大うつに対する神経画像診断治療選択バイオマーカー
Toward a Neuroimaging Treatment Selection Biomarker for Major Depressive Disorder
Callie L. McGrath, BA, et. al.
JAMA Psychiatry. 2013;():1-9. doi:10.1001/jamapsychiatry.2013.143.
【重要性】 現在大うつ病の初回治療後寛解到達は40%未満。この(寛解率)オッズ向上に寄与するバイオマーカー同定で、健康上・経済上のインパクトを示す可能性がある。
【目的】 薬物・心理療法への異なるアウトカム推定に寄与する、神経画像診断上の『治療特異的バイオマーカー』同定
【デザイン】 治療ランダム化前に脳ブドウ糖代謝をPETで評価
・ escitalopram oxalate
・ 認知行動療法
12週間
phase 1治療遂行完遂時寛解しなかった患者は、phase 2に登録し、escitalopram+認知行動療法併用12週間追加を行う
【セッティング】 気分不安障害研究プログラム(学術医療センター)
【被験者】 現行無治療大うつ18-60歳男女
【介入】 ランダム割り付け12週間
・escitalopram oxalate (10-20 mg/d)
or
・マニュアルベースの認知行動療法16セッション
【主要アウトカム・測定】寛解 (定義は、17-item Hamilton Depression Rating Scale score 7 以下、week 10、12)、評価者は治療割り付け盲目
【結果】
寛解陽性・陰性予測指標を、治療変数(escitalopram or 認知行動療法)x アウトカム(寛解、非レスポンス)の2方向解析で検討
プロトコール完遂65名のうち、一次解析では38名は明らかなアウトカムと有用性の高いPETスキャンであった;認知行動療法寛解 12名、escitalopram寛解 11名、認知行動療法response無し 9名、escitalopram response無し 6名
6つの辺縁系と皮質領域同定され、右前部頭皮質を伴う場合は、グループ横断的に十分な判別性となった (effect size = 1.43)
島皮質の低代謝(脳全体平均比較)は、認知行動療法寛解と関連し、escitalopramへの反応性の悪さと相関する。
一方、島皮質の高代謝は、escitalopramの寛解と認知行動療法反応性の悪さと相関。
【結論・知見】前向き検討にて評価するなら、島皮質の代謝ベースで、治療第一選択ガイドになるかもしれない初めての客観的マーカーに関する研究成果
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