2013年1月18日金曜日

Flublok : 昆虫内増殖による新しいインフルエンザワクチン FDA承認

FDA NEWS RELEASE
FDA approves new seasonal influenza vaccine made using novel technology
http://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm335891.htm

新しい技術の3価インフルエンザワクチン:Flublok

製造方法は、おそらく、“バキュロウイルスに目的遺伝子を組み込んだ後、昆虫細胞に感染させて目的タンパクを製造する系で、組み込む遺伝子の種類が変わっても生産条件を大きく変える必要がない、柔軟で効率的な製造技術”(http://www.umnpharma.com/project/technology.html)

昆虫ウィルス発現システムと組み込みDNA技術を利用したもので、季節性インフルエンザ18-49歳までが対象

鶏卵増殖では時間がかかるのに比べ、この技術によりインフルエンザ大流行時も即時大量生産可能と製薬会社側。

45mcgに用量設定し、比較対照試験ではすべてのインフルエンザウィルス株に対して44.6%程度の有効性
2500名のボランティアで安全性確認

HA抗原に対するワクチンのため従来のワクチンと根本的には変わらないため有効性に関しては従来通りの限界がある。

左室収縮機能不全:β遮断剤共有のクラス効果である



ガイドラインでは有症状心不全で、NYHA I以上、AHA/ACC分類StepB以上でβ遮断剤適応だが、今回、左室収縮機能不全患者に関して、多くのβ遮断剤共通の効果(class effect)あるかどうかの報告


Benefits of β blockers in patients with heart failure and reduced ejection fraction: network meta-analysis
BMJ 2013; 346 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.f55 (Published 16 January 2013


アテノロール(テノーミンなど)、ビソプロロール(メインテートなど)、ブシンドロール、カルベジロール(アーチスト)、メトプロロール(ロプレソールなど)、ネビボロールの21トライアルの異なるβ遮断剤の心不全への有効性システマティックレビューとメタアナリシス

総合解析にて、β遮断剤はプラシーボ・標準治療比較で、中央値12ヶ月での、死亡率ベネフィットが確実(オッズ比 0.69、0.56~0.80)

しかし、異なるβ遮断剤でのガチンコ比較では死亡リスク、心臓突然死、ポンプ機能不全による死亡、薬剤中止率に関して明らかな違いはない。

左室駆出率改善効果も個別薬剤毎でなく、同等。




日本の心不全ガイドライン(http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2010_matsuzaki_d.pdf)記載のβ遮断剤はカルベジロール、メトプロロール、ビソプロロール
ただ、心不全医療保険適応はカルベジロール、ビソプロロールのみで、後発品剤型によっては保険適応外なので注意が必要。

大規模症例対照研究:ビスフォスフォネート暴露と消化管がん関連せず

 2つの大規模プライマリケアデータベースに基づく症例対照研究(50歳以上、1997-2011)で、ビスフォスフォネート暴露は通常の胃腸がん(直腸結腸がん、食道がん、胃がん)のリスク増加と関連せず

Exposure to bisphosphonates and risk of gastrointestinal cancers: series of nested case-control studies with QResearch and CPRD data
BMJ 2013; 346 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.f114 (Published 16 January 2013)
Cite this as: BMJ 2013;346:f114




 基礎研究ではビスフォスフォネートは抗腫瘍作用の可能性があるが、胃腸系への副作用の可能性あり、粘膜刺激の上、潰瘍の原因となる可能性があり、がんとの関連性も否定出来ないということので確認研究らしい。
以下の報告があった
Cardwell CR, et.al. Esposure to oral bisphosphonates and risk of esophageal cancer. JAMA. 2010;304(6):657-663. doi:10.1001/jama.2010.1098 

Green J,  et al. Oral bisphosphonates and risk of cancer of oesphagus, stomach, and colorectum: case-control analysis within a UK primary care cohort.  BMJ 2010; 341 doi:  (Published 3 September 2010)

最近では以下の報告もある

女性では、ビスフォスフォネート処方で、食道癌リスク増加 2012/10/31
http://kaigyoi.blogspot.jp/2012/10/blog-post_31.html



上記報告だけで、結論づけするには早すぎると思う・・・



骨粗鬆症:ビスフォスフォネート製剤は5年程度で打ち止めにすべきだ ;"drug holiday"方針 2011年 09月 10日 http://intmed.exblog.jp/13545069/

