2013年4月1日月曜日

喫煙によるCFTR獲得性機能障害は、COPD発生・病態に関連

たばこ煙や喫煙による炎症により、鼻腔気道(NPD)・細胞培養上皮細胞のCFTR活性や粘膜繊毛輸送低下をもたらす。このため、下気道(LAPD)CFTR機能障害とCOPD病態生理の関連性が示唆。
 
 
COPDでない喫煙者でも、下気道CFTR機能低下し、疾患発現型と相関する。
煙などによる獲得性CFTR機能異常がCOPDの発生病理と関与するという知見。
 
Acquired CFTR Dysfunction in the Lower Airways in COPD
Mark T. Dransfield,  et. al.
健康非喫煙(n=11)に比べ、現行喫煙(n=17)者では、有意に、LAPD(下気道) CFTR活性減少   (Δ chloride-free isoproterenol = -8.70 mV vs. -15.9 mV, p=0.003)


COPD有無を問わず喫煙者では、同様の減少がみられる。

COPDを有する喫煙経験者(n=7)は、塩素イオンコンダクタンスは非有意な減少 (-12.7 mV)を示す。 同様なパターンが、CFTR protein発現でも見られる。

単変量解析では、LAPD CFTR活性と現行喫煙との関連性が示されている。
慢性気管支炎、呼吸困難との関連性も示された。

CFTR遺伝子は、第7染色体(7q31)に局在し27のエキソンをもつ250kbの遺伝子である。これに由来するCFTRタンパクはアミノ酸1,480 個からなる12回細胞膜貫通型の糖タンパクで、6個の疎水性膜貫通構造と2個のATP結合部(NBD)およびPKAによるリン酸化を受ける調節(R)ドメ インの繰り返しモチーフからなる。CFTRの最も重要な機能はcAMP依存性のCl-チャネルとしての機能であり、cAMP依存性PKAによるRドメイン のリン酸化の後、NBDにATPが結合してチャネルが活性化されることでチャネルが開口してCl-の排泄が起こる。この他にも、外向き整流性Cl-チャネ ル(ORCC)などの他のチャネルの制御能があることが知られている
http://www.my-pharm.ac.jp/~kishiba/rep1.pdf

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