事故後2年間の締めくくりとした、WHO報告
Global report on Fukushima nuclear accident details health risks
News release
http://www.who.int/mediacentre/news/releases/2013/fukushima_report_20130228/en/
“A breakdown of data, based on age, gender and proximity to the nuclear plant, does show a higher cancer risk for those located in the most contaminated parts. Outside these parts - even in locations inside Fukushima Prefecture - no observable increases in cancer incidence are expected.”固形がん 新生児・女児暴露 約4%
In terms of specific cancers, for people in the most contaminated location, the estimated increased risks over what would normally be expected are:
● all solid cancers - around 4% in females exposed as infants;
breast cancer - around 6% in females exposed as infants;
● leukaemia - around 7% in males exposed as infants;
● thyroid cancer - up to 70% in females exposed as infants (the normally expected risk of thyroid cancer in females over lifetime is 0.75% and the additional lifetime risk assessed for females exposed as infants in the most affected location is 0.50%).
白血病 新生児・男児暴露 約6%
甲状腺がん 暴露新生児女児 〜70%
(生涯女児甲状腺がん通常の予測リスク 0.75%、再暴露地域の超過生涯リスクの追加分 0.50%)
おなじみ、朝日系米国向け新聞 NYTimes
W.H.O. Sees Low Health Risks From Fukushima Accident
By HIROKO TABUCHI
Published: February 28, 2013
www.nytimes.com/2013/03/01/world/asia/who-sees-low-health-risks-from-fukushima-accident.html?pagewanted=all
心理的影響を強調
一部地域は比較的低レベルでも汚染地域が残存今後の慢性的影響が残る
日本政府は、リスクを過大評価・がん発生尤度増加の誤解が広まることを危惧して、慎重すぎる(overly cautious)レポートを要求。その結果、発電所プラント周囲の住民を不用意に被爆させてしまった。
その結果、12-25 mSvの範囲の女児幼児のリスクが最も懸念され、追加生涯リスクが、1.25%になるはめになった。
福島第一原発の安定化のため作業している緊急労働者の1/3は軽度白血病、甲状腺がん、その他のがんリスク軽度増加の可能性
汚染外の福島県の一般住民ではおそらく増加は見られないだろう
また、放射線物質の降下物で、流産、死産、その他の物理的・精神的障害をもたらすことはないだろう
WHO報告では、高リスク対象者への長期健康モニタリングの必要性、必要な医学的フォローアップ・サポートサービスの提供の必要性が記載。今後数十年間災害の公衆衛生上重要なこと。
食品・人畜に関し、医学サポート・サービス・環境モニタリングの強化、特に、食物・水供給に関し配慮必要で、将来の潜在的放射線暴露減少のための 規制強化必要。
なぜか原爆投下での結婚差別の話が出てきているのが、朝日新聞亜流らしい記事である
マスコミは差別煽ってんのか・・・
娘への差別恐れ、車の「いわき」ナンバーを「北九州」に 支えよう、3.11被災者 2013年3月1日
茨城県に避難したある家族のことだ。入居するアパートに着いたとたん、周辺住民から「福島の人は来るな。放射能を持ってくるな」と抗議され、福島に戻ったという。
長女は今春、小学校に入学する。夫は「学校で仲間外れにされるかも」と心配し、車のナンバーを「いわき」から「北九州」に変えた。万一の策とはいえ、故郷を隠すような生き方に「切なさ」が募る。
原発再開最右翼新聞・読売は・・・
福島原発事故、がん患者増の可能性低い…WHO
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=73650
世界保健機関(WHO)は28日、東京電力福島第一原子力発電所事故で放出された放射性物質による健康影響の評価を発表した。
一部地域で子供の甲状腺がんの発症確率が高まる可能性を指摘した。ただ、放射線量の高い「計画的避難区域」に4か月間避難せずにとどまり、汚染された物を食べ続けるなど、ありえない最悪条件を想定して計算している。実際にがん患者の増加が住民の間で見られる可能性は低いと結論づけた。
さすがです、印象操作はお手の物の読売新聞
でも、以下の表を記載したのはさすがです
福島県内の1歳児が16歳までに甲状腺がんになる確率(%)
男児 | 女児 | |
