2019年6月4日火曜日

今更ながら、2018年コレステロール臨床実践ガイドライン AHA/ACC/多学会ガイドライン



2018 Cholesterol Clinical Practice Guidelines: Synopsis of the 2018 American Heart Association/American College of Cardiology/Multisociety Cholesterol Guideline
CLINICAL GUIDELINES
4 JUNE 2019
https://annals.org/aim/fullarticle/2734785/2018-cholesterol-clinical-practice-guidelines-synopsis-2018-american-heart-association






ASCVDリスク推定
https://www.acc.org/tools-and-practice-support/mobile-resources/features/2013-prevention-guidelines-ascvd-risk-estimator

Webバージョン → http://tools.acc.org/ASCVD-Risk-Estimator-Plus/#!/calculate/estimate/


このガイドラインは、ASCVDの生涯リスクを軽減するために、小児期から心から健康的なライフスタイルを支持するものです。
 2013年ガイドラインと比較していくつかの新機能が含まれています。二次予防のために、非常に危険性が高い患者はスタチン療法に非スタチン薬(エゼチミブまたはプロタンパク質転換酵素スブチリシン/ケキシン9型[PCSK9]阻害剤)を追加する候補者であるかもしれません。
一次予防では、スタチン治療について決定を下す前に、臨床医 - 患者リスクの議論を強く推奨します。
AHA / ACCリスク計算機は、最初に患者を4つのリスクカテゴリーに分類します。
 リスクが中程度の人々は、スタチン療法を開始する前に、臨床医 - 患者間の集中的なディスカッションを受ける価値があります。
中リスクの患者では、リスクを高める要因の特定と冠状動脈のカルシウム検査がスタチン使用の決定に役立ちます。
 2013年のガイドラインと比較して、新しいガイドラインは治療目標としての低密度リポタンパク質コレステロールの減少率と治療効果の長期モニタリングにもっと注意を向けています。
モニタリングを簡単にするために、空腹時以外の脂質測定が可能です。



非空腹時値 気になるので・・・

非空腹時脂質測定
Normal ranges for fasting and non-fasting triglyceride levels
The most up-to-date definitions of high triglycerides by the ACC and the American Heart Association (AHA) for adults are as follows:
  • Optimal: Less than 100 mg/dL or 1.1 millimoles per liter (mmol/L).
  • Normal: Less than 150 mg/dL or 1.7 mmol/L.
  • Borderline high: 150–199 mg/dL or 1.7–2.2 mmol/L.
  • High: 200–499 mg/dL or 2.3–5.6 mmol/L.
  • Very high: Greater than 500 mg/dL or 5.6 mmol/L.









Fasting and Nonfasting Lipid Levels
Influence of Normal Food Intake on Lipids, Lipoproteins, Apolipoproteins, and Cardiovascular Risk Prediction
Anne Langsted , et al.
https://doi.org/10.1161/CIRCULATIONAHA.108.804146
Circulation. 2008;118:2047–2056


空腹時レベルと比較して、

  • 総コレステロール、低密度リポタンパク質コレステロール、高密度リポタンパク質(HDL)コレステロール、およびアルブミンレベルは、最後の食事の3〜5時間後まで減少した。
  • トリグリセリドレベルは最後の食事の後6時間まで増加した。
  • 非HDLコレステロールレベル、アポリポタンパク質A1レベル、アポリポタンパク質Bレベル、HDLコレステロールに対する総コレステロールの比率、およびアポリポタンパク質A1に対するアポリポタンパク質Bの比率は、通常の食物摂取に応答して変化しなかった。

空腹時レベルからの通常の食物および水分摂取後の最大変化は、総コレステロールで-0.2 mmol / L、低密度リポタンパク質コレステロールで-0.2 mmol / L、HDLコレステロールで-0.1 mmol / L、およびトリグリセリドで0.3 mmol / Lであった。

