2014年3月13日木曜日

下肢静脈潰瘍・血栓後症候群に、圧迫ストッキングは有効か?

深部静脈血栓症では静脈弁不全が発生し、慢性的な下腿腫脹や皮膚障害きたす血栓後症候群が生ずることがある。それに対し予防的な圧迫ストッキングやバンド法比較報告だが、実際には劇的に有効というわけではないようだ。


下肢静脈潰瘍に対し、2層compression hosiery(圧迫ストッキング(類)) は、 4層compression bandage(圧迫バンド)の代替となりえるが、より頻回に交換が必要で、全患者には不適切。

Clinical and cost-effectiveness of compression hosiery versus compression bandages in treatment of venous leg ulcers (Venous leg Ulcer Study IV, VenUS IV): a randomised controlled trial
Rebecca L Ashby, et. al.
The Lancet, Volume 383, Issue 9920, Pages 871 - 879, 8 March 2014 

潰瘍治療中央時間は、圧迫ストッキング群で99日間(95% CI, 84 - 126日間)、圧迫バンド群98日間(85 - 112日間)潰瘍治療比率は2群で同様  (70·9% hosiery 、 70·4% bandage)
より圧迫ストッキング群の治療部位変更多い (38·3% hosiery vs 27·0% bandage; p=0·02) 
300例、895の副事象イベント、9.5%,85イベントが重度と判断されたが、トライアル治療とは関連せず

血栓症後症候群は多くやっかいなDVT合併症。今までのトライアルから、可塑性圧迫ストッキング(ECS)が予防に役立つというプラシーボ対照小規模単一研究は存在する。PTS予防プラシーボストッキング比較のECS効果を検証。
 ↓
多施設ランダム化プラシーボ対照化トライアル
Compression stockings to prevent post-thrombotic syndrome: a randomised placebo-controlled trial
Susan R Kahn, et. al.
for the SOX trial investigators

The Lancet, Volume 383, Issue 9920, Pages 880 - 888, 8 March 2014

PTS累積頻度は、active群で14.2%、プラシーボESC群で 12.7%(センター毎ハザード比 1.13, 95% CI 0.73 - 1.76 ; p =0.58)
結果は、事前設定プロトコール解析にて同等。

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