2013年2月14日木曜日

hMPV:インフルエンザに相当する入院率・酸素必要性 ・・・ 年少児にとって重要なウィルス



ヒトmetapneumovirus(hMPV)は、10年前発見されたウィルスで、パラミキソウィルス・ファミリーで、麻疹やRSウィルスと同じ仲間


5歳未満の子供 3490名の病院内外、3つの米国地域、前向き住民ベースサーベイランス

無症候保菌の存在も確認され、より若年齢で入院率が高く、インフルエンザに相当する入院率・酸素必要性もあり、弱年児へ重要な疾患原因ということがわかった。

Burden of Human Metapneumovirus Infection in Young Children
Kathryn M. Edwards, et. al.
for the New Vaccine Surveillance Network
N Engl J Med 2013; 368:633-643

February 14, 2013
DOI: 10.1056/NEJMoa1204630


5歳未満の子供での、metapneumovirusの入院率は、インフルエンザと同等で、1000名あたり一人

他の疾患と比較すると、肺炎・喘息より、ヒトMPVの入院率は多く( p < 0.001)、酸素必要性も高い(P=0.01)、ICU滞在期間も長い(p=0.01)

6-11ヶ月齢での入院率は1000名に2名
6ヶ月未満では100名に3名

非感染者と比べ、感染者は年長(年齢中央値13ヶ月 vs 6ヶ月 p<0.001)、高リスク合併症を有する(40% vs 30% p=0.002)が、人種・性差なし。

無症状保菌が1%に認められた(10/770)


大学生にもなって過干渉な親・・・子供にとって不幸が上回る

研究手法もオンラインでの調査ということで、さらに、現時点で、"Springer's Journal of Child and Family Studies"誌での原文のありかもわからないので、ブログ記載するか迷ったが・・・ 

"Helicopter parent; 過剰な干渉をする親"・・・久々に聞いたので、追憶のため・・・

http://www.reuters.com/article/2013/02/13/us-parents-students-idUSBRE91C18520130213
子供が大学生になっても、子供のスケジュール、洗濯、バケーションまで管理する過干渉親は、子供である学生には害の方が大きいという研究結果

米国でも、いわゆるhyperparent(s)は、経済的危惧もあり、その数が増えているらしい。子供に関して放任・自主性尊重・個人主義的な国というイメージがあるのだが・・・


バージニア州ワシントンのMary大学のHolly Schiffrinの "Springer's Journal of Child and Family Studies"誌上の報告で、297名の学部学生へのオンライン調査

母親の親としての行為を記載してもらい、自分のautonomyと幸福感および満足度評価調査
ICTにより介入も電話からテキストメッセージ、電子メールやらに変化しているとのこと。

この報告は、親のどの程度の介入が子供らの成功につながるかの議論の元になるだろうと筆者。

英国の公立学校 Eton Collegeの校長は、親の過干渉(hyper-parenting)はこどものモチベーションを低下させ、心理的変化も与えるという。
・・・


Insight into the Parenthood Paradox: Mental Health Outcomes of Intensive Mothering
Journal of Child and Family Studies June 2012




Stressed and Happy? Investigating the Relationship Between Happiness and Perceived Stress
Journal of Happiness Studies March 2010, Volume 11, Issue 1, pp 33-39

 

運動障害合併症早期のパーキンソン病:視床下核刺激 vs 薬物 ・・・ 神経刺激療法でQOLなど改善

パーキンソン病への視床下核刺激療法は、運動障害を軽減し、進行した病態での患者のl-Dopaによる運動合併症重症QOLを改善するわけだが、早期での介入にそのベネフィットがあるかの検討






Neurostimulation for Parkinson's Disease with Early Motor Complications
W.M.M. Schuepbach, et. al.
for the EARLYSTIM Study Group
N Engl J Med 2013; 368:610-622February 14, 2013
251名の運動合併症早期パーキンソン病、平均年齢52歳、罹病期間7.5
2年間トライアル施行

プライマリエンドポイントはQOL( Parkinson's Disease Questionnaire (PDQ-39) summary index (0-100点;高得点ほど機能増悪)
セカンダリアウトカムは、パーキンソン病の運動障害、ADL、l-ドーパ有機性運動障害(   Unified Parkinson's Disease Rating Scale, parts III, II, and IV)、移動能力時間、ジスキネジアなし

プライマリアウトカムであるQOLに関し
視床下核刺激法では、7.8点改善
薬物療法群では、0.2点悪化 
ベースラインから2年後の群間

差平均 8.0点 p=0.02

神経刺激は薬物療法に対し、運動障害項目(P<0 .001="" levodopa="" p="">
重度副作用は、神経刺激 54.8%、薬物療法 44.1%

手術的植え込み、神経刺激デバイスによる重度副作用は、患者の17.7%で生じた

医療実践ガイドラインに一致したと専門委員会が確認した神経刺激療法での比率は96.8%、薬物療法群では94.5%






神経刺激療法後自殺リスク増加が注目されているようだ。
パーキンソン病患者全般に適応されるような治験ではないとエディトリアル。
60歳未満、認知障害なし、l-dopaの反応性が良い患者群でのトライアルであることに注意せよとのこと

