2012年11月6日火曜日

スタチン不耐性患者へのモノクローナルPCSK9抗体治療 ・・・ ゼチーアがゴミのようだ



といっても、臨床的アウトカムの検討じゃないから・・・まだ海のものとも山のものともつかぬ

2015年までに上市を目指すそうだが、この種の薬剤の開発競争はげしいらしい(http://www.nytimes.com/2012/11/06/business/new-drugs-for-lipids-set-off-race.html?_r=0




PCSK9抗体の話題

Anti-PCSK9抗体:LDL治療薬 phase I H24/03/22
高コレステロール血症治療: 抗PCSK9抗体治験 (+スタチンでの効果)H24/11/01
こんどは、スタチン不耐性対象の治験



Effect of a Monoclonal Antibody to PCSK9 on Low-Density Lipoprotein Cholesterol Levels in Statin-Intolerant Patients:  The GAUSS Randomized Trial
David Sullivan,  et. al.
JAMA. Published online November 05, 2012. doi:10.1001/jama.2012.25790 


5群比較
・ AMG145単独(280 mg、 350 mg 、 420 mg;)
・ AMG145  420 mg +  ezetimibe(ゼチーア) 10 mg
・ ezetimibe(ゼチーア) + placebo

12週間ランダム化二重盲検プラシーボ、エゼチミブ対照化、用量rating研究

プライマリエンドポイントは、ベースラインから12週目のLDLコレステロール値
他、安全性・耐用性検討

236名スクリーンし、160名をランダム化(平均年齢 62歳、 女性 64%、 平均ベースラインLDL 193mg/dL)

全例、筋肉イベントにてスタチン受容性無し

12週後、平均LDL値の変化
・AMG145 280mg −67 mg/dL (−41%; 95% CI, −49% to −33%)
・AMG145 350mg −70 mg/dL (−43%; 95% CI, −51% to −35%)
・AMG145 420mg  −91 mg/dL (−51%; 95% CI, −59% to −43%)
・AMG145 420mg + エゼチミブ 10mg  −110 mg/dL (−63%; 95% CI, −71% to −55%)
・エゼチミブ + プラシーボ  −14 mg/dL (−15%; 95% CI, −23% to −7.0%)
(P < .001)

4つの重度副作用イベント報告: 冠動脈疾患、急性膵炎、股関節骨折、失神
筋痛は最も多い副事象イベントで、 28mg群 5名(15.6%) 、 350mg群 1名(3.2%)、420mg群 1名(3.1%)、 AMG 420mg/エゼチミブ群 6名(20%)、プラシーボ/エゼチミブ群 1名(3.1%)
 (−15%; 95% CI, −23% to −7.0%) 

LDLコレステロールは、幹細胞表面のLDL受容体と結合したとき、血中から除去される。或いは細胞内に取り込まれる。PCSK9(proprotein convertase subtilisin/kexin type 9 )がLDL受容体と結合すると、LDLとともに受容体も破壊される。PCSK9が結合しない場合は、細胞表面に受容体発現し、よりコレステロールを除去する方向に進む。
http://ki.se/ki/jsp/polopoly.jsp?d=41703&a=137891&l=en


長寿傾向子孫は、低ビタミンD濃度を示す遺伝子特徴


高齢者の子孫では、“高ビタミンD値と関連するCYP2R1遺伝子”変異頻度が少なく、2つの最頻度genotypeに一致したビタミンD濃度低値を示す。


Levels of 25-hydroxyvitamin D in familial longevity: the Leiden Longevity Study
CMAJ November 5, 2012 cmaj.120233

少なくとも1人の90歳代生存子孫である90歳代を対象にビタミンD濃度の検討
加齢関連疾患が少なく、加齢到達率の高いことがしられている一群
この人たちは、対象に比べ、寄与要素と無関係にビタミンD濃度は低かった (64.3 nmol/L vs 68.4 nmol/L; p = 0.002)
副甲状腺ホルモン値でも、差を認めず
対照群と比べ、 CYP2R1 gene (rs2060793)の遺伝的変異頻度少ない (p = 0.04)
高齢者子孫と対象とのビタミンD値群間差は、このSNPのうちの2つの最頻度genotypeの違いに一致する。

