日本では入院長期例は療養型に移行され、人工呼吸離脱させようとする経済的インセンティブがない。 結果的に、医療費の無駄遣いとなるのが、今開かれている“国民会議”とやらでは、医療の専門家不在なためそういう提言望めず、ひたすらコストカッターだけの主張の場となっている。一方で、麻生副総理の表現法はともかく、発言の趣旨がが医療に功利的な議論をという提言なら医療関係者は歓迎だと思う。リビングウィルや高度認知症への胃瘻問題などが具体例と挙げられるだろう。表層的人権をもてあそぶマスコミの馬鹿どもは言葉尻を捉えて批判してるが、せっかくの議論の機会を失わないで欲しい
第3回 社会保障制度改革国民会議 平成25年1月21日(月)
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kokum
横道にそれたが・・・
“人工呼吸離脱困難・長期例”を集めて工呼吸離脱(ウィーニング)するlong-term acute care hospitals (LTACHs)という施設、そこでの方法の研究
この研究で、3つの新しい知見が得られたと著者ら
1)気管切開カラー群で、Pressure Suppot(PS)群に比べ、ウィーニングを迅速に達成できた
2)スクリーニング段階での失敗によりウィーニング手段の影響が異なる。早々にウィーニング失敗した群(0-12時間)ではその影響はみられないが、後々に失敗した群(12-24時間)では、PSより気管切開カラーの方がウィーニング時間が短くて済む。
3)PS群も気管切開カラー群も生存率(6ヶ月、12ヶ月)同様。
Effect of Pressure Support vs Unassisted Breathing Through a Tracheostomy Collar on Weaning Duration in Patients Requiring Prolonged Mechanical Ventilation: A Randomized Trial
Amal Jubran, et. al.
JAMA. Published online January 22, 2013. doi:10.1001/jama.2013.159
21日間超の遷延した人工呼吸管理患者はを、長期急性期病院(long-term acute care hospitals (LTACHs))でウィーニングすることが多いが、最も有効なウィーニング手段は検討されてない。
Pressure Support(PS)と、気管切開カラーを用いた非補助呼吸を比較。
2000-2010年、ランダム研究
500名のスクリーニング5日間を経て検討、316名を不耐性とし、PS 155名、気管切開カラー 161名とランダム割り付け
6-ヶ月、12-ヶ月の生存率を決定
プライマリアウトカムはウィーニング期間。セカンダリアウトカムは6、12ヶ月後の生存
316名の内、脱落 4名、研究に含まず。
PS 152名のうち、ウィーニング 68(44.7%)
気管切開カラー群160名のうち、ウィーニング 85(53.1%)、死亡 16(10.0%)
ウィーニング期間中央値は気管切開カラー仕様で短い (中間四分位(IQR) 気管切開カラー群 15 日間; 8-25 vs PS群 19日間; IQR, 12-31), P = .004
ベースライン寄与要素補正後、ウィーニング成功率ハザード比はPS群より気管切開カラー群で高い (HR, 1.43; 95% CI, 1.03-1.98; P = .033)
Figure 2. 人工呼吸残存比率(PS vs 気切カラー群)
Figure 3. 人工呼吸残存比率(5日間スクリーニング不成功群中の比較:PS vs 気切カラー群)
12-120時間のスクリーニング施行にて不耐性患者群では、気管切開カラー使用は、PS群より迅速にウィーニング達成 (HR, 3.33; 95% CI, 1.44-7.70; P = .005)
一方、0-12時間内スクリーニング施行不耐性群では、ウィーニング時間は、2つの方法とも同等。
死亡率は、PS群及び気管切開カラー群とも、6ヶ月、12ヶ月で同等 ((55.92% vs 51.25%; 4.67% 差, 95% CI, −6.4% to 15.7%) 、(66.45% vs 60.00%; 6.45% difference, 95% CI, −4.2% to 17.1%))
結論:人工呼吸遷延的必要・単一機関長期ケア施設治療患者において、気管切開下非アシスト呼吸が、Pressure supportに比べ、短期的にウィーニング期間中央値短い。しかし、生存率は同等であった。
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