2012年4月3日火曜日

DMARD・生物学的製剤使用:アメリカリウマチ学会(ACR)勧告(2008)アップデート

アメリカリウマチ学会(ACR)勧告(2008)アップデート

2012 Update of the 2008 American College of Rheumatology Recommendations for the Use of Disease-Modifying Antirheumatic Drugs and Biologic Agents in the Treatment of Rheumatoid Arthritis
 Arthritis Care & Research Vol. 64, No. 5, May 2012, pp 625–639
DOI 10.1002/acr.21641 © 2012, American College of Rheumatology
http://www.rheumatology.org/practice/clinical/guidelines/Singh%20et%20al-ACR%20RA%20GL-May%202012%20AC&R.PDF



早期治療、結核スクリーニング、高リスク患者考慮など

早期介入でより良好なアウトカム改善期待、関節病変は一度起きると恒久的で、予防が大事。強化治療は身体機能維持・QOL改善に役立つ。

ただし、エビデンスレベルCが多いのがちょっといただけないという評価


6ヶ月以下有症状では通常DMARD単剤で、MTXが主。疾患活動性が軽度・中等度で推奨、関節外所見や骨びらんのような予後因子悪化要素が無いなら高度でも単剤推奨。
しかし、中等度以上、関節外病変・骨びらんなど不良予後因子の存在なら、DMARD併用を推奨、たとえば hydroxychloroquineなど。
もし早期に活動性高度なら、抗TNF生物学的製剤をMTX組み合わせ、あるいは単剤で使用推奨。

治療不応性、進行性、不耐容なら、6ヶ月間以上経過した段階で次の治療戦略を
抗TNF3ヶ月間で、ベネフィット無い場合は他の抗TNF製剤か、抗TNF以外の製剤へ変更

非TNT製剤6ヶ月間使用した場合、そして、反応が不適切な場合、効果が無い場合にのみTNF、あるいは非TNT製剤に変更
(非TNF製剤6ヶ月間waitingの理由は、有効性が長い場合があるから)

抗活動性患者で重篤な副作用故TNF治療で失敗した患者は非TNF製剤に変更すべきだが、もし、重篤で無ければ、他の抗TNF、非TNF製剤使用可能。


高リスク患者:C型肝炎では etanercept (Enbrel)は可能、慢性B型肝炎では治療成功できず
5年を越える場合固形がん・非メラノーマでも生物学的製剤使用可能。5年内であったも、Rituximab (Rituxan)は使用可能、メラノーマでもリンパ増殖疾患でも可能とのこと。
抗TNF製剤は、うっ血性心不全 class III or IV 、駆出率50%未満では使用すべきで無い

結核に関し、生物学的製剤投与予定なら、潜在性結核スクリーニングを全患者に行うべき。
 ツベルクリン皮膚反応、IGRAを、BCG最近接種以外では評価。必要なら、胸部レントゲン喀痰検査を続けて行うべき。もし潜在性結核・活動性結核なら、生物学的製剤開始前に治療を行うべき。

インフルエンザ、肺炎球菌、B型肝炎、HPV、帯状疱疹などできれば治療前にワクチンを推奨。


臨床実践での活動性に関する勧告
"Rheumatoid arthritis disease activity measures: American College of Rheumatology recommendations for use in clinical practice"
Anderson J, et al
Arthritis Care Res 2012; 64: 640-647; DOI: 10.1002/acr.21649.
http://www.rheumatology.org/practice/clinical/forms/RADAM-May%202012-AC&R.pdf

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