COPD治療として、β2受容体アゴニストによる症状改善・機能改善効果が広く認められてきた。一方で、吸入ステロイド、さらには、選択的PDE4阻害剤の使用などが検討されている。
Drug Safety in COPD Revisited: What Is the Number Needed to Analyze?
Klaus F. Rabe, MD, PhD
CHEST.2012;142(2):271-274. doi:10.1378/chest.12-1395
カナダSaskatchewanでの55歳以上のCOPD6018名のコホート(不整脈 469例;包括発生頻度 100人年あたり 1.37、死亡例56)
nested control群比較で、不整脈リスクは、イプラトロピウム(アトロベント)新規使用 (rate ratio [RR], 2.4; 95% CI, 1.4-4.0) 、LABA (RR, 4.5; 95% CI, 1.4-14.4)で増加。短期β2刺激剤や慎重なメチルキサンチン投与では増加しなかった。
(Wilchesky M, Ernst P, Brophy JM, Platt RW, Suissa S; . Bronchodilator use and the risk of arrhythmia in COPD: part 1: Saskatchewan cohort study,. Chest. 2012; 142(2): 298--304. )
カナダQuebecのCOPD76661名(67歳以上)のデータ解析(不整脈 5307例、包括発生率100人年 1.03、死亡数 621)
イプラトロピウムで不整脈リスク有意増加認めず (RR, 1.23; 95% CI, 0.95-1.57)、しかし新規使用作用β2 (RR, 1.27; 95% CI, 1.03-1.57) や長時間作動β2(RR, 1.47; 95% CI, 1.01-2.15)アゴニストではリスク増加。
(Wilchesky M, Ernst P, Brophy JM, Platt RW, Suissa S; . Bronchodilator use and the risk of arrhythmia in COPD: part 2: reassessment in the larger Quebec cohort,. Chest. 2012; 142(2): 305--311. )
特に、カナダSaskatchewanの研究は、サンプルサイズの、直接の相関、不整脈記録数、a factor of nineの違いに有意差あり。信頼区間が広く、解釈上の曖昧さが伴う
UPLIFTやPOET研究では、よく言われるように、イベント補足方法がいい加減であって、当てにならない。
驚くことに、COPDでのβアゴニストの長期安全性へ注目されたことは少なく、特に前向きデータは少ない。COPD自体が危険な対象者への催不整脈性を有する可能性も有る。
チオトロピウムとサルメテロールの大規模比較試験は、チオトロピウムの方に相対リスク1.12 (95% CI, 0.84-1.50) で、100人年あたり2.73 vs 2.44で、予測よりかなり高率であった(Vogelmeier C, Hederer B, Glaab T; et al. . POET-COPD Investigators, Tiotropium versus salmeterol for the prevention of exacerbations of COPD,. N Engl J Med. 2011; 364(12): 1093--1103. )。
FDAの喘息に関するLABA安全性懸念へのアプローチ大規模検討が考慮されているが、COPDに関しても同様の検討がなされるべきという意見。
さらに喘息治療への抗コリン剤使用が現実味を帯び、 長期安全性に着眼した研究が必要とされている。
(FDA Drug Safety Communication, FDA requires post-market safety trials for Long-Acting Beta-Agonists (LABAs), US Food and Drug Administration website. http://www.fda.gov/Drugs/DrugSafety/ucm251512.htm. Accessed June 2, 2012 . )
ICS/LABA使用持続性喘息:スピリーバ追加投与で急性増悪延長、呼吸機能改善 2012年9月4日
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