2013年12月4日水曜日

心不全患者の貧血治療:システマティック・レビュー 輸血閾値はリベラルに!、鉄剤投与は症状改善! EPO剤は有害な可能性

心疾患患者での貧血治療についてのシステマティック・レビュー


・リベラル輸血方針:ヘモグロビン値閾値 10 g / dL
・厳格輸血方針:貧血症状もしくは医師の判断決定閾値 ヘモグロビン値 8 g / dL

結論から言えば、輸血閾値を高めに設定、すなわち、なるべく輸血しない方針の厳格な輸血方針では、死亡率を改善しない。しかし、大規模トライアルが必要。
鉄剤注射は心不全・鉄欠乏患者の症状緩和に役立つが、これも今後検討が必要。
エリスロポイチン系薬剤では、軽度・中等度症例ではベネフィット認めず、むしろ、深部静脈血栓系の副作用のリスクが高まる


Treatment of Anemia in Patients With Heart Disease: A Systematic Review
Devan Kansagara, M, et.al.
Ann Intern Med. 2013;159(11):746-757. doi:10.7326/0003-4819-159-11-201312030-00007 


6トライアル・26観察研究からの低エビデンスによると、リベラルな輸血プロトコールでは、非積極的プロトコール比較で、短期的死亡率改善を示せず (combined relative risk among trials, 0.94 [95% CI, 0.61 to 1.42]; I2 = 16.8%)
しかし、死亡率減少が、急性冠症候群小トライアルで示された (1.8% vs. 13.0%; P = 0.032)

うっ血性心不全・冠動脈性心疾患30日死亡率(輸血:レベラル方針 vs 厳格方針)

同患者群における心血管系イベント比較(輸血:レベラル方針 vs 厳格方針)

中強度エビデンス3つの鉄注射トライアルでは、心不全患者で、短期的運動耐用能・QOL改善が見られた。



17トライアル中等度・強度エビデンスでは、エリスロポイエチン産生刺激薬剤にて、ベネフィット一致した所見見られず、しかし、有害性、静脈血栓塞栓見られる

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