2012年4月17日火曜日

急性冠症候群:尿酸も予後因子の一つ

「高尿酸血症は、一般住民において、心血管疾患リスク要素は正しいか?」という試験問題が出たとしたら、答えは、「正しくない」が正解だろう。そこで、「高尿酸血症は、一般住民にとって、生活習慣病のリスク要素か?」という問題を出してごまかすのが定石。時々、勘違いした人が尿酸を独立した心血管疾患のリスク要素と述べる場合があるので注意が必要。
 The relative importance of these associations remains controversial. Some experts, such as the Framingham Heart Study group, have argued that uric acid is not a risk factor for cardiovascular disease and that clinicians should rely only on classic risk factors in patient assessment. Nor have serum uric acid levels been considered a cardiovascular risk factor by major professional societies.
(尿酸は心血管リスク要因か? 2008年 10月 23日)



では、特定集団ではとうか?


Prognostic Value of Uric Acid in Patients With Acute Coronary Syndromes
American Journal of Cardiology Volume 109, Issue 9 , Pages 1260-1265, 1 May 2012


尿酸と心血管疾患の相関は不明。特に、PCI治療急性冠症候群での予後要素としては検討されてなかった。

5124名の PCI後急性冠症候群患者、1629名のSTEMI、1332名の急性非ST上昇型心筋梗塞、2163名の不安定狭心症

プライマリエンドポイントは、1年死亡率

尿酸値を4分位 :1, 1.3 ~ <5.3 mg/dl、 5.3 ~ <6.3 mg/dl、 6.3 ~ <7.5 mg/dl、 7.5 to 18.4 mg/dl

フォローアップ中死亡450、4分位あたり、80、77、72、221

1年死亡率(Kaplan-Meier推定)は、それぞれ、6.4%、 6.2%、 5.6%、 17.4%

ハザード比 3.05 95%信頼区間 2.54-3.67 p<0.001 尿酸 第4四分位 vs 第1四分位)


従来の心血管リスク、腎機能、炎症性状態要素補正後、尿酸と死亡率の相関は残存
1mg/dL増加毎1年死亡率は12%増加

尿酸は1年死亡率に関する予測モデルに関して判別的パワー改善
(絶対的集約的判別改善  0.008, p = 0.005)

結論から言えば、尿酸増加は、PCI治療後急性冠動脈症候群患者のあらゆるスペクトラムに関する、1年死亡率の独立した予測因子

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