OPERA : ω3脂肪酸は術後心房細動予防効果無し

術後心房細動は心臓手術後の最も頻度の高い合併症であり、死亡率や医療リソース増加の元となる。


n-3不飽和脂肪酸(PUFA)が、周術的AF減少するかの検討


Fish Oil and Postoperative Atrial Fibrillation: The Omega-3 Fatty Acids for Prevention of Post-operative Atrial Fibrillation (OPERA) Randomized Trial
Dariush Mozaffarian, et. al. ; for the OPERA Investigators
JAMA. Published online November 05, 2012. doi:10.1001/jama.2012.28733


30秒超の心房細動が主要アウトカム

64(SD 13)歳、男性 72.2%、 待期的弁膜症手術 51.8%

プライマリエンドポイント:
・n-3不飽和脂肪酸(PUFA) 227(30.0%)
・プラシーボ 233(30.7%)
(オッズ比 0.96 95%信頼区間[CI] 0.77-1.20 p=.74)

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セカンダリエンドポイント(1時間超の術後心房細動継続、症状、除細動治療、術後心房粗動外の心房細動、初回術後心房細動までの期間、患者あたりの心房細動数、入院、主要副事象心血管イベント、30日死亡率、出血、その他の副事象)でも有意差無し



2012年11月5日月曜日

高血圧への瞑想法の有効性 ・・・ 薬剤服用遵守性改善だけの効果?

降圧薬服用してない患者へのマインドフルネス・ベースのストレス解消法(mindfulness based stress reduction (MBSR))は有効でない。
いままで、高血圧患者への降圧効果があったのは、薬剤使用遵守性改善効果があっただけではないかという報告。
 

Hypertension Analysis of Stress Reduction Using Mindfulness Meditation and Yoga: Results From a Randomized Controlled Trial
Canadian Journal of Cardiology Volume 28, Issue 5, Supplement , Pages S418-S419, September 2012
 【序文】 高血圧は予防可能なリスク要素としてトップの病態で、5名に1人が罹患している疾患。
ライフスタイル修正が予防治療の鍵であるとされる。ストレスは心血管疾患リスク増加と関連し、ストレスマネージメントが高血圧介入でも推奨されている。
リラクセーションによるストレス減少はヒトの血圧低下を含む効果があることは判明している。個別化行動的介入はリソース集約的、グループストレス管理アプローチは血圧減少のための評価もされておらず、十分検討されてない。

HARMONY研究は前向きwait-list RCTで、マインドフルネス・ベースのストレス解消法(mindfulness based stress reduction (MBSR))、標準化グループストレス解消法が、広く利用され、不安、うつ、慢性頭痛などに特定の地域では公的負担がなされている。




【研究方法】

 研究登録には自由行動下血圧モニタリングを含み

 平均昼間ABP >/= 135/85 mmHgあるいは24時間ABP >/= 130/80 mmHg
 早期(即時治療)群、遅延(wait-list対照)群にランダム割り付け

 ベースライン受診4週間以内にMBSR早期施行割り付け。遅延群は4週間以内に、8週間のwait list期間に割り付け
プライマリアウトカム測定は、12週間のプライマリアウトカム期間の平均覚醒時・24時間自由行動下血圧 (全被験者に対し12週後ベースライン)


Wait-list患者はプライマリアウトカム期間後MBSR開始


診察室血圧、検査、身体測定、アンケートをベースライン時行う。


【結果】

 20-75歳の101名の成人を登録;男性 38名、女性 63名、平均年齢 55±11歳


平均24時間ABPは 135/82±7.9/5.8 mmHg、平均覚醒時ABPは140/87±7.7/6.3 mmHg




RANOVA (Group X Time) で、治療vs対照群で、12週後プライマリアウトカム及びどの期間でも、すべてのABPパラメータで有意差認めず
たとえば、12週後の24時間SBP/DBPの治療群vs対照群差は、0.0/0.4 mmHg(± 7.2/4.7) SBP p=0.95、DBP p=0.63