非絶食性総コレステロール、非HDLコレステロール、低密度リポタンパク質コレステロール、アポリポタンパク質B、トリグリセリド、HDLコレステロールに対する総コレステロールの比、および非絶食性HDLコレステロールの最低対最高の三分位比アポリポタンパク質A1は、心血管イベントのリスクが1.7〜2.4倍増加すると予測した。

日本の小児肺高血圧心電図検診

心電図を利用した idiopathic or heritable (I/H)-PAH 検診

エディトリアルを読むと、研究者や関係者に敬意を表しつつも功利性からは疑問をもたれている日本独特の発想に基づく検診という評価のようだ


Detection of Pediatric Pulmonary Arterial Hypertension by School Electrocardiography Mass Screening
 Hirofumi Sawada , et al.
AJRCCM Vol. 199, No. 11 | Jun 01, 2019
https://doi.org/10.1164/rccm.201802-0375OC       PubMed: 30428270
https://www.atsjournals.org/doi/10.1164/rccm.201802-0375OC


一般小児への心電図ベーススクリーニング

2005-2012年日本に於ける3〜18ヶ月齢のI/H-PAH国内調査

検討 87例:年齢1−16歳
初めての心電図ベース検診年齢 6歳以上で診断 68名(78%)中

  • 心電図ベース検診による検出 28 (41%)  (screening group)
  • 症状による検出 (n = 37)と偶発的検出 (n = 3) 40 (59%) ( nonscreening group)

検診検出群では、非検診検出群に比べ、WHI class I/IIの比率高く (96% vs. 60%; P < 0.001)、血中BNP低く (149 ± 290 vs. 398 ± 559 pg/ml; P = 0.045),、6分間歩行距離も長いr (420 ± 109 vs. 327 ± 104 m; P < 0.001)

同等なのは、平均肺動脈圧 (58 ± 17 vs. 61 ± 17 mm Hg; P = 0.42) 、肺血管抵抗 (18 ± 8 vs. 21 ± 11 Wood units ⋅ m2; P = 0.24)

最終受診時epoporstenol注射比率は検診群で低い (14% vs. 50; P = 0.004)


エディトリアル一部翻訳
澤田らが、日本の学童の一般集団におけるI / H-PAHの検出に対する学校ECGベースの心血管スクリーニングプログラムの影響を調査している。小児における肺高血圧症(PH)のためのそのような大規模なECGスクリーニングプログラムはこれまで報告されていないので、著者、ならびに日本小児心臓学会は、この優れた独自の努力について称賛されなければならない。
この日本の心電図ベースのスクリーニングプログラムはアンケートと身体所見も含み、著者等はこのプログラムはI/H-PAH小児患者の軽度臨床症状(WHO分類の低い、6分間歩行距離が長い症例)で明らかな右室機能障害のない(血中BNP低値)だがPH(平均肺動脈圧:mPAPA 61± 17 mm HGで肺血管抵抗 18± 8 WU⋅ m2)という特異的サブグループ検出のプログラムと報告している。
そのため、I/H-PAHのサブセットの早期検出は日本国内全体の健康小児の心電図ベース・スクリーニングとして成功するPHスクリーニングとなりえるのだろうか?この目的のために構築されたものではない。仮にPAHターゲット治療が利用可能で、治療早期開始によりアウトカム改善するという仮説があるなら、兆候ある場合と比べてアウトカム改善するということになるだろう。しかし、現在の研究ではこの当初の熱意を冷ましている。本スクリーニングプログラムによって特定されなかった小児で観察されたものと同様の進行血管疾患を示した
RV肥大を検出するための心電図の感度は、使用される基準に応じて40〜60%であると報告されており、これは偽陰性結果の発生率を高めます。さらに重要なことに、RV肥大を検出するための心電図の特異性は90%以上であると報告されているが、小児I / H-PAHの推定発生率は0.5〜0.7症例/百万子供/年、低罹患率は事後テストベイズ分析の単純な関数として、PAHに対する心電図の正の予測値は必然的に低くなるだろう。




2019年6月3日月曜日

高流量式鼻カニュラ下の急性呼吸不全の予後指標 ROX指数

臨床活用としては簡便だし、有用性高いのでは?


