2014年1月10日金曜日

システマティック・レビュー&メタアナリシス:骨粗鬆症予防のためのビタミンD投与 エビデンス乏しすぎる

骨粗鬆症予防のため、ビタミンD服用をなどと言うことなかれ!

少なくとも、地域居住住民にあまねく、ビタミンDサプリメントを勧める根拠などない
それどころか、有害な要素もある

特に、日本は、ビタミンD血中濃度評価せず、投与している臨床家も散見される
ビタミンD中毒の存在が忘れ去れ、軽視されている恐ろしさが・・・


Effects of vitamin D supplements on bone mineral density: a systematic review and meta-analysis
The Lancet, Volume 383, Issue 9912, Pages 146 - 155, 11 January 2014
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736%2813%2961647-5/abstract

研究戦略により393引用、23研究(研究期間平均 23.5ヶ月 、平均年齢 59歳)でのみ登録クライテリア合致、19研究は白人が主。


8研究で、ベースライン平均25−OH D濃度は50 nmol/L未満 (n=1791) 


10研究   (n=2294)で、ビタミンD 800 IU/日未満


骨塩密度測定は1−5部位 (lumbar spine, femoral neck, total hip, trochanter, total body, or forearm) 、統計学的有意な検討は70

知見として、6つの有意なベネフィット、2つの有害性、残りは非有意

1ヶ所以上のベネフィット認めたのは研究のみ


メタアナリシスの結果、大腿頚部にて小規模のベネフィットある(加重平均差 0·8%, 95% CI 0·2—1·4)もトライアル間hterogeneityあり (I2=67%, p<0·00027)

股関節など、他部位での効果は報告されず
大腿頚部・股関節においてバイアス傾向認める

ProSavin(レンチウィルス・ベクターによる酵素導入) 第1/2相トライアル

ProSavin®
http://www.oxfordbiomedica.co.uk/prosavin-r/


LentiVector® technology により、ドパミン合成に必要な3種酵素を導入
線条体領域に局所的投与し、脳のドパミン工場を復活させる

オープンラベル・長期安全性検討トライアル

15名ち治療を受け、耐用性良好で、運動能力改善全員

Long-term safety and tolerability of ProSavin, a lentiviral vector-based gene therapy for Parkinson's disease: a dose escalation, open-label, phase 1/2 trial
The Lancet, Early Online Publication, 10 January 2014
doi:10.1016/S0140-6736(13)61939
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736%2813%2961939-X/fulltext



レンチウィルス・ベクターとうことで、挿入変異がん化がないため、安全性がそれまでのウィルスベクターより高い(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000020310.pdf)。



ProSavin(登録商標)は、非ドパミン細胞への、芳香族L−アミノ酸デカルボキシラーゼ、チロシンヒドロキシラーゼ、およびGTPシクロヒドロラーゼIの遺伝子の形質導入によって、線条体内ドパミン産生を媒介する(非特許文献1)。
レンチウイルスベクター送達の従来の方法は、広い領域にわたる標的細胞の十分な形質導入を保証するために、非連続的な遅い流速における、複数回の少量投入によって、脳内の特異的な領域にベクターを導入した(非特許文献1)。例えば、ProSavin(登録商標)を、段階的な送達方法を用いて複数の(半球あたり5つまで)経路を用いて投与し、それは、各経路にそったベクターの複数回の投入を含む(非特許文献2)。
そのようなアプローチは、カニューレ経路の位置を決定するための複雑な手術前の計画、および時間のかかる手術を必要とし、ベクターを導入するために複数のカニューレ経路を使用することに関連する出血および他の手術合併症のリスクが増大する。
従って、そのようなレンチウイルスベクターの改善された送達方法に対するニーズが存在する。
http://astamuse.com/ja/published/JP/No/2013530152 

人種差認知症発症率の差:社会経済的状況により左右される

高齢者居住・住民中、黒人と白人で認知症比率の違いがある。これは社会経済的状況、すなわち、収入・経済的安定、教育、リテラシーや健康関連要素と関わるのか?

