2015年2月26日木曜日

食品中乳化剤が、腸内細菌叢と宿主多層粘液構造を破壊し、炎症・肥満/代謝障害を生じさせる




Dietary emulsifiers impact the mouse gut microbiota promoting colitis and metabolic syndrome
Benoit Chassaing, Omry Koren, et. al.
Nature (2015) doi:10.1038/nature14232


腸管内の大量・多種の微生物は腸内微生物叢を形成し、 特に 代謝および免疫開発において、生理的働き・利益性を提供するが、一方この宿主・寄生関係の乱れで、炎症性腸疾患やメタボリックシンドロームとされる肥満関連疾患と関連する。腸上皮を覆う、 multi-layered mucus structureは、上皮細胞から安全な距離を保つ事ができる。この関連性を破壊する因子が関連疾患を悪化する可能性がある。具体的には、食品中乳化剤、洗浄剤様分子で、加工食品に含まれるユビキタスな成分で、in vitroな状況では、上皮の細菌translocationを促進する。

カルボキシメチルセルロース(CMC)やポリソルベート80といった、乳化剤として最頻用のもので、比較的低濃度でも、低度炎症や肥満・メタボリックシンドロームを、野生種マウスで生じさせ、腸炎を生じさせる。
無菌マウスや便移植に対して、必要・十分な低度炎症やメタボリック症候群を生じさせることができる。

これらの検証にて、宿主・微生物相互作用が結果炎症を生じ、肥満症や代謝障害を引き起こすことが確認された。さらに、乳化剤は、肥満・代謝異常や慢性炎症性疾患の原因となることも示唆された。




乳化
乳化剤


乳化剤だけが問題なのか?乳化の性質を持つ食品まで問題なのか・・・レシチンまで問題だとすると添加物だけの問題じゃなくなる。

2015年2月24日火曜日

サウナ浴と致死性心血管イベントと全原因死亡率低減効果

サウナ室で19分以上かぁ 量依存的効果ありという報告だが・・・

北欧の効果を一般化できるかどうか?
さらに、コスト効果的には日本ではずいぶん高くつくと思うのだが・・・


Association Between Sauna Bathing and Fatal Cardiovascular and All-Cause Mortality Events 
Tanjaniina Laukkanen,  et. al.
JAMA Intern Med. Published online February 23, 2015.


序文  サウナ浴は、血行動態機能を改善する週間だが、心血管疾患と全原因死亡率との関連性は不明であった。

目的  サウナ浴の回数と期間と、心臓突然死(SCD: sudden cardiac death)、致死性CHD(coronary heart disease)、致死性CVD(coronary heart disease)、致死性CVD (cardiovascular disease)と全原因死亡率のリスク関連性検討。

デザイン・セッティング・被験者  前向きコホート (Finnish Kuopio Ischemic Heart Disease Risk Factor Study) 、 2315名の中年(年齢レンジ、 42−60歳)男性、東フィンランド
from March 1, 1984, through December 31, 1989. 
暴露  ベースライン評価のサウナ浴回数と時間 
結果  フォローアップ中央値期間 20.7 年間 (interquartile range, 18.1-22.6 年間)
SCDs 190 , fatal CHDs 281 ,fatal  CVDs 407 ,全原因死亡  929

サウナ浴 週1回、2−3回、4−7回は、 それぞれ  601、 1513、 201

SCDs数(パーセンテージ)は、  61 (10.1%)、 119 (7.8%)、 10 (5.0%)
対応する数は、
fatal CHDs  89 (14.9%), 175 (11.5%), 17 (8.5%)
fatal CVDs 134 (22.3%), 249 (16.4%), and 24 (12.0%)
全原因死亡イベント 295 (49.1%), 572 (37.8%), and 62 (30.8%)

CVDリスク要素補正後、サウナ週1回男性に比較して
SCDハザード比 サウナ浴セッション  2−3回/週 0.78 (95% CI, 0.57-1.07) 、 4−7回/週 0.37 (95% CI, 0.18-0.75)  (P for trend = .005)
CHD、CVD、全原因死亡率でも同様 (P for trend ≤.005)

11分未満サウナ浴セッションと比較して、 SCDのハザード比は 
11−19分 0.93 (95% CI, 0.67-1.28)
19分超 0.48 (95% CI, 0.31-0.75) (P for trend =  .002)
有意な逆相関が致死性CHD、致死性CVDsで観察される (P for trend ≤.03)
しかし、全原因死亡率との相関性認めず

結論と知見  サウナ浴の回数増加と、SCD、CHD、CVD、全原因死亡率減少と相関。
サウナ浴と心血管健康のリンクする寄与メカニズムについて、さらなる研究が必要。

