小児のECG単独および、エコーを含む検査による検診に関して、マス・スクリーニングとしては感度が高いが、故に、NPVが高い、しかし、PPVや偽陽性率に関してはばらつきが大きい。
あとは、コストと、検診に関わるリスク(偽陽性だったが、精査・治療をしてしまうことのリスク) の問題。
Rodday AM, et al
"Electrocardiogram screening for disorders that cause sudden cardiac death in asymptomatic children: a meta-analysis"
Pediatrics 2012; 129: 1-12.
遺伝性疾患への無症状子供への検診は最優先事項という訳ではなさそう。
心電図・心エコーによる肥大型心筋症 と long QT syndromeの頻度は少なく、除外診断としてのNPV(陰性適中率)はほぼ100%だが、PPV(陽性的中率)はカットオフ値により感度・特異度にばらつき。
頻度の少なさと、偽陽性率のばらつきにより、コスト、比較有効性解析が必要。
10万人の無症状子供に対し
・ 肥大型心筋症 45(95% CI 10-79)
・ long QT syndrome 7(95% CI 0-14)
・ WPW症候群 136(95% CI 55-218)
肥大型心筋症、long QT syndrome除外のためのECG、エコー、ECG/エコーのNPVはほぼ100%
対し、PPVは1%未満で、1人見つけるための検討数は、2611(エコー利用)から16592(long QT syndrome検知のための心電図利用)。
偽陽性数が389-2323で、10万あたりの偽陰性数は7から1
エコー単独の方が肥大型心筋症検知のためには有効
最大特異度99%と特異性に重きを置いたとき、PPVは2%から21%となり、NPVはこのとき、0.9999から0.9996(肥大型心筋症のための心電図)、0.9998(エコー and/or エコー/ECG)
特異性に 重きをおくと、1例を見いだすための必要数が劇的に増大し、偽陽性は減るが、偽陰性が増加する。
・・・
AUCにより、心電図 and/or エコーは統計学的に許容される検診方法であるが、 住民ベースの話だと、検査コスト、及びそれに伴う不要な治療が絡んでくる。
この報告の限界は、アウトカムを死亡率としておらず、突然死を起こす可能性のある疾患を見いだすことだけということ。
参考:
Recommendations and Considerations Related to Preparticipation Screening for Cardiovascular
Abnormalities in Competitive Athletes: 2007 Update
A Scientific Statement From the American Heart Association Council on Nutrition, Physical Activity, and Metabolism Endorsed by the American College of Cardiology Foundation
http://circ.ahajournals.org/content/115/12/1643.full.pdf
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