SARS様新規ウィルスのヒトヒト感染の可能性

新しいSARS様ウィルス: London1_novel CoV 2012感染症 2012/09/27
http://kaigyoi.blogspot.jp/2012/09/sarslondon1novel-cov-2012.html

情報は少ないが、ヒト・ヒト感染の可能性は低い
EUのモニター機関である、 European Centre for Disease Prevention and Control (ECDC)は、この2名に関しては、接触から発症期間から考え動物から直接感染した事例と考えられ、人畜感染と考えている。

と、ヒト・ヒト感染は否定されていたが、合計5死亡例にて、ヒト・ヒト感染の可能性が出てきたとイギリスの医療局が公表。
http://www.latimes.com/news/world/worldnow/la-fg-wn-britain-virus-contagious-20130213,0,3665446.story

英国の症例で中東への渡航歴なく、これはヒト・ヒト感染の可能性が出てきたとのこと

BBCによると、中東・パキスタンへ旅行した父親から感染したと思われる症状で1月下旬に症状発症
 。
WHOによると、バーミンガムのQeen Elizabeth病院で治療開始しており、気道感染状態にあるとのこと。



NEJM : 中東の新種コロナウィルス致死性感染症例報告ウィルス, 感染症 2012/10/18
http://kaigyoi.blogspot.jp/2012/10/nejm.html

2013年2月13日水曜日

米国:減塩徹底でで、10年で50万名の死亡回避

年間4%ずつナトリウム消費量をカットしておき、10年間に1日 2,200mgまで減らせば27万5千名から50万5千名の死亡を回避できるというカリフォルニアサンフランシスコの大学の報告。

シミュレーションだが、減塩運動で、50万名程度の死亡数を減少することができるという ・・・ 


日本では、介入ターゲットがいい加減になってしまったメタボ健診などやめて、介入意図の明確な減塩運動に変えた方が良いのでは・・・とも思うが・・・



でも、ナトリウム量で2.2gといってもかなり厳しいのでは?
極端な減塩はかえって危険という話もあったし・・・

”なんでも減塩に対し疑問” 非高血圧:尿中ナトリウム排泄低下は心血管死亡リスク増加と関連  2011年 05月 05日
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"Mortality benefits from US population-wide reduction in sodium consumption: Projections from 3 modeling approaches"  
 Coxson PG, et al
Hypertension 2013; 61: 564-570. 

コンピュータシミュレーションで、住民的な食事中ナトリウム減量による死亡率ベネフィット推定

3つのことなるアプローチで今後10年の減塩効果をモデル化し検討


・ 心血管疾患死亡率への直接の影響エビデンスを組み入れ  (method 1)
・ 降圧治療ランダム化トライアル治験で観察される血圧変化による間接的効果 (method 2)
・ 疫学的研究 (method 3)

以上の3つの異なるモデル化アプローチを同様のシナリオに用いる

・ シナリオ A:10年間で40%徐々に均等に減少
・ シナリオ B:住民ベースで平均2.2g/日に到達するよう、10年間で40%減少維持
・ シナリオ C:10年間即座に1.5g/日に減少し10年間維持

今後10年で徐々に減塩を勧める(シナリオA)ことでも広汎な公衆衛生上の改善をもたらし、かなりの健康ベネフィットをもたらす
3つのモデル横断的に28万から50万名の死亡減少をもたらす

即時減塩プロジェクションは、10年間に70万から120万の死亡減少をもたらす

3つの異なる仮説モデルで、減塩による健康ベネフィットは重大である。





ABSSSI治療:短期Tedizolid vs リネゾリド 非劣性比較 ・・・ 合格

蜂巣炎・丹毒や重大皮膚膿瘍・創傷感染などのメチシリン感受性黄色ブドウ球菌による急性皮膚・皮膚組織感染症(ABSSSI)は、生命危機をもたらし、手術や入院の必要性もでてくる疾患である。薬剤耐性の問題で、使用制限が問題となる病態でもある。
Tedizolidphosphateは新しいoxazolidinoneで、ABSSSIのため開発された薬剤


以下のトライアルの結果、リネゾリド(ザイボックス)と、Tedizolid短期治療は同等の効果であることが判明した。

早期治療奏功率は、80%


"Tedizolid phosphate vs linezolid for treatment of acute bacterial skin and skin structure infections"
Prokocimer P, et al
JAMA 2013; 309: 559-569.
ABSSSIs治療への、6日間のTedizolidを、10日間のリネゾリド治療と比較した有効性・安全性評価(第3相、ランダム化二重盲験非劣性トライアル

プライマリ有効性アウトカムは、48-72時間後評価の早期臨床的奏功性(ベースラインと治療後の病変表面のひろがり、口腔体温37.6度以下、24時間内の体温測定確認)
非劣性限界を10%と事前定義

ITT解析セットで、早期臨床的そう効率は、
・ tedizolid群 79.5%(332名中)
・ リネゾリド群 79.4%(335名中)
治療差  0.1% [95% CI, −6.1% ー 6.2%])