平均年齢73.6歳、黒人比率 41.5%、女性比率50.2%のHealth, Aging, and Body Composition studyの検討

フォローアップ12年間で、449(18.3%)の認知症発生率

黒人認知症発症は白人より多い (211 (20.7%) v 238 (16.6%), P < 0.001; 非補正ハザード比 1.44, 95% 信頼区間 1.20 〜 1.74)

住民統計指標、アポリポ蛋白E ε4、合併症、ライフスタイル因子補正後若干ハザード比影響減少 (1.37, 1.12 〜1.67)

しかし、社会経済的状況補正を加えると、統計学的有意差消失 (1.09, 0.87 to 1.37)


Effect of socioeconomic disparities on incidence of dementia among biracial older adults: prospective study
BMJ 2013; 347 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.f7051 (Published 19 December 2013)
Cite this as: BMJ 2013;347:f7051

システマティック・レビュー&メタアナリシス:食物繊維と心血管疾患リスク 不溶性繊維量依存的にリスク軽減

 食物繊維摂取量多いほど、心血管疾患・冠動脈性心疾患のリスク減少する、システマティック・レビュー&メタアナリシス

 1日7グラム摂取毎、心血管・冠動脈疾患リスク軽減し、食物繊維を推奨する各種ガイドラインと一致した所見

 食物中の繊維7g多く摂ることは、全粒穀類に豆類、フルーツ・野菜を通して行うのが通常。


 可溶性繊維は小腸から吸収され、食後血糖や脂質への影響を及ぼす。可溶性繊維や強力デンプンなどは大腸でのバクテリア増殖にも関わる。これが長鎖脂肪酸やコレステロール循環に影響を与えることも考えられる。一方、食物繊維の心血管疾患・冠動脈性心疾患リスクへの予防的効果、食後血糖や資質低下への好影響、胃内排出時間への影響、空腹感への影響を介して体重維持への影響などが考慮されている。

 不溶性繊維摂取量依存的に心血管疾患・冠動脈疾患リスク減少と関連した。


Dietary fibre intake and risk of cardiovascular disease: systematic review and meta-analysis BMJ 2013; 347 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.f6879 (Published 19 December 2013) Cite this as: BMJ 2013;347:f6879


22のコホート研究発表を登録クライテリア合致とした

食物繊維 総量、種類、食物繊維 物質食事供給源と、プライマリイベントとしての心血管疾患・冠動脈性心疾患イベントを検討

食物繊維 総量と、心血管疾患(リスク比 0.91 per 7 g/day (95% 信頼区間 0.88 〜 0.94)) 、冠動脈性心疾患(0.91 (0.87 〜 0.94))は逆相関。

図1 食物繊維総数1日あたり7g増加毎CHDリスク

図2  食物繊維量増加毎のCHDリスク

心血管疾患・冠動脈性心疾患について、プール化研究間に、一定のheterogeneity認める  (I2=45% (0% to 74%)、 I2=33% (0% to 66%))

不溶性食物繊維 と、シリアル・野菜からの食物繊維 が冠動脈性心疾患及び心血管疾患リスクと逆相関を示す。

果物の摂取は、心血管疾患リスクと逆相関。

図5 CHD/CVDリスク

2014年1月9日木曜日

Inspire (TM) UAS治療:閉塞型無呼吸症候群への上気道刺激デバイス

閉塞型無呼吸症候群(OSA)における、標準治療であるnCPAPは、そのアドヒアランスが問題。

upper-airway stimulation device を植え込む治療法に関するトライアル
対照設定しないコホート研究

このトライアルのスポンサーである、Inspire Medical Systemsの upper-airway stimulation system

http://www.inspiresleep.com/inspire-system.php
 Inspire therapyは生理学的タイミングで軽度の刺激で舌下神経を刺激し、気道閉塞を予防するデバイス


Upper-Airway Stimulation for Obstructive Sleep Apnea
Patrick J. Strollo,  et. al.
for the STAR Trial Group
N Engl J Med 2014; 370:139-149January 9, 2014DOI: 10.1056/NEJMoa1308659

12ヶ月後の治療の有効性・安全性評価 
126名の中等症以上のOSA被験者(男性比率 83%、平均年齢 54.5歳、BMI 平均28.4 )
多施設前向き単一群コホートデザイン 
 
プライマリアウトカム:AHIとODI(4%以上低下)
12ヶ月後AHIスコア中央値 68%減少、29.3/H →9.0/H (P < 0.001)
ODI スコア70%減少  25.4/H →7.4/H (P < 0.001)

セカンダリアウトカム測定(EPS、FOSQ、酸素飽和度90%未満睡眠時間比率)により、睡眠時無呼吸の影響低下し、QOL改善が示された。

ランダム化phaseにおいて、治療維持群23名では、平均AHIスコアは、非ランダム化時の12ヶ月時点のスコアと有意差認めず(8.9 、 7.2イベント/H);治療断念群23名(すなわちより重症群)AHIスコアは有意に高値  (25.8 vs. 7.6 events per hour, P<0 .001="" br="">ODIの結果も同様。

