2013年1月23日水曜日

外部審査・ある程度の対象数により、ARDSへのオシレーション換気治療効果否定的

ARDSは"volume swing"あるいは"pressure swing"にて悪化するということで、理論上は高頻度オシレーション換気(HFOV)は肺保護的で有効なはずということで、ズーとこの話題続いてきた。

システマティックレビュー・メタアナリシス:急性肺障害・ARDSに対するオッシレーション法 2010年 06月 11日
ただ、以下の論文の序文にあるごとく、“ゴミを寄せ集めてもゴミ” といったら失礼か・・・


 high-frequency oscillatory ventilation (HFOV)がARDS患者の死亡率減少するという以前の報告があったが、外部比較機関のない評価であり、サンプルサイズも少なく、エビデンスというのは限界があった。

今回、1200名モノ患者を比較し、よりエビデンス高品質レベルで検討

High-Frequency Oscillation in Early Acute Respiratory Distress Syndrome
Niall D. Ferguson, et. al.
for the OSCILLATE Trial Investigators and the Canadian Critical Care Trials Group
New Engl. J. Med. January 22, 2013DOI: 10.1056/NEJMoa1215554

データモニタリング委員会推奨にもとづき、1200名の患者をランダム化予定で、548名で早期終了。

2つの研究群ともベースライン良くマッチ

HFOV群はHFOVを期間中央値3(中間四分位:IQR 2-8)日間
加え、対照群の273名中34名が不応性低酸素血症のためHFOVを施行

入院死亡率は、HFOV群 47%、対照群 35%(死亡相対リスク HFOV, 1.33; 95% 信頼区間l, 1.09 to 1.64; P=0.005)。死亡率の差は、酸素化・呼吸コンプライアンスのベースライン異常値と独立していた。

HFOV群患者は対照群よりミダゾラム投与量多く (1日199 mg [IQR, 100 to 382] vs. 1日141mg [IQR, 68 to 240], P<0.01)
HFOV群では昇圧剤使用が多く (91% vs. 84%, P=0.01) 、長期間使用となった (5 days vs. 3 days, P=0.01)


人工換気維持のため使用せざる得なかった薬物の有害性のため、オシレーションのベネフィットが生かせなかったいう解釈もできる。・・・となると、今後もHFOVの研究は続くだろう・・・

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