一方、「カルシウム含有リン吸着剤のカルシ ウム投与量を 1500mg/ 日以下にする目標が設定 された.高カルシウム血症やカルシウムの過剰付 加が血管石灰化の原因となりうること,高カルシ ウム血症に高リン血症が加わると心血管系リスク や死亡リスクがさらに悪化することが報告された ことを受け,高カルシウム血症やカルシウム過剰 負荷回避を目的したものであった」(http://l-pod.com/modules/shop/pdf/jin/2011/AR11_jin_3E09.pdf)
Effect of calcium-based versus non-calcium-based phosphate binders on mortality in patients with chronic kidney disease: an updated systematic review and meta-analysis
The Lancet, Early Online Publication, 19 July 2013
CKD患者において、非カルシウムベースのリン酸塩吸着薬は、カルシウムベース薬剤に比べ、全原因死亡減少と関連する。
847の記録同定、8つの新しい研究(5つのランダム化トライアル)が今回参照クライテリアと一致し、さらに、以前の筆者等のメタアナリシス検討10研究(9つのランダム化トライアル)を加えた。
4622名の11のランダム化研究:非カルシウムベースリン酸吸着剤では、カルシウムベースリン酸吸着剤に比べ全原因死亡率22%減少 (リスク比 0·78, 95% CI 0·61—0·98)
腎不全保存期も含む、CKDに伴う骨ミネラル代謝異常(CKD-MBD)という概念
慢性腎臓病に伴う骨・ミネラル代謝異常の診療ガイドライン
透析会誌45(4):301-356,2012
http://www.jsdt.or.jp/tools/file/download.cgi/779/慢性腎臓病に伴う骨・ミネラル代謝異常の診療ガイドライン.pdf
【保存期CKD-MBD】
ステートメント
I. 測定すべき項目とその頻度
1)血清 P,Ca,PTH,ALP 値の測定は,CKD 3 から開始することを推奨する(1C).2) 血清 P,Ca,ALP 値の測定は,CKD 3 では 6∼12 か月ごと,CKD 4 では 3∼6 か月ごと,CKD 5 でII.各測定項目の管理目標と治療法
は 1∼3 か月ごとに行うのが妥当である*1(グレードなし).3) PTH 値は CKD 3 でベースライン値を測定し,以降,CKD 4 では 6∼12 か月ごと,CKD 5 では 3∼6 か月ごとに行うのが妥当である*1(グレードなし).4) 骨密度検査の実施は,CKD 1∼2 の患者,および生化学異常を有さない CKD 3 の患者では,一般人
口と同様にその適応を考慮することが望ましい*2(2B).5) 骨代謝マーカーの測定は,CKD 1∼2 の患者,および生化学異常を有さない CKD 3 の患者では,一
般人口と同様にその適応を考慮することが望ましい*2*3(2C).6) 保存期 CKD 患者における骨生検の適応は,透析患者での適応に準ずる(グレードなし).
1. 血清 P,Ca 値の管理
1) 血清 P,Ca 値は,各施設の基準値内に維持することが望ましい(2C).2) 血清 P 値の管理は,食事の P 制限や P 吸着薬*4による治療によって行うのが妥当である(グレード2.PTH 値の管理
なし).3) 血清 Ca 値の管理は,Ca 含有 P 吸着薬や経口活性型ビタミン D 製剤*5の投与,およびその投与量 の調節によって行うのが妥当である(グレードなし).
1). PTH 値が基準値上限を超える場合,この是正を考慮することは妥当である(グレードなし).2) PTH 値の管理は,食事での P 制限,P 吸着薬の投与,または経口活性型ビタミン D 製剤の投与に3.脆弱性骨折予防のための薬物開始基準*2を満たす場合,CKD 1∼2 の患者では,一般人口と同様の骨
よって行うのが妥当である(グレードなし).3) PTH 値の管理の結果,血清 P,Ca 値の異常および腎機能の悪化をきたさないようにすることを推 奨する*6(1C).
粗鬆症治療を推奨する(1A).生化学異常を有さない CKD 3 の患者でも,一般人口と同様の治療方針 が望ましい*7(2B).
補足
*1 異常値を認める場合や治療を変更した場合,CKD が急速に進行する場合等では,より頻回の測定を考慮する.
*2「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン(2011 年版)」に準ずる.
*3 骨型 ALP,TRACP-5b は腎機能の影響を受けにくいが,CKD 患者の骨病変の予測能は高くなく,骨折リス ク評価に関するエビデンスも乏しい.
*4 本邦で保存期 CKD に使用可能な P 吸着薬は,沈降炭酸 Ca のみである.
*5 本邦で保存期 CKD に使用可能な経口活性型ビタミン D 製剤は,アルファカルシドールとカルシトリオールのみである.
*6 沈降炭酸 Ca や経口活性型ビタミン D 製剤の投与量が過剰となり,高 Ca 血症や腎機能悪化をひき起こさないよう注意が必要である.アルファカルシドール 0.5 mg/日,カルシトリオール 0.25 mg/日までは腎機能に対する悪影響は少ないと報告されている.
*7 生化学異常を伴う CKD 3 の患者,および CKD 4∼5 の患者での骨量減少に対する治療法は確立していない.
*1 異常値を認める場合や治療を変更した場合,CKD が急速に進行する場合等では,より頻回の測定を考慮する.
*2「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン(2011 年版)」に準ずる.
*3 骨型 ALP,TRACP-5b は腎機能の影響を受けにくいが,CKD 患者の骨病変の予測能は高くなく,骨折リス ク評価に関するエビデンスも乏しい.
*4 本邦で保存期 CKD に使用可能な P 吸着薬は,沈降炭酸 Ca のみである.
*5 本邦で保存期 CKD に使用可能な経口活性型ビタミン D 製剤は,アルファカルシドールとカルシトリオールのみである.
*6 沈降炭酸 Ca や経口活性型ビタミン D 製剤の投与量が過剰となり,高 Ca 血症や腎機能悪化をひき起こさないよう注意が必要である.アルファカルシドール 0.5 mg/日,カルシトリオール 0.25 mg/日までは腎機能に対する悪影響は少ないと報告されている.
*7 生化学異常を伴う CKD 3 の患者,および CKD 4∼5 の患者での骨量減少に対する治療法は確立していない.
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