ピーナッツ経口減感作 第2相トライアル

前述の、「用手皿洗いは、機械式皿洗いに比べ、7-8歳の子供のアレルギー発症を抑制
http://kaigyoi.blogspot.jp/2015/02/7-8.html」と同様、免疫寛容(衛生仮説?)の話というか、治療トライアル



peanut oral immunotherapy (OIT)のpIIトライアル


Assessing the efficacy of oral immunotherapy for the desensitisation of peanut allergy in children (STOP II): a phase 2 randomised controlled trial
The Lancet Volume 383, No. 9925, p1297–1304, 12 April 2014


・ active OIT (using characterised peanut flour; protein doses of 2–800 mg/day) ・ control (peanut avoidance, the present standard of care)

Randomisation (1:1)  audited online system
グループ割り付け非マスク

ピーナッツ接種後即時過敏反応、皮膚プリッツ反応陽性、二重盲検プラセボ対照食物暴露試験(DBPCFC)陽性を示す 7-16歳 被験者

プライマリアウトカムは脱感作 (定義: DBPCFC 1400 mg 蛋白投与にて陰性)

Active群  62% (24 /39 ; 95% CI 45–78)
対照群 (0 of 46; 95% CI 0–9;  p < 0.001)


アクティブ群の84% (95% CI 70–93)は、ピーナッツ蛋白800mg連日摂取  (雑に言えば ピーナッツ5個と等量)

OIT後ピーナッツ閾値は中央値として1345mg (range 45–1400; p < 0.001)あるいは25.5倍 (range 1·82–280; p < 0.001)増加

第2相後、54% (95% CI 35–72) は、1400mg(雑に言えば5個)まで耐用、91 (79–98) %は800mgまで耐用

Quality-of-life score改善 (decreased)  (median change −1·61; p < 0.001)

副作用は軽度なら多くで存在。 胃腸症状が最も多く31名、嘔吐 31名、下痢1名
口腔内痒みは63%(76名)、喘鳴 0.41%(21名)
アドレナリン筋注は0.01%(1名)使用



用手皿洗いは、機械式皿洗いに比べ、7-8歳の子供のアレルギー発症を抑制させる

ある教授様に衛生仮説について質問したことがあるが、妄想と断言されていた・・・ 確かに、衛生仮説って概念の範囲・定義が曖昧で、学究的論文に記載されるにはやや問題なのかもしれない。 この論文での衛生仮説は、免疫寛容を念頭に置いており、Th1/Th2インバランスではない。ちょっと奇異に感じる。

用手皿洗いは完全でなく、微量の抗原となりえる成分暴露が小さい子供の免疫寛容を引き起こし、アレルギー性疾患抑制的に働くと主張



Allergy in Children in Hand Versus Machine Dishwashing
J. Pediatrics Published online February 23, 2015
http://pediatrics.aappublications.org/content/early/2015/02/17/peds.2014-2968.abstract
スウェーデン北部 7-8歳 1029名のアンケート基調
hand dishwashingは、machine dishwashingとの対比らしいので、そのまんま、用手皿洗いってことらしい
用手皿洗い vs 機械皿洗いにて、アレルギー疾患発症 オッズ比 0.57 (95% 信頼区間 0.37-0.85)と約半分の軽減 
さらに、発酵食品や農地から直接の食品という条件で、用手皿洗いによる量依存的発症抑制作用が見いだされた。

2015年2月23日月曜日

コーラ着色4ーメチル・イミダゾール 米国内規制は妥当・・・ 日本は???

4ーメチル・イミダゾール 10万対1名の超過死亡を及ぼす量は、4−MEI/日として 29μg

この研究では6歳超でソーダ水1日1缶以上飲み始めると44%から58%の子供で、発癌リスクにいたるという、12飲料の調査結果

結論から言えば、たいした影響ではないが、Regulationを駆けた方が公衆衛生的には良いということだが、
コカ・コーラ/発ガン性物質4-MIが米より18倍
http://n-seikei.jp/2012/07/4-mi18.html

世界で最も厳しい基準のカリフォルニア州の含有量は355ml中4μg、日本は72μg。カリフォルニア州の18倍だ。
http://toyokeizai.net/articles/-/48586?page=4
って、日本の規制は?




Caramel Color in Soft Drinks and Exposure to 4-Methylimidazole: A Quantitative Risk Assessment.
Smith TJS, Wolfson JA, Jiao D, Crupain MJ, Rangan U, et al. (2015)
PLoS ONE 10(2): e0118138. doi:10.1371/journal.pone.0118138
http://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0118138


Malta Goya がもっとも 4-MEI 濃度(915.8 〜 963.3μg/L)高く、
生涯平均1日量  (LADD - 8.04x10-3 mg/kgBW-day)、 生涯超過癌リスク  (1.93x10-4) 、バーデン (70歳超の米国人民 がん症例数 5011例相当)
コカコーラが最も少なく 4-MEI: 9.5 〜 11.7μg/L
生涯超過癌リスク:LADD: 1.01x10-4 mg/kgBW-day
バーデン 76名のがん症例数

