ビタミンDの既知作用は、骨健康維持であり、他臓器・組織へも重要な役割をしているという情報も増えている。ビタミンD欠乏は高齢者での認識が広がり、中年・高齢加齢状況において、血中ビタミンDの変動が果たすその役割が注目されている。
そんな中、ビタミンD不足が、高齢者の脳機能・構造へ影響及ぼす可能性がラットの実験から判明した。
そんな中、ビタミンD不足が、高齢者の脳機能・構造へ影響及ぼす可能性がラットの実験から判明した。
Dietary vitamin D deficiency in rats from middle to old age leads to elevated tyrosine nitration and proteomics changes in levels of key proteins in brain: Implications for low vitamin D-dependent age-related cognitive decline
Free Radical Biology and Medicine Volume 65, December 2013, Pages 324–334
F344ラット27匹を3群に分け、等カロリーでのビタミンD低含量(餌 100 IU/kg)、対照(餌 1000IU/kg)、高含量(餌 10,000kg)を12月齢マウスで投与開始し、4−5ヶ月継続。
食事性VitD介入の、後部脳皮質での、酸化、一酸化窒素ストレス影響を比較。
低VitD群は、対照・高含量VitD全体的に、3−ニトロチロシン増加。
3−ニトロソチロシンは、NF-κB経路及びNF-κB介入iNOSトランスクリプトの調整異常をもたらす、これは、核内へのNF-κBトランスロケーションやiNOS増加により示唆される所見である。
Proteomics techniqueによりこれらの影響に関する可能性メカニズムを考察。
低VitD群において、他の2群に比べ、いくつかの脳蛋白増加で有意増加
6-phosphofructokinase、triose phosphate isomerase、 pyruvate kinaseがそのうち3つで、解糖系と直接関連。
他に、peroxiredoxin-3 と DJ-1/PARK7は、peroxidase活性を有し、ミトコンドリアに存在。
Peptidyl–prolyl cis–trans isomerase A (cyclophilin A))、蛋白folding、蛋白キナーゼ・ホスファターゼの調整、免疫調整、細胞シグナル化、レドックス状況と関連。
これらの結果、食事性ビタミンD低下は有意にニトロソアミンストレスに清、中年以降高齢の認知機能低下と関連する可能性がある。
ニトロチロシン(3-nitrotyrosine: 3-NT)は、パーオキシナイトライトによる主要なタンパク質ニトロ化修飾物の一つであり、 ニトロ化ストレス(nitrosative stress)マーカーとして広く用いられています。これまでにアルツハイマー、パーキンソン氏病、 多発性硬化症、脳卒中などの神経疾患をはじめ、アテローム性動脈硬化症、心筋梗塞、冠動脈疾患、高血圧症など数多くの疾患との 関連性が報告されています。
0 件のコメント:
コメントを投稿