2013年3月1日金曜日

蔓延する、重度COPDへのベンゾジアゼピン新規使用の愚

紹介論文と話題はそれるが、私が気になっているのは、「ノルスパンテープ」の存在
適応症が広く、オピオイド乱用のゲートウェイなる危惧を持っている。e-learningも受けたが、難しいものではなく、なりすまし受講さえ可能なもの。あれで、乱用抑制担保されているとはとてもじゃないけど思えない。
久光製薬が、オピオイド系薬剤「ノルスパンテープ」を必死に営業しているが、COPD評価された上での使用をちゃんと指導してるのだろうか?特に、適正使用e-learning時以降 実際の使用時・・・呼吸系医師のはしくれとして、危惧をもっている。

「スパイロメトリーって何?」という地域において、「変形性関節症」・「腰痛症」というだけで、呼吸機能低下評価無く、また、心電図(QT延長)評価無く、処方可能な現状を危惧する。

以下は、ベンゾジアゼピン使用に関する問題なのだが・・・
日常臨床で頻回に遭遇するデパス依存症 2010年 04月 09日
医師たちが作る薬物依存 ・・・ 依存症原因の2位に 2013/02/22


ベンゾジアゼピン系に関しては、医療関係者の問題意識がかなり希薄であり、問題を拡散している現状がある。


その一端になると思うが・・・

カナダの研究者が、本来その使用により副作用出現があることが知られている、COPD患者へのベンゾジアゼピン薬剤が頻用されている現実、しかも、COPD重症ほど、呼吸器系への臨床的悪影響を与えるこの薬剤が処方されている現実


Benzodiazepine Use among Older Adults with Chronic Obstructive Pulmonary Disease : A Population-Based Cohort Study.
Vozoris NT, et. al.
Drugs Aging. 2013 Mar;30(3):183-92. doi: 10.1007/s40266-013-0056-1.

国際的ガイドラインでも、重症COPD患者では鎮静剤は避けるべきとなっているが、この知見では、 より重症のCOPDで、新たにベンゾジアゼピンが処方されている現実が浮かび上がってきている。

オンタリオ州に住む、65歳以上高齢者COPD111,445名
5年間の研究で、新規ベンゾジアゼピン薬剤処方35,311名(31.7%)


重度COPD患者(少なくとも直近1年でED受診、入院最低1回)は、非重症COPD(直近1年にED受診・入院無し)に比べ、新規ベンゾジアゼピン薬剤処方オッズ比は、43%増加 (42.2 vs 29.4%)

新規ベンゾジアゼピン処方の9%は急性増悪後入院中、あるいは、直後処方され、臨床ガイドラインでは不適正とされているやり方がなされている。
 これは家庭医からの処方が多い(79.5%); 非専門医にCOPDとベンゾジアゼピン系薬剤の不適切な関係が良く理解されてないことがわかる。

長時間作動薬剤 14.6%、30日以上の長期処方 32.6%、 繰り返し処方 〜30.6%、 予定より早めの薬の補充 11.6% (調剤の問題)

COPD患者でのベンゾジアゼピン処方は、重篤な呼吸器系アウトカム、分時間器量減少、低酸素血症、高炭酸ガス血症、呼吸筋力・endurance低下と関連するわけで、重大な問題。

不眠、うつ、不安といったものはCOPD患者で多く見られ、さらに、呼吸困難減少のため処方されている場合がある、だが、これら使用有用性エビデンスは存在しない。

より重篤なCOPD患者で、ベンゾジアゼピン新規使用が頻回になされている現実
ベンゾジアゼピン服用患者の現実的な医療アウトカムの研究が必要



COPD重症化進むと、患者自身が終末期を悩み、ADL低下からの心理的・身体的訴えが増える。「薬物で黙らそう、あるいは、ごまかそう」とするのは絶対やってはならない。
労作性息切れに伴う呼吸苦を乗り越えて、sarcopenia解消させる意欲をもたせることが必要。 いんちき医者ほどBZ剤でその場をごまかそうとする

0 件のコメント:

コメントを投稿

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note