2013年12月5日木曜日

2型糖尿病:ACCORD Lipid おみやげ:フィブラートとTZD併用により"善玉"コレステロール極端低下例増加

2型糖尿病患者において、フェノフィブラートとチアゾリジン系(アバンディア、ロシグリタゾン)にて、HDL極低値(<25 mg/dL未満症例)の尤度を増加させる


単剤では共に脂質特性改善薬剤だが、それが組み合わさると、脂質特性悪化をもたらすという奇異的現象が、後顧的解析で判明した。

Paradoxical Reduction in HDL-C with Fenofibrate and Thiazolidinedione Therapy In Type 2 Diabetes: the ACCORD Lipid Trial
Peter E. Linz, et. al.
Diabetes Care December 2, 2013

ACCORD-Lipidトライアルで、フェノフィブラートとTZD併用治療で、特定の症例で、極端なHDL血症が生じる。

フェノフィブラート:10.1%、 プラシーボ 4.9% 
フェノフィブラート+TZD ランダム割り付け48ヶ月後:7.0% 、プラシーボ 2.2%


薬剤クラスの問題なのか、特定薬剤の問題なのかどうかは書かれてない。そして、プライマリアウトカムに関連しない報告であり、偶発的な所見であり、普遍的現象でない可能性がある。



さしあたり、後顧的でよいので、アクトス+フィブラート類を多く処方・利用している施設において、早速検討をしていただきたい。私は、どちらも非消極的なので症例数が少ない。

限局型肺がん縦隔リンパ節病変診断:内視鏡超音波ガイド経気管支吸引細胞診を! ガイドライン非遵守検査が多すぎ、コスト・リスクを増大している

病巣が局所にとどまる肺がん診断のうち、ガイドライン推奨順に行われているのは、4分の1未満という現状であり、結果、コストや合併症の問題が生じている。ガイドライン遵守医療は、侵襲性検査施行も、それに伴い合併症も少ない。


具体的には、内視鏡超音波ガイド経気管支吸引細胞診検査が治療意思決定上充分なけんさである。

エビデンスに基づくガイドラインでは、縦隔サンプリングが肺がん疑い症例の縦隔リンパ節病変の検査は初回侵襲性検査として推奨されている。

quality gap

2009年縦隔リンパ節病変を有する患者137名、ガイドライン遵守ケア行われているかどうかの後顧的検討

Quality Gaps and Comparative Effectiveness in Lung Cancer Staging: 
The Impact of Test Sequencing on Outcomes
Francisco A. Almeida, et. al.

ガイドライン遵守患者では、侵襲性検査頻度少ない(患者1人あたりの検査 1.3 ± 0.5  vs 2.3 ± 0.5 ; P < .0001) 、合併症も少ない (0 of 30, 0% vs 18 of 108, 17%; P = .01)。合併症の多くは、CT画像ガイド針生検によるもの(16/18)
内視鏡超音波ガイド経気管支針吸引細胞診(EBUS-TBNA)は他の侵襲性検査と比較し治療方針上のガイドとして充分な検査である(64%)
CTガイド生検による合併症・コストが全て問題というわけで歯内が、この検査を回避することで、大まかにいえば、2/3を合併症・コストを減らすことができる。






2013年12月4日水曜日

COPDだけでなく、喘息症例でも、高用量吸入ステロイドは肺炎・下気道感染リスク増加させる

COPD:吸入ステロイドは重度肺炎発生リスク増加 フルチカゾンが明確 2013/11/01
http://kaigyoi.blogspot.jp/2013/11/copd.html



 Inhaled Corticosteroids and the Risk of Pneumonia in People With Asthma: A Case-Control Study
Tricia McKeever, , et. al.
Author and Funding Information
Chest. 2013;144(6):1788-1794. doi:10.1378/chest.13-0871 


吸入ステロイドはCOPD患者の肺炎リスクと関連する
喘息でもリスク増加と関連する、しかも、投与量依存的に、肺炎・下気道感染リスクと関係する。
寄与リスク補正後、ICS(1000 μg以上)の高用量では、事前90日間ICS使用しなかった場合に比べ、2.04倍リスクを増加させる


まぁ、適量投与がのぞましいわけで、患者任せのSMARTなんてとんでもない

食事性ビタミンD不足は中年以降の脳内ニトロソアミン・ストレスと関連・・・認知症促進と関連する可能性

ビタミンDの既知作用は、骨健康維持であり、他臓器・組織へも重要な役割をしているという情報も増えている。ビタミンD欠乏は高齢者での認識が広がり、中年・高齢加齢状況において、血中ビタミンDの変動が果たすその役割が注目されている。