An Index Combining Respiratory Rate and Oxygenation to Predict Outcome of Nasal High-Flow Therapy
 Oriol Roca , et al.
AJRCCM Vol. 199, No. 11 | Jun 01, 2019
https://doi.org/10.1164/rccm.201803-0589OC       PubMed: 30576221
Received: March 29, 2018 Accepted: December 20, 2018

意義:急性低酸素呼吸不全への高流量式鼻カニュラ high-flow nasal cannula (HFNC) 中の重大な懸念は挿管の遅れを生じさせないこと

目的:指標の診断正確性評価: 用語 ROXで、パルスオキシメータによる酸素飽和度/FiO2の呼吸回数で割った比率)でHFNCアウトカム(挿管必要性の有無)を検証

方法:2年の多施設前ムコ観察コホート研究、HFNC肺炎患者を含めた検討
HFNC失敗・成功予測するROX指数のCox比例ハザードモデリングを通した同定

測定・主要結果:validation cohortに関してHFNC191名、そのうち挿管必要 68名(35.6%)
時間経過後とROX指数予測正確性増加 (area under the receiver operating characteristic curve: 2 h, 0.679; 6 h, 0.703; 12 h, 0.759)

HFNC開始後 2時間測定、6時間測定、12時間測定で、ROX値 4.88以上なら挿管リスク減少と一致して関連 (ハザード比, 0.434; 95% 信頼区間 0.264–0.715; P = 0.001  0.304; 95%  信頼区間 , 0.182–0.509; P < 0.00  0.291; 95%  信頼区間 , 0.161–0.524; P < 0.001)

HFNC開始 2時間後 2.88未満、、6時間後3.47未満、12時間後 3.85未満ならHFNC失敗の予測要素となる

12時間においては、治療失敗では、ROX指数の増加乏しい



指数要素間において、パルスオキシメータ値/FiO2による酸素飽和度は呼吸回数より比重が大きい

結論:急性呼吸不全ありの肺炎HFNC治療患者では挿管リスクの高低判別にROX指数が使える
Clinical trial registered with www.clinicaltrials.gov (NCT 02845128).

コントロール不良2型糖尿病4剤経口投与下:ジャディアンス vs フォシーガ比較

韓国でのオープンラベル前向きコホート研究

経口血糖降下剤目一杯の4種類投与状況ってのは日常茶飯事
GLP-1注射やインスリンBOTさえ不承知のケースで良くあることで
自己注への拒否的態度はまぁありがちというかは自身に置き換えてもその恐怖や拒否的きも地はよく理解できる。

で、その4剤投与状況  quadruple oral antidiabetic agent (OADs) regimenでのSGLT2iクラス内ガチンコ比較




メトホルミン+SU剤(グリメピリド)+DPP4i使用 HbA1c 7.5-12.0%のレンジにある2型糖尿病患者
コントロール不良2型糖尿病(T2D)患者で初めて quadruple oral antidiabetic agent (OADs) regimenの一部として、エンパグリフロジン(ジャディアンス)とダパグリフロジン(フォシーガ)の安全性と有効性を直接比較
メトホルミン、グリメピリド、およびジペプチジルペプチダーゼ-4阻害剤を含む7.5〜12.0%の範囲の糖化ヘモグロビン(HbA1c)を有するT2D患者
患者は、エンパグリフロジン(25mg /日)またはダパグリフロジン(10mg /日)治療群のいずれかに分け
エンパグリフロジン(n = 176)およびダパグリフロジン(n = 174)の合計350人の患者登録