この研究は、各群37名での24時間収縮期血圧6.0 mmHgの差を検知パワー81%である




【結論】

 MBSRは、無薬物治療stage 1高血圧患者に対し、血圧 6mmHg 効果項目表にしても無効
文献再検にて、瞑想法使用した多くのpositiveな研究は、降圧薬治療を行った患者を多く含むものであった。
2つのnegativeな研究は薬剤naive
故に、これらの研究は血圧減少に関する研究は、薬剤服用アドヒアランス改善の寄与要素が考えられる。
HARMONY研究は、服薬のない患者では、降圧効果を認めなかったという落胆すべき結果だったが、心身相関は服薬患者では血圧コントロールを改善する可能性はある

次のステップとして、MBSR使用は、アジュバントとしての血圧コントロール良好さ、薬剤アドヒアランス/持続性改善評価を検討する。

“精神的苦痛”の死亡率への影響は、量反応的・・・ H24/08/02

マインドフルネスベースストレス軽減トレーニング:老人の孤独さ改善し、炎症惹起軽減効果も? H24/7/25

瞑想訓練、運動は急性上気道感染予防効果あり H24/7/12

瞑想:マインドフルネス・トレーニング 過敏性腸症候群に有効 2011年 05月 13日

マインドフルネス・グループ介入:関節リウマチ ・・  精神的苦痛・疲労軽減 2011年 12月 20日

線維筋痛症におけるヨガの効用:マインドフルネス向上・コーチゾル値改善 2011年 07月 28日

急性冠症候群: プラスグレル vs クロピドグレル ・・・ 抗血小板機能に関わらず差認めず

急性冠症候群(ACS)患者において,アスピリンと血小板P2Y12受容体拮抗剤クロピドグレルとの併用療法が現在標準治療である。プラスグレル、クロピドグレルともに、チエノピリジン系薬剤(P2Y12受容体拮抗薬)。

プラスグレルの方がpotential高く、この薬剤は、クロピドグレルのように代謝がP2Y12で変動することがない ・・・ 故に、治療効果の優越性が期待されていたのだが、予想外の結果になった

プラスグレル(prasugrel)は、第一三共と宇部興産株式会社が発見し、第一三共とイーライリリーが共同開発している経口抗血小板剤であり、メバロチン以来の大型医薬として第一三共が力を入れている医薬品です。 http://www.chem-station.com/chemistenews/2009/02/post-156.html


血小板P2Y12の反応性測定にて高低差あるにかかわらず臨床的有用性は同様という報告

急性冠症候群患者の血小板機能とアウトカムの関連性検討

TRILOGY ACS trial (2008 to 2011) 登録の不安定狭心症・ST非上昇心筋梗塞薬物治療群でのクロピドグレルvsプラスグレル比較検討

ST非上昇型心筋梗塞・初期血管再建施行なし患者において、

Platelet Function During Extended Prasugrel and Clopidogrel Therapy for Patients With ACS Treated Without Revascularization:  The TRILOGY ACS Platelet Function Substudy  
Paul A. Gurbel, et.al. ; for the TRILOGY ACS Platelet Function Substudy Investigators
JAMA. Published online November 04, 2012. doi:10.1001/jama.2012.17312
http://jama.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=1389509

アスピリン+
prasugrel(10 or 5mg/日)
or
clopidogrel(75 mg/日)


P2Y12 reaction unit (PRU)測定
ベースライン、2時間、1ヶ月、3、6、12、18、24、30ヶ月後施行

primary efficacy end point は、30ヶ月後の心血管死亡、心筋梗塞、卒中組み合わせ
75歳、60kg以上の比較的若年(75歳未満)では、30日めのPRU中央値は
prasugrel群 64(IQR 33-128)
clopidogrel群 200(IQR, 141-260)(P < .001) この差はその後もすべて持続

75歳未満、60kg未満では、
prasugrel群 39 (IQR, 86-203)
clopidogrel群 209 (IQR, 148-283)
(P < .001),


75歳以上では、
prosugrel群 164 (IQR, 105-216)
clopidogrel群  222 (IQR, 148-268)
 (P < .001).

