以下の報告は、高血圧診療へも示唆を含む
閉塞型無呼吸(OSA)肥満患者では、CPAPと減量の併用で、それぞれの単独使用より、さらに降圧効果増加を認める。重要な示唆を有する知見である。
"Effect of CPAP, weight loss, or both on peripheral and central blood pressure in obese subjects with OSA"
Chirinos JA, et al
ACC 2013.
J Am Coll Cardiol. 2013;61(10_S):. doi:10.1016/S0735-1097(13)61384-4
【背景】肥満と閉塞型睡眠時無呼吸(OSA)は共存状態傾向になりやすく、高血圧とも関連する傾向にある。減量とCPAPの血圧への影響は以前から個別に研究されているが、OSA肥満者への、併用治療、単独治療に関わるベネフィットは不明
【方法】139名の肥満(BMI 30超)と中等度・重度OSA(AHI 15以上)をランダム割り付け
1)CPAP治療(n=44)
2)減量(n=48)
3)CPAP+減量併用 (n=47)
24週間
評価として、平均動脈圧(MAP)と中心脈圧(cPP,carotid tonometry測定)
【結果】ITT解析にて、減量では、MAP減少と相関せず、CPAP (−3.70 mmHg; 95%CI=-6.86 〜 −0.53; P=0.02) 、併用(−6.94 mmHg; 95%CI=-10.22 〜 −3.66; p< 0.0001)では有意に減少
減量+CPAP併用は、減量単独より優越 (グループ間差 MAP=5.12 mmHg; 95%CI: 9.86 〜 0.38; P=0.03)
割り当て群でのコンプライアンス限定的事前決定層別解析では、 MAPに関し、
併用群で特に24週後かなりの効果認める (−9.14 mmHg; 95%CI=-13.01 〜 −5.27; p< 0.0001)一方、CPAP単独ではその効果やや少ない(−3.14 mmHg; −6.27 〜 −0.02; P=0.049) 、減量単独では有意差認めず(−1.89 mmHg; 95%CI=-5.79 〜 2.01; P=0.34)
コンプライアンス被験者では、併用治療では、減量単独介入やCPAP単独介入に比べ、MAPより減少 (グループ間差 -7.25 mmHg; 95%CI=-12.75 〜 −1.75; P=0.01、 =6.00 mmHg; 95%CI=1.02 〜 10.97; P=0.019)
ITT解析では、cPPは3介入群とも減少 (−3.53 mmHg; 95%CI=-6.23 〜 −0.84; P=0.01)、群間差に有意差認めず
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