2014年1月6日月曜日

白内障:喫煙の影響は量・期間依存的で、喫煙後も生涯続く

スウェーデンの住民コホート研究:4万4千名あまりの男性住民

自己評価アンケートに基づく調査

 加齢関連白内障水晶体摘出への喫煙(過去喫煙を含め)影響は多大という報告になっている。

影響可逆性も絶対的でなく、喫煙による影響は生涯続く。

Smoking Cessation and the Risk of Cataract A Prospective Cohort Study of Cataract Extraction Among Men
 Lindblad BE, et al.
JAMA Ophthalmol online, Jan. 2, 2014.

12年間フォローアップ中、5713名の加齢関連白内障水晶体摘出(白内障手術)症例抽出
喫煙強度・累積喫煙量は、白内障手術リスク増加と相関( P for trend < 0.001)


15 本/day 超の現行喫煙は、年齢補正・他の寄与要素補正後絶対的非喫煙症例対照比較で、白内障手術リスク42%増加   (rate ratio, 1.42; 95% CI, 1.28 〜 1.58)  (P for trend < 0.001)


禁煙後 20年超えた場合、平均15本/日を超える喫煙強度男性では、絶対的非喫煙対照に比べ、白内障手術リスク21%増加する  (rate ratio, 1.21; 95% CI, 1.06 〜 1.39)


 15本/日以下男性では、禁煙の影響が早期に見られるが、20年を超した場合はその影響は乏しく、白内障手術リスクは、絶対的非喫煙者のレベルまでは減少しない  (rate ratio, 1.13; 95% CI, 1.04 〜 1.24)

【新たな治療ターゲット?】糖尿病血管合併症機序:高血糖→ゴルジ体内VEGFR2リン酸化促進→細胞表面VEGFR2 availability減少

M. Luisa Iruela-Arispe, PhD(the University of California Los Angeles)らのScience Signaling誌報告。


高血糖が、リガンド非依存性−血管内皮成長因子受容体2(VEGFR2) リン酸化促進をもたらすことを報告。(この高血糖による)Vascular epithelial growth factor receptor 2(VEGFR2)(活性化)シグナリングは、ゴルジ体コンパートメント内で生じ、細胞表面のVEGFR2のavailability減少を促進する。


ゴルジ体活性化は未発表だが、他の細胞内シグナリング分子は報告されていた。VEGFR2のリン酸化は内在性受容体キナーゼ活性化を必要とせず、Src family kinaseを介すると考えられる。抗酸化物質(NAC: N-アセチル-L-システイン)によるROS産生ブロックすると、細胞表面のVEGFR2欠乏を回復させることができることも見いだした。



Napoleone Ferrara, MDとJunji Moriya, MD, PhD(the University of California San Diego)はエディトリアルで、この治験は、今後糖尿病(及び高血糖による)血管疾患治療のターゲットとして見込まれると記述。

以上:http://www.medpagetoday.com/Endocrinology/Diabetes/43650を一部訳。




Primary source: Science Signaling
Source reference: Warren CM, et al "A ligand-independent VEGFR2 signaling pathway limits angiogenic responses in diabetes" Science Signaling 2014.

Additional source: Science Signaling
Source reference:Moriya J, Ferrara N "Inhibiting the response to VEGF in diabetes" Science Signaling 2014; DOI: 10.1126/scisignal.2004235.

2014年1月4日土曜日

GSK:UMEC/VI合剤 COPD ランダム化トライアル

ウメクリジニウム/ビランテロール(UMEC/VI): umeclidinium/vilanterol合剤

GSKからの新しいLABA/LAMA1日1回投与製剤 ・・・ FDA reviewにて安全性懸念払拭できず 2013/09/07
レルベアとは、フルチカゾン/ビランテロール合剤