骨粗鬆症治療:ビスフォスフォネート治療継続期間に関する意見 2012/05/10 http://kaigyoi.blogspot.jp/2012/05/blog-post_10.html



nestedコホート研究について
前向きコホート研究は、対象群を同定し、ベースラインにおいて対照群から標本やデータを抽出し、それらを時間的に前向きにフォローアップして行われる。この研究の利点は、事象と原因との時間的な関係を確立できること、暴露についての不完全なkい億による偏りを最小限にとどめることである。前向きコホートの欠点としては、研究対象のフォローアップを維持することが難しいことや、観察したい結果がまれにしか起きない場合の時間的な非効率性、などが挙げられる。前向きコホート研究のコストを抑える方法として、コホートを確立した後に行う実験解析の対象を、陽性の研究対象と、そえに見合った数の陰性の研究対象に限る方法がある。この種の研究デザインは、症例コントロール研究画コホートの入れ子になってることから、入れ子症例コントロールデザインと呼ばれる(Wacholder et. al. 1992)。
後ろ向きコホート研究は、現在に於ける研究対照群を同定した後、彼らの過去をさかのぼって追跡し絵行われる。この種の研究では、絶対リスク、相対リスクを評価することが可能で、また、前向きコホート研究と比べて容易に出来ることが多い。しかし、たとえば食事摂取など過去に起きた暴露を想い出す必要がある場合などに、後ろ向きコホート研究では偏りが生じうる。コホートがどのように確立したかによっては、コホート研究の結果を他の固体群一般化するのは難しいかもしれない。

(消化器癌 - 47 ページ - Google ブック検索結果 books.google.co.jp/books?isbn=4431712267 上西紀夫 - 2007 - Digestive organs)



2013年1月17日木曜日

高血圧中高年: 減塩による血管内皮機能障害回復効果

解説記事(http://content.onlinejacc.org/article.aspx?articleID=1388226#bib4)によれば、塩分制限により、収縮期血圧の変化と無関係に、conduit (上腕動脈及び微小循環)共に改善し、血管内皮機能改善をもたらし、in vivoで示された、

動脈内NO遊離増加、tetrahydrobiopterin (NOS酵素の必須cofactor)の生物活性回復、局所的動脈内酸化ストレス減少などをもたらす。これらが長期的に効果をもたらすかは今後の課題。


Dietary Sodium Restriction Reverses Vascular Endothelial Dysfunction in Middle-Aged/Older Adults With Moderately Elevated Systolic Blood Pressure
Journal of the American College of Cardiology Volume 61, Issue 3, 22 January 2013, Pages 335–343

中高年・収縮期血圧高値(SBP 130-159 mmHg)食事塩分制限で血管内皮障害改善し、生理学的メカニズムによるという・・・

17名の被験者(男性11名、女性6名、62±7歳)を、交差対照4週毎割り付け

減塩(DSR)、通常ナトリウム摂取

血管内皮機能 (endothelium-dependent dilation; EDD)、 nitric oxide (NO)/tetrahydrobiopterin (BH4) bioavailability、酸化ストレス関連メカニズムを考察

尿中ナトリウム排泄50%減少(70±30 mmol/日)

conduit (上腕動脈FMD [FMDBA]) 及びresistance (アセチルコリンによる前腕血流の変化 [FBFACh]) artery EDDは、減塩(DSR)により、それぞれ68%、42%増加(p<0 .005=".005" br="br">
低ナトリウムによりNOによるEDD(血管内皮機能)促進的に働き、それは、NO合成酵素発現/活性(Ser 1177 リン酸化)の状況の変化を伴わず、BH4生物活性 (BH4急激変化による ΔFMDBA)を回復し、EDDの tonic superoxide suppressionを阻害し(アスコルビン酸注入による ΔFMDBA 及び ΔFBFAChの低下)、循環血中のsuperoxide dismutase活性増加 (all p < 0.05)する。
これらの影響はΔSBPと独立している。
他の主観的特性/食事要素、血管内皮非依存拡張などは変化認めず。



減塩必ずしも善ではない: 減塩の効果影響 血圧減少するが ・・・ 交感神経系・RAS活性化、脂質特性悪化 2012/04/19

”なんでも減塩に対し疑問” 非高血圧:尿中ナトリウム排泄低下は心血管死亡リスク増加と関連  2011年 05月 05日


正常高値血圧もどきの場合の減塩の効果 2007年 08月 31日




2歳以降発症小児喘息:ADMA/Lアルギニン非対称性発現・NOSアンカップリング機序が重要 H25/01/16


アスコルビン酸による抗酸化酵素発現抑制作用
http://web.kyoto-inet.or.jp/people/vsojkn/journal/83-12iwama_dr.pdf



