がん終末期ケア・緩和ケアに対して、主にコミュニーションスキルを向上させる目的に講習会が全国でなされ、それに基づき、診療報酬上の優遇もなされている。
果たして、それは、患者・家族のためになってるのだろうか?
生兵法 故に、逆に、患者のうつ症状を悪化させるとしたら・・・
科学的検証をおざなりにした、愚策となってる可能性・・・科学的検証をおこたった壮大な無駄がここにも存在
終末期ケア・コミュニケーションは、コアな臨床スキルである。 simulation-ベースの訓練によりスキル改善するが、患者報告側の効果は不明であった。
南カリフォルニア・ワシントン大学:内科 391名、NP 81名をランダム割り付け(2007から2003)
ランダムトライアルにて、シミュレーションベースコミュニケーション訓練により、標準教育と比べ、終末期ケアのコミュニーション改善を認めず、終末期ケアの質の改善にもつながらなかった。むしろ、患者のうつ症状悪化をもたらした。
Effect of Communication Skills Training for Residents and Nurse Practitioners on Quality of Communication With Patients With Serious Illness
A Randomized Trial
J. Randall Curtis, et. al.
JAMA. 2013;310(21):2271-2281. doi:10.1001/jama.2013.282081
プライマリアウトカムは、コミュニケーション質の患者評価報告(QOC; mean rating of 17 items rated from 0-10, with 0 = poor and 10 = perfect)
セカンダリアウトカムは、患者報告EOLケア質( QEOLC; mean rating of 26 items rated from 0-10) とうつ症状(assessed using the 8-item Personal Health Questionnaire [PHQ-8]; range, 0-24, higher scores worse) と家族報告 QOC と QEOLC
患者1866名(回答率 44%)、家族 936(回答率 68%)
介入により、QOCやQEOLCに有意な相関認めず
介入後患者QOCやQEOLCの平均値は、それぞれ、 6.5 (95% CI, 6.2 to 6.8) 、8.3 (95% CI, 8.1 to 8.5) 、対し対照では、 6.3 (95% CI, 6.2 to 6.5) と 8.3 (95% CI, 8.1 to 8.4)
補正後、対照との介入比較で、患者、家族におけるQOCスコア有意差無し (患者本人 差, 0.4 点 [95% CI, −0.1 to 0.9]; 家族 差P = .15 , 0.1 [95% CI, −0.8 to 1.0]; P = .81)
患者、家族に於けるQOLCスコアも有意差無し (患者本人 差, 0.3 点 [95% CI, −0.3 to 0.8]; P = .34、家族 0.1 [95% CI, −0.7 to 0.8]; P = .88)
介入後訓練者の患者において、介入によりうつスコアを有意に増加させた (平均スコア, 10.0 [95% CI, 9.1 to 10.8], vs 対照 8.8 [95% CI, 8.4 to 9.2]) ; 補正モデルによる介入効果は 2.2 (95% CI, 0.6 to 3.8; P = .006)
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