2013年3月15日金曜日

閉経後ホルモン補充療法:7学会コンセンサス ・・・年齢・閉経後期間限定適応、個別リスク適応の上使用推奨

これを報じるメディアはミスリードする気・・・満々
なんせ、「Timing Is Everything」と本文と真逆のことをタイトル化している。
http://www.webmd.com/menopause/news/20130314/hrt-menopause-symptoms-timing


コンセンサス( American Society for Reproductive Medicine,  Asia Pacific Menopause Federation,  Endocrine Society,  European Menopause and Andropause Society,  International Menopause Society,  International Osteoporosis Foundation,  North American Menopause Society署名)
国際閉経学会(2012年11月、パリ)


 journals Climacteric 4月号に全文掲載予定

・60歳未満 or 閉経後10年内女性では、エストロゲン単独ホルモン標準量補充療法は、冠動脈性心疾患、全原因死亡率減少する可能性
この対象では、エストロゲン+プロゲストゲンは心血管リスク増加・減少するか明らかでない
・閉経症状が膣乾燥感や性交時不快女性では、局所性の低用量エストロゲンの適応
・エストロゲン単独HRTは子宮摘出後女性に良い適応で、他はエストロゲン+プロゲストゲンすべき
・静脈血栓塞栓・虚血性卒中リスクは、経口HRTで増加するが、60歳未満での絶対リスクは低い。経皮治療より少ない可能性。
・HRTは乳がん既往者には推奨しない
・Bioidentical hormone replacement therapy (BHRT)、自然ホルモン療法は推奨せず
 静脈血栓、卒中、心疾患、乳がんなど適応について個別リスク評価が必要。

ホルモン補充療法に関してやりたがり屋さんたちのバイアスがあると思う。

昨年のUSPSTF推奨以降に新たな高品質エビデンスが追加されたとは思えないので・・・
USPSTF:ホルモン補充療法ベネフィットよりリスクが上回る 2013/05/29
米国FDAでの短期治療適応としては、血管運動性hot flash、尿路・生殖器萎縮、骨粗鬆症の予防(短期は明確にしてないが、根拠となるWISDOM研究は10年間)
結論: エストロゲン+プロゲスチン併用、エストロゲン単独ともに、骨折リスク減少するが、卒中、血栓塞栓イベント、胆嚢疾患、尿失禁リスク増加。エストロゲン+プロゲスチンは乳がんリスク・認知症リスク増加するが、エストロゲン単独では乳がんリスク減少。 
これを見ると、10年を超える治療に関しては根拠がない。60歳を超える場合や、閉経後10年超える場合のHRTに関しては推奨できるはずもない。

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