なお、ノバルティス:ウルティブロ(日本名):Ultibro Breezhaler (インダカテロールマレイン酸塩/グリコピロニウムブロミド)(欧州・承認勧告済み)がライバルとなるだろう
 ILLUMINATE試験において吸入コルチコステロイド(ICS)/LABA配合剤 アドエア(サルメテロール/フルチカゾン; グラクソ・スミスクライン)に対し統計学的に有意な優越性を示しました。
また、SHINE試験では、各配合成分単独と比較し肺機能の改善において統計学的に有意な優越性を示しました。;参照:http://www.scripintelligence.jp/archives/7269


GSKにとっては、GSKショックがあるが、ノバルティスも例の問題が・・・

でもウルティブロに比べ、日本での申請出遅れは、この薬剤の売り上げにとってかなり影響を及ぼすと思う。



Once-daily umeclidinium/vilanterol 125/25 mcg in COPD: a randomized, controlled study
Bartolome Celli,  et. al.,
Chest. 2014. doi:10.1378/chest.13-1579 


プライマリ評価ポイント:day 169 (23-24 h post-dose)のFEV1トラフ値
肺機能、症状QOL・HRQOLも追加評価。安全性評価は、副作用、バイタルサイン、心電図、臨床的検査指標。


active治療群全て(UMEC/VI 125/25、 UMEC 125、 VI 25)は、プラシーボ比較より、FEV1トラフ値改善  (0.124–0.238 L, all p<0 .001="" p="">

UMEC/VI 125/25 mcgは、UMEC 125 mcg、VI 25 mcgに比較し改善
対UMEC 125 mcg or 対VI 25 mcg (0.079 L 、 0.114 L; both p≤0.001)



transitional dyspnea index改善(UMEC/VI 125/25 mcg vs placebo  1.0 unit; p<0 .001="" 1="" albuterol="" at="" day="" george="" p="" puffs="" questionnaire="" rescue="" respiratory="" s="" t.="" units="" use="" weeks="">

安全性シグナルは観察されず

白人では、血液型によりARDSリスク増加関連性有り


ABO血液型を決定する glycosyltransferases catalyze antigen(糖転移酵素触媒抗原)は、様々なグリカン、糖蛋白に影響を与える。
AおよびB抗原は、それぞれAおよびB転移酵素によって触媒される化学反応により生合成されます。但し、酵素反応の共通の受容基質であるH抗原は、また別 の糖転移酵素(α1-2 fucosyltransferase)によって触媒される化学反応により生合成されます。一般的に言って、複合オリゴ糖構造は単一の酵素による反応より もむしろ複数の糖転移酵素によって触媒される一連の反応によって合成されます。;参考 https://sites.google.com/site/abobloodgroup/47.2

血液型Aは、血管疾患リスク増加と関連し、炎症や血管内皮と関連する様々な循環血中蛋白濃度と関連する。重大外傷及び重症敗血症患者におけるARDSのABO血液型との関連性を検討


この検討では、白人特有で黒人には見られない、血液型AとARDSリスク増加の関連性が見られた


ABO Blood Type A is Associated with Increased Risk of Acute Respiratory Distress Syndrome in Caucasians Following both Major Trauma and Severe Sepsis
John P. Reilly, et. al.
Chest. 2014. doi:10.1378/chest.13-1962

都市部3次救急、レベル1外傷センター前向きコホート

外傷患者732名中、ARDS発症 197(27%)
 血液型Aは、白人でのARDSリスク増加と関連 (37% vs. 24%, 補正オッズ比(OR) 1.88, 95% 信頼区間 (CI) 1.14,3.12, p=0.014),
しかしアフリカ系アメリカ人では 関連せず (補正OR 0.61, 95% CI 0.33,1.13, p=0.114)


 重症敗血症 976名 のうち、ARDS発症 222(23%)
 血液型Aは、白人でのARDS発症リスク増加と関連 (31% vs. 21%, 補正 OR 1.67, 95% CI 1.08,2.59, p=0.021)、しかし、アフリカ系アメリカ人では関連せず (補正OR 1.17, 95% CI 0.59,2.33, p=0.652)