そんな中、ビタミンD不足が、高齢者の脳機能・構造へ影響及ぼす可能性がラットの実験から判明した。

Dietary vitamin D deficiency in rats from middle to old age leads to elevated tyrosine nitration and proteomics changes in levels of key proteins in brain: Implications for low vitamin D-dependent age-related cognitive decline
Free Radical Biology and Medicine Volume 65, December 2013, Pages 324–334

F344ラット27匹を3群に分け、等カロリーでのビタミンD低含量(餌 100 IU/kg)、対照(餌 1000IU/kg)、高含量(餌 10,000kg)を12月齢マウスで投与開始し、4−5ヶ月継続。

食事性VitD介入の、後部脳皮質での、酸化、一酸化窒素ストレス影響を比較。

低VitD群は、対照・高含量VitD全体的に、3−ニトロチロシン増加。


3−ニトロソチロシンは、NF-κB経路及びNF-κB介入iNOSトランスクリプトの調整異常をもたらす、これは、核内へのNF-κBトランスロケーションやiNOS増加により示唆される所見である。

Proteomics techniqueによりこれらの影響に関する可能性メカニズムを考察。


低VitD群において、他の2群に比べ、いくつかの脳蛋白増加で有意増加
6-phosphofructokinase、triose phosphate isomerase、 pyruvate kinaseがそのうち3つで、解糖系と直接関連。
他に、peroxiredoxin-3 と DJ-1/PARK7は、peroxidase活性を有し、ミトコンドリアに存在。

Peptidyl–prolyl cis–trans isomerase A (cyclophilin A))、蛋白folding、蛋白キナーゼ・ホスファターゼの調整、免疫調整、細胞シグナル化、レドックス状況と関連。

これらの結果、食事性ビタミンD低下は有意にニトロソアミンストレスに清、中年以降高齢の認知機能低下と関連する可能性がある。




ニトロチロシン(3-nitrotyrosine: 3-NT)は、パーオキシナイトライトによる主要なタンパク質ニトロ化修飾物の一つであり、 ニトロ化ストレス(nitrosative stress)マーカーとして広く用いられています。これまでにアルツハイマー、パーキンソン氏病、 多発性硬化症、脳卒中などの神経疾患をはじめ、アテローム性動脈硬化症、心筋梗塞、冠動脈疾患、高血圧症など数多くの疾患との 関連性が報告されています。

benign obesityの否定:健康的肥満は存在しない → メタボ概念の肯定じゃないからね・・・役人さん・マスメディア・学会関係者さんたち

これも今年featureした「肥満=病気」という流れの報告なのだろう。
参考: 肥満は依存症という病気? 2013/07/17

ここの"metabolically healthy "とは、
 as defined by the presence or absence of components of the metabolic syndrome by Adult Treatment Panel III or International Diabetes Federation criteria.

代謝的健康な正常体重被験者に比べ、肥満者では、長期的アウトカムの悪化リスク増加が見られる、それは、代謝的異常が無い場合でもリスク増加。


Are Metabolically Healthy Overweight and Obesity Benign Conditions?:
A Systematic Review and Meta-analysis
The Myth of Healthy Obesity
Caroline K. Kramer,  et. al.
Ann Intern Med. 2013;159(11):758-769. 
doi:10.7326/0003-4819-159-11-201312030-00008


8研究 (n = 61 386; 3988 イベント)で、全原因死亡率 and/or 心血管イベントを評価。

代謝的健康肥満者は、代謝的健康正常体重者に比べ、イベントリスク高く、フォローアップ10年以上研究に限定しても同様。

代謝的非健康群では、同様のリスク:正常体重  (RR, 3.14; CI, 2.36 to 3.93)、体重過多 (RR, 2.70; CI, 2.08 to 3.30)、肥満 (RR, 2.65; CI, 2.18 to 3.12)

日本の“メタボ”は、諸外国のメタボリックシンドロームとさらに乖離していく・・・ wikipedia日本語の解説は秀逸

上記論文のメタボリック的異常基準には、軽症高血圧、脂質異常、空腹時血糖異常を含む。故に、「システマティック・レビューを元に考察すれば、非肥満・代謝異常群でも、全死亡率/心血管リスク増加と関連」ということで、メタボリックシンドローム概念が重要なんてことにはならない!