この濃度は、勾配した飲料種類毎・州・エリア毎に異なるが、州・エリアにおいては同様の購買傾向である。

一定飲料種のルーチン消費量では、 9 μg/日で、州・連邦規則は妥当。





前出の経済東洋にはおもしろい記事が書かれてる・・・

「コカ・コーラ」と「コカ・コーラ ゼロフリー」は? 「カラメル色素は、厚生労働省で認可された食品添加物で、本のみならず、世界の審査機関で発がん性試験など数多く行われており、厳しく審査されて安全に問題がないと診断された結果、使用が認められておりますので、使用させていただいております。現在のところ、規制や当局による指示・指導なども特にございませんので、原材料の変更などの対応を行う予定はございません」(日本コカ・コーラのお客様相談室)。

低減しないのは国が認めているからという理屈である。だが、「日本の基準が甘すぎるだけ。日本のコーラをカリフォルニア州に輸出できますか」(安部さん)。 
せめて国はカラメルⅠ~Ⅳの表示を義務づけて、消費者が自分で判断し、選べるようにしてほしい。

少なくとも米国の公的機関が有害性を問題にしてるんですけどね・・・コカコーラさん!


消費者をないがしろにする会社に日本の消費者は厳しいはずなのだが・・・
大手スポンサー配慮する大メディアだけでなく、皆様のNHKもこういった情報を視聴者・読者に提供することはない


2015年2月21日土曜日

ここぞとばかり、コレステロールは健康を害するものではないと・・・妄想を広める人たち

体内のコレステロール高低及びその成分などは、主に遺伝及び飽和脂肪酸高含量食品に由来し、食事中のコレステロール摂取総量に依存する比率は少ない・・・ということなのに、「それ言った通りだろ、コレステロールは高くていいんだ」と誤解し、それをネットで広めてる連中・・・


一次ソースを読まず、頭脳内の世界だけで、妄想を展開し、そのデマを広める

国民総ネット時代、悪意はなくても、その弊害は大きい



コレステロール治療不要原理主義らにとって、なんら関係ない
関係あるとしたら、「食事性コレステロール吸収阻害が主な作用機序である・・・ゼチーアの無用性」が想念されるくらいだろうか・・・


Cholesterol To Be Cut From Nation's Diet Blacklist?
Bring on the eggs: advisers call for federal diet guidelines to eliminate limits.
http://www.medpagetoday.com/Cardiology/Prevention/50134


ところで、そのソースの一つ、executive summaryに「コレステロール、cholesterol」の単語が、書かれてない。


Scientific Report of the 2015 Dietary Guidelines Advisory Committee http://www.health.gov/dietaryguidelines/2015-scientific-report/


・ すべての「肉」は、「meat、ソーセージ、魚、卵」、「レッドミート、加工肉、家禽」、他様々な肉の組み合わせ
「野菜」は、「じゃがいも」は除外されることが多いが、含まれる場合もある。フライドなのか焼いた食品なのかなど情報が少ない。ゆえに、この分類でなされた報告で委員会は議論。

2015 DGACのエビデンス総体として、「健康食とは、野菜・フルーツ・全粒穀物、低・無脂肪乳、シーフーズ、ナッツ豊富な食品。成人ではアルコール適量。レッドミート、加工肉を少なく、砂糖甘味食品・ドリンク、精製穀物を少なく。


2015年2月19日木曜日

"traumatic tap" と "くも膜下出血" を鑑別する方法

脳脊髄液中のキサントクロミー所見なく、赤血球数 2000/μL(= 2000 ×10 -6)未満なら、動脈瘤性くも膜下出血否定


Differentiation between traumatic tap and aneurysmal subarachnoid hemorrhage: prospective cohort study
Jeffrey J Perry, et. al.
BMJ 2015; 350 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.h568 (Published 18 February 2015)


介入必要な状況となったり、死亡を含む、動脈瘤性くも膜下出血を主要アウトカムとする

1739 名の患者を登録、 脳脊髄液異常 641(36.9%)。
最終管 赤血球 106 超 and/or  xanthochromia 1管以上
動脈瘤性くも膜下出血は15(0.9%)

赤血球 2000×106/L より少ない場合 + xanthochromia所見なし なら、感度100% (95% 信頼区間 74.7% to 100%) 、特異度 91.2% (88.6% to 93.3%)


単位間違えてる可能性あるので各自判断を・・・

HPVワクチンをめぐる日本の"失われた8年"と、私たちが検証すべきこと

「子宮頸がんワクチン」という呼び方に、以前から違和感があります。 HPVワクチンが子宮頸がん予防に重要であることは間違いありません。日本では女子への定期接種として導入され、子宮頸がん予防を中心に説明されてきたため、この名称が広まった経緯も理解できます。 しかし、このワクチンが...