2013年12月31日火曜日

不安は卒中発症のリスク要素;うつ要素と独立して検討

 いままでは、うつに関連した不安ということで、独立して不安が卒中リスクと関連することは示されてなかった。この報告では、前向きコホート要素補正にて独立要素として示された。


Prospective Study of Anxiety and Incident Stroke
Maya J. Lambiase, et. al.,
STROKEAHA.113.003741
Published online before print December 19, 2013,
doi: 10.1161/​STROKEAHA.113.003741

不安レベルと卒中発症の直接の関連性を示した初めての報告とのこと

the National Health and Nutrition Examination Surveyは、6019名を対象に、うつ、不安に関してインタビュー、検査、心理学的評価を行った。22年間追跡。
症例:卒中発症419名(退院記録・死亡証明確認)

ベースライン不安症状多いほど、標準化生物学的・行動的心血管リスク要素補正後卒中リスク増加 (ハザード比, 1.14; 95% 信頼区間, 1.03–1.25)

これらの関連性所見はうつにて追加補正後も維持


寄与因子 vs pathway変数考慮検討分析にて、卒中リスクに関連する不安に関しては、行動的要素が鍵となることが示唆された。


2013年12月30日月曜日

State-of-the-art:高血圧実地診療3問題中心に・・・ 

 糖尿病のメトホルミン使用制限してきたことは、日本の医療・医学の恥だとおもうが、高血圧診療においてもクロロサリドンを無視しヒドロクロロサイアザイド併用を推奨するスポンサーサイド優先の医療がなされてきた。→ 参考:エビデンスに基づく利尿剤使用と異なる血圧治療の現状:米国医者も日本同様アホ 2011年 04月 02日

 日本なんてALLHAT発表以降にクロロサリドン(ハイグロトン)使用不能になったわけで、日本の厚労省と関係学会のアホぶりは、ここでも強調しておきたい!

 日本の教授様たちは、製薬会社のための新薬利益誘導に便宜のため浅学医師たちに誤った方向性を示してきたのだ。GSKショックが彼らの脳天とかれらの懐を直撃することを私は望む。


欧州の学会は、日米ほど製薬会社の意向が行き届かないところがあり、糖尿病や高血圧診療のガイダンスにおいて、妥当な示唆をあたえてくれることが多い。


 

State-of-the-art treatment of hypertension: established and new drugs
Eur Heart J (2013) doi: 10.1093/eurheartj/eht465 
First published online: November 11, 2013


市場利用可能な降圧薬を適正に使用することは重大な問題である。降圧剤のクラス分け使用における具体的懸案

・ACE阻害剤は、ARBより優秀か?

・カルシウム拮抗剤における末梢性浮腫頻度軽減の可能性?

・ ヒドロクロロサイアザイドは併用治療として最善薬剤か?

これらの疑問議論のための臨床研究・メタアナリシスのレビュー

結論としては、ACE阻害剤とARBは、ARBの良好耐用性以外は同等ということが示唆、3世代カルシウム拮抗剤は末梢性浮腫軽減に役立つ。そして、クロロサリドンが確実にヒドロクロロサイアザイドより有効。


最後に、薬剤アドヒアランスと長期持続性が現時点では最大の臨床実地上のテーマ。

高血圧患者:自宅ヨガで降圧効果・自己評価QOLも改善 vs 教室・インストラクター介入では効果認めず

 おもしろい結果がでてるようだ。ヨガ教室でインストラクター介入のヨガでは血圧や自己評価QOLで効果をみとめないが、自宅でのヨガ施行では降圧効果を認めるというもの。


 少なくとも、今回検討の短期的ヨガ介入においては、選択バイアスの問題とともに、心理的影響があるようだ。その内容はやや複雑で、自宅ヨガにおける最大肯定群の存在が心理的ポジティブ効果をかさ上げしている。一方、中間的肯定的評価群では、ヨガ教室介入の方がやや多い。