手術室危機状況対応チェックリスト :使用により対応プロセス改善・パフォーマンス改善




心停止や大量出血といった手術室クリーゼは、個別の医者にとっては稀な経験だが、大規模施設手術室では、コモンな出来事と冒頭に記載。対応成功に導くには困難で複雑。

この危機状況へのエビデンスに基づくベスト医療対応についてアドヒアランス向上のための、危機チェックリストを作成、これによるシナリオと記憶だけに基づくシナリオとの比較してシミュレーション

プライマリアウトカムは危機状況経過プロセスのアドヒアランス遵守性比較

Simulation-Based Trial of Surgical-Crisis Checklists
Alexander F. Arriaga, et. al.
N Engl J Med 2013; 368:246-253January 17, 2013
DOI: 10.1056/NEJMsa1204720

 17の手術室チームを106のシミュレーション手術危機シナリオ参加。

 救命ケアプロセスのアドヒアランス欠如はチェックリスト使用時のシミュレーションでは少ない(チェックリスト使用 6%  vs. 未使用 23%, P<0.001)

 チーム内クラスター考慮、施設、シナリオ、学習・疲労効果補正多変量モデルでも同様   (adjusted relative risk, 0.28; 95% 信頼区間, 0.18 ~ 0.42; P<0.001)

 どのチームも、危機チェックリスト使用時は、未使用に比べパフォーマンス良好

 手術施行時危機単独でも生じたならチェックリスト使用すべきと97%の被験者が述べている。


チェックリスト表紙

C. difficile反復感染:ドナー便注入で明らかな効果

C. difficile反復感染は治療困難で、抗生剤不応率も高い。

ドナー便十二指腸注入で効果ありの報告 。

Duodenal Infusion of Donor Feces for Recurrent Clostridium difficile
Els van Nood, et. al.
NEJM January 16, 2013DOI: 10.1056/NEJMoa1205037


ランダム割り付け3治療群比較
・ 初期治療バンコマイシン群(経口 500mg×4/日×3日間) → 腸洗浄及びドナーの便溶液を鼻十二指腸チューブで注入
・ 標準バンコマイシン治療 (経口 500mg×4/日×14日間)
・ 標準バンコマイシン治療+挑戦状

プライマリエンドポイントは、C.difficile関連下痢症・10週後再発無し

interim analysisでストップ

注入群 16名のうち、13名(81%)で、 初回注入後、C.difficile関連下痢症改善
のこり3名では、2度目の異なるドナーの便溶液注入で 2名改善。

C.difficile関連下痢症改善は、バンコマイシン単独群 4/13(31%)、バンコマイシン+腸洗浄群 3/13(23%)(注入群との比較 p<0.001)

注入群の、注入日の軽度下痢、腹部cramping以外副作用イベントの差認めず

ドナー便注入群では、便細菌多様性増加画見られ、健康者に類似し、Bacteroidetes、Clostridium cluster IV、XIVa増加、Proteobacteria属の減少が見られた。


心理的抵抗はあるが・・・

2013年1月16日水曜日

慢性運動コンパートメント症候群

誤診されやすい疾患

Practice; Easily Missed?
Chronic exertional compartment syndrome
BMJ 2013; 346  (Published 15 January 2013)
Cite this as: BMJ 2013;346:f33

http://www.bmj.com/content/346/bmj.f33


Stryker Intracompartmental Pressure Monitor.
http://www.stryker.com/en-us/products/OREquipmentConnectivity/GeneralMultiSpecialtyEquipment/PressureMonitors/IntraCompartmentalPressureMonitor/index.htm

 リクレーションでも、競技アスリートでも生じる下肢痛

"shin splints"(疲労性脛部痛) or "overuse"(使いすぎ)と医療機関で判断され、安静を支持される、安静しても症状は重症化、慢性化し、ランニング不可能となることさえある。


chronic exertional compartment syndrome (CECS)の診断は、

痛みが運動で生じ、8-12分後発症するが、時間は様々、運動をやめない限り痛みは運動で増強する。脛の愛息で発症し、足のしびれやチクチク感を足先端から付け根まで生じ、病変部分を堅く感じ、圧痛を生じる。安静で改善し、通常30分かかる。

疲労性脛部痛と腓骨部ストレス骨折が鑑別疾患として重要。
安静にしても改善しないのが特徴。

コンパートメント部の圧力増加が診断の根拠


局所麻酔にて 筋膜部に挿入し、トレッドミルで症状出現再現をみる
正常では10-12 mmHgの範囲内だが、CECSでは30-40mmHgを上まわり増加する

手術療法が行われ、いわゆる、 "Fasciotomy" (筋膜切開)


noteへ実験的移行

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