = 12.37 ± 1.22 vs. II = 20.61 ± 2.16 mM).

暴露群は、caspase-3活性高値を示し、ベースライン、高濃度放射線暴露でも認めた。 
 インターベンション心臓医において、低レベル放射線慢性暴露は、過酸化酸素増加を反映した、生体酸化ストレスと内因性抗酸化能のバランス,すなわちRedox Balanceを示し、2つの適応細胞応答の可能性がある。1)抗酸化防御機能促進(GSH増加; oxyradical stress増加に対するため)、2)遺伝的ダメージを受けた細胞除去に有効なアポトーシス誘導亢進作用)


論説:
Biological effects of low-dose radiation: of harm and hormesis Gori, T., Munzel, T.
Eur Heart J (2012) 33 (3): 292-295. doi: 10.1093/eurheartj/ehr288 First published online: August 23, 2011





上記報告は、当然だが、ホルミシスの証拠ではないが、生体内へなんらかの影響を与えていることは確か。
“放射線欠乏症”という病名まで提起する研究者たち(http://esciencenews.com/articles/2008/06/19/radiation.health)も存在する。

職業被爆に関して、実行線量限度として線量限度は1年間に50mSv、5年で100mSvだから、上記、 被曝量 年4mSvは鉛エプロン下という条件はあるが、低用量と言える。


ブログで、放射線ホルミシスについて、震災前後、繰り返し・・・同じことを書き込んでた
「ホルミシス・モデル」 v 「線形・無閾値モデル」 2011年3月28日

「ホルミシス・モデル」vs「直線モデル」 2005年7月12日

「ホルミシス・モデル」の肯定的主張する報告 ... 2008年6月20日


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