両群とも52週後にHbA1cおよび空腹時血漿グルコースの有意な減少を示したが、エンパグリフロジン群の減少はより大きかった。
両群とも血圧と体重の有意な減少を示し、高密度リポタンパク質コレステロール値はエンパグリフロジン群で増加した。全体的に見て、他の3つのOADで治療されたT2D患者では、SGLT2阻害薬は4番目のOADとして効果的に使用されるかもしれない。
特に、エンパグリフロジンは、HbA 1cの減少および他の心臓代謝パラメータの改善において、ダパグリフロジンよりも有効であった。しかしながら、両グループは同様の安全性プロファイルを示した。


Empagliflozin versus dapagliflozin in patients with type 2 diabetes inadequately controlled with metformin, glimepiride and dipeptidyl peptide 4 inhibitors: A 52-week prospective observational study
Eu Jeong Ku, et al.
diabetes research and clinical practice 151 (2019) 65–73
DOI: https://doi.org/10.1016/j.diabres.2019.04.008
https://www.diabetesresearchclinicalpractice.com/article/S0168-8227(18)31942-9/pdf







2型糖尿病・MI既往患者MACE及び心血管疾患死・心不全入院リスクの高い群でダパグロフロジンは概ねこれらのリスク軽減効果あり
Dapagliflozin and Cardiovascular Outcomes in Patients With Type 2 Diabetes Mellitus and Previous Myocardial Infarction
Subanalysis From the DECLARE-TIMI 58 Trial
Remo H.M. Furtado , et  al.
https://doi.org/10.1161/CIRCULATIONAHA.119.039996
Circulation. 2019;139:2516–2527
https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/CIRCULATIONAHA.119.039996


心血管リスクある患者においてフォシーガは有益ではあるのだろう

でも、目下、効果で選ぶなら、やはりジャディアンスということに・・・

2019年6月1日土曜日

安定COPD:長時間作用性気管支拡張剤の心血管アウトカム メタアナリシス・システミック・レビュー

安定COPDにおいてLABAs、LAMAsといった長時間作用性気管支拡張剤(ILAB)の心血管疾患への潜在的有害事象への影響検討のため、心血管総イベントとイベント毎検討

結論から言えば、

  • 全体的には包括的イベントとの関連性は認めない。
  • 薬剤毎に言えば、オロダテロールがOCAE(overall cardiovascular adverse events)リスク減少に関与の可能性、フォルメテロールが心虚血リスク減少の可能性
  • LABAは高血圧頻度低下の可能性あるも、心不全リスク増加の可能性



Relationship of inhaled long-acting bronchodilators with cardiovascular outcomes among patients with stable COPD: a meta-analysis and systematic review of 43 randomized trials
Li CX, Cheng WK, Guo J, Guan W
International Journal of Chronic Obstructive Pulmonary Disease
Volume 2019:14 Pages 799—808
DOI https://doi.org/10.2147/COPD.S198288



関連性のあるランダム対照化トライアル n=43解析にて、COPD患者に於ける吸入長時間作用性気管支拡張剤(ILABs)の特異的な心血管アウトカム、例えば、不整脈、心不全、卒中のリスクを評価

ILAB/プラシーボ評価のため、 pooled リスク比と95%信頼区間,CIs

安定COPD患者において、ILABsと全体の心血管疾患副作用イベント:Overall cardiovascular adverse events (OCAEs) の関連性リンク認めず




LABAの特異的薬剤評価層別化すると、総心血管副作用と心筋虚血は、オロダテロールとフォルメテロールでは減衰

LABAにおいて、高血圧頻度は減少するも、心不全リスクは増加の可能性
心不全病歴患者での使用に関しては注意が必要



Fatal cardiovascular adverse events (FCAEs)




薬剤毎の評価だが、信頼区間とP値の乖離 理解できてない






2019年5月31日金曜日

好酸球由来IL-13は気腫促進的に働く

GOLD2019からさらに好酸球比率の臨床的重要性が強調されることがある。

GOLD science committee report 2019
https://kaigyoi.blogspot.com/2019/05/gold-science-committee-report-2019.html

COPDに於る好酸球増加が喘息COPDオーバーラップと関連して説明されるのはしかたないのかもしれないが、COPDにおける好酸球比率・数に関する評価はあくまでもCOPDの話ということは前提!これを混同して解説される場合があるので困る。



Eosinophil-derived IL-13 promotes emphysema.
Doyle AD, Mukherjee M, LeSuer WE, et al.
Eur Respir J 2019; 53: 1801291.