心不全患者の貧血治療:システマティック・レビュー 輸血閾値はリベラルに!、鉄剤投与は症状改善! EPO剤は有害な可能性

心疾患患者での貧血治療についてのシステマティック・レビュー


・リベラル輸血方針:ヘモグロビン値閾値 10 g / dL
・厳格輸血方針:貧血症状もしくは医師の判断決定閾値 ヘモグロビン値 8 g / dL

結論から言えば、輸血閾値を高めに設定、すなわち、なるべく輸血しない方針の厳格な輸血方針では、死亡率を改善しない。しかし、大規模トライアルが必要。
鉄剤注射は心不全・鉄欠乏患者の症状緩和に役立つが、これも今後検討が必要。
エリスロポイチン系薬剤では、軽度・中等度症例ではベネフィット認めず、むしろ、深部静脈血栓系の副作用のリスクが高まる


Treatment of Anemia in Patients With Heart Disease: A Systematic Review
Devan Kansagara, M, et.al.
Ann Intern Med. 2013;159(11):746-757. doi:10.7326/0003-4819-159-11-201312030-00007 


6トライアル・26観察研究からの低エビデンスによると、リベラルな輸血プロトコールでは、非積極的プロトコール比較で、短期的死亡率改善を示せず (combined relative risk among trials, 0.94 [95% CI, 0.61 to 1.42]; I2 = 16.8%)
しかし、死亡率減少が、急性冠症候群小トライアルで示された (1.8% vs. 13.0%; P = 0.032)

うっ血性心不全・冠動脈性心疾患30日死亡率(輸血:レベラル方針 vs 厳格方針)

同患者群における心血管系イベント比較(輸血:レベラル方針 vs 厳格方針)

中強度エビデンス3つの鉄注射トライアルでは、心不全患者で、短期的運動耐用能・QOL改善が見られた。



17トライアル中等度・強度エビデンスでは、エリスロポイエチン産生刺激薬剤にて、ベネフィット一致した所見見られず、しかし、有害性、静脈血栓塞栓見られる

とんでもシステマティック・レビュー:ビタミンCが喘息発作、気道過敏性を改善する

Dr. ポーリングのおかげで、様々な(インチキを含む)サプリメント産業の父と私は思う。
感冒に対するビタミンCなどが代表的。

以下の、とんでも論文の存在が、さらに、ビタミン剤への嫌疑をふかめるのだが・・・

Allergy, Asthma  Clinical Immunologyって、一定のIFのあるジャーナルだと思う、たまたま、問題レフリーにあたってしまったのか 。
P値が小さければ、出版バイアス否定できるというとんでも内容の論文がそのままスルーされ、出版されてしまっている。

この程度検討文献数及び症例数(9名〜41名)だと、Cochraneなどでは、明確な結論出さないはずだし、まともなレフリーなら、Funnel Plotなどの出版バイアスツールチェックを要求するはずだ。ひどすぎる文献を見てしまった。

喘息発作、気道過敏性に関するビタミンC投与の効果のシステマティック・レビュー

結論の一部に、ビタミンC投与により、喘息発作、気道過敏性へのベネフィットを認めたとある。喘息患者での個別ベースでのビタミンCは、気道感染起因した場合、筆者等の結論だと、是認。


Vitamin C and common cold-induced asthma: a systematic review and statistical
analysis
Allergy, Asthma  Clinical Immunology 2013,9:46
doi:10.1186/1710-1492-9-46
http://www.aacijournal.com/content/pdf/1710-1492-9-46.pdf



このレビューは、出版バイアスに関する検討が足りなすぎる。
そもそも、検討ベースの症例数が少なすぎ、プラシーボ対照も検討文献に含まれる。
結論に同意しかねる内容となっている。

何より、この文献には、すごい変な記載が存在する。
Publication bias might be a problem in the case where a few studies have been published. However, publication bias cannot reasonably explain the remarkably small P-values found in each of the three studies reviewed here. Furthermore, publication bias cannot explain findings that are not published in the original study reports. Therefore, publication bias cannot explain the association between the PC20 level on the common-cold day and the adjusted vitamin C effect (Figure 1). This systematic review was done by one person and one person might have a higher error rate in the extraction of data than a group. However, only three studies are included and the extracted data were several time compared against the original study reports.It is unlikely that errors would have remained. 
P値が小さいため、出版バイアス考えられない・・・だと!

作為的出版バイアスなどはP値無関係に出現し、むしろ、異常なP値の時、出版バイアスが考えられるはず。


すさまじい報告だ!

HPVワクチンをめぐる日本の"失われた8年"と、私たちが検証すべきこと

「子宮頸がんワクチン」という呼び方に、以前から違和感があります。 HPVワクチンが子宮頸がん予防に重要であることは間違いありません。日本では女子への定期接種として導入され、子宮頸がん予防を中心に説明されてきたため、この名称が広まった経緯も理解できます。 しかし、このワクチンが...