治療終了時(day 11)持続的臨床的奏功率
・ tedizolid群 69.3% (95% CI, 64.0% to 74.2%)
・ リネゾリド群 71.9% (95% CI, 66.8% to 76.7%)
 (治療差 −2.6% [95% CI, −9.6% to 4.2%])

治療後評価のための受診時(治療最終受診日1-2週間後)研究評価臨床的治療成功率
・ tedizolid群 85.5% (95% CI, 81.3% to 89.1%)
・ リネゾリド群 86.0% (95% CI, 81.8% to 89.5%)
(治療差 −0.5% [95% CI, −5.8% to 4.9%),

原発病巣からのMRSA分離は178名で同様

リネゾリドの保険適応病名「本剤に感性のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)」ってのに、感染症関連学会各位や厚労省のお偉いさんたちは疑問を抱かないのだろうか?

こんな適応にしてたら、培養感受性判明したとき・・・すでに重篤化って考えないのだろうか?

・・・ほんとに現場のわかってない、日本のアホ役人や学会のお偉いさんたちが多すぎる

上記論文とは主題が異なるが、検査ラボが整備されてない地域での急性皮膚・皮膚組織感染症(ABSSSI)治療に関して真剣に議論してほしいものだ

H. pylori:除菌後再発率1割あまり 治療遵守および家庭内子供、年齢、住居地域が重要な要素

H. pylori除菌適応拡大が近々とのことだが・・・どのような層別化がなされるのだろう?
日本では、年齢に関して、検診・診断・治療に関する選別化されることが少ないが、がん予防のための除菌なら、年齢制限すべきと思う。



話は違うが、除菌直後陰性でも1年後再発率は11.5%というのは以前聞いてた話と桁が違う。


以前は0-3%程度というのが常識だったと思う
http://minds.jcqhc.or.jp/n/medical_user_main.php

家庭内に子供がいること、居住地域の関与、年齢が、初期治療アドヒアランスとともに再発率に重要な役割を果たすことがわかった

"Risk of recurrent Helicobacter pylori infection 1 year after initial eradication therapy in 7 Latin American communities"
Morgan DR, et al 
JAMA 2013; 309(6): 578-586.



【目的】H. pylori再発リスクおよび除菌1年後の成功率と関連する要素決定のための研究


【デザイン・セッティング・被験者】コホート解析
被験者 ラテンアメリカ系住民 21-65歳、1463名のランダムトライアル

【介入】3つの治療群ランダム化
・ランソプラゾール・アモキシシリン・クラリスロマイシン(3剤治療)14日間
・ランソプラゾール・アモキシシリン 5日間 → ランソプラゾール・クラリスロマイシン・メトロニダゾール 5日間(連続法)
・ランソプラゾール・アモキシシリン・クラリスロマイシン・メトロニダゾール 5日間(同時法)

【測定】治療直後UBT陰性後例再感染率と1年後フォローアップ除菌成功要素

【結果】UBT陰性結果の被験者・1年フォロアップUBT施行例(n=1091)のうち
UBT陽性 125、再発リスク 11.5%(95% CI, 9.6%-13.5%)
再発は研究地域(p=.03)、初期治療非アドヒアランス(補正オッズ比 [AOR] 2.94, 1.31-6.13; p=0.01)、居宅内子供存在(AOR 1.17; 95% CI 1.01-1.35/子供あたり; p=0.03)

治療直後UBT陽性結果のうち、再治療完遂 138名、うち、1年後93名がUBT陰性

1年後UBT施行1340名のうち、UBT陰性はそれぞれ(p=0.61)
3剤治療 80.4% (95% CI, 76.4%-83.9%)
連続法治療  79.8% (95% CI, 75.8%-83.5%)
同時治療法 77.8% (95% CI, 73.6%-81.6%)

全体敏江の有効性は79.3%(95% CI, 77.1%-81.5%)

再治療効果無視の単一治療経過解析では、1年後のUBT陰性比率は72.4%(95% CI, 69.9% - 74.8%)で、研究地域と有意相関を認めた。

初期治療アドヒアランス   (AOR, 0.26; 95% CI, 0.15-0.42; P < .001)、男性 (AOR, 1.63; 95% CI, 1.25-2.13; P < .001)、年齢 (AOR, 1.14; 95% CI, 1.02-1.27 per decade; P = .02)が有意に相関。

登録被験者1463名のうち1年後有効率、UBT結果喪失を考慮して、72%(95% CI, 70.3%-74.9%)


【結論】H. pylori感染治療後1年で、UBT治療後陰性例での、再発率は11.5%
再発決定因子はたとえは、nonadherenceとか地理的要素などは、H. pylori除菌の長期成功における特異的レジメンの考慮上重要。

HPVワクチンをめぐる日本の"失われた8年"と、私たちが検証すべきこと

「子宮頸がんワクチン」という呼び方に、以前から違和感があります。 HPVワクチンが子宮頸がん予防に重要であることは間違いありません。日本では女子への定期接種として導入され、子宮頸がん予防を中心に説明されてきたため、この名称が広まった経緯も理解できます。 しかし、このワクチンが...