気腫を引き起こす慢性気道疾患における炎症反応は完全には同定されてない。肺好酸球増加症がマウスモデルでの気腔拡大、およびCOPD患者における気腫の一因となると仮説。 
慢性type 2 肺炎症(I5 / hE2)のトランスジェニックマウスモデルを使用して、気腔拡大をもたらす好酸球依存性機序を調べた。
慢性気道疾患患者における好酸球増加症およびMMP-12レベルtranslational研究用にヒト痰サンプルを採取 
 
気腔拡大はI5 / hE2マウスで同定し好酸球依存性あり
 I 5 / h E 2気管支肺胞洗浄の検査では、気腫のメディエータであるMMP-12の上昇確認。
 in vitroで、好酸球由来のIL-13が肺胞マクロファージMMP-12産生を促進することを示した
  I5 / hE2マウスにおける気腔拡大は、MMP-12および好酸球由来のIL-4/ 13に依存していた。
  この実験結果と一致し、MMP - 12は、痰好酸球増加症およびCT上気腫エビデンスある患者で増加し、FEV1と負に相関
 
Type 2慢性肺炎症のマウスモデルは、MMP-12および好酸球由来のIL-4/13に依存する気道拡大を示した
慢性気道疾患患者では、肺好酸球増加症は気腫の予測因子であるMMP-12レベルの上昇と関連していた 
これらの知見は、これまで過小評価されていたメカニズム、好酸球が喘息とCOPDの病態共に関与していることを示唆している

喘息もCOPDも気道の慢性炎症性疾患で、肺機能経時的減少の炎症と好酸球の役割が、喀痰好酸球数 ( Broekema M, Volbeda F, Timens W, et al. Airway eosinophilia in remission and progression of asthma: accumulation with a fast decline of FEV1. Respir Med 2010; 104: 1254–1262. )、喀痰好酸球のhigh variablity ( Newby C, Agbetile J, Hargadon B, et al. Lung function decline and variable airway inflammatory pattern: longitudinal analysis of severe asthma. J Allergy Clin Immunol 2014; 134: 287–294. )、血中好酸球数増加 (Ulrik CS, Backer V, Dirksen A. A 10 year follow up of 180 adults with bronchial asthma: factors important for the decline in lung function. Thorax 1992; 47: 14–18.) が注目されつつある。

さらに、喘息では気道と血中好酸球の関連性(Schleich FN, Chevremont A, Paulus V, et al. Importance of concomitant local and systemic eosinophilia in uncontrolled asthma. Eur Respir J 2014; 44: 97–108.)知られているが、COPDでも重要な要素(Silva GE, Sherrill DL, Guerra S, et al. Asthma as a risk factor for COPD in a longitudinal study. Chest 2004; 126: 59–65.)である。

肺機能減衰もまた好酸球性炎症増加を示すCOPD患者において比較上多く観察(Hastie AT, Martinez FJ, Curtis JL, et al. Association of sputum and blood eosinophil concentrations with clinical measures of COPD severity: an analysis of the SPIROMICS cohort. Lancet Respir Med 2017; 5: 956–967.)され、COPDの3分の1が気道好酸球性炎症を示し(Bafadhel M, Pavord ID, Russell REK. Eosinophils in COPD: just another biomarker? Lancet Respir Med 2017; 5: 747–759. Schleich F, Corhay JL, Louis R. Blood eosinophil count to predict bronchial eosinophilic inflammation in COPD. Eur Respir J 2016; 47: 1562–1564.)、加速的肺機能減少はCOPDのみの特徴ではない。