浪江町 | 0.0104 | 0.0368 |
飯館町 | 0.0068 | 0.0237 |
葛尾村 | 0.0049 | 0.0168 |
南相馬市 | 0.0047 | 0.0158 |
伊達市、福島市、二本松市、川俣市、楢葉町、川内村 | 0.0044 | 0.0148 |
郡山市、田村市、相馬市、広野町 | 0.0040 | 0.0135 |
その他 | 0.0037 | 0.0124 |
平常時 | 0.0014 | 0.0040 |
参考
Preliminary dose estimation from the nuclear accident after the 2011 Great East Japan Earthquake and Tsunami
http://www.who.int/ionizing_radiation/pub_meet/fukushima_dose_assessment/en/
【追記】
各メディアどう伝えているか・・・
ウォールストリートジャーナル (中身はAP通信);英語
http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887324432404578333660664690412.html
日本の原発事故から間もなく2年がたつなかで、国際的な専門家チームは28日、高濃度の放射線に汚染された地域の住民のがんのリスクは、ごくわずかだが高まるとの研究結果を発表した。
この報告書は、世界保健機構(WHO)が福島の事故の健康への影響について専門家に調査を依頼して発表したもの。
報告によると、放射性物質を含む噴煙で覆われた地域の乳児の生涯がん罹患(りかん)率は1%前後増加するという。
報告書を執筆した専門家の1人でマンチェスター大学のリチャード・ウェイクフォード氏(Richard Wakeford of the University of Manchester)は「罹患率の上昇はかなり小さく、おそらくライフスタイルの選択や統計の誤差といった他の(がんの)リスクによる影響によって隠されてしまうだろう」と述べ、「福島に行かないことよりも喫煙しないことの方が重要だ」と述べた。
リスクが最も高まるのは乳児だ。日本での生涯がん罹患率は男性が41%、女性が29%だが、最も汚染のひどい地域の乳児の場合、これが1%ポイント程度高まるという。
特に懸念されるのが甲状腺がん。放射性ヨウ素が甲状腺に吸収されるからだ。特に乳幼児のリスクが大きく、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故の後、汚染された牛乳を飲んだことによって約6000人の子どもが甲状腺がんにかかった。
報告書は、福島の汚染の最もひどかった地域の女児が生涯に甲状腺がんにかかる率が70%高まると推測した。甲状腺がんは非常に少なく早期発見されれば治癒(ちゆ)するがんだ。女性が生涯に甲状腺がんにかかる率は0.75%で、被ばくによってその確率が0.5ポイント上昇することになる。
ウェイクフォード氏は、罹患率の上昇が非常に小さく、観測できないほどであろうと語った。
高濃度の放射性物質に汚染されなかった地域では、放射線によるがんのリスクは顕著に低い。ウェイクフォード氏は「それ以外の地域の人々のリスクは極めて小さい」と述べた。
放射線に誘発されたがんが専門のコロンビア大学のデービッド・ブレナー氏(David Brenner of Columbia University in New York)は、直接的な放射線飛散の影響を受けない地域の人々のがんのリスクはごく小さいだが、少なくとも理論的にはゼロではない、と指摘。しかし、がん罹患率を目に見えて変えるほどではない、と述べた。
また、WHOの報告の数値は意外ではないとした上で、少量の放射線によるリスクを測定することが難しいため、この報告は不正確とみなすべきだと語った。同氏はWHOの報告書には関わっていない。
がんが少しでも増加するという予測が出されたことが驚きだという専門家もいる。
オックスフォード大学の物理学の名誉教授、ウェイド・アリソン氏(Wade Allison, an emeritus professor of physics at Oxford University)は「この被ばく量で向こう50年にがんが増加すると考える根拠はない」と述べた。同氏は今回のWHOの調査には参加していない。同氏は「(被ばくした人々の)ごくわずかながんの増加は、道路を横断するリスクより小さい」と述べた。
(AP通信)
報告書執筆の一人、Richard Wakefordさんは、British Nuclear Fuels Ltd (BNFL)でお仕事30年間した方らしい。
Wade Allison氏は、CERNや米国ニュートリノのお仕事をした人で、その後医学的興味が出てきたという御仁。
反原発家さんたちの陰謀論に利用されそうな肩書き、かれらはどういう肩書きでもそうするだろうけど・・・
NHK 2/28/21:43
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130228/t10015867521000.html
WHOが原発事故の健康リスクを公表
WHO=世界保健機関は、28日、東京電力福島第一原子力発電所の事故によってどのような健康影響が予測されるかをまとめた報告書を公表し、最大限に見積もっても被ばくによって住民のがんが増えるおそれは小さいと指摘しました。
この報告書は、原発事故の半年後までに日本政府が公表した土壌や食品中の放射性物質の濃度などの調査結果を基に、WHOの専門家グループがまとめたものです。
それによりますと、原発事故の被ばくによる影響について、最大限に見積もっても住民のがんが増えるおそれは小さいと指摘しています。