 なんにしろ、導入期に教室に通うのは良いが、降圧効果を目的にするなら自宅ヨガが基本と考えるべきなのかもしれない。現時点での考察をしろと言われれば・・・


高血圧診断一次医療機関患者でのヨガ介入の血圧・QOL研究2つでその効果を研究。


スイス南部地域の一次医療機関電子カルテ調査高血圧診断:20−80歳、総数83名、ベースライン血圧 120〜179/109 mmHg以下
ベースラインで、標準化血圧測定と自己報告QOL(WHOQOL-BREF)調査

介入:
1)ヨガ教室:ヨガインストラクター(n=28)
2)自宅ヨガ(n=28)
3)対照群(n=27)

介入12週後、評価


Impact of yoga on blood pressure and quality of life in patients with hypertension – a controlled trial in primary care, matched for systolic blood pressure

Moa Wolff, et. al.
BMC Cardiovascular Disorders 2013, 13:111
 doi:10.1186/1471-2261-13-111

ヨガ教室介入では、血圧改善せず、自己評価QOLも改善せず
自宅ヨガ群では、拡張期血圧4.4mmHg低下(p<0 .05="" font="">
さらに、自己報告QOL改善



介入後血圧と血圧補正値
BP after intervention and adjusted mean change in BP

Intervention group 1 Intervention group 2 Group 3
Yoga class group Yoga at home group Control group
OC PPS OC PPS OC PPS
n = 28 n = 21 n = 26 n = 20 n = 26 n = 23
Mean (SE) Mean (SE) Mean (SE) Mean (SE) Mean (SE) Mean (SE)
SBP (mmHg) 144.1 (2.6) 144.3 (3.1) 137.0 (2.7) 138.4 (3.2) 141.5 (2.7) 142.6 (3.0)
Change from baseline 0.3 (2.6) -0.2 (3.1) -6.8 (2.7) -6.1 (3.2) -2.3 (2.7) -1.9 (3.0)
P-value 0.917 0.954 0.013** 0.061 0.381 0.527
Difference vs. control 2.6 (3.7) 1.7 (4.3) -4.4 (3.8) -4.2 (4.4)


P-value 0.482 0.693 0.241 0.341


DBP (mmHg) 89.4 (1.6) 89.5 (1.9) 84.7 (1.6) 85.3 (1.9) 89.9 (1.6) 90.2 (1.8)
Change from baseline 0.2 (1.6) 0.3 (1.9) -4.4 (1.6) -3.9 (1.9) 0.8 (1.6) 1.01 (1.8)
P-value 0.889 0.890 0.008** 0.045** 0.612 0.571
Difference vs. control -0.6 (2.5) -0.8 (2.6) -5.2 (2.3) -4.9 (2.6)


P-value 0.794 0.771 0.025* 0.064


Yoga sessions during intervention† 47.2 52.7 63.9 72.6




*Significant difference compared to control (p < 0.05).

**Significant change from baseline (p < 0.05).

†According to yoga calendar (yoga class sessions and yoga at home sessions).

OC, observed cases; PPS, per protocol set; SE, standard error of the mean; SBP, systolic blood pressure; DBP, diastolic blood pressure.

The PPS consists of all patients who (1) practiced yoga at least once a week for nine weeks or more and (2) had no change in medication during the study period.

Wolff et al.

Wolff et al. BMC Cardiovascular Disorders 2013 13:111   doi:10.1186/1471-2261-13-111 




ヨガ:自宅ヨガとヨガ教室における患者視点
a. How did you experience the yoga practice emotionally? b. How did you experience the yoga practice physically? c. Will you continue practicing yoga after this study?

HPVワクチンをめぐる日本の"失われた8年"と、私たちが検証すべきこと

「子宮頸がんワクチン」という呼び方に、以前から違和感があります。 HPVワクチンが子宮頸がん予防に重要であることは間違いありません。日本では女子への定期接種として導入され、子宮頸がん予防を中心に説明されてきたため、この名称が広まった経緯も理解できます。 しかし、このワクチンが...