多くのCOPD患者は気腫所見だけで無く、肺組織破壊をも含む。COPDにおいて、大気汚染物暴露後マクロファージと好中球が気道リモデリングを仲介するだけでなく、破壊ももたらす(Hautamaki RD, Kobayashi DK, Senior RM, et al. Requirement for macrophage elastase for cigarette smoke-induced emphysema in mice. Science 1997; 277: 2002–2004. Sharafkhaneh A, Hanania NA, Kim V. Pathogenesis of emphysema: from the bench to the bedside. Proc Am Thorac Soc 2008; 5: 475–477.)。


DOYLEらの発見は、in vitroにおいて好酸球由来IL-13が肺胞マクロファージ由来MMP-12産生促進し、肺胞破壊への役割を果たすことを示した。
これは気腔拡大はMMP-12と独立し、MMP-12は気腫を示す好酸球性COPD患者において増加し、喘息併存では好酸球性と非好酸球性の間に差が無いという知見であった。

 CHAUDHURI ら(Chaudhuri R, McSharry C, Brady J, et al. Sputum matrix metalloproteinase-12 in patients with chronic obstructive pulmonary disease and asthma: relationship to disease severity. J Allergy Clin Immunol 2012; 129: 655–663.)は、喘息疾患重症度と喀痰MMP-12濃度に有意相関無いが、 COPD患者の喀痰MMP-12はCT測定気腫広がりと直接相関していた。


汚染物質吸入患者での気腫発症に好酸球が重要な役割を果たすことは確実

喘息において好酸球性炎症がかなりの頻度で観られるわけだが、非喫煙者喘息では拡散能が温存される (Schleich F, Brusselle G, Louis R, et al. Heterogeneity of phenotypes in severe asthmatics. The Belgian Severe Asthma Registry (BSAR). Respir Med 2014; 108: 1723–1732. Schleich FN, Manise M, Sele J, et al. Distribution of sputum cellular phenotype in a large asthma cohort: predicting factors for eosinophilic vs neutrophilic inflammation. BMC Pulm Med 2013; 13: 11.)

喘息において、気腔拡大は気腫や肺胞の破壊そのものというより気道リモデリングへとつながるair trappingの徴候で(Gelb AF, Yamamoto A, Verbeken EK, et al. Further studies of unsuspected emphysema in nonsmoking patients with asthma with persistent expiratory airflow obstruction. Chest 2018; 153: 618–629.)


これらは気道壁破壊には好酸球性炎症に追加されるメカニズムが必要と考えられる。

大気汚染物質やタバコの煙の吸入後酸化ストレスを惹起し、MMP-12がたばこの煙により上皮から産生される(Lavigne MC, Eppihimer MJ. Cigarette smoke condensate induces MMP-12 gene expression in airway-like epithelia. Biochem Biophys Res Commun 2005; 330: 194–203.)

WOODRUFら(Woodruff PG, Koth LL, Yang YH, et al. A distinctive alveolar macrophage activation state induced by cigarette smoking. Am J Respir Crit Care Med 2005; 172: 1383–1392.)も、MMP-12が喫煙者で増加するも、喘息患者では増加せず、抗proteinase活性レベル低い状態で気腫を生じるものとした。
抗IL-5はCOPD患者では急性増悪減少という意味では比較的ベネフィット乏しい( Brightling CE, Bleecker ER, Panettieri RA, Jr. et al. Benralizumab for chronic obstructive pulmonary disease and sputum eosinophilia: a randomised, double-blind, placebo-controlled, phase 2a study. Lancet Respir Med 2014; 2: 891–901. Pavord ID, Chanez P, Criner GJ, et al. Mepolizumab for eosinophilic chronic obstructive pulmonary disease. N Engl J Med 2017; 377: 1613–1629.)

COPDにおける抗IL5や抗IL-13による長期治療が気腫発症予防という効果を有するかもしれないということを否定仕切れない。

DOYLEらの報告からの臨床的メッセージは好酸球性炎症を有するひとでの禁煙の重要性ということに今のところはなろうか!


