それは、腸内の食物残渣や圧増加が腸壁の脆弱な部分を破綻点にして広がるという仮説に基づいてきたものだが、右側腸管やS状結腸の憩室を説明出来ないし、もともと、腸管の径は大きく圧としても長時間作用するはずもない。・・・仮説に関する疑問点は多かった。
”食事性線維物が多いと3つ以上の憩室症が多い”と、逆であるかもしれない、観察研究結果。
2千超のコロノスコピー検査の結果、無症状憩室症に関して予防効果が見られないとの結論。
2104名の研究被験者で、878が憩室症、1226名を対照群として比較。
憩室例の28%が3つ以上の憩室、40%が1から2個の憩室。32%詳細不明。
憩室を有する場合 より高齢、体重増加・肥満が多く、たばこ使用、NSAID使用が多い。
補正解析にて憩室頻度は、線形に食物線維増加と関連。
最小四分位を指標にすると、憩室症は第2、第3、第4四分位毎、1.03、1.14、1.30 (P=0.004)
3つ以上の憩室はむしろ食事性線維高摂取に多かった(OR 1.81 vs 最小四分位)
週7回未満のbowel movementに比べ、7回の場合 1.34、8-14回の場合 1.59、15回以上の場合 1.70(P<0.001)
ほかに、脂肪食、赤肉、運動などを含めた他の要素に関しても有意な相関を認めなかった。
Peery AF, et al "A high-fiber diet does not protect against asymptomatic diverticulosis" Gastroenterology 2012; DOI: 10.1053/j.gastro.2011.10.035.
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