2013年12月4日水曜日

がん緩和ケア常識の嘘:コミュニケーション訓練では、患者や家族の感じる質の改善効果無く、むしろ、うつ状態を悪化

日本人・日本の悪いところは、物事を善悪2分割に考えること、そして、善に基づく行動は全て効率的で結果的に悪いものをもたらさないと考え、そのように、行政施策もなされてしまうところ


がん終末期ケア・緩和ケアに対して、主にコミュニーションスキルを向上させる目的に講習会が全国でなされ、それに基づき、診療報酬上の優遇もなされている

果たして、それは、患者・家族のためになってるのだろうか?
生兵法 故に、逆に、患者のうつ症状を悪化させるとしたら・・・

科学的検証をおざなりにした、愚策となってる可能性・・・科学的検証をおこたった壮大な無駄がここにも存在




終末期ケア・コミュニケーションは、コアな臨床スキルである。 simulation-ベースの訓練によりスキル改善するが、患者報告側の効果は不明であった。

南カリフォルニア・ワシントン大学:内科 391名、NP 81名をランダム割り付け(2007から2003)

ランダムトライアルにて、シミュレーションベースコミュニケーション訓練により、標準教育と比べ、終末期ケアのコミュニーション改善を認めず終末期ケアの質の改善にもつながらなかった。むしろ、患者のうつ症状悪化をもたらした


Effect of Communication Skills Training for Residents and Nurse Practitioners on Quality of Communication With Patients With Serious Illness
A Randomized Trial
J. Randall Curtis,  et. al.
JAMA. 2013;310(21):2271-2281. doi:10.1001/jama.2013.282081

プライマリアウトカムは、コミュニケーション質の患者評価報告(QOC; mean rating of 17 items rated from 0-10, with 0 = poor and 10 = perfect)
セカンダリアウトカムは、患者報告EOLケア質( QEOLC; mean rating of 26 items rated from 0-10) とうつ症状(assessed using the 8-item Personal Health Questionnaire [PHQ-8]; range, 0-24, higher scores worse) と家族報告 QOC と QEOLC 

患者1866名(回答率 44%)、家族 936(回答率 68%)

介入により、QOCやQEOLCに有意な相関認めず

介入後患者QOCやQEOLCの平均値は、それぞれ、  6.5 (95% CI, 6.2 to 6.8) 、8.3 (95% CI, 8.1 to 8.5) 、対し対照では、 6.3 (95% CI, 6.2 to 6.5) と 8.3 (95% CI, 8.1 to 8.4)

補正後、対照との介入比較で、患者、家族におけるQOCスコア有意差無し (患者本人 差, 0.4 点 [95% CI, −0.1 to 0.9]; 家族 差P = .15 , 0.1 [95% CI, −0.8 to 1.0]; P = .81)

患者、家族に於けるQOLCスコアも有意差無し (患者本人 差, 0.3 点 [95% CI, −0.3 to 0.8]; P = .34、家族 0.1 [95% CI, −0.7 to 0.8]; P = .88)

介入後訓練者の患者において、介入によりうつスコアを有意に増加させた  (平均スコア, 10.0 [95% CI, 9.1 to 10.8],  vs 対照  8.8 [95% CI, 8.4 to 9.2])  ; 補正モデルによる介入効果は 2.2 (95% CI, 0.6 to 3.8; P = .006)






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