COPDリハビリテーション:運動誘発酸素飽和度低下に酸素付加必要なし

COPDリハビリテーション時、酸素飽和度の低い患者では高強度の運動に耐用できない場合があり、医療者は運動誘発による低酸素飽和度を最小化に執着し、結果、トレーニング強度 and/or強制休息を挟むことを強要する傾向にある(実際、私が見聞きしている九州の某県の医療施設や介護施設などでは、介護職だけでなく、看護師や医師たちまでも ナゾの呪文である 「サーチ サーチ」と騒ぎながら 酸素を強要し、トレーニングを中断を強要させる行事が毎日のようにおこなわれる)

運動による酸素飽和度低下はCOPD患者ではほぼ半数の47%とこの論文の序文には記載あり、半数がfield walking testなどで90%未満の飽和度となる。

生理学的研究の運動急性暴露で等価運動負荷量での分時換気量減少と動的過膨脹の発生遅延化、関連する呼吸困難の遅延化などが運動能力増加をするということから酸素負荷にこだわる向きがあるのだろう。しかし現実の臨床診療上では酸素投与のprovisionを支持するエビデンスは限定的。今までの運動中の酸素投与と空気比較のランダム化研究ではサンプル数が少なく、長期酸素療法や酸素飽和度否定加群も含まれていて不均一なサンプルでの検討であった。

今回の研究は運動による酸素低下確認群での検討で、安静時酸素飽和度正常だが、運動による酸素飽和度低下症例で、リハビリテーション中の酸素付加の意義検討するには強いエビデンスが期待された研究



運動能力やHRQoLに関しては、酸素投与群と医療用空気投与群でその効果に関して差は無く、ともに改善し、酸素投与群でより大きなベネフィットを示すことはなかった


Oxygen compared to air during exercise training in COPD with exercise-induced desaturation
Jennifer A. Alison, et al.
European Respiratory Journal 2019 53: 1802429; 
DOI: 10.1183/13993003.02429-2018

COPDの呼吸リハビリテーションを受けている患者の約半数が運動中酸素飽和度低下。酸素投与にて酸素飽和度は緩和するが、運動トレーニングのアウトカムへの影響については積極的には評価されてない。この研究は運動トレーニング中の酸素付加が運動耐容能改善、HRQoL改善の点でmedical aireよりCOPD患者にとって有効かを決定する目的の研究

6分間歩行試験中酸素飽和度90%未満COPD患者をランダム化多施設トライアルへ登録(独立した目隠し割り付け)で、Oxygen group と Air groupへ割り付け、盲目的(登録者、運動トレーナー、European Respiratory Journal assessors)、ITT解析

各々の吸入群とも濃縮器より経鼻prongから 5L/分を運動トレーニング(トレッドミル、サイクル運動)週3回8週間施行中使用

プライマリアウトカム:ESWT(運動耐用シャトル歩行試験)時間とChronic Respiratory Disease Questionnaire (CRQ)-Total score

被験者 111名(男性 60名)、平均±SD 年齢 69± 7歳、中等度〜重症 COPD登録、97名完遂 (Oxygen group n=52; Air group n=45)

8週間トレーニングプログラム終了時点で、ESWT (平均差 15 s (95% CI −106–136 s) と CRQ-Total の変化(0.0 points (95% CI −0.3–0.3 points))に群間差無し

トレーニング終了時点でのグループ内の差はESWTとCRQ-Total)で有意に(all p<0.01)

運動能およびHRQoLは両群改善、medical air投与より酸素投与でトレーニングによるベネフィットが多いということはない

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HPVワクチンをめぐる日本の"失われた8年"と、私たちが検証すべきこと

「子宮頸がんワクチン」という呼び方に、以前から違和感があります。 HPVワクチンが子宮頸がん予防に重要であることは間違いありません。日本では女子への定期接種として導入され、子宮頸がん予防を中心に説明されてきたため、この名称が広まった経緯も理解できます。 しかし、このワクチンが...