2013年5月20日月曜日

ATS: 前糖尿病状態・閉塞型睡眠時無呼吸症候群 → CPAP治療で血糖・耐糖能改善

Pamidi S, et al "Effective treatment of obstructive sleep apnea improves glucose tolerance in prediabetes: A randomized, placebo-controlled trial" ATS 2013; Abstract 39588.
参照:http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/ATS/39249

前糖尿病状態にある閉塞型睡眠時無呼吸症候群患者では有効的無呼吸治療後血糖レベルの改善が示されるという報告。


45歳以上、39名のBMI 25以上の前糖尿病状態、平均空腹時血糖 100 mg/dLの被験者

CPAP治療後経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)2時間後値が8mg/dL低下
対して、対照は、10 mg/dL増加する。


ランダム割り付け 2:1、ベースライン特性(空腹時血糖、HbA1c 、空腹時インスリン)有意差なし

・平均空腹時血糖
CPAP群 4.8 mg/dL減少
対照群 0.3 mg/dL増加
(p=0.08)


・OGTT2時間後血糖
CPAP群 8.3 mg/dL減少
対照群 9.8 mg/dL増加
 (p = 0.02)


・インスリンレベル
CPAP群 741.2 μU/mL/min減少
対照群 485.5 μU/mL/min増加
(p = 0.04)
結果、インスリンレベルは両群差を認めず



Shumita Pamidi, MD ( McGill University in Montreal)らの報告

CPAPによる血糖AUC曲線下面積減少および、プラシーボでの増加は群差で有意(p = 0.04)


CPAP至適睡眠時無呼吸治療2週後インスリン分泌影響される経口血糖負荷後の血糖改善がもたらされたことは、インスリン感受性改善をもたらしたと言えるだろう。

2型糖尿病の2/3ほどが睡眠時無呼吸を融資、多くが認識されてない。肥満、2型糖尿病、前糖尿病状態に関連する状況が無呼吸促進的共通要素であり、CPAP治療遵守性高い患者では症状の改善がもたらされる。しかし、suboptimalな場合も存在する。
CPAPが、ブドウ糖代謝に影響を与え、前糖尿病状態や糖尿病発症に影響を与えるかは不明。


メタアナリシスにより、糖尿病なし無呼吸患者でのCPAPによるHOMA-R改善効果、ただし、観察研究が主で解釈注意必要
Meta-analysis: Continuous Positive Airway Pressure Improves Insulin Resistance in Patients with Sleep Apnea without Diabetes.


高血圧との関連性は、大規模対照研究として、Oxfordからの報告などなされてるが、減少傾向はあるものの、2mmHg未満の効果の報告
Obstructive Sleep Apnea and Hypertension Sean Caples, D.O. (Disclosure) April 23, 2013





ATS 2013
http://conference.thoracic.org/2013/

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