具体的には、事故当時、1歳だった女の子が被ばくの影響で生涯にわたって甲状腺がんを発症するリスクは、通常が0.77パーセントであるのに対して、放射線量が最も高かった地点で分析すると、▽福島県浪江町で0.52ポイント、▽飯舘村では0.32ポイント、それぞれ上昇するとしています。福島県内のこれ以外の市町村では、統計的に意味のあるリスクの上昇は見られないとしています。
WHOでは、リスクを過小評価することによって行政などの対応が不十分とならないよう、住民が事故の後4か月間にわたって同じ場所に住み続けたと仮定しているほか、被ばくを避けるための食品規制を考慮していないなど、実際よりもリスクが高くなるような極めて安全側にたった分析を行っています。
WHOでは、「リスクのある地域では長い期間にわたって継続的に健康調査を続ける必要がある」と呼びかけています。
専門家「過大な見積もり」
今回の報告書の作成に加わった独立行政法人・放射線医学総合研究所の明石真言理事は「WHOでは、過小評価は放射線の影響を見落とすことにつながるため、避けたいという考え方が強く、最大の被ばくをしたという想定に立って健康への影響を評価している。実際には、住民の避難が行われたり、放射性物質が基準を超えた食べ物は出荷が制限されたりしたので、評価結果のような被ばくをしている人はいないと考えられる」と指摘しています。そのうえで、「こうした過大な見積もりでも放射性物質の影響は小さいといえるが、今後も長期にわたって健康への影響について調査を続ける必要がある」と話しています。
飯舘村長「まったく仮定の話」
WHOが発表した報告書について、すべての住民が村の外への避難を続けている福島県飯舘村の菅野典雄村長は「全く仮定の話であり、特定の地域の名前を挙げて言うのはいかがなものかと思う。仮定の話を出すのはWHO自らの保身のためではないか。われわれは少しでも住民の安全を守るためあらゆる手立てをしている。過小な評価を望むわけではないが、現実の話であれば甘んじて受ける。しかし、過剰に評価してどんどんと住民を不安に落として入れていくようなことに非常に怒りをおぼえる」と話していました。そのうえで、「WHOが出した数字について国がどういう答えを出すのか、正しいのか違うのか見解をはっきり聞きたい」と話していました。
環境省は…
WHOの報告書について、環境省は「リスクを洗い出すという意味では重要な報告書だと思うが、原発事故のあと、避難地域でも4か月間住み続け、出荷制限の対象となっている食品も食べ続けたと仮定していることなどが実態にあっておらず問題だ。リスクが大きく見積もられており、報告書が示している確率でがんになるという認識は誤りなので、誤解しないようにして欲しい」と話しています。そのうえで、環境省としては特に新たな対応を取るわけではなく、これまで通り住民の健康管理調査などを続けていくとしています。
厚労省は…
今回の報告書について、厚生労働省は「さまざまな国際的な文献などを基に推計されたもので、参考にしたい」と話しています。そのうえで、厚生労働省としては、これまで通り、原発事故発生から収束宣言が出されたその年の12月16日までの間に収束作業に携わった作業員の健康管理を、長期間、続けていくとしています。
具体的には、被ばく線量が100ミリシーベルトを超えた作業員については、生涯にわたって年1回、甲状腺の検査やがん検診を行うほか、すべての作業員を対象に、作業員を続けている間、半年に1回、健康診断などを行うとしています。
最大限の見積もり必要
WHOの食品安全局のトリッチャー局長代理はスイスのジュネーブで記者会見し、報告書が実際よりもリスクが高くなるよう分析を行っていることについて、「リスクを過小評価してしてしまうよりは多めになるように評価することが重要だった」と述べ、今後の健康調査の継続など適切な対応を行政に促すためにも、最大限に見積もって分析を行うことが必要だったという考えを示しました。
「朝日新聞」本家
福島原発、甲状腺がんリスク増加も WHOが報告書発表
http://www.asahi.com/national/update/0228/TKY201302280465.html
【前川浩之=ジュネーブ、大岩ゆり】世界保健機関(WHO)は28日、東京電力福島第一原発事故の被曝(ひばく)による健康影響に関する報告書を発表した。大半の福島県民では、がんが明らかに増える可能性は低いと結論付けた。一方で、一部の地区の乳児は甲状腺がんのリスクが生涯で約70%、白血病なども数%増加すると予測した。日本政府は、「想定が、実際とかけ離れている」と不安を抱かないよう呼びかけた。
WHOはまず、環境の線量などから被曝線量を推計した。計画的避難区域の住民は事故後4カ月避難せず、県内産のものしか食べなかったという前提で推計した。この線量をもとに、当時1、10、20歳の男女の甲状腺がんと乳がん、大腸がんなどの固形がん、白血病になるリスクを生涯と事故後15年で予測した。
この結果、被曝線量が最も高いとされた浪江町の1歳女児は生涯で甲状腺がんの発生率が0・77%から1・29%へと68%、乳がんが5・53%から5・89%へと約6%、大腸がんなどの固形がんは29・04%から30・15%へと約4%増加、同町1歳男児は白血病が0・6%から0・64%へと約7%増加すると予測した。
毎日新聞
WHO:福島の住民、発がん増の可能性小さく…リスク推計
http://mainichi.jp/select/news/m20130301k0000m040119000c.html
世界保健機関(WHO)は28日、東京電力福島第1原発事故に伴う、福島県内の住民らと原発作業員の被ばくによる発がんリスクの推計を発表した。住民については「がん疾患の発症増加が確認される可能性は小さい」とした。作業員については、一部でリスクが増加したものの、大部分が「リスクは低い」との見解となった。
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