治療関連重篤副事象は2%未満


CHiP研究:小児重症ICU患者:厳格血糖コントロールと通常コントロールで主要臨床アウトカム差認めず、でも、コスト軽減あり

小児重症ICU患者で、厳格血糖目標管理は重大な臨床的アウトカムに影響を与えないという結論だが・・・結果を見ると、コストでは厳格コントロール群の方が良好なのだが・・・


A Randomized Trial of Hyperglycemic Control in Pediatric Intensive Care
Duncan Macrae, et. al.
for the CHiP Investigators
N Engl J Med 2014; 370:107-118January 9, 2014
DOI: 10.1056/NEJMoa1302564


【背景】 重篤な小児高血糖tight control のためインスリン注を行うべきか、不明。

【方法】 16歳以下の小児ICU、12時間以内人工呼吸必要・昇圧剤必要見込み
・tight 血糖コントロール:目標 72-126 mg/dL
・通常血糖コントロール:目標 216 mg/dL未満

プライマリアウトカムは、ランダム化後30日での生存日数と人工呼吸無使用
難治例除外心臓手術後主要事前層別サブグループ解析
病院及び地域医療サービスのコストも評価

【結果】 イギリス13センター総数1369名をランダム化:tight血糖コントロール 694、通常コントロール 675:60%は心臓手術

30日目生存日数・人工呼吸不要・群間差平均は、0.36日 (95% 信頼区間l [CI], −0.42 to 1.14);  サブグループ毎の差影響認めず

重度低血糖( < 36 mg/dL)は、tight コントロール群で、通常コントロール群より多い(7.3% vs 1.5% p < 0.001)

平均12ヶ月間コストは、tightコントロール群で低コスト、心臓手術後のサブグループに限っては12ヶ月間コストは同等。心臓手術外ではtightコントロール群が通常群より13120米ドル少ない  (95% CI, −$24,682 to −$1,559)


【結論】この多施設ランダム化トライアルでは、重度小児疾患ICU患者において厳格血糖コントロールは主要臨床的アウトカムに影響を与えず、低血糖については厳格コントロールで発生頻度多い。
(Funded by the National Institute for Health Research, Health Technology Assessment Program, U.K. National Health Service; CHiP Current Controlled Trials number, ISRCTN61735247.)

石器時代:糖類豊富なナッツ類採取から虫歯は広がった

peanut or tree nut (P/TN) allergyの疾病率増加しているがその原因は不明。

妊娠前後の豆類摂取が、その子供のアレルギー発症に関わるという話がある。


Prospective Study of Peripregnancy Consumption of Peanuts or Tree Nuts by Mothers and the Risk of Peanut or Tree Nut Allergy in Their Offspring
A. Lindsay Frazier,  et. al.,
JAMA Pediatr. Published online December 23, 2013. doi:10.1001/jamapediatrics.2013.4139


これは現代の話だが、ナッツ類と人間の関わりは古く、starchy plant(糖類豊富な食物)としてのナッツ類は、人間の口腔内細菌叢に変化をもたらし、虫歯などを生じさせた。


Earliest evidence for caries and exploitation of starchy plant foods in Pleistocene hunter-gatherers from Morocco
Louise T. Humphreya, et. al.
PNAS  doi: 10.1073/pnas.1318176111


 時代を大幅にさかのぼって考えると、栽培・畜産へ人類がその技術を獲得すると共に、発酵盛んな栽培食品が多くなり、虫歯の原因ともなっている。狩猟・採取食品から、栽培食物への移行が口腔微生物成分を変容させた。

 更新世(Pleistocene)時代の北アフリカでの虫歯高率原因となる野生食物が虫歯高頻度と結びつく。モロッコのGrotte des Pigeonの洞窟遺跡で、中石器時代から後の石器時代(luberomarurusian)で、Maghrebとして知られる埋葬がなされていたことが見いだされている。
 Macrobotanical残存物、食物残留物に、職業の痕跡があり、BP(年代測定)1万5千年から1万3千500年のことで、システマティックに、ドングリや松の実など野生植物採取・処理を行ってる。口腔病理検討によると、この時代に現代の先進国と同様の虫歯有病率を有し、51.2%というもの。発酵性糖質と、口腔内細菌叢病的変化は、この野生植物採取・加工との関わり合いで出現した。


HPVワクチンをめぐる日本の"失われた8年"と、私たちが検証すべきこと

「子宮頸がんワクチン」という呼び方に、以前から違和感があります。 HPVワクチンが子宮頸がん予防に重要であることは間違いありません。日本では女子への定期接種として導入され、子宮頸がん予防を中心に説明されてきたため、この名称が広まった経緯も理解できます。 しかし、このワクチンが...