2012年4月11日水曜日

対他ARB比較、ロサルタン心不全リスク増加疑惑 ・・・ 否定?

アンギオテンシンII受容体拮抗剤(ARBs)の心不全へのベネフィットには class effect、すなわち、同じ、ARBでも種類により、効果の差を認める可能性がある。ただ、ガチンコ研究はないため、明らかではない。

ロサルタンと他のARB比較の観察研究で、ロサルタンで、心不全患者の死亡率増加と関連することが示された。
Angiotensin II receptor blockers for the treatment of heart failure: a class effect?
Pharmacotherapy. 2007 Apr;27(4):526-34.


ということで、 Svanströmらは、デンマーク国内登録データ(1998-2008)で、全原因死亡率リスク比較

ロサルタン 4397 vs カンデサルタン 2082

結果は、ロサルタン使用で全死亡率増加ということは見られなかった、という報告。

Association of Treatment With Losartan vs Candesartan and Mortality Among Patients With Heart Failure
JAMA. 2012;307(14):1506-1512. doi: 10.1001/jama.2012.452 


ほんとに、class effectはあるのだろうか?


最近の報告では、ロサルタンそのものは、カルシウム拮抗剤であるアムロジンに比べ、脂肪肝(腹部超音波指標)、皮下脂肪改善効果、尿酸低下、肝炎症・線維化抑制が示されている。

NASH各指標改善: ロサルタン>アムロジピン ; シンバスタチン追加でさらに改善  2012年 01月 14日
カルシウム拮抗剤とロサルタンは尿酸値低下のみならず、痛風発症リスク減少 ;その他ARBは痛風増加  2012年 01月 13日

ロサルタンによる肝臓炎症・線維化減少効果  2010年 03月 02日
 
 
ちなみにカンデサルタンとの医療コスト比較では、カンデサルタンの勝ちだったらしい・・
高血圧症第一選択:ロサルタン v カンデサルタンの医療コスト比較  2010年 04月 10日

今の薬価は?

0 件のコメント:

コメントを投稿

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note