30ヶ月で、プライマリefficacyエンドポイントは
prasugrel群 17.2% (160 events)
clopidogrel群 18.9% (180 events)
(P = .29)

プライマリエンドポイントイベント被験者 (n = 214)の30日めのPRU値の連続分布に関して、イベントのない被験者 (n = 1794)と比べて、有意差は認めない; P = .07

プライマリ有効性エンドポイントと連続PRU値には有意な相関認めず
(60PRU増加毎の補正ハザード比 [HR], 1.03; 95% CI, 0.96-1.11; P = .44)


208超を高on-treatment血小板反応性と定義、230超を定義した場合も同様の所見が見られる (補正 HR, 1.16; 95% CI, 0.89-1.52, P = .28、 補正HR, 1.20; 95% CI, 0.90-1.61; P = .21).








ACS・ステント治療後の管理において、抗血小板機能だけがポイントでは無いというところが、今後の課題となった。

FREEDOM : 糖尿病・多枝冠動脈病変では、冠動脈手術のほうがPCIより優れる



FREEDOM: CABG superior to PCI in diabetic patients with coronary disease
NOVEMBER 4, 2012
http://www.theheart.org/article/1469059.do


Farkouh ME, Domanski M, Sleep LA, et al. Strategies for multivessel revascularization in patients with diabetes. N Engl J Med 2012; DOI:10.1056/NEJMoa1211585.



糖尿病・多枝病変は、PCI(経皮的冠動脈インターベンション)治療に比べ、全原因死亡率、非致死性MI、非致死性卒中比率有意に少ない。



1900名の糖尿病・冠動脈疾患(三枝病変が主)患者を登録し、CABGと、シロリムス溶出性・パクリタキセル溶出性ステントPCIを比較

フォローアップ期間は3.8年、エンドポイント(全原因死亡・非致死性心筋梗塞・卒中)発生は、PCI 205名、CABG 147名

5年間のプライマリエンドポイントは有意にCABGが優れていた。



 アウトカム PCI(%) CABG(%) p
プライマリエンドポイント 26.6%18.7% 0.005
 全原因死亡 16.3%10.9%  0.049
 心筋梗塞 13.9% 6.0% <0.001
 卒中 2.4% 5.2% 0.03
 心血管死 10.9% 6.8% 0.12





欧米研究:クレメジンCKD進行抑制効果無し

CKD進行抑制目的の 活性炭製剤 AST-120 “クレメジン” の 効果を確認するプラシーボ比較


アメリカ・ヨーロッパ 237カ所、2035名のEvaluating Prevention of Progression in CKD (EPPIC)シリーズ研究に一環で、同様な2つの研究のpool化解析

標準治療としての、ACE阻害剤/ARBを加えたもの


エンドポイントとして、透析・腎移植・sCr倍化時間を比較として、36% vs 35%


結論から言えばその効果は認めなかったとのこと

全経過をフォローしてないなどの問題も指摘、クレメジンは球形活性炭吸収剤で、1991年日本では、CKD患者の透析までの期間延長効果、尿毒症改善目的で承認されている。
インドールを含み、これがインドキシル硫酸となり、腎臓へ取り込まれ、線維化を引き起こす可能性がある。



Gerald Schulman (Vanderbilt University in Nashville)らが。Kidney Weekのlate-breaking poster sessionで報告
http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/ASN/35737


Schulman G, et al "EPPIC (evaluating prevention of progression in CKD -- results from two phase III, randomized, placebo-controlled, double-blind trials of AST-120 in adults with CKD" ASN 2012



日本での、臨床上影響の大きい報告


インドキシル硫酸は、スポンサーサイドだと薬理作用の方のみ記している

ウレミックトキシン「インドキシル硫酸」の生成とクレメジンの作用点
http://medical.mt-pharma.co.jp/intro/krm/action.shtml

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note